E31070 Japan GAAP
前期
307.7億 円
前期比
83.6%
株価
1,245 (04/19)
発行済株式数
38,140,000
EPS(実績)
0.03 円
PER(実績)
4.75万 倍
前期
561.7万 円
前期比
99.7%
平均年齢(勤続年数)
34.8歳(4.7年)
従業員数
471人(連結:759人)
当社グループは、当社、連結子会社15社(株式会社スノーピークウェル、Snow Peak Korea, Inc.、株式会社スノーピークビジネスソリューションズ、株式会社スノーピーク地方創生コンサルティング、株式会社スノーピーク白馬、Snow Peak London, Limited.、Snow Peak USA, Inc.、Snow Peak HOSPITALITY, LLC、株式会社スノーピークローカルフーズ、雪諾必克自然(北京)文化発展有限公司、台湾雪諾必克企業股份有限公司、Snow Peak Camp Operations. LLC、Snow Peak Long Beach Real Estate, LLC、株式会社スノーピークサーキュレーションコア、株式会社キャンプの力研究所)及び関連会社3社(株式会社デスティネーション十勝、株式会社新潟デザイン&キャピタル、株式会社キャンパーズアンドアングラーズ)で構成されており、アウトドア製品、アパレル製品等の開発・製造・販売及びキャンプフィールドの管理・運営を主な事業内容としております。海外での事業につきましては、連結子会社のSnow Peak Korea, Inc.が韓国を、Snow Peak London, Limited.が英国を、Snow Peak USA, Inc.が米国を、雪諾必克自然(北京)文化発展有限公司が中国を、台湾雪諾必克企業股份有限公司が1月より台湾での運営を行っております。米国におけるレストラン事業はSnow Peak HOSPITALITY, LLCが運営を行っております。また、米国で2024年春に開業予定のキャンプフィールドについては、Snow Peak Long Beach Real Estate, LLCが土地・建物の所有及び管理を行い、運営は、Snow Peak Camp Operations, LLCが行うことになっております。株式会社スノーピークウェルは、新潟県内で民間企業が初めて設立する障がい者の就労継続支援A型事業所として、製品の検品業務や新潟本社HEADQUARTERSに併設されているキャンプフィールドの清掃等の軽作業を行っております。株式会社スノーピークビジネスソリューションズは、システムソリューション及びシステム開発、クラウドの導入活用支援及び働き方改革コンサルティング、システムサポート及びシステム運用教育、ネットワーク構築、保守サポートに加えて、自然とのかかわりを通して企業の働き方改革やコミュニケーション活性化、イノベーション創出等の課題を総合的に解決するキャンピングオフィス事業を展開しております。株式会社スノーピーク地方創生コンサルティングは、キャンプ場再生を主とした自治体等へのコンサルティング、地域活性化事業を展開しております。株式会社スノーピーク白馬は、白馬地域が持つ魅力を国内のみならず、グローバルに発信していくことを目的に、グランピング施設や新業態の店舗開発や物販・体験事業等の事業展開を進めております。株式会社スノーピークローカルフーズは、新潟をはじめとする地域の食文化を深耕し発信するための食のプラットフォーム事業を推進していくことを目的に、食品の企画開発・製造・販売に関わる事業展開を進めております。株式会社スノーピークサーキュレーションコアは、人と製品をより良く繋ぐ、循環型経済の実現に向けて、スノーピークのテントやタープなどキャンプギア製品のリユース事業を手掛けることを目的に、4月に設立致しました。リユース事業を通じて、製品の単なる売買ではなく、ユーザー様から新しいユーザー様へ、「製品」と「製品への想い」を繋いでいきたいと考えております。株式会社キャンプの力研究所は、キャンプの力の可能性を様々な視点から研究し可視化することを目的に、10月に設立致しました。キャンプ×「人類」「社会」「デザイン」「地球」をテーマに、各界の有識者の方々とともに研究をして参りたいと考えております。
株式会社デスティネーション十勝は、雄大な自然をはじめとする十勝の価値を創造・発信していくことで十勝地域のブランド化を実現し、地域の観光産業をはじめ、食や農林漁業等の関連産業の振興に寄与することを目的として事業を展開しております。株式会社新潟デザイン&キャピタルは、観光客の誘致を図り地域振興につなげることを目的に、企業へファンド資金の供給と新潟県内の宿泊施設運営事業を展開しております。株式会社キャンパーズアンドアングラーズは、キャンプと釣りの融合による新しい時間の過ごし方やアウトドアにおける新しい価値を、北海道から世界へ発信していくことを目的として、キャンプフィールド運営、フィッシングエリアの企画・開発・運営・販売等の事業を展開しております。
