売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E26707 Japan GAAP

売上高

5,169.5億 円

前期

4,865.8億 円

前期比

106.2%

時価総額

1,155.6億 円

株価

1,864 (04/19)

発行済株式数

61,993,750

EPS(実績)

116.19 円

PER(実績)

16.04 倍

平均給与

1,031.3万 円

前期

983.0万 円

前期比

104.9%

平均年齢(勤続年数)

55.1歳(27.8年)

従業員数

21人(連結:12,633人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 純粋持株会社である当社及び当社の関係会社(当社、子会社78社及び関連会社20社(2023年3月31日現在)により構成、以下当社グループという。)においては(アルミナ・化成品、地金)、(板、押出製品)、(加工製品、関連事業)及び(箔、粉末製品)の4部門に関係する事業を主として行っており、それらの製品は、アルミニウムに関連するあらゆる分野にわたっております。各事業における関係会社の位置づけ等は次のとおりであります。

 なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 また、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 

 (アルミナ・化成品、地金)

 当部門においては、アルミナ、水酸化アルミニウム、各種化学品及びアルミニウム合金等を製造・販売しております。

<主な関係会社>

(製造・販売)

 日本軽金属(株)、アルミニウム線材(株)、日軽エムシーアルミ(株)、ニッケイ・エムシーアルミニウム・アメリカ・インク、ニッケイ・エムシーアルミニウム・タイランド・カンパニー・リミテッド、日軽商菱鋁業(昆山)有限公司、イハラニッケイ化学工業(株)、CMR・ニッケイ・インディア・プライベート・リミテッド

(販売・その他)

 日軽産業(株)

 

 (板、押出製品)

 当部門においては、アルミニウム板及びアルミニウム押出製品を製造・販売しております。

<主な関係会社>

(製造・販売)

 日本軽金属(株)、(株)東陽理化学研究所、ニッケイ・サイアム・アルミニウム・リミテッド、ニッポン・ライト・メタル・ジョージア・インク、華日軽金(蘇州)精密配件有限公司、日軽形材(株)、日軽金アクト(株)、理研軽金属工業(株)、深圳華加日鋁業有限公司

(販売・その他)

 日軽金加工開発ホールディングス(株)、日軽産業(株)

 

 (加工製品、関連事業)

 当部門においては、電子材料、産業部品、景観関連製品、冷凍・冷蔵庫用パネル、輸送関連製品等のアルミニウム加工製品、炭素製品の製造・販売並びに運送、情報処理及び保険代理等のサービスの提供を行っております。

<主な関係会社>

(製造・販売)

 日本軽金属(株)、(株)エヌ・エル・エム・エカル、日軽産業(株)、日軽熱交(株)、日軽パネルシステム(株)、日軽松尾(株)、日本電極(株)、ニッポン・ライト・メタル・ノース・アメリカ・インク、日本フルハーフ(株)、フルハーフ・マハジャック・カンパニー・リミテッド、山東林福禄好富汽車有限公司

(販売・その他)

 日軽エンジニアリング(株)、日軽情報システム(株)、日軽物流(株)、(株)東邦アーステック

 

 (箔、粉末製品)

 当部門においては、箔、粉末製品を製造・販売しております。

<主な関係会社>

(製造・販売)

 東洋アルミニウム(株)、湖南寧郷吉唯信金属粉体有限公司、肇慶東洋鋁業有限公司、トーヤルアメリカ・インク、トーヤルMMPインディア・プライベート・リミテッド、トーヤルヨーロッパ・S.A.S.、東洋アルミエコープロダクツ(株)、三亜アルミニウム(株)

<事業系統図>

 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

※画像省略しています。

23/06/27

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当期の世界経済は、新型コロナウイルス感染症による影響の緩和が進みましたが、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、原燃料価格の高止まり、半導体の供給不足等によるサプライチェーンの停滞に加えて、期の後半は世界的な金融引締め等、経済活動抑制の影響により、景気減速懸念が広がりました。わが国においても、景気は昨年夏場までは持ち直しの動きがみられたものの、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっており、注視が必要な状況が続きました。

 アルミニウム業界においては、自動車関連をはじめとして総じて需要は低迷し、アルミニウム製品の国内総需要は前期を下回りました。また、原料となるアルミニウム地金などの価格は、前期まで続いた価格上昇の動きから下落基調に転じましたが、なお高い水準で推移しました。

