株式会社ラクーンホールディングス

ブランドなど:スーパーデリバリーPaid
卸売業ネット通販プライムTOPIX Small 2

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E05563 Japan GAAP

売上高

53.2億 円

前期

47.9億 円

前期比

111.1%

時価総額

145.2億 円

株価

653 (04/25)

発行済株式数

22,235,143

EPS(実績)

30.08 円

PER(実績)

21.71 倍

平均給与

629.2万 円

前期

636.2万 円

前期比

98.9%

平均年齢(勤続年数)

33.3歳(6.9年)

従業員数

93人(連結:214人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 

 当社は持株会社として当社グループの経営管理を担当しております。当社グループの経営戦略の策定及びグループ内の経営資源の適正配分の実施によるグループシナジー効果の最大化を推進しております。

当社グループは当社と子会社3社で構成され、「企業活動を効率化し便利にする」を経営理念とし、現在は企業間取引分野での事業展開を行っておりますが、常に事業相互間でのシナジー効果ないしはリソースの共有を意識した事業展開を行うことを基本方針としております。「EC事業」、「フィナンシャル事業」の2つを報告セグメントとしており、サービス内容は以下のとおりです。

なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 

(1)EC事業

 EC事業は、アパレル及び雑貨を取り扱う企業間取引(BtoB)サイト「スーパーデリバリー」の運営、および企業間取引(BtoB)における受発注をインターネット上で一元管理できるクラウド型受発注システム「COREC」の運営を行っております。

①スーパーデリバリー

 スーパーデリバリーは、アパレルメーカー・雑貨メーカーである出展企業がサイトに掲載した商品を会員企業が購入するショッピングモール型のBtoBサイトです。メーカーが直接取引をするのが難しい中小規模企業に対する卸売を安心かつ効率的に行えるサービスです。国内向けサイトと海外向けサイト(SD export)の2つのサイトを主軸に運営し、加えて、海外は一部の国においてローカライズしたサイトを開設しております。

ⅰ.国内向けサイト

中小規模小売店は販路拡大を考えるメーカーにとって魅力的なマーケットであるものの、(イ)小売店の信用リスクが比較的高い、並びに(ロ)売上規模の割に営業コストと管理コストがかかる、という問題があるため必ずしも積極的に販路拡大ができないのが現状であると考えております。

スーパーデリバリーでは、当社グループが会員小売店を集客、審査をしており、かつ、出展企業が会員小売店に対する与信リスクを回避するための仕組みを提供しているため、出展企業は、上記の問題を抱えずに中小規模小売店への新規販路拡大が可能になります。また、出展企業は、既に取引を行っている中小規模小売店を当社グループの運営するサイトでの取引に切り替えることで取引の効率化が可能になります。

会員小売店は当社グループの運営するサイトを利用することで上記(イ),(ロ)の理由により従来取引が難しかったメーカーと取引を行うことが可能になります。さらに、多数の出展企業の多様な商品情報の入手や、事務管理コストや仕入れのための交通費等のコスト削減等、効率的な仕入れが可能になります。

国内向けサイトは、当初、アパレルメーカー・雑貨メーカーと小売店を繋ぐ卸・仕入れサイトとして始まりました。事業規模の拡大とBtoBにおけるEC市場の普及とともに、海外事業者及び国内の小売業以外の事業者からの仕入れニーズの高まりを受け、現在は、ターゲットを従来からの国内の小売店だけではなく、国内の小売業以外の事業者及び国内に受取拠点を持つ海外事業者にも拡大しております。

スーパーデリバリーでは、会員小売店から月会費を徴収しているほか、流通額に応じたシステム利用料を出展企業から徴収しております。なお、国内の小売業以外の事業者及び国内に受取拠点を持つ海外事業者からは月会費を徴収しておりません。

ⅱ.海外向けサイト(SD export)

海外販売は市場規模が大きいことからメーカーにとって魅力的なマーケットであります。しかしながら、中小メーカーは、海外販売に必要な手続きや販路開拓のためのノウハウが少ないことがハードルとなり躊躇しているのが現状であると考えております。

SD exportでは、当社グループが輸出者となるため出展企業は輸出に必要な一連の手続きをする必要がなく、当社グループが指定する倉庫に商品を出荷するだけで、海外の小売店・企業に商品を販売することができます。また、代金の回収については、国内向けサイト同様、出展企業が会員小売店に対する与信リスクを回避するための仕組みを提供しているため、出展企業は、上記の問題を抱えずに海外への販路拡大が可能になります。

