売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E00963 IFRS

売上高

1,790.6億 円

前期

1,882.2億 円

前期比

95.1%

時価総額

246.7億 円

株価

35 (03/28)

発行済株式数

704,844,952

EPS(実績)

-148.95 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

675.3万 円

前期

710.6万 円

前期比

95.0%

平均年齢(勤続年数)

40.3歳(12.9年)

従業員数

1,255人(連結:2,656人)


3【事業の内容】

当社グループは、当社と子会社14社(連結子会社:Sagent Pharmaceuticals, Inc.、Omega Laboratories, Ltd.、ヤクハン製薬株式会社、株式会社日医工オオサカ、株式会社イーエムアイ、Nichi-Iko(Thailand)Co.,Ltd.、エルメッド株式会社、日医工岐阜工場株式会社他)及び関連会社1社(持分法適用関連会社:日医工サノフィ株式会社)で構成されております。
 なおセグメント区分は、「日医工グループ」「Sagent グループ」の2つのセグメント区分としており、「Sagent グループ」は、Sagent Pharmaceuticals,Inc. (以下、Sagent)及びその連結子会社で構成され、「日医工グループ」は、「Sagent グループ」を除いた会社にて構成されております。

 

<当社グループの事業>

 当社グループは、後発医薬品(ジェネリック医薬品)(注)1.の製造及び販売を主力事業としており、医薬品卸(注)2.への販売を通して、医療機関(病院、診療所、調剤薬局等)向けに供給しております。

 医薬品には、病院や診療所で医師が発行する処方せんに基づいて処方される医療用医薬品と、処方せんを必要とせずに薬局や薬店で購入できる一般用医薬品とがあり、当社の売上高の99%以上は医療用医薬品によるものです。

 さらに医療用医薬品は、先発医薬品(新薬)と、先発医薬品の特許が切れた後に製造承認を得る、同じ有効成分で、効能と安全性も先発品と同等の後発医薬品に分けることが出来ます。

(注)1.後発医薬品(ジェネリック医薬品)について

後発医薬品であるジェネリック医薬品は、最初に開発された新薬のすぐれた働きを受け継いで生み出されます。ジェネリック医薬品は、新薬と同じ有効成分が同じ分量で含まれていますが、より飲みやすい薬にするため添加物や薬の形などを工夫して改良に努めているため、もとの新薬とは、色や形、味などに違いが生まれます。これはわずかな違いですが、違和感や不安を感じる人もゼロではありませんので、当社では何が同じでどこが違うのか正確で詳細なデータを公開することが、信頼と安心につながるものと考え、この点についても積極的な取組みを行っております。

(注)2.後発医薬品主体ではなく広範囲に取り扱う総合医薬品卸

 

<当社グループの事業の特徴>

(1) 医薬品業界における位置づけ

 当社グループは、ジェネリック医薬品専業メーカーとして、経済性に優れた医療用医薬品の製造販売を主力事業として展開しております。幅広い品目構成を揃えていること、医薬品卸におけるシェアが他の主要ジェネリック医薬品メーカーと比較(注)3.して高いこと等を特徴としています。

(注)3.公表されている他社資料との比較

(2) 日医工グループ

 ①開発体制

 2009年6月に当社グループにおける開発部門を日医工開発本部に統合し、高い利便性を求めて、迅速で時宜を得た開発体制を整えております。医薬品開発においては、開発段階から製造工程を考慮した製剤開発が必要不可欠であることから、治験薬生産用の製造設備を備えた製剤開発センターを2006年に建設しております。また、開発・品質管理・製造を一体として管理するための施設としてグローバル開発品質管理センター「Honeycomb棟」を2011年に建設し、原薬の選定から製剤設計・製造工程・品質管理における拠点としております。さらに、バイオシミラー開発においては、パートナー企業と連携し開発のスピードアップを図るなど、製品開発や海外事業展開における迅速化を行う体制を整えております。

 ②生産体制

 当社は、2021年3月の富山県による「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づく行政処分を重く受け止め、2021年4月以降、富山第一工場でのFMEA等での厳しい品質チェック等を行いながら、生産・出荷再開品目及び供給数の拡充を図っております。

