株式会社近鉄エクスプレス

上場廃止 (2022/08/26) 株式等売渡請求による取得 倉庫・運輸関連空運プライムTOPIX Small 1

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04364 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

当第3四半期連結累計期間(以下「当第3四半期」という。)における世界経済は、一部ではサービス業や労働市場において底堅さが見られるものの、コロナ禍における消費行動の変化や世界的なインフレの進行により消費者需要は低迷しています。在庫調整のための生産抑制、金融引き締めやインフレの継続に加え、米中対立による地政学的緊張の高まり、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、イスラエル・パレスチナ紛争、中国における不動産不況による景気後退等、引き続き先行きが不透明な状況が続いています。

国内経済は、サービス消費やインバウンド需要の復調など正常化への回復が見られましたが、欧米経済および中国経済の減速などによる外需低迷が響き、機械・エレクトロニクスなどの加工組立型産業を中心に需要が弱含みとなりました。一方、自動車は半導体不足の解消が進み、落ち込んでいた水準からの回復が進みました。

国際物流市場は、世界経済の低迷、積み増しされた在庫調整の維持により、荷動きは低調に推移しました。航空貨物輸送は前年を下回る荷動きでしたが、中国発米国向けのEコマースは旺盛な消費需要を背景に活発な荷動きとなりました。また、国際旅客便の復便によりスペース供給が増加した結果、運賃の下落が進みました。海上貨物輸送においても荷動きは前年に比べて減少しました。また、船腹量の増加に伴い、運賃の下落が進みました。

当第3四半期における当社グループの業績は、世界経済の後退による物量減少や、競合他社との競争激化の影響による販売価格の下落、航空輸送コスト上昇により、前年同期比で減収減益となりました。

この結果、当第3四半期における当社グループの業績は、航空貨物輸送が輸出重量で370千トン(前年同期比26.5%減)、海上貨物輸送が輸出物量で551千TEU(同4.7%増)、営業収入が551,568百万円(同36.4%減)、営業利益が14,866百万円(同57.7%減)、経常利益が17,473百万円(同62.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は7,327百万円(同77.5%減)となりました。

各セグメントの業績は、以下のとおりであります。

 

<日台韓>

航空貨物輸送は、中国向けのエレクトロニクス関連品を中心に荷動きが低調に推移し、競争激化により販売価格の下落が進み営業収入が減少しましたが、チャーター契約の見直し等の原価削減により増益となりました。海上貨物輸送は、中国向けエレクトロニクス関連品などの荷動きが減少し、販売価格の下落が進みました。ロジスティクスは、在庫調整により低調に推移しました。この結果、日台韓の営業収入は148,585百万円(前年同期比44.2%減)、営業利益は4,604百万円(同30.5%増)となりました。

 

<米州>

航空貨物輸送は、中国および欧州向けのヘルスケア関連品およびエレクトロニクス関連品を中心に取扱が減少し、競争激化による販売価格の下落が進み、当セグメントの業績に大きな影響を及ぼしました。海上貨物輸送は、中国および欧州向け食品および航空機関連品などの取扱が減少し、販売価格の下落が進みました。ロジスティクスは、主要品目を中心に堅調な取扱となりました。この結果、米州の営業収入は70,836百万円(前年同期比36.2%減)、営業利益は5,594百万円(同66.8%減)となりました。

なお、1米ドル当たりの円換算レートは、当第3四半期が143.29円、前年同期が136.51円です。

 

<欧州・中近東・アフリカ>

航空貨物輸送は、中国向けのエレクトロニクス関連品を中心に取扱が減少し、販売価格の下落が進んだ結果、当セグメントの業績に影響を及ぼしました。海上貨物輸送は、北米向けの自動車関連品を中心に低調に推移し、競争激化による販売価格の下落が進みました。ロジスティクスは、主要品目を中心に堅調な取扱となりました。この結果、欧州・中近東・アフリカの営業収入は40,888百万円(前年同期比34.9%減)、営業利益は2,382百万円(同61.2%減)となりました。

なお、1ユーロ当たりの円換算レートは、当第3四半期が155.29円、前年同期が140.59円です。

 

<東アジア>

航空貨物輸送は、北米向けのエレクトロニクス関連品および自動車関連品を中心に取扱が減少し、販売価格の下落が進み営業収入が減少しました。一方、Eコマースの旺盛な航空需要によりマーケットの航空運賃は上昇しましたが、チャーター契約の見直し等の原価削減により増益となりました。海上貨物輸送は、北米向けのエレクトロニクス関連品および自動車関連品の取扱が減少し、競争の激化により販売価格の下落が進みました。ロジスティクスは、在庫調整により低調に推移しました。この結果、東アジアの営業収入は74,974百万円(前年同期比48.5%減)、営業利益は1,940百万円(同0.3%増)となりました。

 

<東南アジア・オセアニア>

航空貨物輸送は、欧米および中国向けのエレクトロニクス関連品および自動車関連品を中心に取扱が減少し、販売価格の下落が進みました。一方、チャーター契約の見直し等の原価削減により増益となりました。海上貨物輸送は、中国向けエレクトロニクス関連品および自動車関連品を中心に低調に推移し、競争の激化により販売価格の下落が進みました。ロジスティクスは、主要品目を中心に堅調な取扱となりました。この結果、東南アジア・オセアニアの営業収入は64,637百万円(前年同期比51.1%減)、営業利益は1,705百万円(同58.6%増)となりました。

 

<APLL>

 APLLが取り扱う物流サービスは、自動車関連品においては、北米およびインドの鉄道輸送が堅調に推移したものの、リテール関連品やその他産業品目においては、需要が減少した影響により低調な取扱となり、当セグメントの業績に影響を及ぼしました。この結果、APLLの営業収入は164,571百万円(前年同期比15.1%減)、営業利益は3,745百万円(同63.2%減)となりました。継続してAPLL買収に係るのれん等の償却を当セグメントに含めているため、セグメント利益は1,707百万円の損失(前年同期は5,125百万円の利益)となりました。

 なお、1米ドル当たりの円換算レートは、当第3四半期は138.11円、前年同期が128.05円です。APLLは12月決算のため、1月から9月の期中平均レートを適用しております。

 

(2)財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末(以下「当第3四半期末」という。)における総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)から4,457百万円増加し、549,772百万円となりました。流動資産合計は、その他が7,246百万円増加した一方で、現金及び預金が1,843百万円、受取手形、営業未収入金及び契約資産が17,273百万円減少したこと等により、11,110百万円減少し323,100百万円となりました。固定資産合計は、有形固定資産合計が使用権資産の増加等で9,305百万円増加し、無形固定資産合計が主に償却による減少を上回る外貨換算の影響で7,520百万円増加し、226,544百万円となりました。

当第3四半期末における負債合計は、前期末から18,437百万円減少し、265,066百万円となりました。流動負債合計は、12,619百万円減少し139,803百万円となりました。これは、支払手形及び営業未払金が7,417百万円、契約損失引当金が3,251百万円それぞれ減少したこと等によるものです。固定負債合計は、長期借入金が10,000百万円減少したこと等により、5,817百万円減少し125,263百万円となりました。

当第3四半期末における純資産合計は、前期末から22,895百万円増加し、284,705百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益7,327百万円の一方で、配当の支払いによる9,760百万円の減少により、利益剰余金は2,432百万円減少しました。また、為替換算調整勘定は換算レートが円安傾向であったことにより23,972百万円増加しました。

以上の結果、自己資本比率は前期末の45.5%から49.1%になりました。