売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E00007 IFRS

売上高

422.0億 円

前期

470.8億 円

前期比

89.6%

時価総額

383.1億 円

株価

960 (04/19)

発行済株式数

39,910,700

EPS(実績)

29.59 円

PER(実績)

32.44 倍

平均給与

399.4万 円

前期

385.6万 円

前期比

103.6%

平均年齢(勤続年数)

41.0歳(12.2年)

従業員数

997人(連結:1,079人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3 【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の子会社)は、当社と子会社2社で構成され、きのこ類(まいたけ、エリンギ、ぶなしめじ、本しめじ、はたけしめじ、マッシュルーム等)及びきのこ加工食品の生産及び販売(以下「茸事業」という。)を主たる事業としております。

 当社では、まいたけの人工栽培に成功した後、まいたけの工業生産による安定的な生産・供給体制及び品質管理体制並びに小売事業者への直接販売を中心とした流通ルートの整備を図るとともに、そのノウハウをエリンギ・ぶなしめじの商品化に活かし、「きのこ総合企業」としての体制を確立してまいりました。

 各事業の特徴等は、以下のとおりであります。

セグメントの名称

担当会社

事業等の特徴及び取り組み状況

茸事業

まいたけ

当社

まいたけは、自社開発の「極」ブランドが市場、小売、消費者から高い評価をいただいております。当社の調査によれば、「雪国まいたけ 極」は、旨味成分が従来品と比べて多く、濃厚で旨味・風味があり、バランスのとれたすっきりとした味わいと、従来品と比べて強い歯ごたえや弾力性を有するまいたけとなっております。

 また、約6年間の開発期間を経て、栽培が難しく、安定生産には多くの高いハードルが存在していた白まいたけについて、高品質で安定生産できる新・白まいたけの自社菌の開発、量産化に成功し、2022年9月から「雪国まいたけ極 白」の発売を開始いたしました。「雪国まいたけ極 白」は、「雪国まいたけ 極」のおいしさを引き継いだだけではなく、高級感あふれる見た目の美しさや煮汁が濁らない使いやすさなどが多方面から好評を博しております。

エリンギ

当社

エリンギは、品質改善による安定供給を維持し、食感が良い茎部分を太く、カサを小さく栽培することで「より食べやすく、よりおいしい」エリンギを目指しております。太くしっかりしたエリンギは、調理時の切り方のバリエーションも増えるため、レシピ紹介等を通じ新たな食べ方提案を実施しております。

ぶなしめじ

当社

ぶなしめじは、顧客ポートフォリオ(アイテム構成)を見直し、販売単価の向上を目指しております。また、包装形態の見直しを図り、トレーの材質や厚さを変更することでトレーの軽量を図る等、生産コスト低減にも取り組んでおります。

本しめじ

瑞穂農林株式会社

本しめじは、高級料亭等だけでしかなかなか食べることのできなかった「幻のきのこ」とも呼ばれております。松茸同様に難しいとされていた栽培に成功し、「大黒本しめじ」と呼ばれる、見た目の美しさと旨味成分を兼ね備えた本しめじを生産しております。

はたけしめじ

瑞穂農林株式会社

はたけしめじは、きのこ特有の苦味がなく、お子様にもおすすめのきのこであり、また、低カロリーで、食物繊維に加えビタミンやミネラルも含まれているヘルシー食材であります。現在、「雪国大粒丹波しめじ」として、さらなる認知度向上を図っております。

マッシュルーム

株式会社三蔵農林

マッシュルームは、他きのこと比べても用途に季節を問わず幅広い世代より好評をいただいております。生産を手掛ける株式会社三蔵農林は、創業45年超の歴史があり、マッシュルーム市場において高い知名度を誇る「ミツクラ」ブランドの下で、ホワイトマッシュルームやブラウンマッシュルームを展開しております。

その他

当社

瑞穂農林株式会社

当社グループでは、その他の事業として、健康食品の製造(外部委託)及び販売、物産館の運営、並びに瑞穂農林株式会社にて培地活性剤の販売を行っております。

(注) 2023年4月1日付で、当社を吸収合併存続会社、株式会社三蔵農林を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行っております。

 

[事業系統図]

 当連結会計年度末現在における子会社を含めた事業の系統図は、以下のとおりとなります。

 

