E01373 Japan GAAP
前期
156.7億 円
前期比
102.0%
株価
3,420 (04/19)
発行済株式数
2,237,586
EPS(実績)
152.23 円
PER(実績)
22.47 倍
前期
638.4万 円
前期比
102.2%
平均年齢(勤続年数)
46.0歳(18.0年)
従業員数
314人
当社は、橋梁、鉄骨及びその他鋼構造物の設計から製作、現場施工を主な事業としております。
当社の事業の詳細は次のとおりであり、セグメントの区分と同一であります。
(1)橋梁事業
新設鋼橋の設計・製作・現場据付、既設橋梁維持補修工事の設計・製作・現場据付、橋梁関連鋼構造物の設計・製作・現場据付、複合構造物の設計・製作・現場据付、土木及び海洋関連鋼構造物の製作をしております。
(2)鉄構事業
超高層ビル鉄骨等の製作・現場施工、大空間構造物の設計・製作・現場施工、制震部材の製作をしております。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済活動の正常化が進み、景気は持ち直しの動きが見られました。しかしながら、エネルギー価格、原材料価格の高騰による物価高や、内外金利差拡大による円安の進行など、先行きは不透明な状況で推移しました。
当業界におきましては、橋梁事業では当事業年度の道路関係予算が前事業年度比横ばいであったこともあり、新設鋼橋の発注高は微増にとどまりました。しかし、保全工事の発注高は高速道路会社の発注高の減少により、全体としては前事業年度比で若干減少する結果となりました。鉄構事業におきましても、首都圏を中心とした再開発事業や、物流倉庫・製造業の工場建設等、大型案件の計画は進んでいるものの、鋼材他諸資材やエネルギー価格の高騰の影響もあり、当事業年度の鉄骨需要は端境期となり、大型物件の出件は減少いたしました。
このような厳しい状況下ではありましたが、当社は受注の確保を最重要課題として取り組み、橋梁事業では、技術提案力の強化と積算精度の向上だけでなく、地元や各地域への貢献も視野に入れ、客先に寄り添った営業活動を進めた結果、前事業年度を大きく上回る受注高を確保することが出来ました。鉄構事業においても、目標案件の確実な受注を積み上げることで、ここ数年の低迷から抜け出す一歩を踏み出せました。
これらの結果、当事業年度の受注高は橋梁事業17,889,565千円、鉄構事業4,279,165千円、総額22,168,730千円となり前事業年度比57.7%の増加となりました。
また、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
イ.財政状態
(資産の部)
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ2,732,204千円増加し、27,278,323千円となりました。
流動資産は14,885,435千円(前事業年度末12,960,223千円から当事業年度末14,885,435千円)となりました。これは主に完成工事高の計上に伴い完成工事未収入金が2,909,121千円増加したことによるものです。
固定資産は12,392,887千円(前事業年度末11,585,894千円から当事業年度末12,392,887千円)となりました。これは主に全天候型塗装工場関係他の設備投資実施による増加903,475千円と減価償却実施による減少263,427千円、保有する投資有価証券の時価が上昇し貸借対照表計上額が136,221千円増加したことによるものです。
(負債の部)
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ2,686,033千円増加し、8,195,608千円となりました。
流動負債は8,064,926千円(前事業年度末5,384,786千円から当事業年度末8,064,926千円)となりました。これは主に短期借入金の増加2,900,000千円によるものです。
固定負債は130,682千円(前事業年度末124,788千円から当事業年度末130,682千円)となりました。これは主に繰延税金負債の計上11,721千円によるものです。
(純資産の部)
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ46,170千円増加し、19,082,714千円となりました。これは当期純利益の計上340,629千円とその他有価証券評価差額金の増加137,079千円、剰余金の配当による減少232,215千円及び自己株式の取得199,322千円によるものです。この結果、自己資本比率は70.0%(前事業年度は77.6%)となりました。
ロ.経営成績
損益面につきましては、年度後半に橋梁事業・鉄構事業ともに進捗が停滞し、採算の悪化した工事が発生したことで、完成工事高は業績予想に届かず、営業利益・経常利益も業績予想を下回る結果となりました。また、収益性の改善に取り組んでいる鉄構事業の回復が遅れており、前事業年度に引き続き特別損失(固定資産の減損損失)を計上したことも影響し、当期純利益も業績予想を下回る結果となりました。
当事業年度の業績は、完成工事高15,978,699千円(前期比2.0%増)、営業利益374,838千円(前期比50.9%減)、経常利益491,778千円(前期比47.6%減)、当期純利益340,629千円(前期比54.4%減)であります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
橋梁事業
橋梁事業におきましては、年度末の工場の操業度対策として受注した工事の採算が、想定を超えて悪化したことで、完成工事高は13,310,169千円(前期比9.4%増)と増加したものの、セグメント利益は556,294千円(前期比45.4%減)と前事業年度を大きく下回る結果となりました。受注面では、地道な営業活動を継続し、技術提案力の強化と積算精度の向上に努めたことで、前事業年度を大きく上回る成果を上げることができました。当事業年度の受注高は17,889,565千円(前期比61.5%増)、当事業年度末の受注残高は20,791,867千円(前期比28.2%増)であります。
鉄構事業
