E35134 IFRS
前期
77.5億 円
前期比
85.3%
当中間連結会計期間において、当社グループ(当社および当社の関係会社)が営んでいる事業の内容に重要な変更はありません。また、主要な関係会社における異動については、「3 関係会社の状況」に記載しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるゲーム業界を取り巻く環境としては、新型コロナウイルス感染症により世界的に経済に影響を与えるなか、当感染症の拡大防止に伴う巣ごもり需要によるデジタル化が進みゲーム需要の拡大が見られました。また、家庭用ゲーム機の次世代機の発売や5Gやクラウド化のようにインフラ発展も進んでおり、今後も市場の拡大が期待されます。
このような状況のなか、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の対策として、引き続き、従業員の安全を最優先にテレワーク(在宅勤務)、時差出勤、オンライン会議等、リモートによる開発体制と効率化の検証を実施し、より一層効率的な開発体制の確立を進めてまいりました。
事業展開としては、国内外で家庭用ゲームソフトのダウンロード販売、他社のスマートフォンゲームアプリと複数のコラボイベントを実施するなど、オンラインゲームへ積極的なコンテンツ提供に取り組んでまいりました。
一方で、次期以降に発売を控えている当社主力IPの1つである家庭用ゲームソフト「THE KING OF FIGHTERS XV」やその他のタイトルの開発費や広告宣伝費等は、先行して計上しており、利益を押し下げる要因となりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上収益は6,612百万円(前年同期比14.73%減)、営業損失は714百万円(前年同期は利益2,095百万円)、親会社の所有者に帰属する当期損失は1,075百万円(前年同期は利益1,964百万円)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は25,526百万円(前連結会計年度末比5,760百万円減)となりました。
これは主に、特別配当の支払に伴い現金及び現金同等物が減少したこと、無形資産を減損したことおよび保有する上場株式の株価下落に伴いその他の金融資産が減少したことによるものであります。
(負債)
負債合計は、2,600百万円(前連結会計年度末比557百万円増)となりました。
これは主に、売上に関する前受金の受領により、契約負債が増加したことによるものであります。
(資本合計)
資本合計は、22,926百万円(前連結会計年度末比6,317百万円減)となりました。
これは主に、特別配当による利益剰余金の減少によるものであります。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の91.90%から89.61%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末より1,055百万円減少して17,729百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,741百万円(前連結会計年度は2,862百万円の収入)となりました。
これは主に減損損失の計上1,200百万円、営業債権の減少額715百万円および契約負債の増加額551百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は1,951百万円(前連結会計年度は7,000百万円の支出)となりました。
これは主に投資の売却及び償還による収入2,417百万円、定期預金の払戻による収入3,352百万円がありま
したが、投資の取得による支出1,643百万円、定期預金の預入による支出2,056百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は6,214百万円(前連結会計年度は1,065百万円の支出)となりました。
これは主に配当金の支払額による支出5,954百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは研究開発、IP許諾事業を主体とする会社であり、生産設備を保有していないため、該当事項
はありません。
b.受注実績
当社グループは受注による生産を行っていないため、該当事項はありません。
c.販売実績
当社グループは単一セグメントであるため、当連結会計年度の販売実績を事業の区分ごとに示すと、次のと
おりであります。
事業の名称 |
当連結会計年度 (自 2020年8月1日 至 2021年7月31日) |
前年同期比(%) |
ゲーム開発・販売事業 |
3,561,697千円 |
106.38 |
ライセンス事業 |
3,050,591千円 |
69.23 |
合計 |
6,612,289千円 |
85.27 |
(注)1.事業間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2019年8月1日 至 2020年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年8月1日 至 2021年7月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
Tencentおよび連結子会社 |
954,543 |
12.31 |
261,699 |
3.96 |
Ourpalm Co., Limited |
