売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E31386 Japan GAAP

売上高

140.4億 円

前期

134.1億 円

前期比

104.7%

時価総額

189.4億 円

株価

1,163 (04/26)

発行済株式数

16,284,800

EPS(実績)

58.05 円

PER(実績)

20.03 倍

平均給与

609.7万 円

前期

619.0万 円

前期比

98.5%

平均年齢(勤続年数)

37.2歳(6.7年)

従業員数

144人(連結:428人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社及び連結子会社6社、関連会社1社の合計8社で構成されており、世界的にも成長が続いているEC市場において、市場の変化に対応しつつ進化成長してまいりました。自らのクリエイティブ魂に火をつけ、プロダクト及びサービスを通じて顧客体験価値を最大化し、クリエイティブな炎を燃え上がらせることを体現することを目指し、Mission「クリエイティブ魂に火をつける」を掲げております。

主要なものとしては、スマートフォンケースやイヤホンケース等モバイルアクセサリーの商品企画・開発・製造、それら商品についてインターネット通信販売及び大手雑貨量販店等への卸販売を行う「コマース事業」と、主にEC事業者向けクラウド(SaaS)型EC Attractions「ネクストエンジン」の開発・提供を行う「プラットフォーム事業」を展開しております。それぞれの事業の内容は以下のとおりであります

2022年8月1日に当社が営むプラットフォーム事業を、会社分割の方法によって、当社の100%子会社であるNE株式会社に承継しております。また、2022年9月5日にNE株式会社がNE株式会社の100%子会社(当社の孫会社)であるHameeコンサルティング株式会社を吸収合併しております。

なお、当連結会計年度において、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

(1) コマース事業

当事業においては、若年層に高い認知度を持つiFaceブランドを中心としたスマートフォンアクセサリーを取り扱う事業が主力事業となります。若年層を含む幅広い顧客に対して、ECでは多店舗展開することでより多くの顧客と接点を持ちつつ、また雑貨量販店、家電量販店、キャリアショップ等のリアルな売り場での接点をも有す、バランスの良い販路を持っているのが一つの特徴であります。あわせて、当社グループで企画開発、製造、販売までのサプライチェーンを構築しているのも大きな優位性となっております。また、これらにEC運営ナレッジを加えた強みを活かしてカテゴリー拡張をしており、ゲーミングモニターブランドPixioや、コスメティクスを「ByUR」ブランドとして展開しています。また、これまではその他セグメントとなっていたHamic事業を新規事業と位置付けコマース事業に含めております。なお、当事業は国内だけでなく、韓国、米国、中国の連結子会社3社を通じてインターネット通信販売及び小売り事業者向けの卸販売を行っており、インターネット通信販売においては自社サイトの運営だけでなく、国内及び海外の有力ECショッピングモール等へ出店しております。

① 国内インターネット通信販売について

インターネット通信販売においては、自社ドメインサイト5店舗、楽天市場で2店舗、Yahoo!ショッピングモール/ PayPayモールで3店舗、Amazon.co.jpで2店舗、ZOZOTOWNで1店舗、その他小規模店舗を含め日本国内で14店舗のEC店舗を運営し、一般消費者に向けてモバイルアクセサリー等を販売しております。店舗運営に当たっては、UX(注1)を重視し、専門チームがUXの向上に努め様々な施策を行っております

② 卸販売について

大手雑貨量販店、大手家電量販店向けに、モバイルアクセサリーの卸販売を行っているほか、EC事業者向けにインターネット卸販売サイトの運営を行っております。小田原本社のほか、東京、大阪に拠点を設け、ラウンダーと呼ばれる実店舗の売場構築支援を行う人員を配置し、顧客満足度向上に努めております。

③ 海外向け販売について

子会社を通じて次のとおり店舗展開をしております。

Hamee Global Inc.(韓国連結子会社、以下「Hamee Global」という。)では、一般消費者向けにインターネット販売を展開しております。また、韓国国外の代理店に対する海外輸出も行っております。

Hamee US,Corp.(米国連結子会社、以下「Hamee US」という。)では、欧米の一般消費者向けインターネット通信販売を展開しております。また、米国においては大手雑貨量販店等への卸売販売も行っております。

Hamee Shanghai Tech & Trading Co., Ltd.(中国連結子会社、以下「Hamee Shanghai Tech & Trading」という。)では、中国一般消費者向けインターネット販売を展開しております

 

④ 商品仕入及び自社企画・製造について

商品仕入については、500社を超える仕入先との取引により、モバイルアクセサリー関連の情報網を確保しており、時代のニーズに合わせた多種多様な商品展開が可能な体制を構築しております。また、社内にて商品デザイナーを中心とした商品企画・デザイン専門チームを設置し、自社企画商品として、海外を含む外部メーカーと協力しオリジナル商品を制作しております。自社企画商品においては、ディズニーやムーミン等の人気キャラクターの商品化権を取得して、キャラクター商品の制作も積極的に行っております。これらに加え、玩具や実用品等も一部取り扱っており、様々な商品について、多くのEC店舗における販売状況を分析することで、売れ筋商品をリアルタイムに把握し、商品仕入・企画に活用することが可能な体制となっております。