現代社会はテクノロジーが進化するにつれ、特に都市部で生活する人は利便性と引き換えに大きなストレスにさらされ人間性が失われています。こうしたなか、当社グループは、「人間性の回復と自然指向のライフバリューの提供」を社会的使命とし、野遊びを通じた人生価値の提供を衣・食・住・働・遊といった全ての場面において実現するため、幅広い事業活動を展開しております。社員一人ひとりが「キャンパー」であり、「デザイナー」であるという意識を持ち、「自らもユーザーであるという立場で考え、お互いが感動できる体験価値を創造する」こと、更に、「常に進化し、革新を起こし、時代の流れを変えていく」ことを、念頭に活動する市場創造型企業であることを強みとしております。
当社グループの主力事業は、キャンプ用品を主としたアウトドア製品、アパレル製品等の開発・製造・販売です。
当社グループが開発、製造及び販売している製品は、テント、タープ(日除け)、スリーピングギア(寝袋)、焚火台等から、ファニチャー(テーブル・チェア等)、キッチンシステム、クックウェア(鍋・キッチンツール等)、テーブルウェア(食器等)、ヒーティングギア(コンロ等)、ライティングギア(ランタン等)、アパレル(衣類)、シューズ(靴)等にまで及んでおります。野外における衣食住の製品を幅広く展開している背景は、当社グループはキャンプをただの春夏シーズンの一過性のレジャーではなく、四季を通した年間のライフスタイル、又は生涯を通じたライフスタイルであり、更には高い人生価値を提供できる野遊びと捉えているためです。
このようにキャンプで過ごす時間が、人生の価値を高めるものであると捉えると、キャンプ用品には日用品以上の快適性、機能性、耐久性が求められると、当社グループは考えております。その中でも、急変する自然環境に対応できる機能性に加えて、安全性が最重要であると考え、高い品質基準を設けて製品を開発しております。
更に、当社グループ製品は、製品カテゴリーを超えて、有機的にシステムデザインされております。このため、ユーザーの皆様が、新たに当社グループ製品を買い足した際にも、自ずと今までのアイテムと融和し、より快適なキャンプ空間を創り出すことが出来るようになっております。
このような考え方のもとにつくられた製品に加え、店頭での接客販売、キャンプイベントの実施、SNSを介したコミュニケーションを通じて、ユーザーとのつながりを密なものにしております。なかでも、1998年に開始した「スノーピークウェイ」は、「スノーピークとキャンプをしよう」をキャッチフレーズに、20年以上にわたり毎年実施しております。「スノーピークウェイ」は、ユーザーの声を直接聞くことで、克服すべき課題を五感で感じることができる貴重な場でもあり、ユーザーの皆様にとっては、当社グループの役職員に直接意見を伝えることによりスノーピークの事業に参画できる場となっております。
一方で、日本のオートキャンプ人口は約7%に留まっているのが現状です。そこで当社グループでは、「人間性の回復」の実現が必要とされている90%以上の「非キャンパー層」に向けた事業として、都市型レストラン・地方型レストラン・カフェ・食物販を通じて地域の食文化体験を提供する「食事業・ローカルフーズ」、住宅や職場にアウトドアの要素を取り入れる「アーバンアウトドア事業」「アウトドアオフィス事業」、アウトドアのノウハウを生かして地域に眠る自然資源を磨き上げ発信し、地域活性化を目指す「地方創生コンサルティング事業」等の幅広い事業を近年拡充しております。これらの事業を通じて、「野遊び」を軸に、「衣・食・住・働・遊」の各シチュエーションにおいて、ライフバリューブランドを展開・強化しております。
また、これらの事業を通して、五感を研ぎ澄ませ、自然のなかで生きる力、家族や友人とのリアルなコミュニケーション等、現代社会のなかで失われつつある「自然と人のつながり」や「人と人とのつながり」といった人間性の回復の実現を目指しています。
当社グループは、アウトドアライフスタイル事業という単一の事業を行っているため、セグメントに代えて当社グループの拠点毎に事業内容を記載させて頂きます。
[日本]
当社グループのアウトドア製品の品目数は、現在、約650品目あります。
当社グループが、基本的に、全ての製品の開発・販売を行っており、一部製品は、自ら製造しております。
