E35482 IFRS
前期
82.1億 円
前期比
108.6%
株価
1,374 (04/19)
発行済株式数
18,080,800
EPS(実績)
56.21 円
PER(実績)
24.44 倍
前期
472.6万 円
前期比
96.7%
平均年齢(勤続年数)
34.5歳(3.8年)
従業員数
547人(連結:549人)
当社グループは当社及び連結子会社1社(株式会社HRテクノロジーソリューションズ)から構成されており、Webサービス(クラウド)、給与エンジン(クラウド)、オペレーションを用いた給与計算業務のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を主たる事業としております。当社グループは、給与計算業務のプロフェッショナルとして、「お客様に気持ちよくサービスを受けていただく」を第一に考え、専門性・安全性・確実性、さらに効率性を徹底的に追求し、開発した「サービス」を提供することで企業の存在基盤を支える「ソフトインフラ」としての役割を担うことを理念としております。なお、当社グループはBPO事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当社グループが事業を展開する給与計算業務のアウトソーシング市場は、政府の提唱する「働き方改革」により各企業が行う長時間労働是正の手段として、アウトソーシングを活用し、コア業務に注力することに対する機運が高まっていることから需要が拡大しており、今後も発展していくことが見込まれると考えております。この様な環境下、当社グループの給与計算業務のアウトソーシングサービスは、給与・定期賞与計算はもちろん、年末調整補助や地方税特別徴収補助などの季節性業務、身上異動等の人事関連業務、従業員及び各拠点との直接対応など、給与計算に関わる様々な周辺業務をサポートする「フルスコープ型アウトソーシング」であり、顧客企業の人事・労務関連業務の工数削減を行い、コア業務に特化するためのサービスを提供しております。
また、当社グループは、2016年1月のマイナンバー制度の開始に伴い、フルスコープ型アウトソーシングサービスのノウハウを活かした「マイナンバー管理サービス」を提供しております。このように、給与計算のみを受託するのではなく、サポート範囲を給与計算に関わる業務とし、法改正等の市場の動向に合わせて業務範囲を拡大することで、給与計算業務を受託するマーケットにおいて競争力を有しております。これらの複合的なサービスを提供することが顧客企業の満足度の向上にも繋がり、2023年3月期のチャーンレート(月平均解約率)の実績は、0.23%と低位で推移しており、継続率の高いストック型の事業モデルを確立しております。
フルスコープ型アウトソーシングの特徴とサービスの内容は、以下のとおりであります。
(1)フルスコープ型アウトソーシング
フルスコープ型アウトソーシングは、顧客企業の人事部門が担っている給与計算業務を受託することで、顧客企業が工数削減、コア業務への特化を実現することができるサービスであります。フルスコープ型アウトソーシングの特徴である「業務範囲が給与計算のみならず、その周辺業務まで幅広く扱うこと」、「従業員に対する申請の督促や問い合わせ、従業員からの問い合わせ受付等の従業員直接対応業務を受託すること」の実現により、顧客企業は給与計算に関する多大な業務から解放され、同時に当社グループは顧客企業の人事部門の一部となり、その土台を根底から支える存在として機能することができます。
※画像省略しています。
① 顧客企業の共通業務運用の標準化による精度向上及び大量処理
当社グループは、業務ごとに標準フローやオペレーションシステムを構築するため、専門センター(以下、「BPOセンター」という。)を設置しております。本センターを活用し、大量処理や幅広い業務を効率的に遂行しております。
一般的に社内にて給与計算業務を行う場合、給与担当者の退職や季節性業務による業務負担の増加、企業の成長に合わせた担当部門の人員増加などにより、「属人化のリスク」「精度担保のリスク」が発生いたします。そこで当社グループは、細分化された業務をBPOセンターが担うことで、顧客企業の共通業務を標準化し、まとめて処理できる体制を確立しております。これにより、担当者に頼った運用を回避し、かつ精度の高い大量の業務処理を実現しております。
また、BPOセンターでは、顧客企業の従業員及び各拠点の責任者からの電話・メールでのお問い合わせや、各種書類の発送・回収・督促等、顧客企業の人事部門を介すことなく直接対応のできる体制を構築し、「手間のかかる業務」を当社グループにて対応することで、顧客企業のさらなる業務の効率化を実現しております。これらにより、現在、多店舗展開されている複数の企業に利用いただいております。
当社グループは、BPOセンターの運用により数多くの顧客企業の共通業務を標準化し、まとめて業務処理できる体制を確立していることから、スケールメリットにより効率的に、また、標準化による属人化のリスク排除により安全にサービス提供を行うことができております。このような専門センターの仕組みの整備、運用には多くの実績に基づくノウハウとシステム投資が必要であり、この整備を確立し運用を継続していることが当社グループの競争力のひとつであると認識しております。
② クラウドサービスによる顧客企業の利便性向上
当社グループは、パーソナルコンピューターとインターネット環境があればすぐに導入できるWebサービス(e-payサービス)を提供しており、顧客企業のシステム負担の最小化を実現しております。e-payサービスでは、各種計算結果の納品、人事関連情報の管理など、給与計算に関わるサービスを簡単に利用できる形で提供しております。また、従業員にはパーソナルコンピューターを利用いただくことにより、各種申請・承認や勤怠管理をリアルタイムで行う機能、明細情報を過去情報まで遡って閲覧できる機能等、充実したサービスを提供することで利便性の向上を図っております。