※画像省略しています。

 

 

 

(当社グループの生産の特徴)

 当社グループでは、独自に開発した工業生産手法により、きのこ(まいたけ、エリンギ、ぶなしめじ、本しめじ、はたけしめじ、マッシュルーム)を生産しております。主な生産工程と各工程における当社グループの手法の特徴については以下のとおりであります。こうした独自の生産手法により、当社は安定した生産能力、収穫、そして品質を実現しております。

 

(1) 培地合成

 オガ粉と栄養添加物を独自の割合で配合して栽培の土台となる培地を作成し、高温・高圧で殺菌いたします。当社グループでは、独自レシピで培地を配合し、農薬や化学肥料は一切使用しておりません。

 

(2) 植菌

 クリーンルーム管理(無菌状態に管理)した植菌室で培地に種菌を接種いたします。

 まいたけの生産に関しては、2015年8月に従来菌に比べて環境変化への耐性が強い新菌を導入し、歩留まり向上と生産の安定化を実現しております。特に、この独自に開発した新菌から収穫されるまいたけ「極」は、後述の培養・育成過程での工夫等を通じて、弾力性が高く歯ごたえをもたらす「茎」の部分が大きく、食べ応えがあるとともに、旨みと風味のバランスが良い等の特徴を有しており、高品質なまいたけの生産の実現につながっております。加えて、植菌作業の自動化にも取り組んでおります。

 

(3) 培養・育成

 光、温度、湿度等の環境を制御した培養室、発生室の中で、それぞれ菌糸(菌類の栄養体を構成する糸状の細胞列)、子実体(菌類の菌糸が密に集合してできた胞子形成を行う、塊状のもの。大形のものが「きのこ」と呼ばれる。)の生長を促しております。

 特にまいたけでは、広大な培養室及び発生室において、天然まいたけが繁殖する深山の気候を再現した独自のデータに基づく科学的な環境管理によって、光、温度、湿度等を適切に制御し、大量生産を実現しております。培養室及び発生室の広さはそれぞれ約1,350㎡であり、業界で最大の規模と考えております。また、当社のまいたけに関しては、培地を袋に入れて培養・育成を行う手法である袋栽培を採用し、生産工程の改善を続けてきたことにより、1株の大きさが約900グラムと大型化することに成功しており、これによって、後述の包装工程において、需給に応じた多様な容量の包装と商品展開を行うことが可能になっております。

 なお、当社では、地熱利用の空調や廃棄物を熱源とするボイラー等を活用することにより、生産工程におけるユーティリティコストの低減も実現しております。

 

(4) 収穫・包装

 収穫時期を厳しくチェックし、厳格な社内基準に適合したきのこだけを収穫し、販売用に包装いたします。当社グループでは、FA化(ファクトリーオートメーション)を進めており、ぶなしめじ及びエリンギに関しては、収穫・包装を含むほとんどの工程において自動化を実現しております。また、まいたけについても、包装工程を中心に生産の自動化を推進しております。

 また、当社グループのまいたけは、前述のとおり、袋栽培で1株の大きさが大きいため、1株販売、500グラムから50グラムまで自由な量目設定が可能であり、当社グループでは、市況や顧客ニーズに応じた柔軟なアイテム展開を行っております。その結果、価格相場に応じた柔軟なアイテム提案によりキログラム単価の最大化を可能にしております。

 

 

(まいたけの特徴)

 人口の多い団塊世代の全員が2025年にはいわゆる後期高齢者となる等、少子高齢化の波は確実に強くなってきております。人口減少によってあらゆる商品の需要減少が予想されるため、様々な業界が警鐘を鳴らしており、国内食品業界全体の縮小は避けられない事態となっておりますが、当社では、この高齢化の波を前向きに受け止めております。自社アンケートの結果、まいたけのヘビーユーザーは、シニア世代になるほど多くなることがわかっております。

 また、2022年9月より販売を開始しております白まいたけ「雪国まいたけ極 白」は、その見た目の美しさから、洋食メニューにおいて見栄えもよく、若年層の興味・関心を引き付け、新たな購入意欲の喚起につながると考えております。

