エース証券株式会社

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最終更新:

E03786 Japan GAAP

売上高

100.4億 円

前期

100.5億 円

前期比

99.9%


3【事業の内容】

 当社グループは、当社及び当社の子会社3社(連結子会社1社、非連結子会社2社)を中心に構成され、投資・金融サービス業を展開しております。当社及び連結子会社の丸八証券株式会社は、金融商品取引業を営んでおり、有価証券の売買、有価証券の売買等の媒介、取次ぎ又は代理、有価証券の引受け及び売出し、有価証券の募集及び売出しの取扱い、有価証券の私募の取扱いを主たる業務とし、資金調達と運用の双方で顧客のニーズにお応えすべく、営業活動を展開しております。また、当社の非連結子会社は、当社の業務に関連した事業を展開しており、株式会社エースコンサルティングは、当社の法人顧客を中心に企業経営の助言等に関する業務を行っており、株式会社エース経済研究所は、経済、産業及び企業動向等に関する調査研究等の業務を行っております。なお、当社グループは投資・金融サービス業の単一セグメントであります。

 事業の系統図は、次のとおりであります。

 

     ※画像省略しています。

20/06/26

1【業績等の概要】

(1) 業績の概況

当連結会計年度(平成28年4月1日から平成29年3月31日まで)におけるわが国経済は、政府の経済政策や日本銀行の金融緩和政策を背景に、企業収益や雇用情勢も改善傾向となるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、中国をはじめとした新興国の景気が下振れするリスクに加え、英国のEU離脱問題や米国新政権の政策次第では、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動への影響が懸念され、先行きについては、依然として不透明な状況が続いております。

このような経済環境の中、当連結会計年度のわが国株式市場では、日経平均株価は16,719円でスタートしました。企業の景況感悪化や、原油安、円高の進行により一時下落しましたが、4月中旬以降は、原油価格の上昇や円高基調の落ち着きから戻りを試す展開となり、日銀による追加緩和への期待の高まりもあり、4月25日には17,600円台まで上昇しました。しかし、4月28日に追加金融緩和が見送られ、106円台まで急速に円高が進行すると、5月以降は16,000円台後半で売り買いが交錯する展開で推移しました。その後、6月1日に消費税増税延期が正式に表明されたものの、期待された経済対策の具体策がなかったことで国内株式市場の失望を招いたため再び下落し、さらに、6月24日に英国の国民投票でEU離脱派の勝利が決定的となると、世界的に投資家のリスク回避姿勢が強まったため、一時99円台まで円高が加速、企業業績の下方修正懸念から国内株式市場も急落し、15,000円を割り込みました。

7月以降も、英国のEU離脱による欧州経済悪化懸念から、15,000円台での下値を模索する動きが続きましたが、7月10日の参議院選挙で与党が圧勝し、今後の大規模な経済対策への期待の高まりなどから、7月21日には17,000円台目前まで上昇しました。しかし、7月下旬の日銀の金融政策決定会合で、市場が期待する大規模な金融緩和策が発表されなかったことで国内株式市場は下落し、一時16,000円を割り込んだ後は、日米の金融政策や為替市場の動向を睨んで様子見ムードが広がり、国内株式市場は上値の重い展開が続きました。9月下旬に開催された日銀の金融政策決定会合において、イールドカーブ・コントロールを含む新たな金融政策を決定したことや、OPECの減産合意報道などを受けて上昇する局面もあったものの、欧州の一部銀行の経営に対する不安の広がりなどが足かせとなり方向感に乏しい展開となりました。

10月に入ると、米国の利上げ観測により円安が進行したことで、日経平均株価は堅調に推移し、10月11日に再び17,000円を超えると、米国大統領選挙でのクリントン候補優勢との報道を背景に投資家の不安心理が後退したため上値を追う展開となりました。しかし、11月9日、米国大統領選挙でトランプ候補優勢との見方が広がると、急速に円高が進行し、不透明感の高まりを嫌気して国内株式市場は一時急落し、ほぼ全面安となりました。その後、トランプ候補の当選が確定すると、一転してトランプ次期大統領の掲げる積極的な財政出動などが米国経済を押し上げるとの期待が高まったことで、世界的に投資家のリスク回避姿勢が後退し、国内株式市場は急反発に転じ、11月18日には18,000円台に上昇しました。さらに、トランプ次期大統領の財政拡大政策への期待や米国の好調な経済指標を受けて上昇基調が続き、12月14日の米FOMCでの1年ぶりの利上げの決定もあり、円安が118円台に進行したことで一段高となり、12月20日には一時19,500円台まで上昇しました。

