E01731 Japan GAAP
前期
205.0億 円
前期比
123.4%
株価
486 (04/19)
発行済株式数
24,828,600
EPS(実績)
92.42 円
PER(実績)
5.26 倍
前期
586.4万 円
前期比
104.8%
平均年齢(勤続年数)
48.2歳(23.7年)
従業員数
197人(連結:1,485人)
当社企業グループ(当社及び連結子会社)は、工業用ミシンの製造販売及び自動車用部品の製造販売を主な事業として取り組んでおります。当社企業グループは当社のほか、国内では工業用ミシン部品製造子会社1社、海外では工業用ミシン販売子会社としてシンガポール、米国、ドイツに1社ずつ、工業用ミシン製造及び販売子会社として中国、ベトナムに1社ずつ、自動車用部品製造及び販売子会社として中国に2社、ベトナム、メキシコに1社ずつの合計11社で構成されております。
なお、2022年4月1日付で報告セグメントの名称を変更しております。当社企業グループ事業名称の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げる「セグメント情報等」のとおりであります。
工業用ミシン事業は、縫製工場においてアパレル生産に使用される業務用ミシンのうち、主にニット衣料などの縫製に使用される「環縫いミシン」と呼ばれる種類のミシンの製造販売を行っております。「環縫いミシン」とは、糸を鎖のように編んで縫い目を構成するため伸縮性があり、ニット素材の縫製に適しているのと同時に縫い目自体に装飾性があるのでジーンズを筆頭に様々な製品の縫製で広く利用されております。当社は、この「環縫いミシン」でトップブランドとしての地位を築いております。
オートモーティヴ事業は、自動車用安全ベルトのリトラクター(巻き取り装置)部品を始めとする自動車用部品の製造販売を行っております。
セグメント別当社企業グループの各社及び事業の系統図は、次のとおりであります。
(注) 上表の各社は、全て連結子会社であります。
当連結会計年度における当社企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症における行動制限の緩和に伴い、経済活動の正常化が進んだ一方、サプライチェーンにおけるモノ不足は依然として続き、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による物資及びエネルギー不足により、急激なインフレの進行が見られました。また、欧米諸国の金融政策による企業活動や個人消費への影響など、先行きは極めて不透明な状況が続いております。
このような環境のもとで、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
当連結会計年度における資産合計は、前連結会計年度に比べ43億74百万円増加し395億7百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度に比べ5億41百万円増加し103億7百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度に比べ38億33百万円増加し291億99百万円となりました。
当連結会計年度における売上高は252億88百万円(前連結会計年度比23.4%増)、営業利益は26億57百万円(前連結会計年度比43.9%増)、経常利益は29億46百万円(前連結会計年度比51.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は22億94百万円(前連結会計年度比46.0%増)となりました。
当連結会計年度における各セグメントの概況は、次のとおりであります。なお、2022年4月1日付で報告セグメントの名称を変更しております。当社企業グループ事業名称の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げる「セグメント情報等」のとおりであります。
工業用ミシン事業
工業用ミシン事業につきましては、縫製産業の設備投資需要にばらつきがあったものの、為替相場の円安効果もあり、売上高は189億22百万円(前年同期比14.8%増)、セグメント利益は32億68百万円(前年同期比20.0%増)となりました。
オートモーティヴ事業
オートモーティヴ事業につきましては、新規顧客の獲得及び納期・品質を主とした顧客ニーズに応えることで収益力の強化を図り、売上高は63億66百万円(前年同期比58.5%増)、セグメント利益は5億58百万円(前年同期比219.7%増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は92億25百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億7百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と増減の要因は、次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は、18億59百万円(前連結会計年度比1.2%減)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益29億52百万円、売上債権の減少額3億45百万円、減価償却費9億66百万円に対し、仕入債務の減少額2億89百万円、法人税等の支払額7億16百万円、棚卸資産の増加額16億21百万円などによります。
投資活動の結果支出した資金は、18億75百万円(前連結会計年度比334.0%増)となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出16億26百万円、定期預金の預入及び払戻による収支の減少2億70百万円などによります。
財務活動の結果支出した資金は、11億82百万円(前連結会計年度比75.5%増)となりました。これは主として配当金の支払額6億94百万円、長期借入金の返済による支出3億74百万円などによります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額は、製造原価によっております。
当社企業グループは、受注生産形態をとらないため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 売上高は、外部顧客に対する売上高であります。
2 総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
経営者の視点による当社企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産・負債の金額及び報告期間における収益・費用の金額に影響する見積り、判断及び仮定の設定を行っております。当社企業グループにおいて重要性の高い会計上の見積りとして棚卸資産の評価及び繰延税金資産の回収可能性を認識しています。
