株式会社ヤクルト本社

ブランドなど:ヤクルトジョアミルミルタフマン
食料品飲料プライムTOPIX Mid400

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E00406 Japan GAAP

売上高

4,830.7億 円

前期

4,151.2億 円

前期比

116.4%

時価総額

1.02兆 円

株価

2,978.5 (04/19)

発行済株式数

342,090,836

EPS(実績)

148.03 円

PER(実績)

20.12 倍

平均給与

850.5万 円

前期

791.3万 円

前期比

107.5%

平均年齢(勤続年数)

42.5歳(18.7年)

従業員数

2,765人(連結:29,880人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社の企業集団は、当社、子会社71社および関連会社18社で構成されています。

主な事業内容と、当該事業に係わる位置づけは次のとおりです。

〔飲料および食品製造販売事業〕

①乳製品:

 当社が製造し、主に全国に所在するヤクルト販売会社107社(宮城中央ヤクルト販売㈱の子会社1社、㈱ヤクルト東海の子会社4社を含む。このうち、連結子会社は東京ヤクルト販売㈱他21社、関連会社は香川ヤクルト販売㈱他13社(持分法非適用)以下同じ)が販売しています。
 なお、製造にあたっては、製造工程の一部を㈱岩手ヤクルト工場他4社(連結子会社)に委託し、㈱ヤクルトマテリアル他1社(連結子会社)からは製造原材料の供給を受けています。

②清涼飲料:

 当社が商品を仕入れ、主に全国に所在する107社のヤクルト販売会社が販売しています。

③その他の食品:

 主なものは、麺類および健康食品であり、ヤクルト食品工業㈱他1社が製造し、主に当社を経由して全国に所在する107社のヤクルト販売会社が販売しています。

④輸送事業:

 連結子会社であるヤクルトロジスティクス㈱が、製商品の輸送事業を行っています。

⑤海外での事業:

 海外においては、中国ヤクルト㈱他26社(連結子会社)のほか、関連会社4社が乳製品の製造販売等を行っています。

⑥販売用資材等:

 販売用資材等は、連結子会社であるヤクルト商事㈱が仕入れ、当社を経由してヤクルト販売会社等へ販売しています。

 

〔医薬品製造販売事業〕

医薬品:

 当社が製造し、「医薬品卸し」をとおして「病院」「薬局」へ販売しています。

 

〔その他事業〕

①化粧品:

 当社が製造し、主に全国に所在する106社のヤクルト販売会社が販売しています。

②プロ野球興行:

 連結子会社である㈱ヤクルト球団が行っています。

 

 

以上に述べた事業の系統図は、次頁のとおりです。

 

 

事業の系統図

 

※画像省略しています。

 

23/06/22

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、景気の持ち直しが期待されてきたものの、世界的な金融引締め等による景気の下振れリスクや、物価上昇等による影響に十分注意を要する状況で推移しました。

このような状況の中で、当社グループは、事業の根幹であるプロバイオティクスの啓発・普及活動を展開し、商品の優位性を訴求してきました。また、長期ビジョン「Yakult Group Global Vision 2030」に立脚し、世界の人々の健康に貢献し続けるヘルスケアカンパニーを目指し、企業活動を推進し、業績の向上に努めました。

この結果、当連結会計年度の連結売上高は483,071百万円(前期比16.4%増)となりました。利益面においては、営業利益は66,068百万円(前期比24.2%増)、経常利益は77,970百万円(前期比13.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は50,641百万円(前期比12.7%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

 

・飲料および食品製造販売事業部門(日本)

乳製品につきましては、当社独自の「乳酸菌 シロタ株」や「ビフィズス菌 BY株」などの科学性を広く普及するため、新型コロナウイルス感染症の感染防止策を講じたうえで、地域に根ざした「価値普及」活動を積極的に展開しました。