 当期の業績は、以下のとおりです。

 アルミニウム地金市況や原燃料価格を反映した販売価格の改定により、売上高は前期を上回りました。他方、自動車関連やトラック架装事業での販売減少や半導体製造装置向け厚板の出荷低迷に加えて、原燃料価格の高騰によるコスト上昇が利益を圧迫したことにより、営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、前期を大きく下回りました。

 

連結経営成績

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

当連結会計年度

(2023年3月期)

前連結会計年度

(2022年3月期)

比較増減

(△印減少)

売上高

516,954

486,579

30,375

(6.2%)

営業利益

7,539

22,198

△14,659

(△66.0%)

経常利益

8,859

22,928

△14,069

(△61.4%)

親会社株主に帰属する

当期純利益

7,203

16,759

△9,556

(△57.0%)

 

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

※画像省略しています。

(アルミナ・化成品、地金)

アルミナ・化成品部門におきましては、主力の水酸化アルミニウムおよびアルミナ関連製品では、凝集剤向けで販売が堅調に推移し、化学品関連でも有機塩化物を中心に販売が増加したことに加えて、販売価格を改定したことにより売上高は前期を大幅に上回りました。損益面では原燃料価格の高騰の影響が大きく、ほぼ前期並みとなりました。

地金部門におきましては、主力の自動車向け二次合金分野において、国内の自動車減産や中国での都市封鎖によるサプライチェーンへの影響はあったものの、アルミニウム地金市況を反映して販売価格が上昇したことにより、売上高は前期を大幅に上回りました。一方、採算面では原燃料価格の高騰等により、前期と比べ大幅な減益となりました。

 以上の結果、アルミナ・化成品、地金セグメントの売上高は前期比22.2%増の1,559億81百万円となりましたが、営業利益は前期比21.7%減の102億1百万円となりました。

 

※画像省略しています。

(板、押出製品)

 板製品部門におきましては、リチウムイオン電池向けや半導体製造装置向け厚板などにおいて販売が減少したものの、アルミニウム地金市況を反映した販売価格が前期より高い水準であったことから、売上高は前期を上回りました。一方、採算面では、上記商品の販売減少に加え、原燃料価格高騰によるコスト上昇の影響もあり、前期と比べ大幅な減益となりました。

 押出製品部門におきましては、自動車関連向けやトラック架装向けにおいて、半導体供給不足などによる自動車やトラックシャシーの減産影響により、売上高は前期を下回りました。損益面は販売の減少に加え、原燃料価格の高騰の影響により、大幅に悪化しました。

 以上の結果、板・押出製品セグメントの売上高は前期比5.7%減の1,073億99百万円、営業損益は前期の75億18百万円の利益から80億59百万円悪化の5億41百万円の損失となりました。

 

※画像省略しています。

(加工製品、関連事業)

主要部門の概況は以下のとおりであります。
 輸送関連部門におきましては、トラック架装事業は、半導体不足に端を発するトラックシャシーの減産やサプライチェーン混乱の影響が継続しており、売上高は前期を大幅に下回りました。損益面でも、販売価格改定の効果が十分に発現していないことに加え、販売台数の大幅減少とアルミニウムや鋼材などの材料価格上昇が響き、大幅に悪化しました。

熱交製品事業は、エアコン用コンデンサが、主力の軽自動車向けを中心に下期から需要が回復したことなどにより、売上高は前期を上回りましたが、原燃料価格高騰の影響などにより、損益面ではほぼ前期並みとなりました。

素形材製品事業は、自動車業界の需要が不安定となった影響から主力のブレーキキャリパーや車載空調品の販売が減少したものの、新商品の増販や、販売価格がアルミニウム地金市況を反映して上昇したことにより、売上高は前期を大幅に上回りましたが、採算面では原燃料価格高騰の影響により、減益となりました。

電子材料部門におきましては、半導体をはじめとした電子部品業界全体の需要の落ち込みによりアルミ電解コンデンサ用電極箔の販売が減少したことに加え、原燃料価格高騰の影響により、減収減益となりました。

パネルシステム部門におきましては、冷凍・冷蔵分野では、冷凍食品やネット販売の利用増により物流拠点への設備投資が活発な状況にあったものの、一部大型物件で建設資材の調達難による工期延期の影響もあり、売上高は前期並みとなりました。クリーンルーム分野では、半導体関連工場向けの需要の高まりに支えられ、売上高は前期を上回りました。この結果、部門全体としては増収増益となりました。

景観エンジニアリング部門におきましては、都市景観向けおよび構造物向けともに需要が低迷した一方、道路・橋梁向けで点検用足場製品の需要が好調となり、部門全体の売上高は前期を上回りましたが、建設資材価格が高騰した影響により、損益面ではほぼ前期並みとなりました。

