E27671 Japan GAAP
前期
1,443.6億 円
前期比
116.4%
株価
845 (04/09)
発行済株式数
49,154,282
EPS(実績)
23.58 円
PER(実績)
35.84 倍
前期
607.8万 円
前期比
97.4%
平均年齢(勤続年数)
41.7歳(15.0年)
従業員数
2,862人(連結:4,304人)
当社は、2013年10月1日に株式会社アイメタルテクノロジーと自動車部品工業株式会社並びにテーデーエフ株式会社の共同株式移転の方法により、共同持株会社であるIJTテクノロジーホールディングス株式会社として設立いたしました。その後、意思決定を迅速にし、当社グループの経営資源の有効活用と経営の効率化を図り、経営基盤をより強固にするため、2019年4月1日をもちまして、当社を吸収合併存続会社として、当社の完全子会社である株式会社アイメタルテクノロジー、自動車部品工業株式会社及びテーデーエフ株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行い、事業会社へと移行し、商号を株式会社IJTTに変更いたしました。
当社グループは、当社、連結子会社4社、非連結子会社1社及び関連会社2社で構成されており、自動車、建設機械並びに産業車輛・機械業界等を需要先とした鍛造品、鋳造品及び機械加工・組立品の製造、販売を主な事業としております。
以上に述べた事項の概要図は次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による度重なる新規感染者数の増加により医療体制の逼迫が続きましたが、ワクチン接種の進展により行動制限が徐々に緩和され、さらに政府の旅行支援策や入国者の水際対策の大幅な緩和により、社会経済活動は正常化へ向かう動きが見られており、足元では感染者数の落ち着きやマスク着用ルールの緩和に伴い、感染症法上の分類引き下げが行われるなどアフターコロナへの動きが加速しつつあります。一方で、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を巡る地政学リスクに起因したエネルギー資源・原材料価格の高騰は長期化しており、世界的なサプライチェーン混乱による慢性的な部品不足は解消しておらず、加えて欧米におけるインフレ加速に伴う金融引き締めの影響を受けた急激な円安の進行や原材料価格の上昇に起因する物価上昇等による景気下振れリスクの懸念もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
トラック市場におきましては、サプライチェーン混乱による慢性的な部品調達難は続いており、半導体の供給量は改善傾向にあるものの、コロナ禍前の水準には回復しておらず、国内では完成車メーカーの生産台数が本格的に回復していない等、厳しい状況が続いております。
一方で、海外ではタイのピックアップトラック、インドネシアでは天然資源価格高騰を追い風に商用車で好調を維持しており、とりわけアセアン地域を中心に需要は堅調に推移しました。
建設機械市場におきましては、国内では公共投資を中心に回復基調にあるものの、サプライチェーン混乱による部品不足の影響を受け、需要は減少しました。一方、海外では天然資源価格高騰の恩恵を受けたインドネシア等のアジア新興国を中心に需要は堅調に推移したものの、景気減速が続いている中国において需要は大幅に減少しました。
このような情勢下、当連結会計年度の収益につきましては、得意先である自動車メーカーの稼働停止や生産調整が断続的に発生したものの、原材料価格やエネルギーコスト高騰等の客先への価格転嫁や円安効果等により、売上高は167,983百万円と前年同期と比べ23,623百万円(16.4%)の増収、利益面につきましては、生産性向上及び固定費削減等の原価改善活動とともに、原材料価格やエネルギーコスト高騰等に応じた製品への価格転嫁や円安効果等により、営業利益は、3,948百万円と前年同期と比べ655百万円(19.9%)の増益、経常利益は、4,567百万円と前年同期と比べ320百万円(7.5%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産の減損損失を特別損失に計上したこと等により、1,159百万円と前年同期と比べ1,668百万円(59.0%)の減益となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ9,503百万円増加し、141,520百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1,700百万円、売掛債権が2,377百万円、棚卸資産が1,587百万円、有形固定資産が2,877百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ6,682百万円増加し、53,471百万円となりました。これは主に支払債務が2,349百万円、借入金が4,240百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ2,821百万円増加し、88,049百万円となりました。これは主に利益剰余金が221百万円、為替換算調整勘定が1,395百万円、非支配株主持分が1,039百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,688百万円増加(前年同期比15.2%増)し、当連結会計年度末には12,815百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果獲得した資金は、10,172百万円と前年同期と比べ4,575百万円(81.8%)の増加となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益2,431百万円、減価償却費8,373百万円、減損損失2,080百万円、仕入債務の増加額2,101百万円に対し、売上債権の増加額1,924百万円、棚卸資産の増加額1,390百万円、法人税等の支払額986百万円があったこと等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は、12,179百万円と前年同期と比べ4,699百万円(62.8%)の支出増となりました。主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出が12,128百万円であったこと等によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果獲得した資金は、3,219百万円(前年同期は891百万円の支出)となりました。主な内訳は、長期借入金の返済による支出が1,060百万円、配当金の支払額(非支配株主への配当金の支払額を含む)が978百万円であった一方で、短期借入金の純増減額が5,300百万円であったこと等によります。