宅配チャネルにおいては、乳製品乳酸菌飲料「Yakult(ヤクルト)1000」および「ヤクルト400」シリーズを中心に、エビデンスを活用し、お客さまに対する飲用促進を図りました。また、インターネット注文サービス「ヤクルト届けてネット」やウェブサイト等による情報発信を通じて、お客さまとの接点を強化しました。さらに、宅配組織の強化を図るため、ヤクルトレディの採用活動および働きやすい環境づくりを推進しました。

店頭チャネルにおいては、乳製品乳酸菌飲料「Newヤクルト」シリーズについて、SNSを活用したキャンペーンを実施したほか、家族での飲用促進を目的とした期間限定パッケージを導入しました。また、演出資材等を活用した視認性の高い売り場を展開することで売り上げの増大に努めました。

商品別では、「Yakult(ヤクルト)1000」および「Y1000」の需要の高まりに対応するため、それぞれ生産体制を増強しました。今後も、引き続き安定供給に向けた対応を進めていきます。また、ハードタイプヨーグルト「ソフール」について、ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社とのコラボレーション商品として、期間限定アイテム「ソフール レモン」を本年1月に発売するなど、ブランドの活性化を図りました。

一方、清涼飲料につきましては、原材料費の上昇および物流費・燃料費等の急激な高騰を受け、昨年11月に価格改定を実施しました。また、栄養ドリンク「タフマン」シリーズについて、消費者キャンペーンを実施するなど、売り上げの増大に努めました。

そのほか、東京ヤクルトスワローズのセントラル・リーグ優勝を記念し、応援していただいた皆さまに感謝の意を表すため、記念施策を実施しました。

このような取り組みを中心に販売強化に努めた結果、乳製品・清涼飲料ともに前期を上回る実績となりました。

これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(国内)の連結売上高は240,455百万円(前期比18.3%増)となりました。

 

 

・飲料および食品製造販売事業部門(海外)

海外につきましては、1964年3月の台湾ヤクルト株式会社の営業開始をかわきりに、現在29の事業所および1つの研究所を中心に、39の国と地域で主として乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」の製造、販売を行っており、本年3月の一日当たり平均販売本数は約2,991万本となっています。

また、新型コロナウイルス感染症の影響は、国・地域の感染拡大状況、各国政府・地方政府の方針、各種行政指導等により異なりますが、それぞれ対策を講じ、行政機関の指示に従い、営業・生産活動を行っています。

 

 ア.米 州 地 域

米州地域においては、ブラジル、メキシコおよび米国で「ヤクルト」などを製造、販売しています。

米国においては、広告活動等による販売支援を強化するとともに、積極的な新規開拓活動等により取引店舗数が増加した結果、販売実績は順調に推移しました。

その他米州地域では、宅配・店頭の両チャネルにおける販売体制の強化を図り、売り上げの増大に努めました。

これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(米州地域)の連結売上高は64,920百万円(前期比37.0%増)となりました。

 

 イ.アジア・オセアニア地域

アジア・オセアニア地域においては、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、インドおよび中国などで「ヤクルト」などを製造、販売し、アラブ首長国連邦(UAE)などでは「ヤクルト」などを輸入販売しています。

中国においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴うロックダウン等により、多くの地区で活動が制限され、売り上げに大きな影響を受けました。

ベトナムにおいては、宅配組織の拡充と取引店舗数の増大に努めるとともに、「価値普及」活動を推進した結果、販売実績は順調に推移しました。

これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(アジア・オセアニア地域)の連結売上高は140,465百万円(前期比9.6%増)となりました。

 

 ウ.ヨーロッパ地域

ヨーロッパ地域においては、「ヤクルト」などをオランダで製造し、同国を含め、ベルギー、イギリス、ドイツ、オーストリアおよびイタリアなどで販売しています。

同地域では、プロバイオティクスを普及するための活動に対する厳しい規制の中で、健康強調表示(ヘルスクレーム)の承認に向けた各種の取り組みを行うほか、健康志向の高まりを契機とした各国の市場特性に合った販売活動の展開により、持続的成長を目指しました。

