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利益

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最終更新:

E26570 Japan GAAP

売上高

21.6億 円

前期

20.4億 円

前期比

105.6%

平均給与

310.4万 円

前期

350.1万 円

前期比

88.7%

平均年齢(勤続年数)

33.9歳(5.8年)

従業員数

95人


3 【事業の内容】

当社は、冷凍洋菓子(フローズンスイーツ)の企画、開発、生産及び販売を行っております。

なお、当社は、冷凍洋菓子事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

<冷凍洋菓子事業>

(1) 冷凍洋菓子(フローズンスイーツ)のコンセプト

当社は、生産から流通までを一貫して“冷凍のみ”にスコープし、「必要な時に必要な分だけが食べられる、廃棄の少ないエコなスイーツ」をコンセプトとして、次の特徴を有する製品の提供に努めております。

①  高品質「作り立ての味と品質を凍結(ギュッと閉じ込める)」

②  スリップ「目的のシーンまでタイムスリップ」

③  利便性「必要なときに必要なだけ食することができる」

④  ストック「長期保存が可能であるため、廃棄が少ない」

 

(2) HACCP対応の生産拠点(本社工場)と一気通貫した商品開発・生産体制

当社は、皆様へ安心・安全な商品のお届けを実現するために、HACCPに対応した工場設備と管理手法を導入しており、原材料の入荷から商品開発・製造・加工・出荷・納品までを一気通貫して行い、その全行程において、起こりうる危害を事前に予測し、その流れを重点的に監視・記録することで、不良製品の出荷を防ぐ、という取組みを行っております。

 

(3) 品質管理の徹底

当社工場内をHACCPに対応した、一般エリア、準清潔エリア、清潔エリアの3つの区域に区分して各エリア間の交差汚染を防止するため、場内圧力の管理や工場内の配置に留意した作業従事者の服装の色分けを行うなど、細心の注意を払い品質管理を徹底しております。こうして「食の安全」・「高い品質」を確保して、ユーザーの皆様へ安心・安全な商品をお届けしております。さらに、FSSC22000取得により、食品の安全な提供に関するリスクを低減するほか、業務の効率化、法令遵守の推進を進め、高品質な製品の供給に努めてまいります。

 

(4)商品ブランド

当社では、B to B向けの自社ブランド製品と、B to C向けの自社ブランド製品とで、戦略的にブランドを分けております。

 

ブランド

名称

コンセプト

※画像省略しています。

スイーツ・プロ

B to B向けブランド。

業務用製品は外食産業向けの用途で開発された製品であり、加工・調理面に配慮したプロ向け仕様の製品となります。そこで「プロ向け仕様」のコンセプトそのままに、業務用自社ブランドとして「SWEETS PRO」を運営しています。

※画像省略しています。

スイーツ・ストック

B to C向けブランド。

「Sweets Stock!」ブランド製品の終着駅は一般家庭や企業の冷凍冷蔵庫となります。日本中に広く普及した“身近な保管庫”である冷凍冷蔵庫から、“日常的”な楽しいシーンを演出できるよう、より多くの皆様に認知していただける“身近な売り場”の創設と普及を目指しております。

「冷凍スイーツ」は業務用用途として認知され広く普及してきたものの、一般消費者にはまだまだ馴染みがありません。しかしながら、一般家庭にも普及するインフラ自体は整っていることから、小売市場においても潜在需要は大きいと考えております。そこで、冷凍の特徴を活かしておいしさそのままに「これからのスイーツはストックできないと!」という新たな発想で運営しています。

 

 

(5) 事業の柱

当社は、冷凍洋菓子の製造販売を主体とする冷凍洋菓子事業の単一セグメントでありますが、業務用、宅配用、小売用、輸出の4つの販売チャネルそれぞれに向けたスイーツの企画開発・生産・販売に取り組んでおります。これらの販売チャネルに対して直接又は商社、卸売事業者等を通じてアクセスし、国内及び海外の消費者へ当社の商品を供給しております。

また、当事業年度からは、新たな事業展開として、ロイヤリティーによる収益の拡大に挑みました。2020年7月、タイ王国Srifa Frozen Foods Co.,Ltd.との間で業務提携契約を締結し、同社の工場に対して当社のレシピ・仕様書に基づいた技術提供を行っております。

さらに、一般消費者向け事業として新たに「SS戦略室」を設置し、2021年3月に新たな自社通販サイト「frozen cake 111」での販売をスタートする等、消費者に直接アプローチする活動を行っております。

販売チャネル別における事業内容および主な販売先は次のとおりであります。

 

区分

事業内容

主な販売先

業務用チャネル

自社企画開発品に加え、事業者との共同開発(OEM/ODM)も行っており、全国規模で店舗展開している、様々な業態のお店で取り扱っていただいております。また、当社が最も得意とする分野であります。

※OEM:納入先商標による受託生産、ODM:納入先商標による自社開発と生産

飲食店(カフェ、レストラン、ホテル、居酒屋、回転寿司など)