当社グループの自社工場において製造している製品は、焚火台シリーズ他数点のみであり、実質的にはファブレスメーカーであると言えます。新潟本社HEADQUATERSが所在している、金属加工の産業集積地、燕三条がそれらの多岐にわたる製品を生産可能にしております。燕三条は燕市と三条市にまたがる新潟県の中央に位置する地域ですが、三条市は、鍛造技術を用いた大工道具・刃物、燕市は洋食器・ステンレス製品をはじめとするモノづくりの街として知られています。自社製品約650品目のうち、その半分を占める金物類やテーブルウェア類の多くは、新潟本社HEADQUATERSからほど近いところにある金属加工会社によって製造されております。具体的な例としてテントを地面に固定する杭の役割を果たす「ペグ(当社グループ製品名:ソリッドステーク)」は、プラスチック製かアルミ製のものが一般的ですが、当社グループの「ペグ(ソリッドステーク)」は主に鋼鉄製であり、固い地面にでも確実に地中に刺さり、テントの安全性を保つことを念頭に、鍛造という製法で製造されております。このように当社グループは、この地域の製造業と協力関係を築き、その高い金属加工技術を活かすことで、高品質・高機能の製品を生産しております。
当社グループの製品開発は、「自らもユーザーであるという立場で考える」という企業理念に基づき、自らが心の底から欲しいと思える製品のみを市場に送り出しております。また、フィールドで徹底的に「仮説-検証」を繰り返すことで製品の品質を高めており、上記のように新潟本社HEADQUATERS所在地である燕三条地域だからこそ可能な高品質なモノづくりをしております。このような製品開発の結果、革新的、高機能、ロングライフといった「本物」の製品を生み出し続けているものと考えております。
また、当社グループの製品開発は大きく分けて、アウトドア製品等の道具類とアパレルに分かれます。アウトドア製品は年に1回を目安として新製品を発売しており、アパレル製品は春夏物と秋冬物、年2回の新製品を発売しております。
日本での販売区分は、直販、卸売に大別されます。
直販は、直営店及び自社ECサイトの2つに分けられます。直営店は合計34店舗となっており、当社グループ製品の世界観をトータルで表現する場となっております。自社ECサイトは、当社グループが直接運営するオンラインストアのことを指します。
卸売は、インストア、ショップインショップ、エントリーストア、ディーラー卸、ECディーラー卸に大別されます。
インストアとは、取引先であるスポーツ量販店等において、30坪程度のコーナーを設置し、当社グループ従業員が直接接客する小売形態のことをいいます。インストアにおいては、専門の知識と販売ノウハウをもつアウトドア経験豊かな当社グループ従業員が直接接客することで、ユーザーニーズに合わせた提案をすることができ、法人顧客(以下、「ディーラー」と言います)の店舗の坪効率向上に寄与しております。インストアは、全国各地に77店舗展開しております。なお、直営店とインストアのことをスノーピークストアと呼んでおり、当社グループのアウトドア製品全品目を取り扱っております。
ショップインショップとは、当社グループの製品を独立して展示した15~20坪のコーナーにおいて、当社グループ製品の使い方等の教育・研修を受け、スノーピークマイスターとして認定されたディーラー販売員が接客にあたっている店舗のことを指します。
エントリーストアとは、当社グループ製品を独立して展示した約3坪のコーナーにおいて、当社グループ製品の使い方等の教育・研修を受けたディーラー販売員が接客にあたっている店舗のことを指します。ショップインショップはスノーピークストアがない地域を含む全国232店舗、エントリーストアは全国246店舗に出店しており、販売網を構築しております。
卸売の中には、AmazonやZOZOなどのECディーラーを経由しての販売もあります。世の中の流れが、リアル店舗からバーチャル店舗に移っていく中、当社グループとしても、自社ECを強めるのと並行して、ECサイト経由での売上拡大にも、努めて参ります。
直販、卸売に加えて、新たにフランチャイズ形式での展開も始めております。スノーピークのブランド、キャンプフィールドやグランピングの運営ノウハウを活かした上で、運営企業様と連携していく新しいスキームとなっております。4月には、九州旅客鉄道株式会社の100%出資子会社であるJR九州リージョナルデザイン株式会社とのフランチャイズ契約により、キャンプフィールド(油山福岡キャンプフィールド)を開設しております。
販売形態別の特徴をまとめると、次の表のようになります。
この他、新潟本社HEADQUARTERS、大阪府箕面市、大分県日田市、北海道帯広市、高知県越知町(2か所)、高知県土佐清水市、長野県北安曇郡白馬村、愛知県豊田市、福島県岩瀬郡天栄村、岩手県陸前高田市にある計11か所で直営キャンプフィールドを運営しております。キャンプフィールドでは、キャンプサイトの提供の他、キャンプ用品を所有していない方でもキャンプを楽しめるようなサービスや、各地元での体験プログラムなどを提案しております。また、新潟本社HEADQUARTERSにつきましては約15万坪の広大なフィールドの横に開発部門が業務を行うオフィス、直営店、温浴・食事・宿泊を楽しめるSPA等で構成される本社建屋があります。モノづくりの現場から販売の現場、そしてユーザーがキャンプを楽しむ現場に至るまで、当社グループの企業活動が一貫して行われる場であり、当社グループのビジネスモデルが凝縮された場となっております。なお、上述の通り、4月にフランチャイズ方式にて福岡県福岡市にキャンプフィールドを開設しております。
