パイプドHD株式会社

上場廃止 (2022/10/31) 株式の併合
ブランドなど:スパイラル
情報・通信業システムスタンダードTOPIX Small 2

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E31585 Japan GAAP

売上高

78.1億 円

前期

65.2億 円

前期比

119.7%

時価総額

230.6億 円

株価

2,794 (10/28)

発行済株式数

8,252,564

EPS(実績)

133.68 円

PER(実績)

20.90 倍

平均給与

519.0万 円

前期

505.0万 円

前期比

102.8%

平均年齢(勤続年数)

34.2歳(6.3年)

従業員数

24人(連結:495人)


3【事業の内容】

当連結会計年度より当社グループの成長の方向性をより明確にするために、セグメントを変更しております。大分類として「ホリゾンタルDX」「バーティカルDX」「カスタマーエンゲージメント」を設け、各分類のもとに、商品・サービス特性が近しいものをセグメントとして整理して位置付けております。各セグメントの詳細は、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要」に記載しております。

令和3年4月に当社が保有する株式会社カレンの全株式を譲渡し、同社を当社の連結範囲から除外しております。

以上の結果、令和4年2月28日現在における当社グループは、当社、連結子会社12社及び持分法適用関連会社1社により構成されることとなりました。

なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

以上の主な事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

22/05/30

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の概要

① 経営成績及び財政状態

当連結会計年度におけるわが国の経済状況は、持ち直しの動きが続いているものの、新型コロナウイルス感染症による厳しい影響が残る中で、一部に弱さがみられる状況です。

デジタル市場においては、総務省の令和2年「通信利用動向調査」によると、クラウドサービスを利用している企業の割合は、68.7%と前年度から4.0ポイント上昇しており、クラウドサービス利用の効果について、「効果があった」とする企業の割合は87.1%となりました。働き方改革に伴う生産性向上や業務効率化の需要拡大、セキュリティ対策への関心の高まり、テレワークの導入拡大等が求められる中、企業はビジネスモデルや組織の変革に迫られ、社会におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性が高まっており、当社グループにとって追い風とも言える事業環境が継続しております。

当社グループは、「未来に最適を」という経営理念を掲げ、社会がより良い未来へと向かうために、本当に必要とされるITサービスを提供することを目指して事業に取り組んでおります。

「中期経営計画2023」の2年目に当たる当連結会計年度は、同計画の最終年度である令和5年2月期の業績見通し達成に向け、ホリゾンタルDXの強化と拡充、バーティカルDXの積極的な挑戦、カスタマーエンゲージメントの新たな挑戦等をテーマに、当社グループの収益の柱であるストック型売上を積上げるとともに、新たなサービスの収益モデルの確立に注力しております。

当連結会計年度の主な活動としては、令和3年4月に当社が保有する株式会社カレンの全株式を譲渡し、同社を当社の連結範囲から除外しております。

同5月に令和2年分「スパイラル®カーボンオフセット証書」を発行開始し、ユーザーのSDGsへの取組みを支援し、脱炭素社会の実現に貢献しております。

同8月に「中期経営計画2023」で掲げるホリゾンタルDXの強化と拡充の一環である新たなクラウドサービスの開発に即した新サービスとして、従業員と労務担当者間の手続のペーパレス化を実現する従業員情報管理プラットフォーム「SPIRAL HRクラウド」の提供を開始しました。

同10月にマネジメント・バイアウトの一環として株式会社ミライサイテキグループによる当社の発行済普通株式及び新株予約権に対する公開買付が行われましたが、応募株券等の総数が買付予定数の下限に満たなかったため、公開買付は不成立となりました。

同12月に株式会社東京証券取引所の新市場区分「スタンダード市場」を選択申請し、令和4年4月に同市場へ移行しました。

事業面では、特にクラウドセグメントのローコード開発プラットフォーム「スパイラル®」において新型コロナウイルス感染症対策に関連する急を要するシステム案件の受注が前期より継続し、業績拡大に寄与しました。また、広告セグメント及びCRMソリューションセグメントにおいて大型案件に起因した業績の伸長が見られました。