 まいたけは、食物繊維等の栄養素が摂取できる食材としてメディアにたびたび露出しており、最近では、まいたけに含まれる栄養成分の健康促進効果等も紹介されるようになりました。健康意識の高いアクティブシニアからの支持が強いまいたけは、需要がいっそう高まってくることが見込まれております。また、新型コロナウイルス感染症拡大により、食生活を通じた健康維持についての関心も高まっていると想定しております。

 当社では、創業来長年にわたって高品質・高生産性のきのこ製品の研究開発に取り組んでまいりました。特に、主要製品のまいたけについては、その充実した栄養成分や健康促進効果等に関して、研究成果の学会発表を行っております。

 当社の研究成果等によれば、まいたけには、食物繊維、α-グルカン、β-グルカン、ビタミンD、キチン、n-ヘキサン等の栄養成分が含まれております。

 

23/06/28

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための行動制限が緩和されたことにより、経済活動の段階的回復が見受けられた一方、ロシアのウクライナ侵攻による国際情勢の不安定化、エネルギー価格の高騰及び円安の長期化など、依然として厳しく不安定な状況が続いております。

 当社グループ事業を取り巻く環境は、原油価格の高騰等を背景に、食品や日用品の値上げが相次ぎ、消費者の家計防衛意識はより一層高まっております。また、当社グループにおいても、ユーティリティ単価の高騰や原材料値上げの影響等による各種コストの増加が当期利益を圧迫しております。

 このような環境の中、当社グループは、中期経営計画に基づき、これまで長年培ってきた当社の生産技術・ノウハウ、販売力を活かし、プレミアムきのこ総合メーカーとしての基盤の確立と、まいたけを中心としたきのこが持つ機能性の開発と訴求により、安全・安心な製品を提供することを通じて消費者の健康に寄与し、健やかな社会の実現に貢献すべく事業展開を図ってまいりました。

 また、約6年間の開発期間を経て、デリケートな性質のため栽培が難しく、安定生産には多くの高いハードルが存在していた白まいたけについて、高品質で安定生産できる新・白まいたけの自社菌の開発、量産化に成功し、2022年9月から「雪国まいたけ極 白」の発売を開始いたしました。当社は、引き続き「雪国まいたけ極 白」に続く、プレミアムきのこの拡充を図ってまいります。

 

 以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末(2023年3月31日時点)の資産合計は、33,304百万円(前連結会計年度末に比べ2,791百万円減)となりました。流動資産は、7,180百万円(同2,555百万円減)となりました。これは主に、棚卸資産が173百万円増加した一方、現金及び現金同等物が2,662百万円減少したこと等によるものであります。非流動資産は、26,124百万円(同236百万円減)となりました。これは主に、繰延税金資産が117百万円増加した一方、有形固定資産が203百万円、使用権資産が84百万円及び退職給付に係る資産が87百万円減少したこと等によるものであります。

 当連結会計年度末の負債合計は、22,895百万円(同2,730百万円減)となりました。流動負債は、6,592百万円(同1,417百万円減)となりました。これは主に、営業債務及びその他の債務が725百万円、未払法人所得税が790百万円減少したこと等によるものであります。非流動負債は、16,302百万円(同1,312百万円減)となりました。これは主に、約定返済等により借入金が1,243百万円減少したこと等によるものであります。

 当連結会計年度末の資本合計は、10,409百万円(同61百万円減)となりました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益1,181百万円の計上及び剰余金の配当1,196百万円の支払いを実施したことにより利益剰余金が70百万円減少したこと等によるものであります。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の収益は42,204百万円(前連結会計年度比10.4%減)、このうち、売上収益は31,016百万円(同4.4%減)となりました。食品の値上げによる消費者の家計防衛意識の高まり及び他社増産による市場供給量の増加により、マーケットの需給バランスが歪んだ状況が継続したこと等により、茸事業の売上収益は30,649百万円(同4.3%減)となりました。また、燃料価格、電気料金の高騰や円安等の影響を受け、売上原価は31,688百万円(同6.1%減)、売上総利益は10,516百万円(同21.2%減)となりました。販売費及び一般管理費は運賃、販売手数料は減少した一方、労務費、株主優待費用及び水道光熱費等がそれぞれ微増し、8,258百万円(同1.4%増)となりました。