その後は、短期間での急激な相場上昇に対する高値警戒感と、1月以降は英国のEUからの強硬離脱(ハードブレグジット)懸念などから円高が進んだため、上値の重い動きで推移し、トランプ米国新政権による大型減税への期待から米国株が上昇したことで、国内株式市場も連れ高となる場面もありましたが、保護主義政策への警戒感から1万9,000円台前半での不安定な展開が続きました。3月上旬には、米国の早期利上げ観測を背景に19,600円台まで上昇したものの、下旬にかけては、米国の医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案の撤回などトランプ米国新政権の政策への期待感後退や北朝鮮などの地政学リスクが高まり110円前半まで円高が進行したことや、大阪の学校法人を巡る問題による国政の停滞懸念なども嫌気されて下落し、日経平均株価は18,909円で当連結会計年度を終えております。

このような状況のもと、当社グループは、全役職員で行動の変化を起こし、中期経営計画における中長期の経営戦略である営業基盤の強化と強固な経営基盤の構築に取り組んでまいりました。こうした中、当連結会計年度は、主力である株式委託売買業務に加えて、信託報酬による収益安定化を目指し、顧客ニーズに対応した投資信託の販売に注力するとともに、営業基盤の拡大を図るため、金融商品仲介ビジネスの強化を積極的に推進し、全国展開によるお客様の利便性向上と顧客層の拡大に取組んでまいりました。

その結果、当連結会計年度の営業収益は103億11百万円(前年同期比101.6%)、純営業収益は102億48百万円(同102.2%)となりました。一方、販売費・一般管理費は93億24百万円(同96.5%)となり、営業利益は9億24百万円(同252.4%)、経常利益は9億63百万円(同188.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億61百万円(同72.4%)となりました。

また、当社グループは投資・金融サービス業の単一セグメントのため、セグメント別の記載はしておりません。

① 受入手数料

 

平成28年3月期

(百万円)

平成29年3月期

(百万円)

受入手数料

8,762

6,636

 

委託手数料

4,825

3,561

 

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

70

71

 

募集・売出し・特定投資家向け売付け

勧誘等の取扱手数料

2,703

2,072

 

その他の受入手数料

1,162

931

委託手数料

株式委託手数料は、株式委託売買代金が増加したことにより31億4百万円(前年同期比108.2%)となりました。また、債券や受益証券を含めた「委託手数料」の合計は35億61百万円(同73.8%)となりました

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

「引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料」は、株式引受高が増加したことにより71百万円(前年同期比101.4%)となりました

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料

主に投資信託の販売手数料で構成される「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」は、投資信託の取扱いの減少により20億72百万円(前年同期比76.7%)となりました。

また、「その他の受入手数料」は、投資信託の代行手数料などであり、9億31百万円(同80.1%)となりました

② トレーディング損益

 

平成28年3月期

(百万円)

平成29年3月期

(百万円)

トレーディング損益

814

3,370

 

株券等

255

186

 

債券・為替等

559

3,184

 

(債券等)

(559)

(3,184)

 

(為替等)

(-)

(-)

 株券等のトレーディング損益は、1億86百万円の利益(前年同期比73.0%)となり、債券等のトレーディング損益は、外貨建債券の取扱高が増加したことにより、31億84百万円の利益(同569.2%)となりました。その結果、「トレーディング損益」の合計は33億70百万円の利益(同413.8%)となりました

③ 金融収支

 主に信用取引の減少により金融収益は3億3百万円(前年同期比53.3%)、金融費用は62百万円(同52.9%)となりました。その結果、差引「金融収支」は2億40百万円の利益(同53.4%)となりました

④ 販売費・一般管理費

 「販売費・一般管理費」は、93億24百万円(前年同期比96.5%)となりました。主な内訳は、取引関係費14億70百万円(同92.3%)、人件費50億63百万円(同96.0%)、不動産関係費8億71百万円(同100.8%)、事務費15億16百万円(同96.2%)等であります

⑤ 営業外損益

 営業外収益は53百万円(前年同期比36.4%)となりました。主な内訳は、受取配当金17百万円(同51.2%)等であります。一方、営業外費用は14百万円(同603.7%)となりました。その結果、差引「営業外損益」は39百万円の利益(同27.1%)となりました

⑥ 特別損益

 特別利益は投資有価証券売却益等により1億9百万円(前年同期比10.3%)となりました。一方、特別損失は4百万円(同103.9%)となり、その結果、差引「特別損益」は1億4百万円の利益(同9.9%)となりました

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、28億3百万円の収入超過(前年同期は7億97百万円の収入超過)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益10億67百万円の計上に加え、信用取引資産の増加により53億62百万円、トレーディング商品の増加により9億89百万円のそれぞれの減少となった一方で、信用取引負債が増加し69億14百万円、立替金及び預り金が増加し21億73百万円のそれぞれ収入となったことによるものです

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、7億90百万円の支払超過(前年同期は12億21百万円の収入超過)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出9億39百万円によるものです

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、4億9百万円の支払超過(前年同期は9億37百万円の支払超過)となりました。これは主に、配当金の支払額2億49百万円及び短期借入金の減少1億円によるものであります

以上の結果、当連結会計年度末における「現金及び現金同等物の期末残高」は、前連結会計年度末残高に比べ、16億3百万円増加し、85億31百万円となりました