売上高の内訳につきましては次のとおりであります。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当社グループは、自動車用等関連部品製造事業の単一セグメントであります。
2.金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当社グループは、自動車用等関連部品製造事業の単一セグメントであります。
2.当社グループは、受注生産を行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当社グループは、自動車用等関連部品製造事業の単一セグメントであります。
2.主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1〔連結財務諸表等〕(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性により、これら見積りと異なる場合があります。
当社の重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社グループは、2022年5月の「2023年3月期の連結業績予想」におきまして、売上高155,000百万円、営業利益4,600百万円、経常利益5,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,100百万円を見込んでおりました。
この予想に対し、連結会計年度の売上高は167,983百万円(前連結会計年度は144,360百万円)となりました。営業利益は3,948百万円(前連結会計年度は3,292百万円)、経常利益は4,567百万円(前連結会計年度は4,247百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,159百万円(前連結会計年度は2,827百万円)となりました。
上記増減の主な要因といたしまして、売上につきましては、原材料価格やエネルギーコスト高騰等の客先への価格転嫁や円安効果等により増収となりましたが、利益面につきましては、得意先である自動車メーカーの稼働停止や生産調整が断続的に発生した影響を生産性向上及び固定費削減等の原価低減活動では吸収しきれず、また、固定資産の減損損失を特別損失に計上した結果、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに減益となりました。
今後は、持続的な成長と財務体質の強化に向けて、以下の経営課題を着実に推進し、企業価値の向上に努めて参ります。
[各事業の経営課題と今後の取り組みについて]
(ア) 鋳造事業
EV化による商用車向けビジネスの縮小及びカーボンニュートラル等の環境問題への対応を見据えた将来の成長のため、事業ポートフォリオの再構築およびサステナビリティ活動の加速推進に取り組みます。成長産業である産業機械・産業用ロボット市場を新たな収益の柱とすべく、当社の北上工場において新鋳造工場新設を予定しております。また、当社グループが有する研究開発から製造まで一貫した鋳造技術及び生産能力を背景としたコスト競争力を強化し、顧客のニーズにお応えするとともに、拡販活動を推進して参ります。
(イ) 鍛造事業
商用車用の大型部品において、大型プレス機活用による自動化を追求しコスト競争力を強化することで顧客のニーズにお応えするとともに、HV及びEV向けの電動化商品の受注拡大を目指します。また、乗用車用の小型部品から商用車用の大型部品まで幅広くカバーすることが可能な多種多様な設備を活用し、自動車産業向け製品開発で培った競争力を活かした他分野への参入を目指して、受注拡大にも取り組んで参ります。
(ウ) ユニット事業
商用車向けe-Axle及びe-PTOの開発を加速させ、高効率化・モジュール化による高付加価値商品でEV関連事業の創出及び環境規制対応の推進を強化して参ります。また、当社グループの駆動系を中心とした自社開発ユニット製品においても顧客のニーズにお応えするとともに、拡販活動を推進して参ります。
[資本の財源及び資金の流動性]
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
a)資本政策の基本方針
当社は、当社グループのQCD(Quality、Cost、Delivery)競争力強化及び中長期的な企業価値向上に向けた持続的な成長を支えるべく、最適な資本政策を実施して参ります。特に財務ガバナンスの強化、キャッシュ・フロー創出力強化及び資金効率の最大化に向けて、「持続的成長投資の実施」、「安定した配当の継続」及び「財務基盤の強化」について、効率的な資本政策を推進し、財務面からグループ全体の企業価値向上を目指して参ります。
b)資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、製品製造のための材料費、人件費、経費、販売費及び一般管理費などがあります。また、投資活動に係る資金支出は、設備の新設や老朽代替、改修等があります。
c)資金調達
当社は、円滑な事業活動に必要な流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、内部資金と銀行からの借入金を中心とした外部資金を効率的に活用した資金調達を行っております。
設備投資については営業キャッシュ・フローの範囲内を基本に実施しておりますが、大規模なプロジェクト投資案件については金融機関からの外部資金を活用し調達しております。
グループ子会社については原則として銀行等外部からの資金調達は行わず、キャッシュ・マネジメント・システムの導入により、グループ内の余剰資金を当社へ集中し、一部をグループ子会社へ貸し付けるなど、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図っております。
また、当社は、突発的な資金需要に備えるため、迅速かつ確実に資金を調達すべく国内金融機関とコミットメントラインの締結と短期借入枠を設定しており、緊急時の流動性を確保しております。