売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01730 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績の分析

① 国内市場

当第3四半期累計期間における日本経済は、日銀短観調査では大企業・製造業の業況判断は3四半期連続上昇し、価格転嫁の進展やインバウンド回復などの影響もあり景況感は改善傾向を示しております。実態経済としては、半導体をはじめとした部材の供給も安定化しつつあります。しかし、外需を中心に設備投資が弱含みな業界もあり、製造業では業種によっては一進一退の生産状況など、順調に推移しつつあるコロナ明けからの景気回復には予断を許さない状況も一部に見受けられます。

そのような状況のなか、当社主力販売先である自動車産業における設備投資の状況につきましては、堅調な自動車販売を背景に自動車業界全体としての設備投資計画は前期を上回る計画を見込んでおりますが、中国の景気鈍化や一部自動車メーカーの不祥事問題なども影響し、第2四半期に増して計画発注時期や納期のタイミングに先延ばしが散見され、当社製品のうちネジ締付装置においては、受注状況は堅調ながら売上高については当初予算を下回る結果となりました。

一方、ハンドナットランナにおいては、昨年より続いておりました半導体不足に起因した仕入部品の供給不足の状況はほぼ改善しており、装置系ハンドナットランナは前述の状況も起因し当初予算を下回ったものの、ハンドナットランナ単体の売上は当初予算を上回る結果となりました。

② 米国市場

米国経済は、設備投資の前年比伸び率に鈍化がみられ、製造業においては自動車産業などのストライキの影響もあり、製造業全体では減産基調で推移しております。

当社製品の販売状況においては、既存の顧客に加え、特に米系自動車部品メーカーや農機具関連メーカーなどの新規顧客の裾野が徐々に広がりつつあり、販売先の広がりや比較的新しい顧客の売上拡大に加え円安効果などもあり、ハンドナットランナを中心に全品種において前年同期比を上回る状況となっております。

③ 中国市場

中国経済は、消費の低迷、輸出の低迷、不動産不況などにより一層景気減速が進み、内外需共に景気低迷が拡大してきております。

当社主力販売先である自動車産業においても、堅調であったEV関連の設備投資計画が鈍化に転じ、先行き不透明な状況がより増してまいりました。

当社製品の販売状況においては、ハンドナットランナを中心に前年同期比減収となっております。

④ その他の市場

その他市場の品種別販売状況については、スペイン、インド、メキシコ、韓国などでハンドナットランナ及びナットランナの需要が前年同期比で増加し、堅調に推移しております。

 

その結果、当第3四半期連結累計期間の売上状況は上記の市場環境により、品種別販売状況については、ナットランナ、ハンドナットランナ、サーボプレス、修理点検においては前年同期比増収、ネジ締付装置は前年同期比横ばいとなり売上高4,800百万円(前年同四半期比4.5%増)となりました。

利益状況は、比較的利益率の高いナットランナ、ハンドナットランナの売上が堅調に推移したことを受け売上総利益率は増加しましたが、人件費上昇により営業利益1,026百万円(前年同四半期比0.7%減)、売上高営業利益率21.4%(前年同四半期は22.5%)、経常利益1,090百万円(前年同四半期比1.0%増)、売上高経常利益率22.7%(前年同四半期は23.5%)、親会社株主に帰属する四半期純利益761百万円(前年同四半期比6.4%増)となりました。

地域別売上においては、海外市場でハンドナットランナやナットランナが堅調に推移したこともあり海外売上比率が増加し、海外売上高3,312百万円(前年同四半期比13.0%増)、国内売上高1,487百万円(前年同四半期比10.5%減)、売上全体に占める海外売上比率は69.0%(前年同四半期は63.8%)、国内売上比率は31.0%(前年同四半期は36.2%)となりました。

なお、当社製品は、ネジ締付装置、同部品及びネジ締付工具でありますので、単一セグメントとして市場環境を判断しております。

 

(2)財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末の資産は、10,262百万円と前連結会計年度末比397百万円の増加となりました。増減の主な内訳は、仕掛品が428百万円、原材料が196百万円、未収消費税等が150百万円、有形固定資産が651百万円増加した一方、現金及び預金が710百万円、売掛金が622百万円減少したためであります。

当第3四半期連結会計期間末の負債は、1,203百万円と前連結会計年度末比335百万円の減少となりました。増減の主な内訳は、買掛金が66百万円増加した一方、未払法人税等が233百万円、賞与引当金が51百万円減少したためであります。

当第3四半期連結会計期間末の純資産は、9,059百万円と前連結会計年度末比732百万円の増加となりました。増減の主な内訳は利益剰余金が533百万円、為替換算調整勘定が136百万円増加したためであります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、271百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社の研究開発活動に重要な変更はありません。