売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E04211 Japan GAAP

売上高

1,211.7億 円

前期

1,138.1億 円

前期比

106.5%

時価総額

1,064.3億 円

株価

2,999 (04/18)

発行済株式数

35,488,600

EPS(実績)

141.79 円

PER(実績)

21.15 倍

平均給与

603.5万 円

前期

617.3万 円

前期比

97.8%

平均年齢(勤続年数)

40.0歳(14.0年)

従業員数

895人(連結:5,844人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

(1)当社の企業集団は、当社と関係会社(子会社25社)で構成され、国内外の顧客に対して運送・保管・フォワーディング等のサービスを一貫して提供する総合物流サービス事業及び成形材料・包装資材及び電子デバイスの商品販売事業を行っております。

 また、当社グループは、アルプスアルパイン株式会社を中心とした企業グループに属しており、同グループの電子部品、音響製品の販売・製造に伴って生じる国内外の物流業務も受託しております。

 なお、アルプスアルパイン株式会社は実質支配力基準に基づき当社の親会社に該当しておりましたが、第58回定時株主総会における取締役選任議案の承認可決により、取締役会構成員に占める独立社外取締役が過半数となったため、実質支配力基準に基づく子会社に該当しないこととなり、2022年6月30日付でその他の関係会社に該当することとなりました。

 当社グループの事業に関わる位置付け及びセグメントの関連は、次のとおりです。

 

[電子部品物流事業]……当社、国内子会社2社及び海外子会社は、国内外の顧客に対する電子部品貨物の運送・保管及びフォワーディング等のサービスをグローバルに提供する総合物流サービスを行っております。

[商品販売事業]…………当社及び海外子会社4社は、成形材料、包装資材及び電子デバイスの販売を行っております。

[消費物流事業]…………国内子会社1社は、主に生協関連の一般消費者向け個配やその他国内消費物流に絡む貨物の運送・保管・流通加工等に関する物流サービスを行っております。

 

(2)事業の系統図は次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

23/06/21

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

①財政状態の状況

 前連結会計年度末と比較した当連結会計年度末の資産、負債及び純資産の状況は次のとおりです。

 資産については、流動資産が現金及び預金などの増加により4,432百万円増加しました。固定資産は、有形固定資産の取得や繰延税金資産の計上により増加し、830百万円増加しました。これにより資産合計は、前連結会計年度末比5,262百万円増の97,283百万円となりました。

 負債については、営業未払金は減少しましたが短期借入金が長短区分の振替により増加したことなどにより流動負債は523百万円増加しました。固定負債はリース債務が減少しましたが長期借入金の増加などにより2,191百万円増加しました。これにより負債合計は、前連結会計年度末比2,715百万円増の35,026百万円となりました。

 純資産については、子会社株式の追加取得による非支配株主持分の減少、配当金支払による減少がありましたが、利益の確保による増加などにより前連結会計年度末比2,547百万円増の62,257百万円となりました。

 自己資本比率は、前連結会計年度末比1.2ポイント上昇し、58.9%となりました。

 

②経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、米国では雇用や消費が堅調に推移しましたが、金融引き締めの影響により景気の先行きに不透明感が強まりました。欧州においても高インフレの影響で景気は全般的に弱含みました。中国ではゼロコロナ政策に伴う混乱後、経済活動の正常化が進みましたが、内需、外需ともに力強さに欠け成長は鈍化しました。日本経済は、サービス消費は回復に転じましたが、物価高によりモノの売れ行きが伸び悩み、景気は総じて弱い動きが続きました。

 

 このような事業環境下、当社は世界の地域ごとに異なる新型コロナウイルス規制に対応するとともに、各国における顧客のサプライチェーンの変化に対応すべく、サービスの向上と新規拡販に取り組みました。

 当社は当期より3カ年の第5次中期経営計画をスタートしました。企業理念であるお客様ごとの「最適物流」の追求を続けるとともに、物流事業を通じて社会課題の解決に貢献することを目指し、基本方針を「地球と社会にやさしく・最適物流の追求と進化」と定めました。