また、韓国連結子会社が製造機能を保有しており、自社商品の企画・製造から物流・販売までのフローを統括できる体制を構築しております。

 

(2) プラットフォーム事業

当事業においては、2022年8月にNE株式会社として分社化いたしました。主に自社サイトやECショッピングモール等でインターネット通販を展開するEC事業者向けに、ネットショップ運営に係る日々の業務を可能な限り自動化すると同時に、モール横断型で複数店舗の受注処理や在庫状況を一元管理できるクラウド(SaaS)型EC Attractions「ネクストエンジン」を開発・提供しております。このサービスは、「(1)コマース事業」にて記載した当社自身によるEC事業のために開発したシステムを社外に提供したものであり、EC事業者だからこそわかる潜在的なニーズに対応できる素地があり、継続的な改良を行っております。

また、これまではその他セグメントとなっていたふるさと納税支援サービスロカルコ事業及び2022年9月NE株式会社において、Hameeコンサルティング株式会社を吸収合併したことによりプラットフォーム事業に取り入れております。

① ネクストエンジンについて

ネクストエンジンは、EC事業者に対して、メール自動対応、受注伝票一括管理、在庫自動連携、商品ページ一括アップロード等の機能を提供し、ネットショップ運営の業務プロセスの自動化を進め、EC事業者の経営効率向上を支援するクラウド(SaaS)型システムであります。異なるインターネットショッピングモールに出店した複数のネットショップの管理を一元化したり、複数のネットショップの在庫数表示を同期させたりする機能を持つことから、特に複数のネットショップを運営するEC事業者には利点があります。

ネクストエンジンには、メイン機能(標準仕様)とアプリケーション(拡張機能、以下「アプリ」といいます。)があり、ユーザーはニーズに合わせて機能を使い分けることが可能となっております。メイン機能はEC事業者の利便性に資する標準的な機能がワンパッケージで搭載されており、アプリはそれ以上の特殊なニーズに対応するためのオプションと位置付けられています。

2023年4月期末時点におけるネクストエンジンの契約社数は5,772社(前連結会計年度末比355社増)で、利用店舗数は45,937店(同4,342店増)、利用店舗の取引総額は1兆2,062億円(同826億円増、いずれも自社調べ)となっております

② サービス価格・営業活動について

ネクストエンジンの基本料金は、ユーザーであるEC事業者の受注件数に応じた従量課金制をとっており、ユーザーの事業規模に応じた料金体系となっております。また、専用サーバープランや、カスタマイズ等については顧客ごとに個別料金を適用しております。ネクストエンジン上の各種アプリにつきましては、アプリごとの定額料金制(一部従量課金制)としております。

営業活動につきましては、EC事業者向けのイベント・セミナー等へ出展・参加し、当サービスを紹介して、興味を持っていただいたEC事業者に詳細を提案するという営業スタイルを主体に、小田原(本社)に加え、東京営業所を営業拠点として、契約見込み先に対する積極的な営業(コンサルテーション)を展開し、契約の獲得に繋げております。加えて、無料体験からの成約率を高めるための組織も編成しており、組織の役割を明確にすることで少人数でも効率的に契約件数を獲得することが可能な体制となっております。また、協力事業者(ユーザー及び代理店として「パートナー制度に関する利用規約」を締結している事業者等)に代理で営業活動を行っていただき、当サービスを紹介していただく「パートナー制度」も設けております。

 

③ サポート体制について

ネクストエンジンのユーザーへのサポート業務は自社にログやノウハウが蓄積できる体制を構築したうえで定型業務をアウトソーシングしております。このコールセンター業務を担っていた人員が解約率抑制に取り組むことで、カスタマーサクセスの追求を行っております。

④ 開発について

ネクストエンジンの開発は全て自社の開発部で行っております。ユーザーと同じ目線で、ユーザーの利便性を重視したシステムにしていくため、当社を始めとした5,700社超のユーザーからのリクエストや、ECショッピングモール側のシステム変更等に迅速に対応できる開発体制を構築しております。

⑤ プラットフォーム化について

2013年12月よりネクストエンジンのAPI(注2)を公開したことにより、ネクストエンジン上で自社及び外部ディベロッパーが開発した各種アプリの展開が可能となるなど、いわゆるプラットフォーム化が実現いたしました。これにより、顧客のニーズに合わせたネクストエンジンのカスタマイズが容易となり、小規模EC事業者から、大規模EC事業者まで、広範なユーザーのニーズに対応したサービス提供が可能となっております。