762,294 |
9.83 |
801,253 |
12.12 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当社グループは単一セグメントであるため、セグメント情報にかえて事業区分ごとの経営成績を示すと次のとおりであります。
(ゲーム開発・販売事業)
家庭用・PCゲームソフト「サムライスピリッツ」は、ユーザーに長期的にお楽しみいただけるようにキャラクター追加など継続的なアップデートを進め、新たなプラットフォーム展開として2021年6月Steamへの配信を開始しました。
家庭用ゲームソフト「THE KING OF FIGHTERS XIV」は、すべてのDLCキャラクターとDLCコスチュームを収録した「ULTIMATE EDITION」をプレイステーション4にて2021年1月ダウンロード販売を、2021年3月パッケージ販売を開始しました。
また、1999年の発売以来、数々の作品を世に送り出したSNKの携帯型ゲーム機「ネオジオポケットカラー」のなかでも名作・傑作と称される作品を「NEOGEO POCKET COLOR SELECTION」として、2020年10月「幕末浪漫特別編 月華の剣士 ~月に咲く華、散りゆく花~」、2020年12月「餓狼伝説ファーストコンタクト」、2021年2月「頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM」、2021年3月傑作タイトルを10作品収録した「NEOGEO POCKET COLOR SELECTION Vol.1」をNintendo Switchにてダウンロード販売を開始しました。
さらに、シリーズ最高峰と称される「THE KING OF FIGHTERS 2002」をフルチューンアップした「THE KING OF FIGHTERS 2002 UNLIMITED MATCH」をプレイステーション4にて2021年2月ダウンロード販売を、2021年4月パッケージ販売を開始しました。
スマートフォンゲームアプリは、「METAL SLUG ATTACK」、2020年1月当社が配信権を取得した「拳皇97OL」、「侍魂 朧月伝説」など、既存タイトルのアクティブユーザー数の維持に取り組みアップデートを進めてまいりました。
以上の結果、ゲーム開発・販売における売上収益は、3,561百万円(前年同期比106.38%)となりました。
(ライセンス事業)
ライセンス事業は、キャラクターライセンスにより他社のスマートフォンゲームアプリと複数のコラボイベントを実施しました。
既存タイトルのスマートフォンゲームアプリ「THE KING OF FIGHTERS'98 ULTIMATE MATCH Online」、「KOF ALLSTAR」、「SNK オールスター」などの売上収益は配信当初と比較して減少しましたが、継続的なアップデートにより底堅く推移しました。
以上の結果に加え、2020年1月に当社が配信権を取得した「拳皇97 OL」、「侍魂 朧月伝説」などの既存タイトルをゲーム開発・販売事業に計上したことにより、ライセンス事業における売上収益は、3,050百万円(前年同期比69.23%)となりました。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上収益および営業利益に加え、営業利益率を重視しておりますが、当連結会計年度は、主力IPタイトルのシリーズ最新作の発売、ライセンス事業について複数成約したIPライセンスに関するスマートフォンゲームアプリの新作タイトルの配信がなかったことから、前年同期比で減収減益となりました。
当社グループは、継続的な成長を実現するために、ゲームのプラットフォームが拡大しつつある事業環境の中、既存タイトルのマルチプラットフォーム展開に加え、安定的な主力IPタイトルのシリーズ最新作の発売に経営資源を集中できるように開発体制の強化を図り、営業利益率向上を目指し、経営効率の改善に努めてまいりたいと考えております。当連結会計年度の前年同期比は以下のとおりであります。
指標 |
前連結会計年度 (自 2019年8月1日 至 2020年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年8月1日 至 2021年7月31日) |
前年同期比(%) |
売上収益 |
7,754,793千円 |
6,612,289千円 |
85.27 |
営業利益又は営業損失(△) |
2,095,865千円 |
△714,445千円 |
- |
営業利益率 |
27.03% |
- |
- |
(注)営業利益又は営業損失の前年同期比および当連結会計年度の営業利益率については、当連結会計年度が営
業損失であるため記載しておりません。
財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものには、ゲーム事業における人件費、外注費がありますが、全て自己資金で賄うことを基本方針としており、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は17,729百万円となっております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参考ください。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針および4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。