日本海洋掘削株式会社

上場廃止 (2018/07/23) 会社更生手続き 鉱業エネルギー東証1部

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最終更新:

E23800 Japan GAAP

売上高

202.7億 円

前期

153.8億 円

前期比

131.8%


3【事業の内容】

当社グループは、当社、連結子会社13社、非連結子会社2社、持分法適用関連会社1社及び持分法を適用していない関連会社1社により構成されており、石油・天然ガス等の探鉱・開発に関する海洋坑井掘削及びエンジニアリングを主たる事業としております。

当社グループのセグメントごとの事業の内容は以下のとおりです。また、当社と主な連結子会社・持分法適用関連会社の海洋掘削事業及び運用・管理受託事業における位置付けは[事業系統図(モデル図)]のとおりです。

次の(1)、(2)及び(3)の3部門は「第5  経理の状況  1.連結財務諸表等  (1) 連結財務諸表  注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

(1) 海洋掘削事業

当社グループは、国内外において、石油・天然ガス開発会社に対し、探鉱・開発に係わる坑井掘削作業その他関連サービスを提供しております。海外においては、事業の実施主体として現地法人であることが求められる場合や、現地法人への発注が優先される場合があるため、当社も現地に掘削工事の請負や掘削サービスの提供を行う子会社(掘削工事請負会社)を設立し、事業を展開する例が多くなっております。具体的には、PT. Japan Drilling Indonesia、JDC Offshore Malaysia Sdn. Bhd.がそれに該当します。

また、当社は、海洋掘削リグを保有する子会社(リグ保有会社)を設立しており、掘削工事請負会社がリグ保有会社からリグの賃貸を受けて操業する形態をとっております。リグ保有会社には、Hakuryu 5, Inc. 、Japan Drilling (Netherlands) B.V. 、Sagadril, Inc.及びSagadril 2, Inc.があり、自ら掘削工事を請け負うこともあります。また、Japan Drilling (Netherlands) B.V.はリース会社からのリースにより、リグ1基を運用しております。

 

(2) 運用・管理受託事業

当社グループは、日本郵船株式会社との共同出資により設立した日本マントル・クエスト株式会社(MQJ社)を通じ、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)が保有する「ちきゅう」の運用・管理業務を受託しております。

また、JDC RIG Management Services,Inc.は「ちきゅう」に外国人船員を配乗する人員派遣会社です。

 

(3) 掘削技術事業

当社グループは、海洋掘削技術・ノウハウを応用したエンジニアリングサービス、具体的には、「メタンハイドレート開発に関する受託研究及び技術提供」及び「石油掘削技術に関する教育・研修業務」等に係る業務を行っております。

 

(4) その他の事業

当社グループは、弧状推進工法による石油・ガスパイプライン、電力ケーブル、通信ケーブル、上下水道等の管路敷設のための水平孔掘削事業を行っておりました。しかし、採算性や施工体制を確保しながら本事業を継続することが困難となったため、平成30年3月31日をもって本事業を停止することとしました。

また、子会社の石油開発サービス株式会社は、石油・天然ガスその他地下資源の探鉱・開発に関する設備、機械、器具及び資材の販売並びに輸出入等の業務を行っております。

 

[事業系統図(モデル図)](当社と主な連結子会社との事業に係わる位置付け)

※画像省略しています。

 

 

18/07/02

1【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における世界経済は全体としては緩やかに回復しました。米国は景気回復が続き、欧州も回復基調が維持され、また、景気が減速していた中国は各種政策効果もあり、平成28年後半には持ち直しの動きがみられました。

原油市況につきましては、平成28年11月に開催されたOPEC(石油輸出国機構)定例総会において、加盟国の原油生産量を調整することが合意され、12月にはOPECと非加盟国による協調減産が合意されたことにより、WTI原油価格の期中平均は、47.73ドルと前期に比べて2.74ドル上昇しました。

このように、原油価格は緩やかながら改善の兆しが見えてきたものの、石油・天然ガス開発会社の探鉱開発活動は依然として低調に推移しており、世界全体の海洋掘削リグの平均稼働率(注1)は前期に比べて11.6ポイント減の56.6%、その内競争市場リグ(注2)は、前期に比べて12.8ポイント減の55.7%にまで低下しました。