炭素製品部門におきましては、主力の鉄鋼業界向けカーボンブロックの需要が減少した一方、アルミ製錬用カソードブロックなどの販売が増加した結果、売上高はほぼ前期並みとなりましたが、採算面では原燃料価格高騰の影響により、減益となりました。

以上の結果、加工製品、関連事業セグメントの売上高は前期比0.2%減の1,531億67百万円、営業利益は、トラック架装事業における厳しい状況等を受け、前期比98.4%減の59百万円となりました。

 

 

※画像省略しています。

(箔、粉末製品)

 箔部門におきましては、リチウムイオン電池外装用箔は自動車減産影響の継続により前期を下回る販売であったものの、医薬包材向け加工箔が好調であったことに加え、アルミニウム地金市況を反映した販売価格上昇や原燃料価格高騰を受けた販売価格改定により、部門全体としては、増収増益となりました。

 パウダー・ペースト部門におきましては、粉末製品では電子材アルミパウダーや窒化アルミニウムの放熱用途での販売が上半期は堅調に推移したものの、下半期は在庫調整局面に入りました。また、ペースト製品のうち、主力の自動車塗料向けは、国内は自動車減産の影響が継続したものの、海外向けの販売が増加しました。この結果、部門全体の売上高は前期を上回りましたが、原燃料価格高騰の影響を受け損益面では悪化しました。

 日用品部門におきましては、コンシューマー向けはコロナ禍前への回帰による在宅需要の減少はあったものの、ハウスケア用品やアルミホイルの販売は概ね堅調に推移し、また、パッケージ用品向けでは、冷凍食品向けの販売が好調に推移しました。この結果、部門全体の売上高は、販売価格改定を実施したこともあり前期を上回りましたが、採算面では原燃料価格高騰の影響を吸収しきれず、減益となりました。

 以上の結果、箔、粉末製品セグメントの売上高は前期比9.5%増の1,004億7百万円となりましたが、営業利益は前期比3.3%減の15億18百万円となりました。

 

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当期末における連結ベースの現金及び現金同等物については、前期末に比べ138億82百万円(30.7%)減少の312億63百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは6億95百万円の収入にとどまりました。これは売上債権をはじめとした運転資金の増加や堆砂対策引当金の目的使用等の支出などの影響によるものです。なお、営業活動によるキャッシュ・フロー収入は前連結会計年度と比べ7億92百万円減少しておりますが、これは主に税金等調整前当期純利益が減少したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは151億23百万円の支出となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出によるものです。なお、投資活動によるキャッシュ・フロー支出は前連結会計年度と比べ28億98百万円減少しておりますが、これは主に投資有価証券の売却による収入が増加したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは85百万円の収入となりました。これは主として短期借入金の増加によるものです。なお、財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度の6億26百万円の支出に対し、当連結会計年度は85百万円の収入となっておりますが、これは主に配当金の支払いが減少したことによるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績及び受注実績

 当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様でなく、また、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 このため、生産実績及び受注実績については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメント業績に関連付けて示しております。

(b)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

 

アルミナ・化成品

38,570

16.6

 

地金

117,411

24.2

 

アルミナ・化成品、地金

155,981

22.2

 

板製品

54,713

△11.8

 

押出製品

52,686

1.6

 

板、押出製品

107,399

△5.7

 

輸送関連製品

67,309

△7.9

 

その他

85,858

6.9

 

加工製品、関連事業

153,167

△0.2

 

箔、粉末製品

100,407

9.5

 合計

516,954

6.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.当連結会計年度において、主要な販売先として記載すべきものはありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

① 2022中期経営計画レビュー

 事業環境が大きく複雑に変化する中、当社グループにおいては、昨年5月、2022年度を初年度とする中期経営計画(2022年度~2024年度)を策定し、その基本方針に基づく施策を着実に実行してまいりました。

 基本方針1「社会的な価値の創出に寄与する商品・ビジネスの提供」では、お客様のニーズを満たし、社会課題の解決にも繋がる商品・ビジネスの提供をグループ内連携により進めてまいりました。例えば、環境対応車関連では、当社グループにおいて素材から組立まで対応したパワーデバイス冷却器の量産、新規受注の拡大など、部品ビジネスが伸展いたしました。また、米国における自動車軽量化ニーズに対応すべく、自動車足回り部品の生産拠点であるニッポン・ライト・メタル・ジョージア社の操業を2023年1月に開始し、グローバルな供給体制の確立に向け大きな一歩を踏み出しました。