当社グループはポイントカード会員制度により顧客管理をしており、2022年1月1日より新しい会員制度に変更しております。ポイントカード会員は当社グループ製品の購入や各種体験サービスの利用により、「ライフバリューポイント(LVpt)」と「スノーピークポイント(SPpt)」が貯まります。ライフバリューポイントは、製品の購入については利用金額分、各種体験サービスでは利用金額分の2倍のポイントが貯まり、累積のライフバリューポイントに応じて会員ランクが判定されます。ライフバリューポイントが各ランクに必要な規定のポイントに達するとランクアップし、各ランクに応じて受けられる特典やスノーピークポイントの付与率が変わります。スノーピークポイントは、製品の購入や各種体験サービスの利用時に各ランクの付与率に応じたポイントが貯まり、貯まったポイントはポイントギフト(オリジナルの非売品等)と交換又は、直営店での製品購入や各種体験サービスに利用することができます。本ポイントカード会員制度は直営店、インストア、ショップインショップ、エントリーストアの他、それ以外のディーラーも含む幅広い店舗で実施しているのが特徴です。これにより当社グループは、製品流通の川上に位置するメーカーでありながら、幅広いエンドユーザーを対象に顧客管理をすることができ、顧客が購買した製品情報をもとに、更に快適なキャンプスタイルの提案を行う等、計画的に顧客を深耕するマーケティング手法を取っております。
各会員ランクに必要なライフバリューポイントは次の通りであります。(Lvptはすべて累積)
当社グループの製品は、フィールドで確実に機能し、長期間にわたって使い込んでいただけるようデザインされております。そしてメーカーが自社の製品の品質に責任を持つのは当然であると考えているため、製品には一切の保証書を添付しておりません。ユーザーが購入した製品の機能が損なわれた場合、製造上の欠陥が原因の場合は無料で修理し、その他の場合には適正な価格で修理しております。(素材の経年による劣化や使用による激しい損傷等、製品寿命である場合、修理不可能な場合もあります。)
当社グループのアウトドア製品は、アフターサービスにおいてもその迅速さを追求しております。
ある週末のキャンプで使用して製品が損傷し、それを当社グループに修理に出して、また翌週末にキャンプで使用したいというユーザーの要望があった場合、迅速なアフターサービスが求められます。これに応えるため、当社グループでは物流拠点Operation Core HQ2とスノーピーク太宰府店に縫製品を含む製品の修理を行えるスタッフを配置し、迅速なアフターサービスを可能にしております。また、比較的容易に修理ができ、かつ修理依頼件数が多いものを中心に全国のスノーピークストア店長及び店舗スタッフに修理技能を教育し、店頭での即日修理を可能にしております。
[海外]
(韓国)
当社の連結子会社である、Snow Peak Korea, Inc.が韓国での事業を行っております。
韓国市場については、2001年から本格的に進出を始め、2008年にSnow Peak Korea, Inc.を設立致しました。販売事業は、直営店(5店舗)及びECサイトの小売並びにショップインショップ(19店舗)とエントリーストア(4店舗)を含む卸売に大別されます。直営店併設の本社をソウル市に構え、迅速なアフターサービス体制を整えております。また、5月には、初の直営キャンプフィールドであるSnow Peak EVERLAND Campfieldを開設しております。韓国における主要ユーザーはキャンパーであり、主な販売製品は、テント、タープ類、テーブルウェア、クックウェア、ファニチャー、アパレル等です。
(台湾)
1月より台湾支店を現地法人化して当社の連結子会社である、台湾雪諾必克企業股份有限公司が、台湾での事業を行っております。
台湾市場については、当初、当社グループから直接台湾のディーラーへの卸売を通して事業展開をしておりましたが、2013年に台湾支店を設立し、本格的な進出を果たしております。2015年に台北市にアフターサービス併設の直営店を出店し、より充実したサービスを提供できるよう足掛りを築きました。卸売に加え、小売での展開を開始し、直営店3店舗、ショップインショップ5店舗となっており、10月には旗艦店であるSnow Peak HQ LOUNGEを開設しております。台湾における主要ユーザーはキャンパーであり、主な販売製品は、テント、タープ、テーブルウェア、クックウェア、ファニチャー、アパレル等です。
(米国)
当社の連結子会社である、Snow Peak USA, Inc.が米国を中心に北米での当社グループ製品の販売事業を行ってお ります。