なお、当社グループは、2013年より給与計算の核となる基幹システム及びe-payサービスを統合した新基幹システム(P3)の開発を開始し、2018年7月より新規顧客を中心として本システムでの給与計算業務を提供しております。本システムはクラウドベースのシステムであり、スマートフォンやタブレットを活用したWebサービスの拡充やクラウドを利用した双方向の運用により、顧客企業が当社グループの処理状況をリアルタイムで把握でき、各サービスとの連携やデータの一元管理が可能になる等、顧客企業のさらなる利便性の向上を目指しております。
③ セキュリティとBCPの構築による安定したサービス提供
当社グループは、プライバシーマーク及びISMSの認証取得、SSAE18及びISAE3402に準拠したType2報告書(注)など外部機関による各種認証・評価を受け、顧客企業に安心・確実な業務を提供しております。また、顧客企業にとって重要度の高いサービスに対して、災害などに備えたBCP(事業継続計画)を整えており、当社グループが利用するデータセンターがシステムダウンしても、国内に設置したバックアップサイトが稼働し継続して業務を行うことのできる体制を構築しております。
(注)SSAE18及びISAE3402に準拠したType2報告書とは、内部統制の保証報告書をいい、顧客企業の財務諸表に関連する業務(信託財産運用・保管、給与計算、ITアウトソーシング等)を受託した会社(受託会社)が、受託業務に関する内部統制について、SSAE18/ISAE3402に基づき受託会社監査人が評価した結果を、委託会社に対して報告するものであります。
(2)具体的なサービス
① 給与計算業務のアウトソーシングサービス(当社、株式会社HRテクノロジーソリューションズ)
当社は、(1)に記載した給与計算業務の「フルスコープ型アウトソーシング」を提供しており、サービスラインナップは、給与・定期賞与計算、年末調整補助、地方税特別徴収補助を基本サービスとして、附随する各種オプションサービスを提供しております。なお、給与計算業務のアウトソーシングに伴い、顧客企業へ業務改善提案(BPR)を行っております。BPRによって課題解決を図り顧客企業での作業を削減することや、当社基幹システムへの標準化を企図することによって、顧客及び当社での工数削減を実現いたします。
また、株式会社HRテクノロジーソリューションズは、顧客企業への教育・研修のサービスを提供しております。
主なサービスの概要は、以下のとおりであります。
サービス名称 |
サービス内容 |
給与計算サービス |
顧客企業の給与規程に合わせた設定を行い、当該規程に基づく日割り額、通勤費、遡及等が可能な月次給与計算、賞与計算を実現いたします。また、顧客企業の従業員に対して直接、年末調整補助業務を行っております。 |
給与計算オプションサービス |
就業計算、仕訳計算、退職金計算、引当金計算等、給与計算に関わる業務を受託いたします。 |
福利厚生窓口サービス |
生損保、財形の窓口業務等、顧客企業の福利厚生に関わる業務を受託いたします。 |
直接対応サービス |
顧客企業の従業員又は店舗(店長)・拠点(拠点長)からの各種問い合わせへの対応、書類・データの授受、給与証明書等の発行を、顧客企業の人事部門を介さず直接行います。 |
※画像省略しています。
② マイナンバー管理サービス(当社)
当社が提供するマイナンバー管理サービスは、「新たな投資」「新たな業務コスト」「新たな情報漏洩リスク」という、マイナンバー対応により発生する業務負担の最小化をサービスコンセプトとしており、給与計算業務のアウトソーシングサービスで培ったノウハウを活かし、保管・管理・削除に伴う業務負担、情報漏洩リスクなどの軽減を実現できます。
本サービスにより、顧客企業は、申請書の授受、システム改修などの業務プロセスの煩雑化を回避することができます。具体的には、書類の送付・回収・督促等の全てをセキュアな環境を実現したセンターにおいて、顧客企業の従業員との直接対応をしております。
マイナンバー管理サービスにおける顧客企業の業務削減をするための主なサービス概要は、以下のとおりであります。
サービス名称 |
サービス内容 |
|
マイナンバー管理サービス |
運用・管理サービス |
登録されたマイナンバーを厳重に管理し、人事部門へはWebを介してマイナンバーの閲覧を可能とするサービス。 |
マイナンバー付記 サービス |
給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票など、法的に定められた書類にマイナンバーを付記して発行、発送するサービス。 |
(3)サービスの提供方法
当社では、東京本社及び各センターの活用により、お客様に対しサービスを提供しております。サービスの提供方法は、以下のとおりであります。
① 当社
事業所名 |
サービス内容 |
東京本社 長崎BPOセンター 札幌BPOセンター |
顧客企業からの人事情報の提供を受け、顧客企業の給与計算に係るサービス及び、計算結果を納品しております。また、新規受注企業の初期導入に係るサービスを提供しております。 |
東京本社 長崎BPOセンター 北海道BPOセンター 高松BPOセンター |
顧客企業の従業員及び各拠点の責任者からの電話・メールでのお問い合わせや、各種書類の発送・回収・督促を行うサービスを提供しております。 |
② 株式会社HRテクノロジーソリューションズ
顧客企業への教育・研修のサービスを行っております。
[事業系統図]
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
流動資産は前連結会計年度末と比較して5,130千円減少し、3,250,647千円となりました。
流動資産の減少の主な変動要因は、現金及び現金同等物178,660千円の減少等、契約コスト241,661千円の増加等によるものです。
非流動資産は前連結会計年度末と比較して190,608千円減少し、18,390,849千円となりました。
非流動資産の減少の主な変動要因は、使用権資産298,548千円の減少等、無形資産146,230千円の増加等によるものです。
この結果、資産は前連結会計年度末に比べ195,738千円減少し、21,641,496千円となりました。