以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は7,806百万円(前期比19.7%増)、営業利益は1,660百万円(同16.4%増)、経常利益は1,695百万円(同16.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,103百万円(同10.0%減)となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より当社グループの成長の方向性をより明確にするために、セグメントを変更しております。また、前連結会計年度のセグメント別の業績についても再編後の各セグメントに属するものとして前期比を算出しております。

 

(ホリゾンタルDX)

「スパイラル®」を中心とするローコード開発基盤のさらなる充実、新たなクラウドサービスの開発、パートナーとの連携強化を軸に、幅広い業種や分野のDXを支援しております。各セグメントの詳細は以下のとおりです。

ⅰ)クラウド

昨今の人手不足社会における課題解決の一助として、顧客企業・団体のコスト低減・業務効率化に資するシステムの開発・提供等を行っております。売上高は5,562百万円(前期比23.3%増)、営業利益は1,931百万円(同24.8%増)となりました。その主なサービスは以下のとおりです。

イ)ローコード開発プラットフォーム「スパイラル®」

新型コロナウイルス感染症対策に関連する急を要するシステム案件の受注が前期より継続しました。これらは一過性の案件ですが、金融業界をはじめとしたあらゆる業界で、コロナ禍を契機に顧客接点のWeb化需要が顕在化しており、カスタマイズを伴う案件が継続的に増えております。

以上の結果、「スパイラル®」の有効アカウント数は3,995件となりました。なお、当連結会計年度より、売上との関係を理解しやすくするため、有期契約も有効アカウント数に含めて開示することにしました。

ロ)その他の主なサービス

・アパレル特化型ECプラットフォーム「スパイラルEC®」

・コールセンタープラットフォーム「BizBase®」

・現場に最適なマイナンバー管理を実現する「スパイラル®マイナンバートータルソリューション」

・クラウド型ストレスチェックサービス「こころの健診センター®」

 

ⅱ)ソリューション

顧客企業・団体におけるITを活用した業務最適化や顧客との接点機会創出及び強化を支援するサービスの提供や、顧客に応じた最適なITシステムの開発請負等を行っております。売上高は386百万円(前期比3.1%増)、営業利益は90百万円(同20.7%減)となりました。その主なサービスは以下のとおりです。

イ)Webシステムの開発請負、運営支援

ロ)ECサイト・アプリの構築、運営及びコンサルティング

 

(バーティカルDX)

建設、美容、政治・行政、タウンマネジメント等の各分野に特化してDXの推進を支援しております。各セグメントの詳細は以下のとおりです。

ⅲ)xTech

IT技術の利活用により企業や団体の垣根を越えて情報を共有することで、業界に革新的なサービスを創出することが期待できる事業を行っております。売上高は198百万円(前期比5.1%増)、営業利益は21百万円(同1.4%減)となりました。その主なサービスは以下のとおりです。

イ)ArchiTech:BIMパートナーサービス・BIMデータマネジメント

ロ)BeauTech:お客様と美容師のための電子カルテアプリ「美歴®」

他の予約ポータルサイトとの連携や機能改善により予約機能を大幅に強化しました。

 

ⅳ)社会イノベーション

個々の企業や業界の内部にある問題の解決だけでなく、それらの枠を超えて存在する社会的課題の解決を図ることを目的とした公益性の高い事業を行っております。売上高は102百万円(前期比17.9%増)、営業損失は13百万円(前期の営業損失は22百万円)となりました。その主なサービスは以下のとおりです。

イ)自治体広報紙プラットフォーム「マイ広報紙®」

令和3年4月に広報紙を中心として自治体と住民の双方向コミュニケーションを支援する「広報プラス-わたしの○○」を正式リリースいたしました。また、令和4年2月の掲載自治体数は977で、国内の自治体数の5割を超えております。

ロ)インターネット投票関連事業及び政治・選挙プラットフォーム「政治山®」

つくば市の学校2校で文部科学省やつくば市と協力してワークショップを開催し、また、株式会社LayerXと共同で高い秘匿性と非改ざん性を備えた市民意見収集システムの実証を行う等、公職選挙におけるインターネット投票の実現に向けた取組みを進めております。