一方、ロシア・ウクライナ問題の長期化に伴い、当社は、両国内で事業展開をしていないものの、引き続きヨーロッパ地域全体への影響について注視していきます。

これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(ヨーロッパ地域)の連結売上高は9,724百万円(前期比3.3%増)となりました。

 

 

・医薬品製造販売事業部門

医薬品につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、多くの施設で医療従事者に対して直接の面談ができない状況が継続していましたが、ウェブの活用等により、がんおよびその周辺領域に特化した当社製品等の啓発活動や適正使用を推奨する活動を推進しました。

当社の主力製品である抗悪性腫瘍剤「エルプラット」については、行政方針に沿って後発医薬品へ切り替える医療機関が増加傾向にあるものの、先発医薬品を開発した当社の強みである情報提供力を活かした活動を展開しました。

しかしながら、昨年4月に実施された薬価改定において大半の当社製品の薬価が引き下げられたことや、9月に日本セルヴィエ社と抗悪性腫瘍剤「オニバイド®」に関するプロモーション契約が終了したことにより、売り上げに影響を受けました。

これらの結果、医薬品製造販売事業部門の連結売上高は12,763百万円(前期比24.9%減)となりました。

 

・その他事業部門

その他事業部門には、化粧品の製造販売およびプロ野球興行などがあります。

化粧品につきましては、当社が創業以来培ってきた乳酸菌研究から生まれたオリジナル保湿成分「S.E.(シロタエッセンス)」の「価値普及」活動に重点をおき、お客さまの「内外美容」の実現と化粧品愛用者数の増大に努めました。

具体的には、乳酸菌生まれの保湿成分を配合したスキンケアシリーズ「ラクトデュウ」について、昨年11月に「ラクトデュウ S.E.ローション2」を新発売し、また「ラクトデュウ S.E.ミルク」をリニューアル発売するとともに、歌手の森高千里さんを起用したテレビCMを放映しました。加えて、本年1月には薬用保湿美容液「ベルフェ モイスチュア エッセンス」をリニューアル発売しました。

その結果、化粧品全体としては、ほぼ前期並みの実績となりました。

一方、プロ野球興行につきましては、ファンの皆さまのご声援を受け、東京ヤクルトスワローズが2年連続でセントラル・リーグ優勝および日本シリーズ進出を果たすことができました。また、神宮球場において入場制限が解除されたことに加え、各種ファンサービスの充実やさまざまな情報発信を行った結果、入場者数が増加しました。

これらの結果、その他事業部門の連結売上高は25,445百万円(前期比30.7%増)となりました。

 

当連結会計年度末の総資産は749,419百万円(前連結会計年度末比76,563百万円の増加)となりました。

純資産は545,496百万円(前連結会計年度末比60,561百万円の増加)となりました。主な要因は、自己株式を取得したものの、円安による為替換算調整勘定の増加および親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したためです。

また、自己資本比率は66.5%(前連結会計年度末比0.2ポイントの増加)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ39,763百万円増加し、190,489百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が前期と比較し、9,050百万円増加の78,529百万円となったこと等により、前期と比較し、13,122百万円の増加となりました。その結果、営業活動によるキャッシュ・フローは86,513百万円となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前期と比較し、主に固定資産の取得による支出の増加に加え、投資有価証券の売却による収入や、固定資産の売却による収入が減少したこと等により、支出額が7,148百万円増加しました。その結果、投資活動によるキャッシュ・フローは△19,024百万円となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に自己株式の取得による支出や配当金支払額の増加があったものの、借入金返済額の減少等により、支出額が624百万円減少しました。その結果、財務活動によるキャッシュ・フローは△44,531百万円となりました。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 ア.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

飲料および食品製造販売事業(日本)

196,120

23.8

飲料および食品製造販売事業(米州)