 また、当社が業績を評価する上で有用な指標であるとしているコア営業利益は2,562百万円(同54.2%減)、コアEBITDAは4,663百万円(同38.4%減)と、いずれも前連結会計年度を下回る結果となりました。(「コア営業利益」等の定義については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (参考情報)」を参照ください。)

 なお、当社では、IFRS農業会計(IAS第41号)の適用に伴い、きのこ製品で構成される生物資産を売却費用控除後の公正価値で測定しており、当該公正価値の変動による利益又は損失が、連結損益計算書の「公正価値変動による利得」に含まれております。当連結会計年度においては、IAS第41号「農業」の適用に関する公正価値変動による利得が、収益に11,188百万円、売上原価に11,473百万円、それぞれ含まれております。

 

 当連結会計年度における事業セグメント別の売上収益の状況は以下のとおりであります。

 

〔茸事業〕

(ⅰ) まいたけ

 まいたけの魅力をより広く消費者の皆様に知っていただくため、関東・関西エリアを中心に「あなたの一番そばに。」シリーズとしてテレビCMを放映いたしました。また、他食品メーカーとの共同企画による食べ方提案やSNSを活用したレシピ紹介等を実施いたしました。販売量は前年とほぼ同様となりましたが、競合他社の増産もあり販売単価は前年を下回りました。この結果、まいたけ事業の売上収益は17,919百万円(前連結会計年度比4.3%減)となりました。

 

(ⅱ) エリンギ

 生産品質の向上により安定した供給を維持し、簡便性の高いピロー製品の導入や、エリンギ水煮を使用した中食メニュー提案等を実施いたしました。販売量はやや前年を下回りましたが、販売単価は前年とほぼ同様の推移となりました。この結果、エリンギ事業の売上収益は3,127百万円(同1.1%減)となりました。

 

(ⅲ) ぶなしめじ

 青果市況と市場の動向を注視しながら、需給バランスに応じて1株製品と2株製品といった量目が異なる製品を活用した柔軟な製品投入を実施いたしました。販売量は前年をやや下回りましたが、販売単価は前年をやや上回りました。この結果、ぶなしめじ事業の売上収益は6,097百万円(同3.6%減)となりました。

 

(ⅳ) その他の茸

 マッシュルームは、一時的に生産が不安定になったことにより市場の旺盛な需要にお応えすることができなかったため、前年に比べ販売は低調に推移いたしました。この結果、その他の茸事業の売上収益は3,504百万円(同7.8%減)となりました。

 

〔その他〕

 その他の売上収益は、主に健康食品の販売及び瑞穂農林株式会社が取り扱う培地活性剤によるものであります。当連結会計年度においては、健康食品は前年に比べ堅調に推移しましたが、培地活性剤の製造及び販売量が減少いたしました。この結果、その他の売上収益は367百万円(同13.2%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,662百万円減少し、1,060百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(ⅰ) 営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果獲得した資金は、3,101百万円(前期は5,606百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前利益1,794百万円や減価償却費及び償却費2,112百万円、支払利息383百万円の計上があった一方、法人所得税の支払1,497百万円があったこと等によるものであります。

 

(ⅱ) 投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果使用した資金は、2,996百万円(前期は2,554百万円の使用)となりました。これは主に、生産設備の増強・更新等に伴う有形固定資産の取得による支出2,919百万円があったこと等によるものであります。

 

(ⅲ) 財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果使用した資金は、2,767百万円(前期は3,107百万円の使用)となりました。これは主に、約定返済の実施により長期借入金の返済による支出1,348百万円、配当金の支払い1,195百万円があったこと等によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

茸事業(百万円)

38,928

△1.4

その他(百万円)

-

-

合計(百万円)

38,928

△1.4

(注) 1.生産実績は、販売価格にて算定しております。

2.その他セグメントは生産活動によらない事業を含むため記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社グループは主に見込み生産を行っており、当連結会計年度における受注実績の重要性が乏しいため記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

茸事業

まいたけ(百万円)

17,919

△4.3

エリンギ(百万円)

3,127

△1.1

ぶなしめじ(百万円)

6,097

△3.6

その他の茸(百万円)

3,504

△7.8

その他(百万円)

367

△13.2

合計(百万円)