具体的には、石油・天然ガス開発各社では、投資規模を縮小するため探鉱開発計画の中止や延期、あるいは期間を短縮する動きが続いたことから、新規掘削工事案件は大幅に減少し、契約済みの工事案件についても、早期解約、デイレート(日割作業料)の減額、オプションの不行使などの事態が発生しました。

このような市況の中、当社グループが運用するリグの稼働率(注1)は、JAMSTECが所有する「ちきゅう」を除き、前期に比べて46.0ポイント減の18.6%となりました。

当社グループでは、海洋掘削市況の低迷が続き、掘削工事案件が減少する中、掘削契約の獲得を目指して営業活動を一段と強化するとともに、厳しい事業環境に対応するため、人件費や修繕費、物品費、現地経費等売上原価の節減及び一般管理費の節減等を骨子とする経費削減策を全社一丸となって推進しました。

 

以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、石油・天然ガス開発会社の投資削減の影響を受け、新規掘削工事案件は大幅に減少し、当社グループが運用するリグの稼働率も低下したため、売上高は前期に比べて57.6%減少し15,376百万円となりました。

営業損益は、人件費、修繕費、現地諸経費、一般管理費等が減少しましたが、減価償却費等の固定費負担及び「HAKURYU-12」についてリース契約損失引当金繰入額2,820百万円を売上原価に計上したことにより、11,063百万円の損失(前期は2,550百万円の損失)となりました。

経常損益は、支払利息は増加しているものの金融手数料及び為替差損が減少したことから、11,516百万円の損失(前期は3,219百万円の損失)となりました。

税金等調整前当期純損益は、「HAKURYU-5」、「NAGA 1」、「SAGADRIL-1」及び「SAGADRIL-2」について減損損失10,904百万円を特別損失に計上したため、22,452百万円の損失(前期は3,335百万円の損失)となりました。

親会社株主に帰属する当期純損益は、法人税等の減少及び非支配株主に帰属する当期純利益の減少により23,053百万円の損失(前期は7,017百万円の損失)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

①  海洋掘削

売上高は、石油・天然ガス開発会社の投資削減の影響を受け、新規掘削工事案件は大幅に減少し、前期に比べて77.4%減の6,167百万円となりました。セグメント損益は、人件費、修繕費、物品費、現地諸経費、一般管理費等が減少しましたが、減価償却費等の固定費負担及び「HAKURYU-12」についてリース契約損失引当金繰入額2,820百万円を売上原価に計上したため、11,103百万円のセグメント損失(前期は2,584百万円のセグメント損失)となりました。

 

②  運用・管理受託

売上高は、「ちきゅう」による科学掘削の受託業務収入が減少したことから、前期に比べて7.2%減の6,552百万円となりましたが、売上原価も減少したためセグメント利益は同12.9%増の246百万円となりました。

 

③  掘削技術

売上高は、エンジニアリングサービス関連の業務等が増加したため、前期に比べて124.0%増の2,604百万円となり、セグメント利益は196.6%増の228百万円となりました。

 

④  その他

売上高は、前期に比べて93.0%減の51百万円となり、セグメント損失は257百万円(前期は34百万円のセグメント損失)となりました。

 

(注1) 世界全体の海洋掘削リグの稼働率は、世界の海洋掘削リグ総数のうち稼働しているリグ数の割合をいいます。また、当社のリグの稼働率は、対象期間のうち、当社が運用する7基のリグが稼働している期間の割合をいいます。なお、稼働とは当該リグが掘削契約下にある状態をいいます。

(注2) 競争市場リグとは、国営石油会社が運用するなど顧客や操業海域が限定されているリグを除いた受注競争下にあるリグをいいます。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べて
13,561百万円減少し、29,183百万円となりました。主な内訳は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は、801百万円(前年同期は5,497百万円の収入)となりました。これは主に、減損損失10,904百万円、減価償却費4,140百万円、売上債権の減少3,179百万円、リース契約損失引当金の増加2,820百万円、法人税等の還付2,382百万円による資金の増加と、税金等調整前当期純損失22,452百万円による資金の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、5,732百万円(前年同期は799百万円の収入)となりました。これは主に、定期預金の払戻2,626百万円による資金の増加と、定期預金の預入3,593百万円、投資有価証券の取得3,999百万円、有形固定資産の取得763百万円による資金の減少によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、6,950百万円(前年同期は4,630百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済5,535百万円、社債(私募債)の償還926百万円による資金の減少によるものであります。