E04224 Japan GAAP
前期
4,554.8億 円
前期比
94.8%
株価
2,402 (11/01)
発行済株式数
39,718,200
EPS(実績)
253.18 円
PER(実績)
9.49 倍
前期
607.7万 円
前期比
100.4%
平均年齢(勤続年数)
46.0歳(7.2年)
従業員数
271人(連結:10,903人)
当社グループは持株会社制を導入しており、2023年12月31日現在、連結財務諸表提出会社(以下当社という)並びに子会社57社(うち連結子会社40社)及び関連会社8社(うち持分法適用関連会社1社)から構成されております。当社は持株会社として、グループ戦略の立案・決定やグループ会社のモニタリング機能を果たすとともに、グループ会社への各種共通サービスの提供を行っております。
当社グループは、あらゆる産業に繋がり、経済活動に必要不可欠な社会基盤のひとつである物流を中核事業としております。また、物流支援事業として物流の周辺にあるさまざまなニーズにお応えし、物流事業の差別化と充実を図っております。具体的には、物流施設等の開発・販売・賃貸等を行う不動産事業及び人材、環境、マーケティング、太陽光発電等からなるその他事業を行っております。
なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
当社グループの各事業の位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。これらの3事業は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントと同一の区分であります。
当事業におきましては、主に企業間(BtoB)物流の分野で総合的な物流事業を展開しております。具体的には、荷主である顧客企業に対して物流改革を提案し、物流業務の包括受託及び各物流業者との連携による物流業務運営を提供する3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)及び4PL事業、全国ネットワークを持つ三温度帯(冷凍・冷蔵・常温)での食品物流事業、顧客企業の倉庫・工場からの材料・製品等の運送・配送を担う運送事業、主に小型貨物を即日配達する即配サービス事業、国際物流事業、物流コンサルティング事業等であります。
上記の事業を行う主な関係会社は、SBS東芝ロジスティクス㈱、SBSリコーロジスティクス㈱、SBSロジコム㈱、SBSフレック㈱、SBSゼンツウ㈱、SBS即配サポート㈱及びSBS古河物流㈱です。
当事業におきましては、所有する施設をオフィス、住居、倉庫などを用途とし賃貸する事業及び物流施設の開発・販売事業から構成されます。
主な関係会社は、SBSロジコム㈱、SBSアセットマネジメント㈱及び㈱エルマックスです。
顧客企業の物流センター等で発生する業務等を担うスタッフの派遣や紹介を行う人材事業、一般及び産業廃棄物の回収及び中間処理を一貫して行い資源の再利用など廃棄物のリサイクルを行う環境事業、顧客企業の営業や販売促進活動を支援する広告制作、広告代理等のマーケティング事業、保有地や物流センターの屋根を活用した太陽光発電事業等から構成されます。
主な関係会社は、SBSスタッフ㈱、SBS即配サポート㈱、マーケティングパートナー㈱及びSBSロジコム㈱です。
(企業集団の状況)
当社グループは、当社を持株会社として当社グループの連結の範囲に入る子会社40社及び関連会社1社*が相互に連携して、物流事業、不動産事業、その他事業を営んでおります。これらを報告セグメントとの関連で示すと以下の通りであります。なお、次項の図には非連結子会社及び関連会社の一部(※印)を含んでおります。
*関連会社の内訳は、(株)ゼロ(持分法適用関連会社)です。
当連結会計年度(2023年1月1日~2023年12月31日)においては、新型コロナウイルス感染症に起因する行動制限が緩和され経済活動の正常化が進んだ一方で、光熱費の高騰、資源価格および生活必需品価格の上昇が続き、景気の先行き不透明感が依然継続する形となりました。
物流業界においても海上コンテナ運賃の下落、半導体不況、円安に伴う物価高騰とそれに起因した買い控えなどによって、苦戦を強いられる状況が続いております。そうしたなか、当社グループは主力の物流事業における3PL、4PLビジネスの獲得と、EC物流の需要拡大に応えるべくワンストップのECプラットフォームサービス「EC物流お任せくん」を展開するなど、グループ一丸で営業力を発揮し、積極的な対応を図ってまいりました。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績
当連結会計年度の業績については、前述の要因による物流量の減少とコスト増加が当社の収益の伸びを妨げた結果、売上高は前年比235億69百万円減(△5.2%)の4,319億11百万円、また営業利益は同21億24百万円減(△9.7%)の197億19百万円、経常利益は同16億56百万円減(△7.7%)の197億47百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同16億75百万円減(△14.3%)の100億56百万円と、減収減益の決算となりました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりです。
(物流事業)
主力の物流事業では、既存顧客との取引拡大に加え、高い物流機能を求める新規顧客の獲得や、EC物流の需要取り込み等に注力しましたが、企業間物流における海外事業の運賃下落や物量減、家電・半導体等の取扱量減少の影響等により、当連結会計年度の物流事業の売上高は前年同期より246億10百万円減(△5.7%)の4,086億84百万円、営業利益は同39億22百万円減(△25.4%)の115億1百万円となりました。