海外の会員小売店は、サイトを利用することで、国内に拠点を持たず免税での仕入れが可能になります。海外向けサイトでは、会員小売店から月会費を徴収しておりません。流通額に応じたシステム利用料を出展企業から徴収しております。

 

 

②COREC

企業間取引に必要な発注書や見積書をインターネット上で送受信し一元管理できるツールです。機能を受発注に絞り込みシンプルな仕組みにしており、業種や企業規模にとらわれず事業者であれば誰でも利用することができます。事業者はサービスの利用により、受発注業務をクラウド化することで、特別なソフトウェアの購入やインストールの必要なく、安価かつ簡易に行うことができます。なお、発注側のバイヤーにおいては、CORECを利用していないサプライヤーに対しては、COREC上からEメールやFAXを送信し、発注業務を行うことも可能になっており、サプライヤーの環境に応じて発注方法を使い分けることができます。CORECでは、サプライヤー・バイヤー共に無料プランで利用を開始でき、特定の機能を利用したいタイミングで有料プランへと申込を行ってもらい、月会費を徴収します。

 

(2)フィナンシャル事業

 フィナンシャル事業は売掛保証、家賃保証、決済代行で構成されております。

 

①売掛保証

 企業間取引で発生した売掛金が未回収になった時に取引先に代わって売掛金を支払う売掛保証サービス「URIHO」を提供しております。販売側企業は、取引先に対してあらかじめ売掛保証をかけることで、未回収リスクを負わず、安心して取引を拡大できます。サービスを利用することで取引先の与信判断に時間を割くことも、取引を迷うこともなくなります。また、取引先には保証をかけていることを知らせずに利用できます。

 企業は、商取引を行う際、取引先企業に対する与信リスクが発生いたします。与信リスクの回避には、取引先企業の与信管理が重要になりますが、自社で管理するには、与信管理業務はコスト負担が重く、さらに、取引先企業の売掛債権が倒産等により未回収となる可能性もあるため、企業は慎重にならざるを得ず、積極的に取引先の拡大を実施したくても、なかなか難しいのが現状です。「URIHO」は、販売側企業が保証契約を締結することで、企業の取引先の売掛債権に回収不能が発生した場合において、あらかじめ設定した支払限度額を上限に保証金額を支払うサービスであります。当該サービスの利用により、保証契約を締結した企業は、貸し倒れリスクの排除が可能になり、また同時に、与信のアウトソーシングと債権回収業務を削減することができます。取引先企業に対する信用リスクを最小化できるこ

とで、企業は、取引の活性化を実現することが可能になります。

 当該サービスは、特に中小企業に対する売掛債権保証を強みとしていることから、取引先に中小企業を多く抱える企業に利用されていることも特徴です。

 なお、「URIHO」は、オンライン完結型の売掛保証サービスです。申込みから与信審査、保証の請求に至るまですべての手続きをインターネット上で行うことで当社グループの業務を効率化し、同時に利用する販売側企業の利便性を高め、売掛保証のサービス提供を可能にしております。業界初の「定額制・保証かけ放題」を実現しており、販売側企業から、利用プランごとに設定した月会費を徴収しております。プランごとに保証額の上限が設定されておりますが、その枠の中であれば何社でも保証をかけることが可能です。

 

②家賃保証

 家賃保証は不動産物件において、入居者の保証人となり賃料滞納が発生した場合に入居者に代わって家主(オーナー)に賃料及び訴訟費用を支払うサービスです。具体的には、家主と入居者で賃貸借契約、家主と当社で賃貸保証契約、入居者と当社で保証委託契約と三者間契約を締結することで、入居者が賃料を滞納した場合において、家主に対し代位弁済を行うサービスであります。当該サービスの利用により、家主は賃料滞納リスクの排除が可能になることで、不動産物件をスムーズに入居者に貸し出すことが可能になります。また、当該サービスでは訴訟費用の支払いも対象としているため、訴訟となった場合に発生する費用も抑えることが可能になります。

 家賃保証では、入居者から保証委託料を徴収しております。保証料はプランによって異なり、初回の保証期間満了後は、更新保証委託料を支払うことで保証期間も更新となります。