31,016

△4.4

(注) 1.茸事業の「その他の茸」の主な内訳は、マッシュルーム、本しめじ、はたけしめじとなります。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績については、連結売上収益10%以上に該当する販売先がないため、その記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(ⅰ) 資産

 資産につきましては、当連結会計年度末33,304百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,791百万円減少いたしました。これは主に、現金及び現金同等物の減少により、流動資産が2,555百万円減少し、有形固定資産が203百万円減少した一方、繰延税金資産が117百万円増加したこと等により、非流動資産が236百万円減少したことによるものであります。

 

(ⅱ) 負債

 負債につきましては、当連結会計年度末22,895百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,730百万円減少いたしました。これは主に、営業債務及びその他の債務が725百万円、未払法人所得税が790百万円減少したこと等により、流動負債が1,417百万円減少し、約定返済により借入金が1,243百万円減少したこと等により、非流動負債が1,312百万円減少したことによるものであります。また、結果として当連結会計年度末時点のレバレッジ・レシオ(連結総有利子負債/直前12カ月のコアEBITDA)は3.8倍となっております。

 

(ⅲ) 資本

 資本につきましては、当連結会計年度末10,409百万円となり、前連結会計年度末に比べ61百万円減少いたしました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益1,181百万円の計上及び剰余金の配当1,196百万円の支払いを実施したことにより利益剰余金が70百万円減少したこと等によるものであります。

 

 経営成績の分析につきましては、前記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」を参照ください。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報

 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、前記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」を参照ください。

 資本の財源及び資金の流動性に関する情報につきましては、当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社グループの主な資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金となります。

 設備投資等の長期資金需要は、自己資金又は金融機関からの長期借入金等により賄い、運転資金等の短期資金需要は、主に自己資金にて賄っており、必要に応じて金融機関からの短期借入金にて調達しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、決算日における財政状態、報告期間における経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続してこの見積り・予測の評価を実施しております。なお、重要な会計上の見積りとした項目は「生物資産の測定」、「非金融資産の減損」及び「確定給付債務の測定」であり、見積りの詳細及び当該見積りに用いた仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (5) 見積り及び判断の利用」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載のとおりであります。

 これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

 

(参考情報)

 当社グループは、2021年11月に公表いたしました中期経営計画の策定に伴い、経営成績の推移を把握するための重要な経営指標の見直しを実施し、以下の算式により算定されたコア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンを、新たに重要な経営指標として位置づけております。コア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは、次のとおりであります。

 なお、中期経営計画における定量目標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な経営戦略等」に記載しております。

(単位:百万円)

回次

国際会計基準

第5期

第6期

決算年月

2022年3月

2023年3月

営業利益

4,975

2,191

(調整額)

 

 

- IAS第41号「農業」適用による影響額 (注) 4

382

305

- その他の収益及び費用 (注) 5

231

66

- 一時的な収益及び費用 (注) 6

-

-

調整額小計

614

371

コア営業利益 (注) 1、7

5,590

2,562

(調整額)

+ 減価償却費及び償却費

1,974

2,100

コアEBITDA (注) 2、7

7,564

4,663

コアEBITDAマージン(%) (注) 3、7

23.3

15.0

 

 

 

(注) 1.コア営業利益=営業利益 - IAS第41号「農業」適用による影響額 - その他の収益及び費用 - 一時的な収益及び費用

2.コアEBITDA=コア営業利益 + 減価償却費及び償却費

3.コアEBITDAマージン=コアEBITDA ÷ 売上収益

4.IAS第41号「農業」適用による影響額とは、IAS第41号「農業」を適用し、きのこの生産工程である仕込みから収穫時までのきのこを生物資産として、売却費用控除後の公正価値で測定するものであり、当該公正価値の変動による利得及び損失を影響額としております。

5.その他の収益及び費用とは、主に減損損失、固定資産除却損等となります。

6.一時的な収益及び費用とは、通常の営業活動では発生しない一過性の収益及び費用となります。なお、2022年3月期及び2023年3月期において、一時的な収益及び費用の発生はありません。

7.コア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは国際会計基準により規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社グループが有用であると考える財務指標であります。当該財務指標は、非経常的損益項目及び競合他社に対する当社グループの業績を適切に示さない項目の影響を除外しております。なお、コア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは、国際会計基準に準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおけるコア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が低下する可能性があります。