売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05450 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)業績の状況

当第2四半期連結累計期間(2023年6月1日~2023年11月30日)におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進み、段階的に雇用環境の改善も見られ、個人消費やインバウンド需要の増加など、緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、世界的な資源価格高騰やエネルギー価格の高止まり、欧米諸国の金融引き締め効果の本格化、中国経済への懸念など海外経済の下振れがわが国の景気を下押しするリスクもあり、依然として不透明な状況が続いております。

そのような状況の中、インフレ基調により資産防衛策としての実物資産への需要は徐々に高まりつつあるとみられ、不動産や金の市場価格は上昇しているようです。しかしながら、オークション事業については価格の上昇をにらみ良品の出し渋り傾向が見られ、出品誘致を強化し対策を講じておりますが、ジャンルによっては、以前に比べ低調であると言わざるを得ません。オークションのジャンルにおいて、新たな実物資産として注目されるワインを扱うワイン・リカーオークションでは出品希望も多く寄せられております。また、アイアート株式会社が創業15周年を迎えたため、例年11月に開催しておりますオークションを「創業15周年記念オークション」として12月に開催することとなり、当第2四半期では1回減となっております。さらに、同時に進行中の大型プライベートセール案件が当期内に着地できなかったこともあり、アート関連事業において、取扱高は3,478,677千円(前年同期間比19.9%減)、売上高は1,193,005千円(前年同期間比14.0%減)と減収となりました。中でもオークション事業は、前年同期分と比し、17.8%減の565,209千円となりました。また、Edoverse株式会社におきましてはコンサルテーション業務を通じて、Edoverse FoundationがPlay-to-Earn機能を持ったメタバース空間であるEDOVERSEの初期開発を終え、土地NFT上に建つ大名屋敷や江戸城の中を、アバターで3種類のゲームをプレイする準備が整いました。しかし、セキュリティの再確認および強化のために慎重を期し、ローンチ時期を2024年1月と一ヶ月延長し万全を期した体制を構築しております。

セグメント別の業績は次のとおりです。

 

①アート関連事業

当第2四半期連結累計期間は、取扱高3,478,677千円(前年同期比19.9%減)、売上高1,193,005千円(前年同期比14.0%減)、セグメント利益113,073千円(前年同期比62.1%減)となりました。

 

種別の業績は次のとおりです。

 

第35期第2四半期連結累計期間

 

自 2023年6月1日

至 2023年11月30日

種 別

取扱高

前年比

売上高

前年比

オークション

オークション

オークション

落札率

(千円)

(%)

(千円)

(%)

開催数

出品数

落札数

(%)

近代美術オークション

653,560

△42.4

134,004

△36.9

3

155

126

81.3

近代陶芸オークション

147,615

△26.3

26,446

△21.6

2

310

270

87.1

近代美術PartⅡオークション

42,280

△66.8

8,477

△70.5

3

266

256

96.2

コンテンポラリーアートオークション

134,090

△74.6

25,861

△73.6

3

74

70

94.6

ワイン・リカーオークション

(注)1

400,835

80.6

89,000

84.0

2

1,045

957

91.6

ジュエリー&ウォッチオーク

ション (注)1

543,185

186.5

93,040

165.7

2

383

256

66.8

その他オークション (注)2

57,165

△63.4

11,783

△64.9

2

261

226

86.6

アイアートオークション

811,985

△17.7

176,595

△10.7

2

650

468

72.0

オークション事業合計

2,790,715

△21.2

565,209

△17.8

19

3,144

2,629

83.6

プライベートセール

646,542

△7.6

586,415

△10.7

 

 

 

 

その他

41,420

△58.1

41,380

△3.6

 

 

 

 

プライベートセール

・その他事業合計

687,962

△13.9

627,796

△10.3

 

 

 

 

アート関連事業合計

3,478,677

△19.9

1,193,005

△14.0

 

 

 

 

(注)1.ワイン・リカーオークション及びジュエリー&ウォッチオークションは取扱高の増加により、その他オークションから独立した種別として表示しております。

2.その他オークションは、出品の状況により随時開催いたします。

3.取扱高の前年比と売上高の前年比のかい離の大きな要因のひとつに、商品売上高の増減があります。商品売上高は、オークション落札価額に対する手数料収入、カタログ収入、年会費等と同様に売上高を構成する要素のひとつであり、在庫商品を販売した場合、その販売価格(オークションでの落札の場合には落札価額)を商品売上高として、売上高に計上することとしております。

4.前年同期は近代美術オークション、コンテンポラリーアートオークションにおいて高額作品が出品・落札されております。

 