2020年9月にポートランドにオープンした北米本社Snow Peak USA Headquarters(Global HQ4)を起点に卸売形態での販売に加え、直営店(2店舗)、ショップインショップ7店舗及びECサイトでの小売事業と、現地スポーツ卸への卸売事業を展開しております。2021年8月に戦略的物流拠点となるUS OPERATIONS COREの稼働が開始し、より充実したサービスを提供するための基盤を築きました。2021年5月にはGlobal HQ4の旗艦店舗内にレストランtakibiを開業しました。更に、米国初の直営キャンプフィールドを2024年春に開設する旨、12月に公表しております。引き続き、ブランド認知拡大による新規顧客を創造していくことで事業領域を拡大して参ります。米国における主要ユーザーはバックパッカー等の旅行者及びキャンパーであり、主な販売製品は、テント、タープ、ヒーティングギア、テーブルウェア、クックウェア、焚火台、アパレル等です。
(英国)
当社の連結子会社である、Snow Peak London, Limited.が英国(直営店舗1店)を中心にEU圏内での当社グループ製品の販売事業を行っております。
従来、欧州市場については、当社グループから直接欧州のディーラーへの卸売を通して事業展開をしておりましたが、市場規模及びインバウンド旅行客の規模等欧州商圏エリアでの影響力に鑑み、2018年11月にSnow Peak London, Limited.を設立致しました。2019年9月にECサイトを開設し、2019年10月には欧州初の直営店であるSnow Peak London St James’sをオープンしております。EU最大のアウトドアショーに参加して欧州各国のバイヤーに製品をアピールするなど、英国のみならずEU圏内での新規取引先の拡大を進めて参ります。英国における主要ユーザーはキャンパーであり、主な販売製品は、テント、テーブルウェア、焚火台、アパレル等です。
(中国)
2022年10月に、仁恩(北京)国際商業管理有限公司及び中信聚信(北京)資本管理有限公司との合弁会社雪諾必克自然(北京)文化発展有限公司を設立しており、EC推進や、大都市でのSIS展開など本格的にビジネス展開を進めております。ショップインショップ(15店舗)に加えて、12月には北京市に中国初となるマネジメント・コントラクト方式での運営となる旗艦店(スノーピーク中関村旗艦店)を開設しております。物品販売(小売・卸売)及び体験価値(キャンプフィールド)を通じて、当社グループのブランド認知を上げていきたいと考えております。
拠点ごとの店舗数は次の通りであります。
(2023年12月31日現在)
事業系統図は次の通りであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
当連結会計年度(2023年1月1日から2023年12月31日)における我が国の経済活動は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に下がり、3年ぶりに行動制限のない日常が戻ってきたことから、人々が旅行や多様なレジャーを楽しんでいることや、政府・経済団体を中心に賃上げの動きが強く出ており、長く続いてきたデフレ局面からの脱却も見えつつあることなどもあり、明るい兆しが見え始めてきていると思われます。
一方、世界経済においては、ロシアによるウクライナ侵攻継続に加え、中東ガザ地区での紛争勃発や、中国での景気減速懸念や、若干落ち着いてきたとは言え先進国でインフレが引き続き進展するなど、先行き不透明な状況は引き続き変わっていないと考えております。
当社グループが属するアウトドア業界は、コロナ下において一時的に急拡大した局面から巡航速度での成長に戻る過程と認識しております。一方で、冬キャンプに行く人々が増加するなど、キャンプに対する需要は底堅いものがあると考えております。
このような環境下において、当社グループは「人間性の回復と自然指向のライフバリュー」を全世界の多くの人々に提供するため、国内・海外市場ともに、新規顧客創造や既存ユーザーのロイヤルカスタマー化に、引き続き注力して参りました。
国内市場については、新規出店や、キャンプフィールド新設など、新規顧客の開拓に引き続き注力するとともに、体験型消費(キャンプフィールド・イベント等)の強化に取り組み、カスタマーエンゲージメントを高める取り組みを継続して参りました。海外市場については、全拠点でブランド認知の拡大を推進するべく、販売チャネルの増強、体験拠点の新設に注力しました。
当社グループの営業概況は、アウトドア市場全体が巡航速度での成長に戻る過程にあり、また記録的な猛暑であったことなどから、売上高は前年比減少となっております。しかしながら、1月に製品の値上げを実施したことに加えて、前年高騰した原材料価格が落ち着き、また、為替についても年間を通じて1ドル130円~140円台半ばのレンジで動いていたことから、原価については安定的に推移しており、売上総利益率は前年比上昇しております。一方、販売費及び一般管理費は、グループをあげてコスト削減に努めたものの、国内全社員のベースアップを2月から実施したこと、新規出店による地代家賃の増加などもあり、前年比増加しております。加えて、既存店舗及び海外現地法人の収益性を見直したことにより、減損損失を計上しております。結果として、各利益項目におきましても、前年比減少となっております。当連結会計年度における業績は以下の通りとなりました。