 これまでに、増加する後発医薬品需要に備え、富山第一工場内に、2010年2月に「Pentagon棟」、2013年3月に「Pyramid棟」、2017年12月に「Obelisk棟」の竣工、さらには、2012年3月にヤクハン製薬株式会社を株式取得により子会社化し、2014年4月にアステラス製薬株式会社の生産子会社であるアステラス ファーマ テック株式会社の富士工場(現、当社静岡工場)を会社分割方式により承継、2021年2月には武田テバファーマ株式会社から日医工岐阜工場株式会社の全株式を取得し子会社化し、一層の生産効率の向上、コスト競争力と安定供給の強化に取り組んでおります。

 日医工グループの富山、愛知、山形、埼玉、静岡、北海道、岐阜の各工場では、剤形別製造機能の集約化を図り、効率的な設備投資を行うと共に、生産能力の向上も併せて実施し、市場拡大に対応できる生産体制を構築しております。

 ③営業体制

 当社グループの医薬品は、約13.6万軒の医療機関で採用されているため、効率的で機能性の高い情報提供体制を構築しています。約260名のMR(注)4.による情報提供あるいは情報収集活動のみならず、医療機関などからのお問い合わせに対応するお客様サポートセンターや、当社ウェブサイトでの製品情報の充実、安全性情報の迅速な伝達等、情報提供支援体制を強化しております。さらに2022年5月に「Oncology 関連コンテンツ」を開設し、がんに立ち向かう医療従事者の皆様をサポートするため、基礎的な情報と実臨床での事例を紹介しております。

 また、全国への流通においては、受注当日中の出荷を基本とする4箇所の物流センターを備えて、医薬品卸の全国ネットワークを通じて安定的な納入体制を構築するとともに、医療機関の購入ニーズに柔軟に対応できるよう販売展開しております。

(注)4.医療機関への医薬品にかかる情報提供を担当する医薬情報担当者。Medical Representativeの略。

 ④その他

 当社は、2021年9月に、株式会社メディパルホールディングス(以下、メディパル)との間で、メディパルが有する医薬品の流通に関するインフラと、当社が有する医薬品の流通に関するインフラを掛け合わせることにより、ジェネリック医薬品の安定的、効率的な供給を可能とする提携モデルを構築する目的で資本業務提携を行い、「計画発注、計画生産」を始めとした提携モデルの具体化に向けた協議を進めております。

(3) Sagent グループ

 2016年8月に米国市場における医薬品市場参入のプラットフォームの確保及び注射剤領域におけるプレゼンスの確立を図るべく、Sagent Pharmaceuticals, Inc.を株式取得により完全子会社化いたしました。2019年2月にXellia Pharmaceuticals からFDA認定工場である米国ノースカロライナ州ローリー工場に係る医薬品製造事業を継承し、2019年9月にはSagentの子会社であるOmega Laboratories, Ltd.・モントリオール工場が当社グループではローリー工場に続いてFDA認定を取得し、米国向け自社製造能力の拡充と内製化の加速、それに伴うコスト競争力・安定供給能力の強化、グローバル水準の品質確保に向けた取り組みを進めております。2019年7月には、SterRx LLC.(以下、SterRx)を連結子会社化し、コンパウンド製剤のラインアップ拡充を図り、コンパウンドビジネスの拡大に向けた取り組みを進めております。

※画像省略しています。

22/06/30

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績等の概要

① 業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に持ち直しへの動きが見られるものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大やウクライナ情勢、資源価格の上昇などにより、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 後発医薬品業界におきましては、品質面、安定供給面での一層の対応強化とともに、薬価改定での薬価下落に対しての収益基盤の強化が強く求められております。

 当社におきましては、全社を挙げて製造・品質管理体制の改善・強化を図り、富山第一工場製造品についても品質を担保した上で順次出荷を再開しておりますが、厳重な品質チェック等を実施していることもあり、出荷を再開した品目は当初想定を大きく下回り、更には有形固定資産、無形資産及びのれん等の減損損失を計上したこと等から、当連結会計年度の業績については前期に引き続き赤字決算となっております。

 このような状況下、2022年5月13日付プレスリリース「事業再生ADR手続の正式申込及び受理に関するお知らせ」のとおり、当社は今後の事業再生と事業継続、そして財務体質の抜本的な改善を図るため、「産業競争力強化法に基づく特定認証紛争解決手続(事業再生ADR手続)」の下で事業再生に取り組むことを決定し、事業再生ADR手続の正式申込を行っております。

 

A.セグメント別の業績

(単位:百万円)