鉄構事業におきましては、前事業年度の受注高の停滞から、当事業年度の完成工事高は2,668,530千円(前期比23.8%減)と減少し、利益確保に必要な完成工事高には届かず、セグメント利益は△181,456千円(前期はセグメント利益△254,559千円)と赤字が継続する結果となりました。受注面では、目標とする案件の着実な受注により、前事業年度までの低迷から抜け出す一歩を踏み出すことが出来ました。当事業年度の受注高は4,279,165千円(前期比43.5%増)、受注残高は6,543,993千円(前期比32.6%増)であります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末より781,574千円減少し、2,886,079千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は2,130,138千円(前期は1,430,486千円の獲得)となりました。これは主に売上債権の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,120,097千円(前期比35.7%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は2,468,662千円(前期は644,347千円の使用)となりました。これは主に短期借入金の増加によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比(%) |
橋梁事業(千円) |
13,561,208 |
+13.0 |
鉄構事業(千円) |
2,168,501 |
△39.0 |
合計(千円) |
15,729,709 |
+1.1 |
ロ.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高 |
前期比(%) |
受注残高 |
前期比(%) |
橋梁事業(千円) |
17,889,565 |
+61.5 |
20,791,867 |
+28.2 |
鉄構事業(千円) |
4,279,165 |
+43.5 |
6,543,993 |
+32.6 |
合計(千円) |
22,168,730 |
+57.7 |
27,335,860 |
+29.3 |
ハ.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比(%) |
橋梁事業(千円) |
13,310,169 |
+9.4 |
鉄構事業(千円) |
2,668,530 |
△23.8 |
合計(千円) |
15,978,699 |
+2.0 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
国土交通省 |
6,807,912 |
43.4 |
8,536,934 |
53.4 |
大成建設㈱ |
2,588,261 |
16.5 |
- |
- |
2.当事業年度の大成建設㈱については、売上高に占める割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の完成工事高は15,978,699千円(前期比2.0%増)を確保しましたが、大型不採算工事の発生により、営業利益は374,838千円(前期比50.9%減)、経常利益は491,778千円(前期比47.6%減)と利益は前期比で半減する結果となりました。さらに3期連続で特別損失(固定資産の減損損失)を計上することとなり、当期純利益は前事業年度を大きく下回る340,629千円(前期比54.4%減)となりました。
イ.財政状態の分析
財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
ロ.経営成績の分析
(完成工事高)
当事業年度は、橋梁事業・鉄構事業ともに受注は堅調に推移したものの、当事業年度の生産活動に寄与する工事は多くなく、完成工事高は微増の15,978,699千円(前期比2.0%増)となりました。その内訳は、橋梁事業13,310,169千円(前期比9.4%増)、鉄構事業2,668,530千円(前期比23.8%減)であります。
(営業利益)
完成工事高は微増となったものの、年度末の工場の山積み対策として受注した工事の採算が、想定を超えて悪化し、販売費及び一般管理費も1,384,718千円(前期比9.8%増)と前事業年度実績を上回ったことで、営業利益は374,838千円(前期比50.9%減)となりました。そのため、売上高営業利益率は2.3%となり前事業年度実績4.9%から半減する結果となりました。
(当期純利益)
営業外収益につきましては、受取配当金の増加はありましたが、有価証券売却益の減少により前事業年度より47,419千円減少し151,951千円となりました。営業外費用につきましては、支払利息と支払保証料の増加から前事業年度より9,850千円増加し35,011千円となりました。これらの結果、経常利益は491,778千円(前期比47.6%減)となり、経常利益率も3.1%と前事業年度実績6.0%から半減する結果となりました。
特別損益につきましては、収益性の改善に取り組んでいる鉄構事業の回復が遅れており、3年連続で特別損失(固定資産の減損損失)を計上することとなり、税引前当期純利益は前事業年度を大きく下回る427,198千円(前期比46.8%減)となりました。
法人税等合計(法人税等調整額を含む)が前事業年度より大きい86,569千円の計上となったことで、当期純利益は、前事業年度より407,099千円減少し340,629千円(前期比54.4%減)となりました。この結果当期純利益率は前事業年度の4.8%から2.7%悪化した2.1%となりました。
ハ.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末より781,574千円減少し、2,886,079千円となりました。当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社の主な運転資金需要は、製品製造のための原材料仕入や協力会社への外注費用、人件費等の販売費及び一般管理費が主なものであります。また、設備資金需要は生産効率の向上や品質確保のための設備投資が主なものであります。
(財務政策)
当社は内部留保金を有効に活用することで、事業活動に必要な流動性の確保に努めております。また、品質確保のための設備投資や資本参加も見据えた事業展開に活用することで、経営基盤の強化を目指しております。運転資金は自己資金を基本としつつ、金融機関からの借入を有効活用することで円滑に業務を推進しております。
当事業年度末における短期借入金の残高は4,900,000千円であり、当事業年度末における現金預金の残高は2,886,079千円であります。
経営方針・経営戦略又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照下さい。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成にあたっては、当事業年度における経営成績等に影響を与えるような見積りを必要としております。当社は過去の実績や現在の状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき継続的に見積りを行っておりますが、見積りには不確実性を伴うことから、実際の結果とは異なる場合があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。