E23202 Japan GAAP
前期
5,584.0億 円
前期比
104.6%
株価
2,536 (04/25)
発行済株式数
70,751,855
EPS(実績)
129.03 円
PER(実績)
19.65 倍
前期
726.7万 円
前期比
99.6%
平均年齢(勤続年数)
41.2歳(15.4年)
従業員数
3,118人(連結:5,715人)
2023年3月31日現在の当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社、子会社33社および関連会社13社で構成されております。
当社グループの事業内容および関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
なお、事業内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(注)持分法適用関連会社は下記の通りです。
乳 製 品:イーエヌ大塚製薬㈱
飲料・デザート:ルナ物産㈱
そ の 他:北網運輸㈱、日本乳品貿易㈱、㈱アミノアップ、SBSフレック㈱
事業系統図(当社、連結子会社及び関連当事者)は次のとおりです。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、特定子会社の異動には該当しておりませんが、第1四半期連結会計期間より、株式会社ベルネージュダイレクトは重要性が増したため、連結の範囲に含めております。
また、第1四半期連結会計期間において、全国農業協同組合連合会が優先株式を普通株式へ転換したことにより、協同乳業株式会社に対する当社の持分比率が減少し関連会社に該当しなくなったため、同社を持分法適用の範囲から除外しており、2023年3月末では、子会社33社および関連会社13社となっております。
① 財政状態及び経営成績の状況
〈連結経営成績〉
〈セグメント別概況〉
(注) 1.報告セグメントの売上高は、主に「商品または製品の販売に係る収益」によるものです。
2.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、共同配送センター事業および不動産賃貸事業等が含まれております。売上高は、主に「配送サービスに係る収益」によるものです。
当連結会計年度の財政状態は次のとおりです。 (単位:百万円)
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(単位:百万円)
③ 生産、受注及び販売の実績
ア.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
イ.受注実績
当社グループ(当社および連結子会社)は一部受注生産を行なっておりますが、金額に重要性がないため、記載を省略しております。
ウ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度および当連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のわが国経済は、一部に弱さが見られるものの、緩やかに持ち直しています。先行きについては、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスク、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
食品業界においては、新型コロナウイルス感染症の制約が緩和され、内食需要に落ち着きが見られつつありますが、外食需要はインバウンド需要の増加もあり回復傾向にあります。
一方で、ウクライナ情勢などに伴う世界的な原材料価格やエネルギー価格等の高騰はピークは過ぎたと見られますが、食品をはじめ様々な商品の値上げが継続し、消費者の購買行動に影響を与えております。
このような環境下、当社グループは「グループ中期経営計画 2022」に基づき、「4つの事業分野(乳製品事業分野、市乳事業分野、ニュートリション事業分野、飼料・種苗事業分野)における収益基盤の確立」に向けた取り組みを進めました。
この中では、機能性を軸としたヨーグルトおよびチーズなどの主力商品の戦略的拡大とプロダクトミックスの更なる改善、ニュートリション事業分野におけるマーケティング投資の継続による規模拡大と収益確保の両立、飼料・種苗事業分野における戦略的拡大と収益基盤の整備、ならびにグループ経営資源の活用拡大やバリューチェーンの生産性向上によるグループ総合力の強化等に努めました。
しかしながら、2023年3月期は、売上高は前年を上回ったものの、為替変動やウクライナ情勢を起因とする原材料価格やエネルギー価格等が高騰し、価格改定、容量変更などを進めましたが、コストアップすべてを吸収することができませんでした。
当連結会計年度の業績(セグメントを含む)は次のとおりです。なお、売上高につきましては、外部顧客に対する金額を記載しております。
当社グループの連結売上高は、乳製品セグメント及び飲料・デザート類セグメント、飼料・種苗セグメントの増収等により、584,308百万円(前年同期比4.6%増)となりました。営業利益については、乳製品セグメント及び飲料・デザート類セグメントにおける価格改定等を進めたものの、原材料コストやオペレーションコストの増加などにより13,054百万円(前年同期比27.7%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益が前年度から増加したものの、減損損失が前年度から増加したことなどから9,129百万円(前年同期比24.3%減)となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
〈乳製品〉
当セグメントには、乳製品(チーズ、バター、粉乳等)、油脂、ニュートリション事業(機能性食品、粉ミルク等)等の製造・販売が含まれております。
売上高は252,070百万円(前年同期比6.4%増)、営業利益は9,720百万円(前年同期比22.4%減)となりました。
(売上高の状況)
バターは、磯分内工場や阿見工場を中心とした生産体制を整備し、家庭用の拡売に取組み前年を上回りました。業務用は、外食やホテル需要の回復などにより前年を上回りました。
チーズは、主力のさけるチーズが好調に推移したほか、6PチーズのTVCM放映やスライスチーズ7枚タイプの増量などで需要喚起策を実施し、市場を上回りました。チーズの新商品では、加熱調理でとろけて具材と絡まる、新コンセプトのスライスチーズ「meltoro(メルトロ)」を発売しました。また、北海道産の生乳を100%使用し、余熱料理やサラダの具など幅広い料理にお使いいただける、粒タイプならではの食べ応えのある食感の「雪印北海道100かけるチーズ」を発売しました。
機能性食品は定期購入型通販ビジネスが引き続き好調に推移したこと、積極的なマーケティング投資や健康志向の高まりにより引き続き伸長しました。機能性食品の新商品では、移動時におけるひざ関節の違和感の軽減をサポートするN-アセチングルコサミンを配合した「関節ケアドリンク グルコサミン」などを発売しました。