日医工グループ

Sagent グループ

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

売上収益

152,481

139,027

△13,453

36,289

40,056

+3,767

コア営業利益

2,995

△14,017

△17,012

△2,017

△2,759

△741

 (注)1.セグメント区分は、「日医工グループ」「Sagent グループ」の2つのセグメント区分としており、

「Sagent グループ」は、Sagent Pharmaceuticals, Inc. 及びその連結子会社で構成され、「日医工グループ」は、「Sagent グループ」を除いた会社にて構成されております。

    2.当社グループでは、経常的な収益性を示す指標として「コア営業利益」を採用しており、セグメント

利益にも「コア営業利益」を採用しております。「コア営業利益」は営業利益から非経常的な要因による損益を除いて算出しており、売上収益からも非経常的な要因は除外しております。

 

ⅰ.日医工グループ

 日医工グループにおいては、富山第一工場における生産・出荷再開品目数及び供給数の拡充を図っておりますが、厳重な品質チェック等を実施していることなどから当初想定より出荷再開に時間を要しており、早急に拡充すべく全社を挙げて対応を行っております。

 当連結会計年度の日医工グループにおける業績は、岐阜工場製品が売上に寄与したものの(約327億円)、薬価改定による薬価引き下げや、製造委託先である小林化工株式会社における生産・出荷停止に起因するエルメッド製品の売上減少による影響、富山第一工場製造品の出荷再開の遅れによる影響等から、売上収益は1,390億27百万円(前年同期比134億53百万円減)、セグメント損失は140億17百万円(前年同期は29億95百万円のセグメント利益)と大幅な減収減益となりました。

 

ⅱ.Sagent グループ

 Sagent グループにおいては、コスト競争力・安定供給能力の強化を目指し内製化・自社製造能力の拡充に向けた体制強化を進めております。また、Sagent 開発品の日本・東南アジア市場への導出に向けた施策を進めております。

 一方で、米国市場上市を目指して開発中のバイオシミラー、オーファンドラッグについては、承認申請が予定より遅れることが確実となり、今後の開発計画全体について改めて検討を行うこととなりました。

 当連結会計年度のSagentグループの業績は、新型コロナウイルス関連製品が引き続き好調であったことやカナダ市場での売上伸長などにより、売上収益は400億56百万円(前年同期比37億67百万円増)と増収となったものの、SterRx での生産設備見直しによる工場の稼働停止や、主力品の販売単価下落などの影響から、セグメント損失は27億59百万円(前年同期比7億41百万円の損失増)となりました。

 

B.グループ全体の業績

 

前連結会計年度

当連結会計年度

比較増減

 

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(%)

売上収益

188,218

179,060

△9,158

△4.9

コア営業利益

977

△16,776

△17,754

営業利益

107

△110,051

△110,158

税引前利益

1,068

△107,842

△108,911

親会社の所有者に帰属する当期利益

△4,179

△104,984

△100,804

 

※ 当社グループでは、経常的な収益性を示す指標として「コア営業利益」を採用しております。「コア営業利

益」は営業利益から非経常的な要因による損益を除いて算出しております。

 

 売上収益は、Sagent グループは増収も、日医工グループの減収があり、前年同期比91億58百万円の減収となりました。

 コア営業利益は、日医工グループ、Sagent グループとも減益で、前年同期比177億54百万円の減益となりました。

 営業利益は、のれんを含む固定資産の減損(日医工グループ 324億80百万円、Sagent グループ 269億円)、バイオシミラー、オーファンドラッグを始めとした開発費等の減損(日医工グループ 165億8百万円、Sagent グループ 82億41百万円)、富山第一工場製造品における今後の製造再開スケジュールの見直しに伴う棚卸資産評価損の計上(日医工グループ 73億89百万円)などの一時費用の計上があり、前年同期比1,101億58百万円の減益となりました。

 税引前利益は、営業利益に記載の理由や、円安による為替差益の計上があったことなどから、前年同期比1,089億11百万円の減益となりました。

 親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益に記載の理由や、上記開発費の減損に伴う繰延税金負債の取り崩しなどから、前年同期比1,008億4百万円の悪化となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減額

(百万円)

現金及び現金同等物の期首残高

42,944

29,142

△13,801

営業活動によるキャッシュ・フロー

5,006

△24,248

△29,255

投資活動によるキャッシュ・フロー

△29,334

△9,315

+20,018

財務活動によるキャッシュ・フロー

10,867

19,677

+8,810

現金及び現金同等物に係る換算差額

△341

49

+390

現金及び現金同等物の増減額

△13,801

△13,837

△35

現金及び現金同等物の期末残高

29,142

15,305

△13,837

 

