売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E33784 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績の状況

 当第3四半期累計期間の世界経済は緩やかな回復が続いていますが、金融政策の転換に伴う各国でのインフレ発生、米国・欧州における金融部門の混乱、ロシア・ウクライナ戦争の長期化、中国経済の成長鈍化等の要因により、先行きに不透明感が漂っています。

 国内経済を見ると、金融緩和を当面継続する方針のもと新型コロナウイルスに関する規制が緩和され、インバウンドを含む国内消費の回復が鮮明となりました。これは外食需要の回復や、鉄道・航空旅客数増加、宿泊業の活況等に現れ、円安による割安感も手伝って訪日外国人の消費拡大が内需を押し上げています。

 他方で「ゼロゼロ融資」等コロナ関連融資の返済開始や助成金・補助金の縮小・打ち切りに伴い、企業の倒産・廃業件数は上昇傾向にあります。また、輸入原材料コスト上昇等を理由に国内小売の7割が2023年度に値上げするとの報道から窺われるように、買い手企業・売り手企業ともにコストダウンを図り利益を確保する事が喫緊の課題となっています。

 さらに中・長期的な視点では、コロナ禍を経て人口減少ペースに拍車がかかり、物流の2024年問題を控えた流通業に限らず、全ての業界で人手不足が深刻化して省人・省力化と生産性の向上が重要な課題となっています。

 

 このような事業環境のもと「流通変革のためのインフラを創る」ことを使命とする当社は、運営サイトの売り手・買い手双方のニーズを的確に捉えた施策を、矢継ぎ早に実行しています。

 具体的には、売り手企業の出品商品の一元管理等を可能とするUX/UI改善を行い、「Mマート」は2023年2月に、「Bnet」は7月にリリースしました。3月に「三方会」を発足させ、創業以来の「売り手よし、買い手よし、世間よし」の理念に基づく、出店社と協働し共に成長する支援・コンサル活動を強化しました。4月には対話型AI(ChatGPT)を活用した出品・販売支援ツールを「Mマート」をはじめ食材の販売サイトで実用化し、日経電子版に記事が掲載される等マスコミからも注目されています。

 また、7月には夏商戦に合わせた催事「クラッシュ プライス ウイーク」を開催し、買い手会員には更に安価な購入機会を、出店企業には滞留在庫の処分機会を提供し、当社の売上増加にも寄与しました。売り手・買い手双方から好評であり、今後も定期的に2ケ月に1回開催する方針です。

 さらに、9月には継続ワンクリック発注の大幅リニューアルで利用者が数十倍になり3ケ月目には4,000万円を記録し、又イーマーケットプレイスの最大の弱点であるワンプライスを克服するため1商品複数ロット販売も始めました。

 そのほかに、スマホ用「Mマート」アプリのリリース、円安に伴う海外バイヤーの利用増加に対応した「輸出可能商品コーナー」開設、15時までに発注すれば翌営業日発送を確約する「翌発」サービス開始等も行いました。

また、8月よりMマート市場の出店料を改定し、新規出店社は月額35,000円とするとともに様々なAI機能(おすすめレシピ、国別レシピ(和仏伊中)等)を提供することで、出店社の利便性の向上を図ります。

 

 以上のような取り組みの結果、買い手会員数は当第3四半期末で212,784社(前期末比12,075社増(6.0%増))と、今年1月に20万社を超え9月に21万社を超えた後も、毎月1千社超の増加ペースは衰えておりません。売り手企業側もMマート市場を中心に、前期末対比2.9%増加しました。

これに伴い、当第3四半期累計期間における運営サイトの総流通高は、主に「Mマート」市場の伸びが貢献し、  8,383百万円となりました(前年同期比23.6%増)。

 

 このように、出店社数・出品社数が増加し総流通高も増加したこと、加えて昨年11月末より「Mマート」市場のマーケット利用料率を見直したことにより、出店料収入(月額固定)、マーケット/システム利用料収入(取引高比例)等による営業収益(売上高)は、854,491千円(同19.8%増)と増収となりました。

 営業費用(販売費及び一般管理費)は、システム技術部門、営業部門等の人員採用に伴い人件費や採用費が増加したこと、前期に発生したサーバーのクラウド化に関する一時費用がなくなったことから、全体では3.4%の費用増加にとどまったため、営業利益は357,872千円(同53.7%増)、経常利益は357,433千円(同53.5%増)、四半期純利益は242,054千円(同54.1%増)と、各利益ともに大幅な増益となりました。利益率も、営業利益率41.9%(前年同期比9.2ポイント改善)、経常利益率41.8%(同9.2ポイント改善)、純利益率28.3%(同6.3ポイント改善)と、いずれも改善しています。

 なお当社はeマーケットプレイス事業のみの単一セグメントのため、セグメント業績の記載を省略しています。

 

(2) 財政状態の分析

 当第3四半期会計期間末の総資産は2,192,697千円となり、前事業年度末に比べて291,122千円増加しました。順調なビジネスの拡大により、流動資産において営業未収入金等の営業債権と手元キャッシュが増加したことが、主な要因です。

 負債合計は719,659千円となり、前事業年度末に比べて112,792千円増加しました。主として、営業未払金や預り金(Mコイン購入代金の預かり等)等の営業債務が増加したことによります。

 純資産合計は1,473,037千円となり、前事業年度末対比178,329千円増加しました。四半期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加が主な要因です。