売上高 25,728百万円(前年比16.4%減)
営業利益 943百万円(前年比74.3%減)
経常利益 1,192百万円(前年比66.9%減)
親会社株主に帰属する当期純利益 1百万円(前年比99.9%減)
国内での事業は、直営店では、ユーザーと密接な関係を構築していることや、2024年新製品の先行販売を開始したことに加え、キャンプフィールドを3拠点開設したことなどから、引き続き、来店客数・レジ客数ともに増加をしており、売上も前年比堅調に推移しております。一方、卸売では、アウトドア全般に対する需要減少の影響が大きく実売が進んでいないことから売上は前年比減少しておりますが、当社製品の卸売先での在庫水準は適正水準に近づきつつあり、回復の兆しが見えてきていると認識しております。
海外での事業は、地域ごとで違いがみられており、状況について以下記載させていただきます。
韓国では、5月に、初の直営キャンプフィールドである“Snow Peak EVERLAND Campfield”を開設し、お客様の満足度を高める取り組みを引き続き実施しております。売上は、前年まで韓国から行っていた中国向けの越境EC売上高を除いた数値で比較すると、前年比増加しております。
台湾では、10月に、旗艦店である“Snow Peak HQ LOUNGE”を開設しており、お客様との接点をより高めておりますが、卸売先の在庫調整の影響を受け、売上は前年比減少となっております。
中国では、2022年10月に設立した合弁会社が、EC推進や、大都市でのSIS展開などのビジネス展開を進めており、売上を伸ばしております。12月には、北京において大型旗艦店である“スノーピーク中関村旗艦店”を開設しております。
米国では、全米でSIS出店を進めていますが、主要卸売先での在庫調整の影響があり、売上は、前年比減少しております。ブランド認知を高めるべく米国初の直営キャンプフィールドを2024年春に開設する旨、12月に公表しております。
英国については、EU最大のアウトドアショーに参加して欧州各国のバイヤーに製品をアピールするなど、英国のみならずEU圏内での新規取引先の拡大を進めておりますが、売上は、前年比減少となっております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は6,068百万円となり、前年同期末より700百万円増加致しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
当連結会計年度における営業活動による資金の減少は、1,287百万円(前連結会計年度に比べ173百万円の減少)となりました。これは税金等調整前当期純利益の計上790百万円(同2,033百万円の減少)、減価償却費の計上1,307百万円(同126百万円の増加)があった一方で、売上債権及び契約資産の減少1,079百万円(同減少1,921百万円)、棚卸資産の増加3,736百万円(同392百万円の増加)、仕入債務の減少226百万円(同115百万円の減少)、法人税等の支払額1,059百万円(同652百万円の減少)、その他の増加433百万円(同854百万円の増加)があったこと等によるものです。
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、2,341百万円(同310百万円の減少)となりました。これは、Snow Peak USA, Inc.のキャンプ場「Snow Peak Campfield Long Beach」建設等による有形固定資産の取得による支出1,912百万円(同494百万円の減少)、無形固定資産の取得による支出353百万円(同71百万円の増加)があったこと等によるものです。
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、3,673百万円(同1,751百万円の減少)となりました。これは、短期借入金の増加5,143百万円(同1,300百万円の増加)があった一方で、長期借入金の返済による支出816百万円(同432百万円の増加)、配当金の支払額453百万円(同75百万円の増加)があったこと等によるものです。
当社グループは、アウトドアライフスタイル事業を単一の報告セグメントとしている為、生産、受注及び販売の状況につきましては、当社グループの拠点別に記載しております。
当連結会計年度における生産実績を拠点毎に示すと、次の通りであります。
(注) 金額は、原価によっております。