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ13,837百万円減少し、15,305百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況の詳細は以下のとおりであります。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において24,248百万円の支出超過となりました。これは主に以下の要因によるものであります。

内容

金額

(百万円)

税引前利益の計上

△107,842

減損損失の計上

+84,130

減価償却費及び償却費の計上

+12,653

売上債権及びその他の債権の減少

+5,525

仕入債務及びその他の債務の減少

△16,710

 

 投資活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において9,315百万円の支出超過となりました。これは主に以下の要因によるものであります。

内容

金額

(百万円)

有形固定資産の取得による支出

△3,481

無形資産の取得による支出

△12,332

持分法で処理されている投資の売却による収入

+2,500

預託金の回収による収入

+3,290

 

 財務活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において19,677百万円の収入超過となりました。これは主に以下の要因によるものであります。

内容

金額

(百万円)

借入金の純増

+12,176

株式の発行による収入

+5,207

セール・アンド・リースバックによる収入

+5,641

リース負債の返済による支出

△2,338

 

③ 財政状態

 当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ103,013百万円減少し、260,559百万円となりました。これは主に以下の要因によるものであります。

 

増減額

(百万円)

主な要因

現金及び現金同等物

△13,837

前期購入した棚卸資産の決済など

のれん

△27,181

Sagent ののれんの減損損失計上など

有形固定資産

△29,654

収益性の低下による減損損失計上など

無形資産

△17,348

収益性の低下による減損損失計上など

 

 

 当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ4,351百万円減少し、246,785百万円となりました。これは主に以下の要因によるものであります。

 

増減額

(百万円)

主な要因

仕入債務及びその他の債務

△17,236

前期購入した棚卸資産の決済など

借入金

+13,497

運転資金の調達など

その他の金融負債

+4,693

リース負債の増加など

繰延税金負債

△4,551

開発費の減損損失計上による繰延税金負債の取崩など

 

 当連結会計年度末の資本につきましては、前連結会計年度末に比べ98,662百万円減少し、13,773百万円となりました。これは主に以下の要因によるものであります。

 

増減額

(百万円)

主な要因

資本金

+2,615

第三者割当方式による新株式発行

資本剰余金

+2,615

第三者割当方式による新株式発行

利益剰余金

△106,479

当期純損失の計上など

その他の資本の構成要素

+3,332

円安による在外営業活動体の換算差額など

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

日医工グループ

 

 

血液及び体液用薬

15,456

70.2

循環器官用薬

19,859

62.3

抗生物質

10,018

97.7

神経系用薬

13,230

61.2

消化器官用薬

12,962

95.5

アレルギー用薬

8,574

111.1

化学療法剤

2,071

86.2

その他

39,153

92.1

小計

121,326

79.8

Sagent グループ

 

 

救急救命用薬

3,611

71.6

その他

2,121

217.8

小計

5,733

95.3

合計

127,059

80.4

(注)1.金額は、販売価格に換算しております。

2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

b. 商品仕入実績

 当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

日医工グループ

 

 

血液及び体液用薬

5,843

68.0

循環器官用薬

3,096

88.8

抗生物質

340

60.1

神経系用薬

2,328

92.4

消化器官用薬

3,450

90.9

アレルギー用薬

3,679

51.7

化学療法剤

204

73.3

その他

3,112

72.5

小計

22,055

72.0

Sagent グループ

 

 

抗生物質

8,766

107.4

救急救命用薬

8,617

149.1

化学療法剤

1,481

98.9

その他

1,276

144.0

小計

20,142

123.3

合計

42,198

89.8

(注)1.金額は、仕入価格によっております。

2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

c. 受注実績

 当社グループ(当社及び連結子会社)では、主に販売計画に基づいた生産計画により生産しております。

 製剤の一部において受注生産を行っていますが、受注額に重要性はありません。

 

     d. 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

日医工グループ

 

 

血液及び体液用薬

21,693

79.7

循環器官用薬

21,634

74.8

抗生物質

8,829

105.1

神経系用薬

15,613

84.9

消化器官用薬

14,599

90.9

アレルギー用薬

12,026

83.9

化学療法剤

2,463

101.4

その他

42,167

114.9

小計

139,027

91.2

Sagent グループ

 

 