 中期経営計画初年度の当期より次の戦略・施策を推進しグローバルにビジネスの拡大を図っております。

①GTB(Get The Business / 市場と商品の拡大):ビジネス領域の拡大。グローバルネットワークの充実。協創・提携体制の拡充。

②GTP(Get The Profit / 間・直の生産性向上):省人化・自働化の推進。戦略投資の拡大と確実な刈り取り。DXへチャレンジ。

③GTC(Get The Confidence / サステナビリティの追求):ESG対応の強化、安全・高品質の維持確保。非財務資本の維持・強化。

 

 当連結会計年度のセグメントの概況は次のとおりです。

 

 [電子部品物流事業]

 当事業の主要顧客である電子部品業界においては、半導体や電子部品などの不足が徐々に緩和しつつある自動車関連向けの需要は堅調に推移しましたが、パソコンやスマートフォンの売れ行きが減少したことから民生機器、情報通信機器向けの需要は停滞しました。

 当連結会計年度においては、スペースがひっ迫していた航空・海上輸送は足元で需給が緩和しておりますが、特に上期に国際貨物の荷動きが底堅く推移したことや新規顧客への拡販効果などにより売上高が増加しました。利益面では、国内における物量減に伴う効率悪化などの影響がありましたが、増収効果と生産性向上の取り組み、為替の円安の影響もあり増益となりました。

 当セグメントの業績は、売上高69,392百万円(前期比 8.3%増)、営業利益5,728百万円(同 42.1%増)となりました。

 

 [商品販売事業]

 商品販売事業では、電子部品に関連する包装資材・成形材料・電子デバイスの販売を行っています。当社では、調達と物流を一元化した電子デバイスの調達代行の提案、物流改善を意識した包装資材の提案を特長としております。

 当連結会計年度におきましては、成形材料が、中国向けの情報通信機器関連で増加したことなどにより売上高が増加しました。利益については、増収効果と原価率の改善、為替の円安の影響もあり増益となりました。

 当セグメントの業績は売上高24,016百万円(前期比 6.8%増)、営業利益1,038百万円(同 39.6%増)となりました。

 

 [消費物流事業]

 消費物流分野では、小売企業の宅配サービスや通販ビジネスの成長に伴って需要が拡大している一方、ドライバーを始めとする人材確保・育成が、業界全体の課題となっています。

 このような事業環境下、当社グループで消費物流を担う㈱流通サービスは、消費物流の川上にあたる企業間物流の取り込み、メディカル・化粧品などの商品センター業務の拡大、生協宅配ビジネスのさらなる拡大に取り組んでおります。

 当連結会計年度においては、コロナに伴う巣ごもり需要は一巡し生協関連は取扱いが若干減少しましたが、新規拡販によるEC関連の業務拡大などにより売上高は増加しました。利益については、新拠点の倉庫賃借料、減価償却費など費用の増加がありましたが、増収と生産性向上により増益となりました。

 当セグメントの業績は、売上高27,756百万円(前期比 1.9%増)、営業利益1,277百万円(同 2.4%増)となりました。

 

 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は121,165百万円(前期比 6.5%増)、営業利益は8,043百万円(同 33.6%増)、経常利益は為替の円安の影響もあり8,790百万円(同 42.6%増)と大幅に増加、親会社株主に帰属する当期純利益は5,032百万円(同 39.9%増)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 現金及び現金同等物の当連結会計年度末の残高は、前連結会計年度末と比べ4,517百万円増加の26,650百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、10,947百万円(前期比3,422百万円の収入増)の収入となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の確保8,671百万円や減価償却費4,418百万円などによる資金増加の一方、法人税等の支払額2,528百万円などによる資金減少によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、4,846百万円(前期比1,746百万円の支出増)の支出となりました。主な要因は、新倉庫建設など有形固定資産の取得支出3,688百万円及びソフトウエアなど無形固定資産の取得支出777百万円などによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、1,857百万円(前期比1,184百万円の支出減)の支出となりました。主な要因は、長期借入による収入4,200百万円の資金増加の一方、子会社株式の取得による支出2,400百万円、リース債務の支払1,968百万円、当社の配当金支払1,168百万円などによるものです。