(負債)
流動負債は前連結会計年度末と比較して151,363千円減少し、3,360,431千円となりました。
流動負債の減少の主な変動要因は、営業債務及びその他の債務186,390千円の増加等、未払法人所得税等138,429千円の減少等によるものです。
非流動負債は前連結会計年度末と比較して882,436千円減少し、5,198,834千円となりました。
非流動負債の減少の主な変動要因は、借入金669,884千円、リース負債223,950千円の減少等によるものです。
この結果、負債は前連結会計年度末と比較して1,033,798千円減少し、8,559,266千円となりました。
(資本)
資本は、前連結会計年度末と比較して838,060千円増加し、13,082,230千円となりました。
資本の増加の変動要因は、利益剰余金926,578千円の増加等、自己株式99,996千円の減少等によるものです。
② 経営成績の状況
当社は単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための行動制限が緩和されたことにより、景気は緩やかに回復しました。一方で、エネルギー価格の高騰や物価上昇等により不透明な状況が続いております。
当社グループの事業領域である給与計算アウトソーシング業界においては、各企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)対策や人的資本開示等への対応の必要性から、コア業務(企業活動の根幹となる業務)に携わる人材確保を優先させるための施策が注目されており、これらに加えBCP(事業継続計画)対策に関する危機対応意識の高まりから、大企業を中心とした多くの企業が給与計算のアウトソーシングを検討し、需要は堅調に推移しております。
このような状況の中、当社グループは営業案件に対するリードナーチャリング(※1)により、顧客との継続的なコミュニケーションを通じて、適切なタイミングでのアプローチを展開しております。
当連結会計年度における経営成績の概況は以下のとおりです。
売上収益は、顧客企業の新規稼動及び単独年末調整補助業務(※2)の増加に加え、新たな給与計算システムP3の順調なサービス開始により前期を上回りました。
利益面では、新人事制度における人件費の増加、第1四半期に実施した上場記念株主優待費用とそれに付随する費用に加え、株式上場後初となる定時株主総会開催費用等によりコストが増加したものの、その他コストの抑制及び増収効果により、営業利益は前期を上回りました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、2022年3月期における税効果会計の影響(※3)の反動により、前期比で下回りましたが、税効果会計の影響を除いた実質的な当期利益は増加しました。
以上の結果、売上収益8,917,335千円(前期比8.6%増)、営業利益1,500,606千円(前期比5.9%増)、税引前利益1,440,250千円(前期比5.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,016,398千円(前期比6.7%減)となりました。
(※1)潜在的なニーズを持つ見込み顧客(リード)の購買意欲を高め、将来的な受注につなげていく手法。
(※2)給与計算を受託していない企業に対して、年末調整補助業務だけを提供するサービスであり、利益面の貢献だけでなく、フルスコープ型給与計算の受託リード案件に繋げる施策。
(※3)2022年3月期は、株式上場に際して行われた公募増資により資本金が増加したことに伴い、外形標準課税が適用されたため、税率変更により繰延税金負債の取り崩しが生じ法人所得税費用が減少。このため、2022年3月期の当期利益が1億円強増加した影響。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ178,660千円減少し、1,271,944千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果の収入は2,076,076千円(前年同期は1,883,725千円の収入)となりました。
主な要因は税引前利益1,440,250千円、減価償却費及び償却費1,251,688千円、営業債務及びその他の債務の増加額153,011千円等のプラス要因が、契約コストの増加額241,661千円、法人所得税の支払額548,159千円等のマイナス要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は868,109千円(前年同期は926,896千円の支出)となりました。
主な要因は、無形資産の取得による支出843,002千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,386,626千円(前年同期は585,565千円の支出)となりました。
主な要因は、長期借入れによる収入4,349,929千円、長期借入金の返済による支出5,050,000千円、リース負債の返済による支出500,054千円、配当金の支払額89,510千円、自己株式の取得による支出100,727千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
ⅰ 生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
ⅱ 受注実績
毎月定期的に給与計算を行うことにより売上が計上される継続取引であるため、記載を省略しております。
ⅲ 販売実績
当社グループの事業は単一セグメントでありますが、販売実績をサービス別に記載すると、次のとおりであります。「第1 企業の概況 3事業の内容」に記載のサービス形態のうち、売上収益の比率の高い給与計算関連サービスと年末調整補助業務に分けて記載しております。
サービスの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比(%) |
給与計算関連サービス(千円) |
7,782,038 |