 また、日軽パネルシステム株式会社は、国内における半導体関連工場向けの需要増に対応するため、クリーンルーム用ノンフロン断熱不燃パネルの増産を決定し、下関第2工場の建設に着手しました。加えて、当社グループにおけるカーボンニュートラルに向けた取組みとして、お客様と共同で、廃棄される新幹線車両構体を新規車両の構体として資源循環利用するアルミ水平リサイクルを実現するなど、二酸化炭素排出量削減に向けた取組みを加速させております。

 基本方針2「経営基盤の強化」では、カーボンニュートラル社会への移行に向けた対応として省エネ推進・燃料転換を進めたほか、労働の担い手不足の克服や従業員の幸せ向上を目的として、デジタル技術などを活用した業務効率改善・安全性向上に鋭意取り組みました。

 また、こうした活動の課題をステークホルダーの皆さまにお示しすべく、多様化する社会課題やお客様のニーズへの取組みと当社グループの重要課題(マテリアリティ)を踏まえた経営理念や基本方針を「日軽金グループ経営方針」として改めて定義いたしました。

 

② 当連結会計年度の財政状態の分析

 当社グループは、より健全で強固な経営体質にすることを狙いとした中期経営計画の諸施策と並行し、財務体質改善のための有利子負債削減や自己資本の充実に注力しております。

 当連結会計年度末の総資産は、堆砂対策計画の実行に伴う支出等による現金及び預金の減少などにより、前連結会計年度末と比べて64億円減の5,262億1百万円となりました。
 負債は、同計画の実行による堆砂対策引当金の減少などにより、前連結会計年度末に比べて62億51百万円減の3,054億43百万円となりました。
 純資産は、非支配株主を有する連結子会社の当期純損失の計上や清算に伴う非支配株主持分の減少などにより、前連結会計年度末と比べて1億49百万円減の2,207億58百万円となりました。この結果、自己資本比率(期末純資産から非支配株主持分を控除したベース)は、前連結会計年度末の38.1%から39.0%となりました。

 

③ 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a)概要

 当連結会計年度の売上高は5,169億54百万円(前連結会計年度比 6.2%増、303億75百万円増)、営業利益は75億39百万円(同 66.0%減、146億59百万円減)、経常利益は88億59百万円(同 61.4%減、140億69百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は72億3百万円(同 57.0%減、95億56百万円減)となりました。

 

(b)営業利益

 当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ、146億59百万円減の75億39百万円となりました。営業利益のセグメント毎の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 

(c)営業外収益・費用

 営業外収益は、為替差益が増加したことなどにより、前連結会計年度と比べ、17億25百万円増加し、69億58百万円となりました。
 営業外費用は、前連結会計年度には計上していない事業再編費用を営業外費用に計上したことなどにより、前連結会計年度と比べ、11億35百万円増加し、56億38百万円となりました。

 

(d)特別利益・損失

 特別利益は、持分変動利益として18億83百万円を計上いたしました。持分変動利益の内容については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係)」に記載のとおりであります。

 

(e)税金費用等

 当連結会計年度の税金費用(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は、課税所得が減少したこと等により、前連結会計年度と比べ、28億33百万円減少し、50億91百万円となりました。
 非支配株主に帰属する当期純損失は、主として子会社である日本フルハーフ㈱の非支配株主に帰属する損失であり、当連結会計年度は15億52百万円となりました。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性に関する分析

(a)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ138億82百万円(30.7%)減少の312億63百万円となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ、7億92百万円(53.3%)減少し、6億95百万円の収入にとどまりました。これは主に税金等調整前当期純利益が減少したことによるものです。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の180億21百万円の支出に対し、当連結会計年度は151億23百万円の支出となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入が増加したことによるものです。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の6億26百万円の支出に対し、85百万円の収入となりました。これは主に配当金の支払いが減少したことによるものです。

 

(b)資金需要・調達及び流動性について

 当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、充分な流動性の維持に留意しております。当社グループの資金需要としては、製品製造のための原料及び操業材料の購入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業活動に係る運転資金需要、製造設備の購入及び事業買収等の投資活動に係る長期資金需要があります。
 当社グループは、資金調達に当たって資金の安定性強化と資金コストの低減に傾注しつつ、社債の発行や、主力銀行をはじめとする幅広い金融機関からの借り入れによる調達を行なっております。
 また、流動性に関して、当社グループは金融情勢の変化等を勘案しながら、現金同等物の残高が適正になるように努めております。
 当社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度14億87百万円、当連結会計年度6億95百万円の収入であり、前連結会計年度に比べると約8億円減少しました。これは主に税金等調整前当期純利益が減少したことによる影響ですが、安全性と資金効率のバランスを考慮しながら、金融機関からの借入と現預金の取崩しを並行して行い対応しました。2023年度以降は、2023年度を初年度とする中期経営計画の着実な実行により、営業キャッシュ・フローを安定的に創出できると考えておりますが、将来の当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び長期資金を調達するためには、必ずしも充分ではない可能性があることも認識しております。将来の成長を維持・加速するために必要な資金は、基本的に新商品・新規事業の創出による売上、収益の拡大を通じて営業キャッシュ・フローの増大により確保していく方針であります。