 当社グループでは、住宅確保要配慮者など様々な入居者に対応できる強みを持つ「居住用家賃保証」と売掛保証で培った中小企業の与信ノウハウを生かした事務所や店舗などの事業用途の不動産物件を取り扱う「事業用家賃保証」の2種類を提供しております。

 

③決済代行

 企業間取引で発生する「請求書発行」から「代金回収」まですべてを代行するサービス「Paid」を提供しております。企業間取引は掛売りでの決済が商慣習となっておりますが、企業は取引先から掛売り決済を望まれても、請求にかかる手間、コストや回収リスクを考えると、簡単には実現できないのが実情です。Paidが販売側企業(=加盟企業)とその取引先企業(=Paidメンバー)の間に入り、与信管理から代金回収業務までをすべて代行し、未回収が発生した際もPaidが100%代金を支払うことで、企業は取引先に対する面倒な業務作業や回収漏れの負担がなくなり、初回の取引から安全でスピーディーな掛売り取引が実現できます。一方で、購入側であるPaidメンバーも初回から「掛売決済」にて取引が実現されることで、キャッシュ・フローが大幅に改善するメリットがあります。

 また、Paidは、企業間取引で発生する決済であれば、業種や企業規模にとらわれず利用できることに加え、オンライン取引、オフライン取引のどちらにも対応できることもサービスの強みです。

 Paidでは、取扱高に応じた保証料を加盟企業から徴収しております。

 

 当社グループの主な事業の内容とセグメントとの関係は以下の通りです。

 

セグメント名称

サービス

運営会社

EC事業

「スーパーデリバリー」

アパレル・雑貨を取り扱う企業間取引(BtoB)サイト

・国内向けサービス

・海外向けサービス

(株)ラクーンコマース

「COREC」

クラウド型受発注システム

(株)ラクーンコマース

フィナンシャル事業

「URIHO」

オンライン完結型「定額制・保証かけ放題」の売掛金保証サービス

(株)ラクーンフィナンシャル

「居住用家賃保証」

居住用の不動産物件の家賃保証を提供するサービス

(株)ラクーンレント

「事業用家賃保証」

事務所、店舗等、事業用途の不動産物件の家賃保証を提供するサービス

(株)ラクーンレント

「Paid」

企業間取引で発生する請求書の発行から代金回収までをすべて代行する決済代行サービス

(株)ラクーンフィナンシャル

 

 

※画像省略しています。

 

 

23/07/28

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は以下のとおりであります。

①財政状態の状況

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より1,117,832千円増加して15,178,663千円になりました。流動資産は、1,183,357千円増加して12,979,819千円になりました。増加の主な要因は、取引の増加に伴い売掛金が827,583千円増加したことによるものです。固定資産は、65,525千円減少して2,198,843千円になりました。減少の主な要因は、のれんの減損損失の計上等により62,782千円減少したことによるものです。

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末より1,053,417千円増加して9,749,659千円になりました。流動負債は2,073,148千円増加して9,702,724千円になりました。増加の主な要因は、取引の増加に伴い買掛金が1,090,571千円増加したことと、1年内返済予定の長期借入金が841,664千円増加したことによるものです。固定負債は1,019,731千円減少して46,935千円になりました。減少の主な要因は長期借入金が返済及び1年内返済予定の長期借入金への振替により1,020,000千円減少したことによるものです。

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末より64,414千円増加して5,429,003千円になりました。増加の主な要因は、配当金の支払い423,594千円の計上と親会社株主に帰属する当期純利益668,803千円の計上により利益剰余金が245,208千円増加と、新株予約権の行使により資本金と資本剰余金が合計で16,098千円増加したものの、自己株式の消却により、その他資本剰余金が262,037千円減少したことによるものです。

 

②経営成績の状況

 当連結会計年度(2022年5月1日~2023年4月30日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が継続する中、社会経済活動の制約が徐々に解除され正常化に向かい始めました。個人消費も回復傾向となり景気の持ち直しが期待される一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、世界的な金融引き締めに伴う景気の下振れ懸念、円安を背景とした資源・原材料価格の高騰等の影響により引き続き不透明な状況が続いております。

 このような状況の中、当社グループでは、次の成長へ向け、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画を推進しております。中期経営計画では、「広さを深さに~LTVの向上によるサステナブルな事業成長へ」をテーマに掲げ、コロナ禍で増加した会員を強固な顧客基盤に育てるために既存の事業に投資を集中しLTV(Life Time Value)を高めることでサステナブルな事業成長を目指します。