108.8 |
年末調整補助業務(千円) |
1,135,297 |
107.3 |
合計(千円) |
8,917,335 |
108.6 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、新規獲得顧客の運用開始により、給与計算処理実績人数が増加したことから、売上収益及び売上総利益が増加しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、ペーパーレス化、テレワークの推進及び人事部門がコア業務へ特化するための施策や、BCP対策の一環として検討を進める企業もあり、アウトソーシングを活用する機運が高まっていることが挙げられます。この機運の高まりに対し、「フルスコープ型アウトソーシング」の考え方が合致し、新規獲得顧客が順調に増加したと分析しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に営業活動により得られた資金を新基幹システム(P3)開発に係る設備投資に充当しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、新規受注ARR(ARR=Annual Recurring Revenue:年間経常収益)、稼動ARR、チャーンレート(月平均解約率)、給与計算処理実績人数を当該指標として位置づけております。これらは将来に継続して発生する売上高の測定が可能となる指標であります。
決算年月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
|
喪失顧客ARR |
(千円) |
257,662 |
218,536 |
前期末既存顧客ARR |
(千円) |
6,986,262 |
7,216,803 |
新規稼動ARR |
(千円) |
554,930 |
603,044 |
チャーンレート(月平均解約率) |
(%) |
0.28 |
0.23 |
給与計算処理実績人数 |
(万人) |
102 |
107 |
(注)1.上記の数値は当社単体の数値となります。
2.給与計算処理実績人数は各年度における3月末時点の人数であります。
3.チャーンレートは、(当期喪失顧客ARR÷(前期末既存顧客ARR+当期新規稼動顧客ARR))÷経過月
数にて算出しております。
新規受注ARR:新規受注した案件の「1年間で発生する売上収益(ランニングフィーのみ)の見込額(年換算の受注高)」
稼動ARR:新規稼動した案件の「1年間で発生する売上収益(ランニングフィーのみ)の見込額(年換算の受注高)」
喪失ARR:契約終了を迎えた顧客のARR
引き続き、低いチャーンレート(月平均解約率)の維持と新基幹システム(P3)の新規稼動による給与計算処理実績人数の増加に努めます。
② 資本の財源及び資金の流動性について
ⅰ 資本の財源
当社グループにおける主な資金使途は人件費、外注・業務委託等の営業費用、基幹システムの機能強化開発等の設備投資、新たな拠点の開設に係る設備投資、借入金の返済となっております。
これらの財源については、主として営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金の効率的な運用により賄う方針ではありますが、必要に応じて金融機関からの借入等を検討いたします。
ⅱ 資金の流動性
資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、成長を維持するために必要とされる十分な流動性を確保していると考えております。
また、資金の流動性については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますので、こちらもご確認ください。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要になる事項については、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果が、これらの見積りと異なる可能性があります。
重要な会計方針及び見積りの詳細については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り」に記載しておりますが、次の会計方針は、連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。
ⅰ のれん及び無形資産から成る資金生成単位の回収可能価額
のれんの減損の判断をする際に、のれんが配分された資金生成単位について、回収可能価額の見積りが必要となります。使用価値の見積りにあたり、資金生成単位により生じることが予想される将来キャッシュ・フロー及びその現在価値を算定するための割引率を見積っております。仮に、資金生成単位により生じると予想したキャッシュ・フローが減少した場合又は現在価値を算定するための割引率が上昇した場合には減損損失が発生又は増加する可能性があります。
ⅱ 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できること、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産に計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りとなるため、事業環境等の変化により見積りが減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載しております。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営者は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、当社が今後さらなる成長と発展を遂げるため、厳しい環境の中様々な課題に対処しております。
具体的には、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。