(営業利益の状況)
価格改定を進めたものの、原材料コストやオペレーションコストの増加等により減益となりました。
〈飲料・デザート類〉
当セグメントには、飲料(牛乳類、果汁飲料等)、ヨーグルト、デザートの製造・販売が含まれております。
売上高は241,113百万円(前年同期比0.6%増)、営業利益は1,629百万円(前年同期比54.9%減)となりました。
(売上高の状況)
飲料は、前年度上期の家庭内需要の反動や下期の価格改定による影響もあり、牛乳は前年を下回る推移となりました。更に新型コロナウイルスの影響により一時的に高まった健康意識が落ち着き、野菜飲料も年間を通じて販売苦戦し、結果として飲料全体でも年間計で前年を下回りました。
その中でTVCM等積極的なプロモーション投入を行った「MBPドリンク」は前年から大きく拡大しました。
更に「雪印コーヒー」については、発売60年目のプロモーションを通じ、小型商品や希釈タイプ等の新商品を積極的に発売、「雪印コーヒー」群全体の底上げに繋げました。
また、2023年3月末に、ミルク生まれの希少たんぱく質MBP®20mg、半日分のカルシウムとビタミンD、ビタミンB₆を配合した、カラダづくりをサポートする乳飲料「毎日骨太 高たんぱくMBP®」を発売しました。
ヨーグルトは、「牧場の朝」や「ナチュレ恵」などのファミリーユース商品が年間を通じて堅調に推移しましたが、「ガセリ菌ヨーグルト」が、前年テレビの特集番組で大きく伸長した反動などにより、全体としては前年を下回りました。
ヨーグルトの新商品では「ガセリ菌SP株」シリーズから、おいしくさっぱりと食べられる、赤い果実感のあるいちご味仕立ての「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト いちご」を発売しました。
デザートは新商品の発売等、商品力強化の取り組みに加え、既存商品の拡売により好調に推移しました。
デザートの新商品では「雪印北海道バター」とプリンのコラボレーション「雪印北海道バタープリン」を発売しました。
(営業利益の状況)
価格改定等を進めたものの、原材料コストやオペレーションコストの増加などにより減益となりました。
〈飼料・種苗〉
当セグメントには、牛用飼料、牧草・飼料作物種子、野菜種子の製造・販売、造園事業が含まれております。
売上高は53,474百万円(前年同期比14.1%増)、営業利益は219百万円(前年同期比68.4%減)となりました。
(売上高の状況)
配合飼料販売価格の上昇などにより当セグメント全体で前年を上回りました。
また、種苗事業は、農林水産省の「水田活用の直接支払交付金」制度等もあり、播種が促進され、牧草種子が前年を上回りました。
(営業利益の状況)
原材料コストの増加により減益となりました。
〈その他〉
当セグメントには、共同配送センター事業、不動産賃貸事業等が含まれております。
売上高は37,649百万円(前年同期比8.0%増)、営業利益は1,476百万円(前年同期比28.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりです。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
※自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利息の支払額
(注) 1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債を対象としております。
〈資金需要の動向〉
当社グループの主な資金需要は、「グループ中期経営計画 2022」においては「生産性改革の推進」と「事業構造改革の断行」、および「生産体制進化の本格始動」への投資でありました。「雪印メグミルクグループ 中期経営計画 2025」においては「強靭性の獲得」に向けた「既存事業への基盤・成長投資」、「未来価値創造投資」に必要な投資であります。
〈資金調達の方法〉
当社グループは、運転資金、投資資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分については金融機関からの借入、社債の発行および資産売却等により資金調達を実施していきます。外部からの資金調達につきましては、D/Eレシオ0.5以下を目処として長期と短期のバランスを勘案しながら、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めていきます。
なお、当連結会計年度において、当社初のグリーンボンドによる調達を実行しました。引き続き、当社グループの重要課題(マテリアリティ)に必要となる資金については、SDGsの観点を取り入れた資金調達にも取り組んでいきます。
資金の流動性につきましては、現預金残高に加え、金融機関とコミットメントライン契約および当座貸越契約を締結しており、さらにグループ各社における資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を含むグループファイナンス制度を導入することにより、十分な資金を確保していきます。
③ 目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは2020年5月に「グループ中期経営計画 2022」を策定いたしました。
「グループ中期経営計画 2022」では、目標経営指標を連結売上高6,400億円、連結営業利益220億円、連結EBITDA410億円としておりました。
(※連結売上高は「収益認識に関する会計基準」適用前の数値目標となっております。)
「グループ中期経営計画 2022」の最終年度となる、当連結会計年度における連結売上高は5,843億円、連結営業利益は前年同期比27.7%減の130億円、連結EBITDAは前年同期比13.7%減の302億円となり、目標経営指標を達成することができませんでした。
中計2025の初年度となる2024年3月期(予想)は、連結売上高は前年同期比5.4%増の6,160億円、連結営業利益は前年同期比7.2%増の140億円、連結EBITDAは前年同期比4.3%増の315億円としております。
④ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
連結財務諸表を作成する際には、一部について見積りや仮定を用いることが必要になりますが、これらは期末日における資産・負債の金額および開示期間の収益・費用の金額に影響を与えます。見積りや仮定を行なう場合は、その時点で入手できる事実に基づき、可能な限り客観的に実施することを目指しておりますが、実際の結果とは異なる場合もあります。
重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。