 

⑥ 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。当社グループでは、以下に記載した会計方針及び会計上の見積りが、連結財務諸表作成に重要な影響を及ぼしていると考えております。また、会計上の見積りのうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあると識別したものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(a)貸倒引当金

 当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能見込額を見積り、貸倒引当金として計上しております。将来、顧客等の財務状況悪化、経営破綻等により、顧客等の支払能力が低下したとの疑義が生じたと判断される場合には、貸倒引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

 

(b)資産の評価

 当社グループは、棚卸資産については主として原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しておりますが、製品別・品目別に管理している受払状況から、滞留率・在庫比率等を勘案して、陳腐化等により明らかに市場価値が滅失していると判断された場合には、帳簿価額と正味売却価額との差額を評価損として計上しております。実際の市場価格が、当社グループの見積りよりも悪化した場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性があります。
 当社グループは、長期的な取引関係の維持・構築のため、一部の顧客及び金融機関等の株式を所有しており、金融商品に係る会計基準に基づいて評価しております。将来において市場価格のある株式の時価が著しく下落したとき、回復する見込みがあると認められない場合には、評価損を計上する可能性があります。一方、市場価格のない株式については、将来において投資先の業績不振等により、帳簿価額に反映されていない損失あるいは帳簿価額の回収不能が発生したと判断された場合には、評価損を計上する可能性があります。
 当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、将来において、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失の追加計上が必要となる可能性があります。

 

(c)繰延税金資産

 当社グループは、合理的で実現可能なタックスプランニングに基づき将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を充分に検討し繰延税金資産を計上しております。
 将来、実際の課税所得が減少した場合、あるいは将来の課税所得の見積り額が減少した場合には、当該会計期間において、繰延税金資産を取り崩すことにより税金費用が発生する可能性があります。一方、実際の課税所得が増加した場合、あるいは将来の課税所得の見積り額が増加した場合には、繰延税金資産を認識することにより、当該会計期間の当期純利益を増加させる可能性があります。

 

(d)退職給付費用及び債務

 当社グループは、従業員の退職給付費用及び債務を算出するに当たり、数理計算上で設定した基礎率(割引率、昇給率、退職率、死亡率、期待運用収益率等)は、統計数値等により合理的な見積りに基づいて採用しております。これらの見積りを含む基礎率が実際の結果と異なる場合、その影響額は数理計算上の差異として累積され、将来期間にわたって償却されるため、将来において計上される退職給付費用及び債務に影響を及ぼします。当社グループは採用している基礎率は適切であると考えておりますが、実際の結果との差異が将来の当社グループの退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。

 

(e)堆砂対策引当金

 当社の連結子会社である日本軽金属㈱が保有する雨畑ダム(山梨県南巨摩郡早川町)上流の雨畑川の水位が2019年8月の台風10号、同年10月の台風19号などによる豪雨の影響を受け上昇したことにより、周辺地域で浸水被害が発生いたしました。現在、地域の皆さまの安全を最優先に、関係各所との連携により浸水被害を防ぐための対策を進めております。
 また、国土交通省より抜本的な解決に向け、堆砂対策の計画を取りまとめ、計画的に取り組むよう指導されております。
 この状況を厳粛に受け止め、日本軽金属㈱は国土交通省、山梨県及び早川町との4者で構成する雨畑地区土砂対策検討会を設立し、周辺地域における浸水被害発生に対する応急対策、及び堆積土砂の抜本対策について検討を重ね、その内容に基づき雨畑ダム堆砂対策基本計画を策定し、その実行に伴う費用等を合理的に見積っておりますが、見積りの前提として仮定した搬出計画(搬出方法や搬出先)は、必ずしもすべての内容につき実行の許認可を得られたものではなく、許認可の内容や工事方法の変更等によって見積り額が変動する可能性があります。

 なお、当見積り項目は、重要な会計上の見積りとして、そのリスク内容を「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。