宅配用チャネル

家庭の食卓を彩る季節性・嗜好性の高いもの、添加物に配慮したもの、家庭用冷凍庫向けサイズ商品など、個人消費者が目的に合わせインターネットやチラシにより購入するコンセプトで商品を採用いただいております。また、事業体のご要望に合わせたPB商品(販売業者による企画ブランド品)の企画開発も行っております。

生活協同組合(コープ)

カタログ販売

大手ECサイト

食材宅配などの宅配業者

小売用チャネル

「Sweets Stock!」ブランドを掲げ、一部の小売店で採用いただいております。これから市場開拓が必要な分野ではありますが、冷凍スイーツ自体が広く認知され、新たな売り場を創設できるように、今後もチャレンジしてまいります。

スーパーマーケット

GMS(ゼネラルマーチャンダイジングストア)

CVS(コンビニエンスストア)

輸出チャネル

海外における食品、特にスイーツの「メイド・イン・ジャパン」は品質や味、管理方法ともに高い評価を受け、ニーズが高まっております。また欧米において冷凍スイーツは一般的な市場として存在し、成長著しいアジア諸国においてスイーツは豊かさを象徴するアイテムとして注目されています。海外向け製品は、特に乳や卵の配合・衛生管理基準が高く厳しい品質が求められているため、これらをクリアする製品の企画開発を行っております。

タイ王国におけるSrifabakery Co., Ltd. (スリファベーカリー社)や香港及びマカオにおける新華日本食品有限公司に対して、これらの法人を独占販売者とする販売業務提携の実績があり、こうした販売業務提携先と協業することにより、売上拡大に努めております。

海外小売店・飲食店

ロイヤリティー

タイ王国Srifa Frozen Foods Co.,Ltd.と提携し、当社のレシピ・仕様書に基づいた技術提供を行っております。現地で製造された商品の販売実績に応じたロイヤリティー収入を受領しております。

海外小売店

SSチャネル

個人消費者に直接的に製品を販売しております。「Sweets Stock!(これからのスイーツはストックできないと!)」をコンセプトに、冷凍スイーツ市場の活性化を推進しております。

自社通販サイト「frozen cake 111」(https://www.frozencake111.shop/)

 

 

 

[事業系統図]

当社の事業を事業系統図に示すと次のとおりであります。

 

※画像省略しています。
21/08/31

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度(2020年6月1日から2021年5月31日まで)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令など、経済活動に制限がかかる状況が続いており、ワクチン接種の広がりとともに経済活動の再開に希望があるものの、依然として先行き不透明な状況が続いております。

とりわけ、当社の冷凍洋菓子事業は需要の季節変動が大きく、毎年夏場にあたる第1四半期会計期間の売上高が低い一方で、第3四半期会計期間の12月が最需要期にあたります。

このような経営環境のなか、当社は4つの販売チャネルのそれぞれについて、新規の取引拡大に努めたほか、新たな事業展開としてタイ王国 Srifa Frozen Foods Co.,Ltd.との間で、当社のレシピ・仕様書提供に関する業務提携契約を2020年7月に締結しました。それにより、現地で製造された商品が当社のブランドで、タイ国内のセブン・イレブン全店舗において販売されました。

一方、費用面につきましては、継続して社員の熟練度向上の効果が現れているほか、IoT機器を活用して原材料の歩留まりや製品不良率をリアルタイムで計測および情報収集する等、「製造原価の見える化」を目指すプロジェクトを推進し、売上総損益の改善に努めました。また、緊急事態宣言下により県外への営業自粛や展示会の開催中止が続いたことで、経費支出の抑制に取り組みました。

以上の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

イ.財政状態

当事業年度末における資産合計は、前事業年度末と比べ95,173千円減少し、2,316,994千円となりました。

当事業年度末における負債合計は、前事業年度末と比べ227,285千円減少し、1,672,850千円となりました。

当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末と比べ132,111千円増加し、644,144千円となりました。

 

ロ.経営成績

当事業年度の経営成績は、売上高は2,158,819千円(前年同期は2,044,184千円114,634千円の増収、対前年同期比5.6%増)、営業利益は136,632千円(前年同期は65,305千円71,327千円の増益、対前年同期比109.2%増)、経常利益は119,498千円(前年同期は49,216千円70,282千円の増益、対前年同期比142.8%増当期純利益は132,130千円(前年同期は43,459千円88,671千円の増益、対前年同期比204.0%増)となりました。

なお、当社は冷凍洋菓子事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、販売チャネル別における動向は以下の通りであります。

 

販売チャネル別の動向

(業務用チャネル)

 昨年5月の緊急事態宣言解除後以降は外出を控える傾向や飲食店の休業によって、外食産業・大学生協などの業態で客足が遠のき、厳しい状況が続きましたが、政府によるGo to キャンペーンを転機に客足が徐々に戻り始め、例年並みの水準まで回復しつつあります。しかし、前年並みの回復までには至らず、業務用チャネルの売上高は1,242,849千円と前年同期と比べ106,630千円(7.9%)の減収となりました。

(宅配用チャネル)