ⅰ)オークション事業

当第2四半期連結累計期間は、オークションの開催回数は19回(前年度開催回数20回)でした。内訳は、近代美術オークション、近代美術PartⅡオークション及びコンテンポラリーアートオークションを各3回、近代陶芸オークション、ワインオークション、Bags/Jewellery&Watchesオークションを各2回、西洋美術オークション、MANGAオークションを各1回です。加えて、アイアート株式会社のオークションが2回(前年度開催回数3回)行われました。

近代美術オークションは、出品点数34.6%減、落札点数38.8%減となりました。しかし、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で120.4%と高い水準で推移し、平均落札単価は6.3%減でした。

近代陶芸オークションは、出品点数4.6%減、落札点数5.9%減となり、平均落札単価は前年比で22.2%減少となりましたが、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で120.0%と高水準で推移いたしました。

近代美術PartⅡオークションは、出品点数40.6%減、落札点数38.8%減となりました。平均落札単価は前年比で65.1%減少し、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で179.4%と高水準で推移いたしました。

コンテンポラリーアートオークションは出品点数44.4%減、落札点数39.7%減となりました。平均落札単価は前年比で65.1%減少し、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で161.5%と高水準で推移いたしました。

ワイン・リカーオークションは、前年と同じく2回開催し、取扱高は400,835千円(前年同期比80.6%増)、売上高は89,000千円(前年同期比84.0%増)となりました。

ジュエリー&ウォッチオークションは、前年と比して回数は1回多く出品点数は36.8%増、落札点数は、6.2%増となりました。またジュエリーでの高額品の出品及び落札があったため、平均落札単価は197.4%増となり、取扱高は543,185千円(前年同期比186.5%増)、売上高は93,040千円(前年同期比165.7%増)となりました。

アイアートオークションは、前年と比して回数は1回少なく、出品点数650点、落札点数468点という内容となり、取扱高は811,985千円(前年同期比17.7%減)、売上高は176,595千円(前年同期比10.7%減)となりました。

 

ⅱ)プライベートセール・その他事業

プライベートセール・その他事業では、当第2四半期連結累計期間は、進行中の大型プライベートセール案件が第3四半期以降にずれ込み、売上高627,796千円(前年同期比10.3%減)となりました。第2四半期(2023年9月1日~2023年11月30日)は、資産防衛ダイヤモンド販売事業は売上高が前年比47.6%の減少となりましたが、アート作品の売上高は前年比41.3%増加となりました。

 

②その他事業

子会社保有の太陽光発電施設による売電事業とマレーシアにおけるPKS事業は事業継続しており、当第2四半期連結累計期間のその他事業のセグメント売上高は14,947千円(前年同期間比83.4%減)、セグメント損失14,011千円(前年同期間は37千円のセグメント利益)となりました。

 

以上により、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高1,207,953千円(前年同期間比18.2%減)、営業利益9,900千円(前年同期間比95.5%減)、経常利益19,900千円(前年同期間比91.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失33,242千円(前年同期間は163,285千円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度末より612,041千円減少(前年同期間は1,047,828千円増加)し、1,661,082千円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は611,977千円(前年同期間は1,008,038千円の獲得)となりました。これは主に仕入債務の減少額229,914千円、法人税等の支払額164,461千円、オークション未収入金の増加額118,596千円及び棚卸資産の増加額108,217千円による資金減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は46,911千円(前年同期間は13,186千円の獲得)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出22,109千円、無形固定資産の取得による支出22,000千円による資金減少によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は51,410千円(前年同期間は33,751千円の獲得)となりました。これは主に株式の発行による収入70,162千円の資金増加及び長期借入金の返済による支出17,534千円の資金減少によるものであります。

 

(3)財政状態に関する説明

(資産)

当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、4,797,926千円となり、前連結会計年度末に比べ、256,806千円減少いたしました。その主な内訳はオークション未収入金の増加118,596千円及び商品の増加109,870千円、売掛金の増加86,156千円及びその他流動資産の増加53,300千円、現金及び預金の減少612,041千円によるものであります。

(負債)

当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、1,202,197千円となり、前連結会計年度末に比べ、297,477千円減少いたしました。その主な内訳はオークション未払金の増加195,634千円、買掛金の減少229,767千円、未払法人税等の減少141,031千円及びその他流動負債の減少104,713千円によるものであります。

(純資産)

当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は、3,595,728千円となり、前連結会計年度末に比べ、40,671千円増加いたしました。その主な内訳は資本剰余金の増加1,527,363千円及び利益剰余金の増加114,155千円、資本金の減少1,602,353千円によるものであります。

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略等

当第2四半期連結累計期間において、当社の経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題についても重要な変更はありません。

 

(7)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当第2四半期連結累計期間において、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に重要な変更はありません。

 

(8)研究開発活動

該当事項はありません。