 当連結会計年度は、物価高騰による消費者の消費意欲減退の懸念がある中、社会経済活動の制約が徐々に解除され、ようやく本格的に正常化に向けて動き出しました。当社グループのサービスの需要環境の良化は継続しており、販促投資強化の施策の効果も加わった結果、EC事業、フィナンシャル事業ともに増収となりました。この結果、当連結会計年度における売上高は5,320,983千円(前期比11.1%増)となりました。

 費用面におきましては、戦略的投資により、EC事業、フィナンシャル事業ともに広告宣伝費・販売促進費が前期比22.7%増、人件費が前期比12.8%増となりましたが、売上高の順調な増加により、営業利益1,193,227千円(前期比6.0%増)、EBITDA 1,310,572千円(前期比3.3%増)、経常利益1,225,968千円(前期比8.0%増)となりました。なお、ソフトウエア及びソフトウエア仮勘定の減損損失80,145千円の他、のれんの減損損失52,998千円を特別損失に計上しております。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益668,803千円(前期比88.6%増)となりました。

 

 セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

 

ⅰ.EC事業

 EC事業の主力事業である「スーパーデリバリー」は、購入客数の成長維持と客単価の向上により流通額を増加させることに取り組んでおります。当連結会計年度におきましては客単価向上を目的としたポイント・クーポンなど販促活動を強化いたしました。

 当連結会計年度につきましては、国内の外部環境は、コロナ禍における社会経済活動の制約が徐々に解除され正常化に向けて進みつつある状況です。対面による個人消費の持ち直しの動きが見られ、加えて海外からの渡航制限の解除も進みインバウンド需要も回復し始めております。厳しい経営環境が続いていた小売業以外の事業者、特に飲食業を中心に回復傾向が顕著にでており購入客数、客単価ともに順調に増加し、国内の流通額の増加に寄与いたしました。一方で、国内流通額の構成比が高い国内小売店は、大手百貨店や大手アパレルメーカーの業績の回復が顕著になっている中、スーパーデリバリーの国内小売店に多い中小小売店については業績回復に遅れが出ている影響で、客単価の増加ペースが抑制されました。この結果、国内流通額は前期比9.1%増となりました。

 海外は、香港を除くアジア圏の流通額の成長が回復傾向となっており、これに加え、注力地域であるアメリカの流通額も順調な成長を継続しております。この結果、海外流通額は前期比11.8%増となり、当連結会計年度の「スーパーデリバリー」の流通額は23,823,038千円(前期比9.8%増)となりました。

 なお、当連結会計年度末における「スーパーデリバリー」の会員数は332,426店舗(前期末比54,207店舗増)、出展企業数は3,127社(前期末比44社減)、商材掲載数は1,479,071点(前期末比47,871点増)となりました。

 この結果、EC事業の売上高は3,165,319千円(前期比7.3%増)になりました。費用面においては、ポイント、クーポンなど販促活動を強化しているため広告宣伝費・販売促進費は前期比27.0%増となりましたが、販管費の増加が抑制された結果、セグメント利益は1,277,699千円(前期比8.4%増)となりました。

 

ⅱ.フィナンシャル事業

 「Paid」におきましては、加盟企業の積極的な獲得を継続するとともに、加盟企業単価を向上させることに取り組んでおります。決済業務のアウトソーシング需要は継続しており、加盟企業数、稼働企業数ともに順調に増加いたしました。加えて、経済活動のリオープニングによる影響で加盟企業単価が向上したことで取扱高は順調に増加し、グループ外の取扱高は31,114,626千円(前期比21.5%増)、全体の取扱高(グループ内の取扱高10,591,400千円を含む)は、41,706,027千円(前期比20.4%増)となりました。

 「保証」におきましては、2022年5月に「T&G売掛保証」を「URIHO」に統合いたしました。「URIHO」では契約社数を増やすことにより保証残高を増加させ、売上高成長に繋げることに取り組んでおります。経済活動のリオープニングにより景気が回復基調となる中、コロナ禍に実施した資金繰り融資の返済開始と不透明な経済情勢が継続していることで、サービスの需要環境は良好な状態が継続しており「URIHO」の契約企業数は順調に増加し、保証残高も順調に積みあがりました。