ハ)地域密着型Webサイト「I LOVE 下北沢」及び「I LOVE 下北沢アプリ」の提供並びにネット社会における地域・商店街の活性化支援事業

ニ)下北沢の電子地域通貨「シモキタコイン®」

 

(カスタマーエンゲージメント)

既存のネット広告を活用した集客支援と、集客後のCRMをシームレスに支援するサービスを提供しております。各セグメントの詳細は以下のとおりです。

ⅴ)広告

顧客サービスの認知度、集客力、ブランド力の向上等を目的としたプロモーション設計や広告コンテンツの制作・開発・運用、インターネット広告の代理販売等を行っております。

株式会社電通の「2021年日本の広告費」によると、令和3年の総広告費は、新型コロナウイルス感染症の影響緩和を受け6兆7,998億円(前年比10.4%増)と大きく回復しました。インターネット広告費は、2兆7,052億円(同21.4%増)となり、マスコミ四媒体広告費の総計を初めて上回り、広告市場全体の成長を後押ししています。

売上高は914百万円(前期比19.0%増)、営業利益は351百万円(同9.9%増)となりました。なお、広告の売上高については、広告枠の仕入高を売上高から控除する純額で表示(ネット表示)しており、広告枠の仕入高控除前の総額で表示(グロス表示)した場合の売上高は5,891百万円となります。その主なサービスは以下のとおりです。

イ)アフィリエイトASP一括管理サービス「スパイラルアフィリエイト®」

ロ)その他インターネット広告の代理販売

大型案件における新期の予算獲得が好調に推移いたしました。

 

ⅵ)CRMソリューション

企業が保有する顧客情報を活用して戦略的にCRMを運用するために、専属のデータサイエンティストの知見とセキュアな環境の提供をとおして、企業のデジタルマーケティングを包括的に支援しております。売上高は641百万円(前期比8.5%増)、営業損失は86百万円(前期の営業損失は92百万円)となりました。その主なサービスは以下のとおりです。

イ)デジタルCRM

ロ)その他CRMソリューション

 

(グループ共通)

各セグメントの事業とは直接結びつかない純粋持株会社の管理費用、グループ採用及び育成に係る費用、投資損益等で構成されるセグメントです。

中期経営計画2023では、すべての年度で新卒採用や中途採用等、育成枠の採用を行うことを掲げております。令和3年4月に31人を新卒採用、同6月に11人、同9月に5人、同12月に7人を中途採用しました。

マネジメント・バイアウトの検討における各種アドバイザー費用等として189百万円を計上しました。

営業損失は633百万円(前期の営業損失は461百万円)となりました。

 

財政状態は次のとおりであります。

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,263百万円増加し、9,337百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ267百万円増加し、3,850百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ996百万円増加し、5,487百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末比で1,052百万円増加し、6,101百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、1,531百万円(前期は891百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,661百万円、減価償却費172百万円、売上債権の増加額56百万円、未払金の増加額186百万円、法人税等の支払額449百万円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は、250百万円(前期は950百万円の収入)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出60百万円、投資有価証券の取得による支出84百万円、敷金及び保証金の差入による支出32百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出55百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は、311百万円(前期は337百万円の支出)となりました。これは主に、借入れによる収入505百万円、借入金の返済による支出705百万円、ストックオプションの行使による収入86百万円、配当金の支払額195百万円によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

ⅰ)生産実績

当社グループは、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

ⅱ)受注実績

当社グループの商品・サービスは、受注から納品までの期間がきわめて短いため、記載を省略しております。

 

ⅲ)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 令和3年3月1日

  至 令和4年2月28日)

(千円)

前期比(%)

クラウド事業

5,562,938

23.3

ソリューション事業

386,867

3.1

xTech事業

198,664

5.1

社会イノベーション事業

102,321

17.9

広告事業

914,243

19.0

CRMソリューション事業

641,914

8.5

合計

7,806,949

19.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しており、主な内容は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。また、連結財務諸表の作成にあたり、当社グループは期末日における資産及び負債、会計期間における収益及び費用に影響を及ぼすような見積りを行う場合があります。これらの見積りについて、当社グループは過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、見積り根拠となる仮定あるいは条件等の変化により、見積り内容が実際の結果と異なる可能性があります。