コロナ禍以降、自宅での食事へ急速にシフトしていることから、生活協同組合(コープ)で全国的に組合員数が増加傾向にあり、売上は堅調に推移しております。その結果、宅配用チャネルの売上高は731,465千円と前年同期と比べ147,217千円(25.2%)の増収となりました。

(小売用チャネル)

スーパーマーケットにおける季節商品の売上獲得に至らず、小売用チャネルの売上高は22,218千円と前年同期と比べ10,866千円(32.8%)の減収となりました。

(輸出チャネル)

 主要な輸出先であります香港及び北米においても国内同様に、外出禁止措置やStay Homeの推奨等の影響からテイク・アウトによる内食需要が伸びており、これまでにない動きが見られました。その結果、輸出チャネルの売上高は149,257千円と前年同期と比べ71,883千円(92.9%)の増収となりました。

(ロイヤリティー)

 2020年7月、タイ王国Srifa Frozen Foods Co.,Ltd.との間で業務提携契約を締結後、同社の工場に対して当社のレシピ・仕様書に基づいた技術提供を行っており、現地で製造された商品の販売実績に応じたロイヤリティー収入を受領しております。セブン・イレブンをはじめとする小売店舗等で継続的に採用されたことで、ロイヤリティーによる売上高は13,030千円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して16,207千円増加し、297,048千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は248,595千円(前年同期は142,763千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益144,616千円、減価償却費119,105千円及びたな卸資産の減少66,235千円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は22,830千円(前年同期は9,251千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出22,870千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は209,557千円(前年同期は329,024千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出259,645千円、転換社債の償還による支出219,912千円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

イ.生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

冷凍洋菓子事業

1,405,898

91.7

合計

1,405,898

91.7

 

(注) 1.上記の金額は、製造原価によっております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

ロ. 受注状況

当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

ハ.販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

冷凍洋菓子事業

2,158,819

105.6

合計

2,158,819

105.6

 

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

三菱食品株式会社

348,865

17.1

409,121

19.0

株式会社日本アクセス

203,427

10.0

166,721

7.7

 

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載されているとおりであります。財務諸表の作成にあたりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは「第5経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績の分析

(売上高)

売上高は、前事業年度に比べ114,634千円増加し、2,158,819千円となりました。これは主に、国内外を問わず、新型コロナウイルス感染拡大を背景とした内食需要の伸張が影響し、宅配チャネル及び輸出チャネルの売上が堅調に推移したことによるものであります。

(営業利益)

営業利益は、前事業年度に比べ71,327千円増加し、136,632千円となりました。これは主に、継続して社員の熟練度向上の効果が現れているほか、IoT機器を活用した製造原価の低減による売上原価の改善が図られたうえ、緊急事態宣言下により県外への営業自粛や展示会の開催中止を背景に、経費支出の抑制に取り組んだことによるものであります。

(経常利益)

経常利益は、前事業年度に比べ70,282千円増加し、119,498千円となりました。これは主に、営業利益の増加によるものであります。

(当期純利益)

当期純利益は、前事業年度に比べ88,671千円増加し、132,130千円となりました。これは主に、営業利益が増加したことに加え、補助金収入によるものであります。

 

ロ.財務状態の分析
(流動資産)

当事業年度末における流動資産は、前事業年度末と比べ32,318千円減少し、836,789千円となりました。これは主に、売掛金が34,896千円増加したものの、商品及び製品が59,448千円減少したことによるものであります。

(固定資産)

当事業年度末における固定資産は、前事業年度末と比べ62,686千円減少し、1,480,204千円となりました。これは主に、建物の減少48,902千円、機械及び装置の減少19,274千円によるものであります。

(流動負債)

当事業年度末における流動負債は、前事業年度末と比べ398,382千円減少し、422,929千円となりました。これは主に、1年内償還予定の新株予約権付社債の減少219,912千円、短期借入金の減少150,000千円、買掛金の減少66,514千円によるものであります。

(固定負債)

当事業年度末における固定負債は、前事業年度末と比べ171,097千円増加し、1,249,920千円となりました。これは主に、長期借入金が170,900千円増加したことによるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産は、前事業年度末と比べ132,111千円増加し、644,144千円となりました。これは主に、当期純利益を132,130千円計上したことによるものであります。

 

ハ.当社の経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2事業等のリスク」をご覧下さい。

 

ニ.当社の資本の財源及び資金の流動性について

当社の主な資金需要は、原材料費、労務費、販売費及び一般管理費等に係る運転資金と、製造設備の更新・改修等に係る設備投資資金となっており、資金調達については主に金融機関からの借入により行っております。短期運転資金については、主に金融機関からの短期借入金を基本とし、設備投資や長期運転資金については金融機関からの長期借入金を基本としております。

 

ホ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社が重要業績評価指標と位置付けているEBITDAは255,425千円(前年同期は190,087千円65,337千円の増加、対前年同期比34.4%増)、EBITDAマージンは11.8%(前年同期は9.3%2.5ポイント上昇)となりました。

※EBITDA=営業利益+減価償却費等の非現金支出費用

※EBITDAマージン=EBITDA÷売上高