 「家賃保証」におきましては、引き続き、事業用家賃保証、居住用家賃保証ともに不動産会社に対する知名度向上に取り組みました。

 当連結会計年度末の保証残高は、108,910,022千円(株式会社ラクーンフィナンシャル分43,933,285千円、株式会社ラクーンレント分64,976,737千円)と前期末比12.2%増になりました。この結果、フィナンシャル事業の売上高は2,431,359千円(前期比17.2%増)となりました。費用面においては、与信審査基準の緩和を継続していることで売上原価率が若干上昇しておりますが、審査水準の適切な管理により、概ね新型コロナウイルス感染症拡大前の適切な水準に近づいてきている認識です。なお、広告宣伝費は引き続きプロモーションを強化している影響で前期比15.9%増となりました。この結果、セグメント利益は525,946千円(前期比21.9%増)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末より93,764千円増加し5,427,680千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は1,122,289千円(前期比734,297千円の資金の増加額の減少)になりました。この主な要因は、仕入債務が1,090,571千円増加したことによるものです。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金の減少は165,720千円(前期比31,726千円の資金の減少額の減少)となりました。この主な要因は、ソフトウエア開発等による無形固定資産の取得による支出149,005千円と投資有価証券の取得による支出20,000千円を計上したことによるものです。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金の減少は862,804千円(前期比265,287千円の資金の減少額の減少)となりました。この主な要因は、自己株式の取得による支出262,284千円と配当金の支払額423,594千円、長期借入金の返済による支出178,336千円を計上したことによるものです。

 

④生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 該当事項はありません。

 

(2)受注実績

 該当事項はありません。

 

 

(3)販売実績

①当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年5月1日

至 2023年4月30日)

前期比(%)

 

EC事業

(千円)

3,165,319

107.3

 

フィナンシャル事業

(千円)

2,155,664

117.2

 

合計

(千円)

5,320,983

111.1

 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

②EC事業の販売実績を売上種類別に示すと、次のとおりであります。

売上種類別

当連結会計年度

(自 2022年5月1日

至 2023年4月30日)

前期比(%)

 

システム利用料売上

(千円)

2,578,807

111.2

 

会員小売店向け売上(会費)

(千円)

296,726

94.8

 

出展企業向け売上(基本料等)

(千円)

269,600

89.7

 

その他

(千円)

20,184

113.3

 

合計

(千円)

3,165,319

107.3

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上及び開示に関する見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、EC事業、フィナンシャル事業ともに増加したことにより5,320,983千円(前期比11.1%増)となりました。

 

(売上総利益)

 売上原価は、フィナンシャル事業において与信の審査基準緩和の継続により緩やか上昇したことにより前期比23.7%の増加となりました。

 この結果、売上総利益は4,284,155千円(前期比8.4%増)となりました。

 

(営業利益)

 販売費及び一般管理費は、EC事業、フィナンシャル事業ともに広告宣伝費・販売促進費が前期比22.7%増加、人件費が前期比12.8%増加となりましたが、その他費用の抑制により3,090,927千円(前期比9.4%増)となりました。

 この結果、営業利益は1,193,227千円(前期比6.0%増)となりました。

 

 

(経常利益)

 長期借入金等の支払利息4,650千円とコミットメントライン契約の手数料支払いによる支払手数料4,551千円を営業外費用に計上した結果、経常利益は1,225,968千円(前期比8.0%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 ソフトウエア及びソフトウエア仮勘定の減損損失80,145千円の他、子会社であるフィナンシャル事業の株式会社ラクーンレントののれんの減損損失52,998千円を特別損失に計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は668,803千円(前期比88.6%増)となりました。

 

(ROE)

 中長期的な目標であるROE25%に対して連結会計年度におけるROEは12.6%となりました。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④資本の財源及び資金の流動性についての分析

 キャッシュ・フローにつきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものはPaid事業の販売側企業に対する買掛金の支払いになります。Paid事業の取引代金の回収・支払のサイクルは基本的には取引先企業から回収の後に販売側企業へ支払いとなり、手元資金で賄える状況ですが、事業戦略上、多種多様な回収・支払のサイクルに対応していくために、必要に応じて銀行からの借入を行う方針です。

 今後、既存事業の事業成長を図りながら、積極的に新規事業の創出や、必要に応じてM&Aを実施し成長性のあるビジネスを当社の成長に取り込んでいく考えでありますが、資金需要の必要性に応じて柔軟に資金調達を実施いたします。

 なお、当社グループは、運転資金の効率的な調達を行うために複数の金融機関との間で合計5,750百万円の当座貸越及びコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高0円)。