なお、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性がある主な見積りとして、以下の会計方針があります。

ⅰ)ソフトウェアの会計処理

当社グループは、開発したソフトウェアのうち、将来にわたって収益獲得または費用削減が見込まれる等資産性が高いと判断したソフトウェアについて、開発に要した労務費等の一部を費用計上せず、ソフトウェアとして無形固定資産に計上しております。当該資産性の判断に際して、当社グループは可能な限り客観的かつ入念に回収可能性等を評価いたしますが、見積り特有の不確実性があるため、当該資産に追加的な損失が発生する可能性があります。

 

ⅱ)貸倒引当金

当社グループは、債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率による計算額を、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案して回収不能見込額を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

 

ⅲ)賞与引当金

従業員に対する賞与支給に充てるため、支給見込額に基づき計上しておりますが、当社グループの支給対象期間の業績等の状況等により、実際の支給額が引当額を超える可能性があります。

 

ⅳ)繰延税金資産

当社グループは、連結貸借対照表上の資産・負債の計上額と課税所得の計算上の資産・負債との一時差異に関して法定実効税率を用いて繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。また、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、将来の課税所得を十分に検討し、合理的に見積っておりますが、将来の課税所得が予想を下回った場合は、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。

 

ⅴ)投資有価証券

当社グループは、主に純投資目的及び事業推進を目的とした投資有価証券を保有しております。

 時価を把握することが極めて困難と認められる投資有価証券については、投資先の財政状態の悪化による実質価額の著しい低下の有無等により減損処理の要否を検討しております。

 減損処理の要否を検討する際の投資先の実質価額の見積りの要否を検討する際の回収可能性の見積りについては、投資先の財政状態、損益の状況、投資時事業計画との乖離状況、将来キャッシュ・フローの状況等を勘案して、検討を行っております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

ⅰ)経営成績等の分析

イ)経営成績

a. 売上の状況

売上高は、前連結会計年度と比べ1,282百万円増加(19.7%増)し、7,806百万円となりました。

セグメント別に振り返ると、クラウドは、新型コロナウイルス感染症対策に関連する急を要するシステム案件の受注が前期より継続し、前連結会計年度と比べ1,049百万円増加(23.3%増)し、5,562百万円と大幅な増収になりました。これらは一過性の案件ですが、金融業界をはじめとしたあらゆる業界でコロナ禍を契機に顧客接点のWeb化需要が顕在化しており、カスタマイズを伴う案件が継続的に増えております。

ソリューションは、クラウドセグメントと人的リソースを共有しており、足元で引き合いの強いクラウドセグメントに人的リソースを集中的に投下したため、前連結会計年度と比べ11百万円増加(3.1%増)し、386百万円と横ばいになりました。

xTechは、BIM事業では埼玉県の建設会社4社とBIM/CIMパートナー契約を締結し建設生産効率の向上に取り組む等の新しい動きが見られ、美歴ではターゲットである美容業界で前連結会計年度よりもコロナ禍の悪影響が緩和され持ち直しの動きが見られた結果、前連結会計年度と比べ9百万円増加(5.1%増)し、198百万円となりました。

社会イノベーションは、自治体広報紙プラットフォーム「マイ広報紙」では国内の自治体数の半数を超える約1,000自治体と取引関係を築き、布石を広げました。一方で、コロナ禍で店舗は引き続き痛手を受けており、下北沢におけるタウンマネジメント領域は苦戦を強いられました。その結果、前連結会計年度と比べ15百万円増加(17.9%増)し、102百万円となりました。

広告は、インターネット広告における市場ニーズの高まりや、既存案件の大型化施策が奏功したことにより、前連結会計年度と比べ145百万円増加(19.0%増)し、914百万円と大幅な増収になりました。