 

④生産、受注及び販売の実績

売上高実績

 当連結会計年度における売上高実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

売上高(百万円)

前年同期比(%)

電子部品物流事業

69,392

108.3

商品販売事業

24,016

106.8

消費物流事業

27,756

101.9

セグメント間の内部売上高又は振替高

合計

121,165

106.5

 (注) 最近2連結会計年度における主な相手先別の売上高実績及び当該売上高実績の総売上高実績に対する割合は、次のとおりであります。

 相手先名

 前連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

売上高(百万円)

総売上高に対する割合(%)

売上高(百万円)

総売上高に対する割合(%)

アルプスアルパイン株式会社

11,883

10.4

10,343

8.5

TDK株式会社

5,109

4.5

5,478

4.5

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。

 この連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の数値及び報告期間における収益・費用の数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。この見積りは過去の実績や状況に応じ合理的と考えられるさまざまな要因に基づき行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

 当社は、特に以下の重要な会計方針が当社グループの連結財務諸表の作成において使用される判断と見積りに影響を及ぼすものと考えております。

 

a. 繰延税金資産

 繰延税金資産については、回収可能性があると判断できる金額のみ計上しています。繰延税金資産の回収可能性を判断するにあたり、将来の課税所得を見積もっています。将来の見積課税所得は、顧客からの受注見込みや過去の業績等に基づいて算定しています。

 将来において顧客の需要減少や移転価格を含む税務関連の動向の変化により課税所得が予想を下回り、すでに計上されている繰延税金資産の全部又は一部を回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取崩し、税金費用が計上される可能性があります。

 

b. 退職給付に係る負債

 退職給付費用及び退職給付に係る負債は、数理計算上の前提条件に基づいて算出されています。前提条件には、割引率、長期期待運用収益率、退職率、死亡率及び昇給率等の仮定が含まれています。このうち、退職給付費用および退職給付に係る負債の計算に影響を与える最も重要な仮定は、割引率及び年金資産に係る長期期待運用収益率です。

 割引率は優良債券の利回りを参考に決定しており、連結会計年度末において割引率を再検討した結果、割引率の変動が退職給付債務に重要な影響を及ぼすと判断した場合にはこれを見直した上で、退職給付債務を算定しています。長期期待運用収益率は、保有している年金資産のポートフォリオに基づく一定期間における運用実績を基に、今後の運用方針及び市場動向を考慮して設定しています。

 これらの仮定が実際の結果と異なる場合、又は仮定を変更した場合、将来期間における退職給付費用及び退職給付に係る負債に影響を及ぼします。
 当連結会計年度の退職給付費用の計算に使用した割引率及び期待運用収益率については、「退職給付関係」に記載しております。

 

c. 固定資産の評価

 当社グループは、近接した拠点間のビジネス上のつながりが強く、地域ごとの組織により管理会計上の業績管理をしているため、減損会計の適用にあたり、地域別のグルーピングを行っております。

 資産又は資産グループに減損が生じている可能性を示す事象があり、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がこれらの帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。減損損失の測定にあたって見積もられる回収可能価額は、資産又は資産グループの正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額を使用しています。

 減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において見積もられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画や外部環境に照らして算定した受注予測等に基づき算定しています。また、使用価値の算定に使用する割引率は、要求される加重平均資本コストを採用しています。将来、事業環境の変化等により固定資産の収益性が低下した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の当社グループにおける連結業績は、売上高は121,165百万円(前期比 6.5%増)、営業利益は8,043百万円(同 33.6%増)、経常利益8,790百万円(同 42.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,032百万円(同 39.9%増)となりました。

 当連結会計年度の連結業績は、電子部品関連では特に上期に国際貨物の荷動きが底堅く推移したことや新規顧客への拡販効果などにより売上高が増加しました。利益面では、増収効果と生産性向上の取り組み、為替の円安の影響もあり増益となりました。消費物流分野では新規拡販によるEC関連の業務拡大などにより増収増益を確保しました。