なお、これらの会計上の見積りの内容に関する理解に資する情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(資産の部)
当連結会計年度における資産の額は、395億7百万円と前連結会計年度に比べ43億74百万円の増加となりました。流動資産につきましては、主として商品及び製品が23億48百万円、受取手形及び売掛金が4億65百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ29億円増加となりました。固定資産につきましては、主として有形固定資産が18億96百万円増加、無形固定資産が4億91百万円減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ14億74百万円増加となりました。
(負債の部)
当連結会計年度の負債の額は、103億7百万円と前連結会計年度に比べ5億41百万円の増加となりました。流動負債につきましては、主として支払手形及び買掛金が4億35百万円、短期借入金が3億98百万円、未払法人税等が2億91百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ11億63百万円増加となりました。固定負債につきましては、主として長期借入金が3億85百万円、繰延税金負債が2億30百万円それぞれ減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ6億21百万円減少となりました。また、米ドル建のインパクトローンを活用し米ドル建債権の為替変動リスクに備えております。
(純資産の部)
当連結会計年度の純資産の額は、291億99百万円と前連結会計年度に比べ38億33百万円の増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加、為替換算調整勘定の増加などによるものであります。また、自己資本比率71.6%について、変化の激しいグローバルマーケットでの競争に備え、一定水準の自己資本比率は必要との認識であります。成長のための投資に必要な内部留保を確保しつつ、業績に左右されない安定的な配当政策と健全な財務基盤の維持に取り組んでまいります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は252億88百万円となり、前連結会計年度に比べ47億90百万円の増収となりました。主な要因は、工業用ミシン事業におきましては、世界的なコロナ禍からの経済活動再開を背景に上半期を中心とした活発な需要に応えたこと、オートモーティヴ事業におきましては、新規顧客の獲得や既存顧客からの受注増加などによるものであります。
(営業損益)
当連結会計年度における営業利益は26億57百万円となり、前連結会計年度と比べ8億10百万円の増益となりました。ロシア・ウクライナ情勢の長期化による物資及びエネルギー不足により、急激なインフレの進行が見られ、アパレル需要の縮小や原材料価格の高止まりなどのマイナスの影響を受けましたが、顧客ニーズに沿った製品供給の対応により前連結会計年度対比で43.9%増となりました。なお、営業利益率は10.5%と指標とする10%を上回りました。
(経常損益)
当連結会計年度における経常利益は29億46百万円となり、前連結会計年度と比べ10億5百万円の増益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は22億94百万円となり、前連結会計年度と比べ7億22百万円の増益となりました。法人税、住民税及び事業税が所得の増加により前連結会計年度比3億73百万円増加しております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
(工業用ミシン事業)
工業用ミシン事業は、年前半はコロナ禍からの経済活動再開を背景に、縫製産業における工業用ミシン需要も堅調に推移いたしました。年後半は世界的なインフレ進行とともに旺盛であったアパレル需要は縮小が見られ、縫製産業の設備投資に対し慎重となる企業も出てまいりましが、通期の売上高は前連結会計年度と比べ14.8%増、セグメント利益は前連結会計年度と比べ20.0%増となり、前期に続き過去最高水準の売上げを更新することができました。
今後につきましては、ライフスタイルの変化により伸縮素材への需要が年々増加するなど、多様化する素材へ対応すべく製品ラインナップを拡充してまいります。また、未参入市場への顧客開拓による販売増強ならびにサプライチェーンの分断等、不測事態へのリスクヘッジとしてベトナムハイズン省に新規工場の建設を進めております。
(オートモーティヴ事業)
オートモーティヴ事業は、材料価格の高騰ならびに半導体不足による自動車産業減産の影響を受けたものの、新規顧客の獲得や既存顧客からの受注増加などにより、業績は順調に推移いたしました。
この結果、通期の売上高は前連結会計年度と比べ58.5%増、セグメント利益は前連結会計年度と比べ219.7%増となり、過去最高の売上高を達成することができました。
今後につきましては、2021年に設立した中国南通市の子会社での生産を開始し、その他子会社も受注増加に備えた設備投資計画のもと、販売増強に注力してまいります。
当社企業グループにおける主な資金需要は、営業活動や生産活動に必要な運転資金、販売費、研究開発費などがあります。投資活動においては、新規設備投資や更新投資があります。必要な資金は主に営業活動によるキャッシュ・フローで得られる資金を充当し、必要に応じて金融機関からの借入金による調達を実施しております。引き続き、事業計画に基づく資金需要、金融市場の調達環境、既存借入金の返済時期などを考慮のうえ、株式市場や金融機関からの調達を適宜判断してまいります。
なお、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計36億80百万円の当座貸越契約を締結し、資金需要に備えております(借入未実行残高21億30百万円)。
また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は92億25百万円を有し、資金の流動性は十分に確保しているものと認識しております。
当連結会計年度は工業用ミシン事業の回復により、売上高営業利益率は中長期的目標である10%以上に対して前連結会計年度の9.0%から当連結会計年度は10.5%となり、ROEは6.8%から8.7%となりました。引き続き配当性向30%を目安に、業績の変動に左右されない安定的かつ継続的な配当の実現に取り組んでまいります。