当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っている為、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績を拠点毎に示すと、次の通りであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(注) 当連結会計年度は10%未満のため記載を省略しております
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、将来事象の結果に依存する為確定できない金額については、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意した上で会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、特有の不確実性がある為、見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1. 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りです。
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ4,004百万円増加し、34,738百万円となりました。流動資産は、商品及び製品の増加3,868百万円、現金及び預金の増加700百万円等があった一方で、受取手形、売掛金及び契約資産の減少1,042百万円等により前連結会計年度末に比べ3,098百万円増加し、19,768百万円となり、固定資産は、Snow Peak USA, Inc.のキャンプ場「Snow Peak Campfield Long Beach」建設等による建設仮勘定の増加1,105百万円、投資有価証券の時価評価による増加574百万円等により前連結会計年度末に比べ905百万円増加し、14,970百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ3,445百万円増加し、18,921百万円となりました。流動負債は、短期借入金の増加5,143百万円等があった一方で、未払法人税等の減少439百万円等により前連結会計年度末に比べ4,659百万円増加し13,808百万円となりました。固定負債は、長期借入金の減少816百万円、契約負債の減少186百万円等により、前連結会計年度末に比べ1,214百万円減少し、5,113百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加1百万円、その他有価証券評価差額金の増加409百万円、為替換算調整勘定の増加339百万円、繰延ヘッジ損益の増加107百万円等があった一方で、配当金の支払いによる利益剰余金の減少453百万円により、前連結会計年度末に比べ559百万円増加し、15,816百万円となりました。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、以下の通りであります。
当連結会計年度の売上高は25,728百万円となり、前年同期比16.4%減となりました。日本の売上高17,535百万円(前年同期比21.7%減)、米国2,344百万円(同14.5%減)、韓国3,232百万円(同15.6%減)、台湾919百万円(同17.9%減)、英国571百万円(同15.7%減)、中国1,126百万円となりました。
1月からの製品値上げと原価の安定的推移により、売上総利益率は前年同期比上昇致しましたが、売上減少の影響により売上総利益は15,161百万円となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、人財への投資等に伴う人件費の増加、新規出店による地代家賃の増加などもあり、14,218百万円となりました。
当連結会計年度は、減収による売上総利益の減少と販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は943百万円(前年同期比74.3%減)となりました。
営業外収益は、為替差益、補助金収入等により、368百万円となりました。
また、営業外費用は、減価償却費、支払利息等により、119百万円となりました。
特別利益は、資産除去債務戻入益等により、29百万円となりました。
また、特別損失は、減損損失等の計上により、431百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1百万円(前年同期比99.9%減)となりました。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料の購入、販売費及び一般管理費等の営業費用の他、新規出店にかかる設備投資、新規事業展開の促進及び社内業務の効率化のためのIT投資等であります。営業費用の主なものは、給与、賞与等の人件費、地代家賃、発送配達費等があります。