 電子部品関連の物流と商品販売を主体とする当社及び国内外の子会社24社、そして消費物流を主体とする国内子会社の㈱流通サービスは、2022年度より3カ年の第5次中期経営計画をスタートしました。企業理念であるお客様ごとの「最適物流」の追求を続けるとともに、物流事業を通じて社会課題の解決に貢献することを目指し、基本方針を「地球と社会にやさしく・最適物流の追求と進化」と定めグローバルにビジネスの拡大を図っております。

 なお、各セグメントの状況は、以下のとおりです。

 

[電子部品物流事業・商品販売事業]

 当連結会計年度は、電子部品物流事業と商品販売事業を合わせた電子部品関連の事業で期初に売上高87,000百万円、営業利益4,600百万円の計画を設定しました。実績は上記に記載の要因によって、売上高が計画比7.4%増の93,409百万円、営業利益は計画比47.1%増の6,766百万円となりました。また、グローバル成長の度合いを測る指標として「外販比率(アルプスアルパイングループ以外の売上構成比率)」、「海外売上比率」の向上に取り組んでおります。当連結会計年度においては、外販比率が前期比0.9ポイント減の58.8%に、海外売上比率については、電子部品物流において特に上期に国際貨物の荷動きが底堅く推移したことや新規顧客への拡販効果などにより前期比1.8ポイント増の47.4%となりました。

 今後については、主要顧客が属する電子部品産業は、通信の5G関連機器の普及や自動車の電子化の進行、AI、IoT、DXの実用化の進展などによりエレクトロニクス製品の需要拡大によって、今後も成長が予想されております。一方で、商品やマーケットの変化に対応した生産地変更やサプライチェーンの強靭化・効率化が進んでおり、顧客の物流改革ニーズは高度化かつ多様化しております。このような事業環境において、電子部品関連の事業をドメインとする当社及び国内外の子会社では、2022年度より3カ年の第5次中期経営計画をスタートしました。中期基本方針を「地球と社会にやさしく・最適物流の追求と進化」と定め、各種戦略・施策を推進し、グローバルにビジネスの拡大を図っていきます。

 

[消費物流事業]

 消費物流分野では、小売企業の宅配サービスや通販ビジネスの成長に伴って需要が拡大している一方、ドライバーを始めとする人材確保・育成が、業界全体の課題となっています。期初に売上高28,000百万円、営業利益1,200百万円の計画を設定しました。消費物流の川上にあたる企業間物流の取り込み、新規拡販によるEC関連の業務拡大などに取り組んだ結果、増収増益を確保することができ、売上高は計画比0.9%減の27,756百万円、営業利益が6.4%増の1,277百万円となりました。

 ㈱流通サービスにおきましても、2022年度より3カ年の中期経営計画をスタートしています。事業の運営体制や営業体制の強化を図り、主要顧客である生協向けビジネスの更なる拡大、シェアアップを図るとともに、「EC通販物流」の拡販・強化を進めていきます。さらに、医薬品輸配送などの新たな領域の市場開拓も進めていきます。また、業界課題である人手不足に対処すべく自働化の推進、働き方改革の推進などによって定着率の向上を図り、人材の確保・育成につなげてまいります。

 

③資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループでは、当連結会計年度におきまして、事業規模の拡大、顧客サービスの向上などを目的とした物流インフラ強化のための設備投資として、建設中の建物、情報システム構築など、総額4,426百万円の投資を行いました。

 当社グループにおける運転資金及び設備投資資金については、営業キャッシュ・フローの確保による自己資金と、金融機関からの借入によって調達を行っています。当連結会計年度末における借入金の残高は7,118百万円(前期末比4,073百万円増)、現金及び現金同等物の残高は26,650百万円(前期末比4,517百万円増)となりました。

 今後の重要な設備投資としては、引き続き国内外における倉庫建設を中心とした拠点・ネットワーク投資、生産性向上のための投資を行う計画です。なお、これらの設備投資資金については、現金及び現金同等物と、営業キャッシュ・フロー、借入金から充当する計画です。