65,064

36.8

飲料および食品製造販売事業(アジア・オセアニア)

140,457

9.5

飲料および食品製造販売事業(ヨーロッパ)

9,644

2.1

医薬品製造販売事業

7,634

△18.5

その他事業

8,520

△21.1

合計

427,443

17.5

 

(注) 1 金額は販売価格によっています。

2 セグメント間の取引については相殺消去しています。

 

 イ.受注実績

当社グループは、受注生産は行っていません。

 

 ウ.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

飲料および食品製造販売事業(日本)

231,859

18.5

飲料および食品製造販売事業(米州)

64,920

37.0

飲料および食品製造販売事業(アジア・オセアニア)

140,465

9.6

飲料および食品製造販売事業(ヨーロッパ)

9,724

3.3

医薬品製造販売事業

12,763

△24.9

その他事業

23,337

34.1

合計

483,071

16.4

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しています。

2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しています。

 

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。

 

① 財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容

 ア.財政状態

当連結会計年度の自己資本比率は66.5%と前連結会計年度の66.3%から0.2ポイント増加しました。

非支配株主持分を含めた純資産額は、前期比12.5%、605億円増加しました。主な要因は、自己株式の取得があったものの、円安による為替換算調整勘定の増加および親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したためです。

また、当連結会計年度の自己資本利益率(ROE)は10.7%と前連結会計年度の10.6%から0.1ポイント増加しました。総資産経常利益率(ROA)は11.0%と前連結会計年度の10.5%から0.5ポイント増加しました。

有利子負債の短期借入金については、主に当社の返済により16億円減少しました。また、1年内返済予定を含む長期借入金についても、返済により53億円減少しました。この結果、有利子負債依存度(有利子負債÷総資産)は10.0%と前連結会計年度の12.0%から2.0ポイント減少しています。また、有利子負債対自己資本比率は15.0%と前連結会計年度の18.1%から3.1ポイント減少し、財政状態は依然として堅固な状態が続いています。

 

 イ.売上高

売上高は前連結会計年度から679億円増収(前期比16.4%増)の4,830億円となりました。飲料および食品製造販売事業部門(日本)では、371億円の増収(前期比18.3%増)、飲料および食品製造販売事業部門(海外)では、301億円の増収(同16.3%増)、医薬品製造販売事業部門では、42億円の減収(同24.9%減)、その他事業部門では、59億円の増収(同30.7%増)となりました。事業部門別の調整額控除前の売上高構成比は、飲料および食品製造販売事業部門(日本)が48.7%(前連結会計年度は47.9%)、飲料および食品製造販売事業部門(海外)が43.5%(同43.5%)、医薬品製造販売事業部門が2.6%(同4.0%)、その他事業部門が5.2%(同4.6%)となっています。飲料および食品製造販売事業部門(日本)が増収となった主な要因は、「Yakult(ヤクルト)1000」、「Y1000」の販売本数が増加したためです。また、飲料および食品製造販売事業部門(海外)が増収となった主な要因は、円安による為替換算のプラス影響等があったためです。医薬品製造販売事業部門が減収となった主な要因は、薬価改定の影響が大きかったためです。

また、日本からの輸出を含めた海外売上高は前連結会計年度から17.2%増の2,193億円となり、海外売上高比率は45.4%と前連結会計年度の45.1%から0.3ポイント増加しました。

 

 ウ.売上原価、販売費及び一般管理費およびその他収益(費用)

売上原価は1,945億円となり、前連結会計年度から16.7%増加しています。売上総利益は2,884億円となり、前連結会計年度に比べ16.1%増となりました。売上高売上総利益率は59.7%と前連結会計年度の59.8%から原材料高騰の影響もあり、0.1ポイント減少しました。

販売費及び一般管理費は2,224億円と前連結会計年度から271億円増加しました。主な要因は、飲料および食品製造販売事業部門(海外)で円安による為替換算の影響による増加、飲料および食品製造販売事業部門(日本)を中心に人件費の増加があったためです。