抗生物質

10,952

122.1

救急救命用薬

16,846

105.6

化学療法剤

9,468

91.7

その他

2,788

266.8

小計

40,056

110.4

合計

179,084

94.9

 

   当連結会計年度における販売実績を販売ルート別に示すと、次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

特約店

140,809

91.8

代理店

12,771

67.8

その他

25,503

154.0

合計

179,084

94.9

 

主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱メディセオ

39,831

21.2

28,480

15.9

武田薬品工業㈱

2,421

1.3

18,898

10.5

アルフレッサ㈱

26,186

13.9

18,428

10.3

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.上記金額から非経常的な要因は除外しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ① 重要な会計方針及び見積り

   当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

   当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.作成の基礎 (4) 重要な会計上の見積り 及び、4.重要な会計方針」に記載しております。なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、受診抑制や手術延期による影響があった一方で、新型コロナウイルス関連製品の売上が伸長し、新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響は軽微であったことから、今後も同様に軽微な状況が継続するという仮定に基づいて、会計上の見積りを行っております。

 

 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

   当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。

   当社は、2021年3月に主力工場である富山第一工場において業務停止処分を受け、その後、製造する全製品について厳重な品質チェックを実施した上で順次、生産・出荷を再開しておりますが、いまだ製造予定品目の一部については出荷再開に至っておりません。また、小林化工株式会社における生産・出荷停止の影響により、当社の連結子会社であるエルメッド株式会社が同社に製造委託していた製品についての販売を中止しております。

   これらのことは、ジェネリック医薬品の供給不安といった市場への大きな影響を及ぼしており、当社といたしましては、富山第一工場での生産・出荷の早期回復が急務であると認識しております。

   当連結会計年度の経営成績につきましては、上記製品供給要因からの売上減少や、薬価改定による販売単価下落による影響が大きく、売上収益は前年同期比9,158百万円減収、コア営業利益についても前期から17,754百万円減益の16,776百万円のコア営業損失となりました。

   更には、米国市場での上市を目指し開発を進めているバイオシミラー、オーファンドラッグについて、承認申請が予定より遅れることが確実となり、今後の開発計画について改めて見直しを行うこととなりました。その結果、当該製剤に係る無形資産について、日医工グループで14,820百万円、Sagentグループで6,612百万円の減損損失を計上しております。また、国際会計基準(IFRS)に基づく減損テストを実施し、のれんを含む固定資産に係る将来の回収可能性を検討した結果、想定されていた収益が見込まれなくなったため、のれんを含む固定資産について、日医工グループで34,168百万円、Sagentグループで28,530百万円の減損損失を計上しております。

   これらの要因から、営業利益についても前年同期比で大幅な減益となり、110,051百万円の営業損失計上となりました。

   親会社の所有者に帰属する当期損失についても前年同期から大幅悪化の104,984百万円となり、多額の赤字計上となったことから、親会社の所有者に帰属する持分合計は、前年度比97,773百万円減の13,394百万円と大きく減少しております。

   キャッシュ・フローについても、当連結会計年度は営業活動によるキャッシュ・フローが24,248百万円の支出超過となる等、当社の収益構造は悪化しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在する状況となっております。

   このような厳しい経営状況及び財務状況を踏まえ、当社は、産業競争力強化法に基づく特定認証紛争解決手続(以下「本事業再生ADR手続」といいます。)についての正式申請を2022年5月13日に行い、同日付で受理されております。今後、本事業再生ADR手続の中で、経営改善施策、金融機関協調によるご支援の継続、計画実施スケジュール等を協議し、全てのお取引金融機関様の同意による事業再生計画の成立を目指し、今後の再成長に向けた強固な収益体質の確立と財務体質の抜本的な改善に取り組んでまいります。資本増強面につきましても現状でスポンサー候補からの提案も受けており、協議を続けております。

   事業再生計画の詳細については、同計画案が成立次第お知らせいたします。

 

  新型コロナウイルス感染症への取り組み

   当社グループでは、新型コロナウイルス感染拡大防止への取り組みとして、在宅勤務、時差出勤、各部署の執務場所分散等を実施し、引き続き全社員が感染拡大防止に努めております。

   また、2021年7月以降、富山本社、富山第一工場、岐阜工場において職域接種を実施しております。当社並びにお取引先各社様の従業員とそのご家族、さらに妊娠されている方への接種も積極的に受入れる等、地域における感染拡大防止に努めております。