CRMソリューションは、組織再編により広告セグメントと連携したことにより、集客支援(広告)と集客後のCRMをシームレスに提供するカスタマーエンゲージメント領域の展開が可能となり、前連結会計年度と比べ50百万円増加(8.5%増)し、641百万円となりました。カスタマーエンゲージメント領域で大型案件を受注する等、今後に期待が持てます。

b. 営業利益の状況

営業利益は、戦力増強のための継続的な採用・育成による採用費・人件費・研修費等の先行投資の増加、売上増加に伴う外注費の増加、及びMBOに関連した一時費用の発生等の費用増加を、売上の増加でこなし、前連結会計年度と比べ233百万円増加(16.4%増)し、1,660百万円となりました。営業利益率は21.3%となり、前年度の21.9%より0.6ポイント減少しております。

c. 経常利益の状況

経常利益は、前連結会計年度と比べ240百万円増加(16.5%増)し、1,695百万円となりました。経常利益率は21.7%となり、前年度の22.3%より0.6ポイント減少しております。

d. 親会社株主に帰属する当期純利益の状況

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に投資有価証券売却益を293百万円計上したため、前連結会計年度と比べ123百万円減少(10.0%減)し、1,103百万円となりました。当期純利益率は14.1%となり、前年度の18.8%より4.7ポイント減少しております。

 

ロ)財政状態

a. 資産

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末比で1,263百万円増加し、9,337百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加1,052百万円、受取手形及び売掛金の増加53百万円、流動資産その他の増加64百万円、ソフトウェアの減少95百万円、投資有価証券の増加75百万円、差入保証金の増加29百万円、繰延税金資産の増加68百万円によるものです。

b. 負債

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末比で267百万円増加し、3,850百万円となりました。これは主に、未払金の増加182百万円、未払法人税等の増加166百万円、賞与引当金の増加139百万円、長期借入金の減少238百万円によるものです。

c. 純資産

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末比で996百万円増加し、5,487百万円となりました。これは主に、新株予約権の行使による資本金の増加43百万円及び資本準備金の増加43百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加1,103百万円及び剰余金の配当による利益剰余金の減少195百万円によるものです。

 

ハ)キャッシュ・フローの状況

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

ⅱ)資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、事業運営上必要な資金を確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持することを基本方針としております。

当社グループの主要事業であるクラウドセグメントの営業活動を通して安定的なキャッシュ・イン・フローがあります。また、当社グループ内の事業会社に必要な運転資金の確保及び債務の返済等に備えるため、金融機関からの借入による資金調達も行っております。近年は、政府等の政策により、借り手にとっては比較的有利な条件が提示される金融環境であることを踏まえての判断です。さらに、緊急の資金需要に備えるため、複数の金融機関において借入枠を確保し、長期・短期のバランスを考慮しつつ安定的な資金調達に備えております。

 

ⅲ)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当連結会計年度の見通しは、コロナ禍の継続による多くの産業分野におけるデジタル化への対応等、コロナ禍だからこそ需要が高まる分野で、引き続き当社グループのソリューションが価値を発揮できる機会が多いと期待し、当初、売上高70億円、営業利益14億円の見通しを公表しておりました。

当連結会計年度は、コロナ禍が長期化するなかで、社会全体としてIT活用の重要性がますます高まりを見せ、当社グループがIT事業によって、お客様の生産性向上やDX推進を支援する機会が一層増えました。

売上高は7,806百万円となり、当初見通しの70億円を超えました。主にクラウドセグメントにおいてコロナ禍の影響が想定よりもプラスに振れたことや、広告セグメントの成長、xTechセグメントや社会イノベーションセグメントにおいてコロナ禍のマイナスの影響が想定を下回ったことから、売上高は当初見通しを上回る結果となりました。

営業利益は1,660百万円となり、当初見通しの上限である14億円を超えました。売上高が当初想定を上回ったことから、当初より計画していた採用費・人件費・研修費等の先行投資の増加、売上増加に伴う外注費の増加、MBOに関連した一時費用の発生等の費用増加をこなし、営業利益でも当初見通しを上回る結果となりました。

 

ⅳ)セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析

セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ① 経営成績及び財政状態、(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ⅰ)経営成績等の分析 イ)経営成績 a. 売上の状況」に記載しております。