この結果、営業利益は660億円と前連結会計年度から128億円の増益(前期比24.2%増)となりました。事業部門別の調整額控除前の営業利益構成比は、飲料および食品製造販売事業部門(日本)が56.9%(前連結会計年度は41.5%)、飲料および食品製造販売事業部門(海外)が41.8%(同55.7%)、医薬品製造販売事業部門が△0.2%(同3.9%)、その他事業部門が1.5%(同△1.1%)となっており、増益であった飲料および食品製造販売事業部門(日本)の構成比が大幅に増加しました。

営業外収益は142億円と前連結会計年度から25億円減少しました。主な要因は、受取利息が増加したものの、持分法による投資利益および為替差益が減少したことによるものです。

営業外費用は23億円と前連結会計年度から9億円増加しました。

特別利益は42億円と前連結会計年度から0億円減少し、特別損失は36億円と3億円増加しました。

税金費用は前連結会計年度から24億円増加しました。

 

 

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は506億円と前連結会計年度から57億円の増益(前期比12.7%増)となりました。売上高当期純利益率は10.5%と前連結会計年度の10.8%から0.3ポイント減少しました。

 

 エ.為替の影響

為替レートの変動による影響は、当連結会計年度の売上高では297億円の増収、営業利益では53億円の増益と試算されました。ただし、この試算は、在外子会社の現地通貨建ての売上高、売上原価、販売費及び一般管理費に、前連結会計年度の各在外子会社における期中平均レートを適用して算出したものであり、為替変動に対応した販売価格等の影響は考慮していません。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報

 ア.資金調達および資金の主要な使途

当社グループは事業活動の維持拡大に必要な資金を確保するため、内部資金および金融機関からの借入を活用しています。

当社においては安定的、効率的に資金調達を行うため、国内金融機関6行と総額600億円の貸出コミットメント契約を締結しています。国内子会社については、主として資金調達をグループのキャッシュ・マネジメント・サービスを活用することにより、資金調達の一元化および効率化を図っています。結果として当連結会計年度末の有利子負債(長期・短期借入金)の9割以上が当社による調達となっています。

また、保有資金については、主に事業拡大のための設備投資、新商品開発のための研究開発および株主還元に活用しています。

 

 イ.資金の流動性

当社グループは事業活動を円滑に行うため、安全性、安定性を考慮し手許資金を確保しています。当連結会計年度末の短期有利子負債523億円に対し、現預金は2,411億円となっており、流動性において十分な安全性を確保しています。また、余資については、安全性の高い短期的な預金等に限定して運用し、資金運用を目的とした投機的な取引は行わない方針です。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたっては、作成時点で入手している情報に基づき、合理的と考えられる見積りおよび仮定を用いていますが、見積り特有の不確実性があるため実際の結果は異なる可能性があります。
 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。 

 

④ 経営方針・経営戦略の達成状況

当連結会計年度は、連結売上高4,830億円(連結売上高予想4,810億円に対して20億円の増)、連結営業利益660億円(連結営業利益予想640億円に対して20億円の増)となりました。

中期経営計画の2年目としては、前期と比較して連結売上高は679億円増(16.4%増)、連結営業利益は128億円増(24.2%増)と順調に推移し、それぞれ2024年度の計画を前倒しで達成しました。これは、国内における「Yakult(ヤクルト)1000」「Y1000」を中心とした高付加価値商品の販売数量増や、海外における為替円安などが影響したと考えられます。

今後も、世界経済の先行き見通しへの不安からくる消費低迷の可能性等、外部環境の厳しさはありますが、「Yakult(ヤクルト)1000」をはじめとする日本国内での高付加価値商品の販売拡大や海外における市場深耕・事業展開拡大など、当社の企業理念に基づき、長期ビジョン「Yakult Group Global Vision 2030」の戦略展開を推進していきます。