(不動産事業)
不動産事業は、開発事業と賃貸事業で構成されております。開発事業では、グループ内での3PL、4PL事業を推進するために、顧客の物流ニーズに合った大型倉庫を土地の取得から建設まで一貫して行います。賃貸事業では、グループで保有する倉庫、オフィスビル、レジデンス等から賃貸収益を得ています。当社は、将来の投資に向け物流不動産を流動化し資金を回収しており、流動化に伴い計上する収益は不動産事業に含めております。
当連結会計年度における不動産事業については、第1四半期において横浜金沢物流センター(横浜市)の信託受益権の一部譲渡ならびに東扇島倉庫(神奈川県川崎市)の譲渡を実施したこと等により、売上高は前年同期より4億75百万円増(+3.5%)の138億99百万円、営業利益は同16億79百万円増(+26.7%)の79億62百万円となりました。
(その他事業)
その他事業の主なものは、人材派遣事業、マーケティング事業、太陽光発電事業及び環境事業です。当連結会計年度におけるその他事業の売上高は前年同期より5億66百万円増(+6.5%)の93億28百万円、営業利益は同42百万円減(△10.7%)の3億59百万円となりました。
b.財政状態
資産、負債及び純資産の主な増減要因は以下のとおりです。
(資産)
当連結会計年度における総資産は3,013億17百万円となり、前連結会計年度末に比べ44億19百万円増加しました。これは主に、棚卸資産等の流動資産の増加によるものです。
(負債)
負債は1,987億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ60億1百万円減少しました。これは主に、買掛金および短期借入金の減少等によるものです。
(純資産)
純資産は1,025億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ104億20百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という) は、前連結会計年度末に比べ30億7百万円減少し、296億60百万円となりました。各キャッシュ・フローの主な内訳は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は141億13百万円となりました。前連結会計年度末の224億7百万円の収入と比べて、利益の減少等により82億94百万円収入が減少しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は101億84百万円となりました。前連結会計年度末の158億95百万円の支出と比べて、固定資産の取得支出の減少等により57億11百万円支出が縮小しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は76億47百万円となりました。前連結会計年度の4億89百万円の収入と比べて、短期借入金の返済支出等により81億37百万円支出が増加しました。
当社グループは、物流事業を中核とするサービスの提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
3 当連結会計年度における販売実績の著しい変動の要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績」に記載のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報にもとづき、会計上の見積りを行っていますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果とは異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載しております。
当社グループの主たる運転資金は、傭車費、外注費、人件費等の売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要といたしましては、車両の経常的な更新、子会社・関連会社株式の取得等によるもの及び物流施設の自社開発に伴う用地取得、建設工事代金、設備投資等があります。
資金の財源につきましては、当面の資金需要と設備投資計画に則り自己資金と金融機関からの借入金により調達しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、296億60百万円となり、有利子負債残高は1,015億95百万円となっております。
当社グループは、グループ全体の資金を有効活用するため、キャッシュ・マネジメント・システムを採用しており、連結子会社の支払い代行業務を行う他、連結子会社の報告にもとづき、グループにおける重要な資金繰りの状況について把握しております。また、取引銀行において、借入金の与信枠の設定を受けており、必要な資金を速やかに確保する基盤を整えております。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について
当社グループは、中長期的な視点から事業の持続的成長、収益力及び資本効率の向上を図る方針であります。また、重要な事業戦略、投資戦略の一環として、物流施設の自社開発と流動化サイクルを計画的に循環させることで、3PL及び4PL事業の安定的成長を図る独自のビジネスモデルを推進しております。積極投資により収益力を高めるとともに財務の健全性も堅持し、売上高営業利益率5.5%、自己資本比率30%の達成を中期的な目標として掲げ、これを判断指標と位置づけております。当連結会計年度の売上高営業利益率は4.6%(前連結会計年度比△0.2ポイント)、自己資本比率26.4%(同+2.7ポイント)となっており、引き続き収益性の向上及び財務の健全性を意識した事業運営を行い、投資と回収の最適なバランスを実現してまいります。