また、既存のアプリとネクストエンジンを連携させることにより、ユーザーの環境に合わせた効率的なシステム運用も可能となります。

加えて、ユーザーが独自に開発したアプリを、ネクストエンジン上で販売することも可能になります。

 

(注) 1.UX(User Experience)とは、ある製品やサービスを利用したり、消費した時に得られる体験の総体。個別の機能や使いやすさのみならず、ユーザー(ここでは当社のECサイトを訪問する一般消費者)が真にやりたいことを楽しく、心地よく実現できるかどうかを重視した概念。

2.API(Application Programming Interface)とは、あるコンピュータプログラム(ソフトウエア)の機能や管理するデータなどを、外部の他のプログラムから簡単に呼び出して利用できるようにするインターフェースのこと。ここでいうインターフェースとは、機能の呼び出し手順や記述方法などを定めた仕様を指す。APIが提供されている機能は独自にゼロから開発する必要がないため、プログラムの開発を効率的に行うことが可能になる。

 

 

[事業系統図]

(コマース事業)

 

※画像省略しています。

 

(プラットフォーム事業) 

 

※画像省略しています。
23/07/28

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①  財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う行動制限が緩和される動きに伴って、個人向けサービス業等を中心に非製造業の業況判断の改善が見られた一方で、ウクライナ情勢などを背景に世界的な原材料価格・エネルギー価格の高騰によるインフレや急激な円安等のリスクが顕在化し、依然として先行きの不透明感が拭えない状況が続いております。

このような経営環境のもとで、当連結会計年度における当社グループのセグメントごとの経営成績は次のとおりとなりました。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、前連結会計年度との比較・分析は、変更後の区分に基づいております。変更の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

a.コマースセグメント

(a) モバイルライフ事業

当連結会計年度については、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う行動制限が緩和されたことを背景に、ここ数年続いた「巣ごもり需要」に紐づくモノ消費から、外食や旅行、その他イベント参加などのコト消費へと消費行動が変容したこと、原材料価格やエネルギー価格の高騰に伴う物価上昇によって家計の余力が減退したこと、高価格化に伴ってiPhone14シリーズの需要が想定より伸び悩み、新型iPhone向け商品が振るわない状況が続いたことなど外部環境の変化に伴う影響が大きく、国内販売については卸販売、小売ともに苦戦が続きました。

このような状況の改善を図るため、当連結会計年度において新型iPhone以外の機種向け商品や、市場トレンドを取り入れた新商品の開発スピードの向上など各種施策に積極的に取り組み、新しいiFaceシリーズであるショルダーストラップ付きケース「Hang and」を2月に市場投入いたしましたが、当連結会計年度においては業績面への貢献には繋がりませんでした。また、人気の火付け役となったFirst Classシリーズや、それを上回る勢いで市場に浸透したReflectionシリーズ等の定番商品に加え、前連結会計年度新規リリースしたフルクリアケースであるLook in Clearシリーズなど、従前のiFaceシリーズについても、市場への再認知を図るため、人気VTuberグループとのコラボレーション企画によるプロモーションを展開するなど、営業面の強化に注力いたしましたが、上記のネガティブ要素を払拭するには至らず大幅な減収となりました。

 

(b) ゲーミングアクセサリー事業

価格と性能面のバランスが評価され、当連結会計年度も順調に販売が拡大いたしました。10月にはゲーミングモニターブランド「Pixio(ピクシオ)」が、Amazon.co.jp 販売事業者アワード 2022において、カテゴリー賞(パソコン・オフィス用品部門)を受賞したほか、シナジー創出を目指して当社グループの投資事業において出資した、株式会社TechnoBlood eSportsが運営するeSportsカフェへの納入や、実機展示などのリアルでの販促活動にも注力いたしました。また、EC販売について前連結会計年度においては本店とAmazon1店舗のみの運営であったものの、2022年5月にPayPayモール、7月には楽天市場、ヤフオク!と出店を加速したこと及び、本店のリニューアルによる訴求力の向上、モニターアーム等周辺アクセサリーの展開などの施策により、前連結会計年度と比較して大幅な増収となりました。

 

(c) コスメティクス事業

「ByUR(バイユア)」ブランドの主力商品群と位置付けて開発を進めていたスキンケア商材(トナーパッド、美容液、クリーム等)のリリースが、当初予定していた2022年4月から同9月へと大幅に遅れたことに伴って通期計画に対して大幅なビハインドとなっておりましたが、当該商品群のリリースによる商材の拡充と、期初より継続してきた広告宣伝投資の効果もあり、第3四半期連結会計期間より売上高が伸長しはじめ、注目コスメとしてメディア各社が主催する各種のアワードを40冠受賞するなど、認知度は着実に拡大いたしました。また、2023年4月にTV番組でベースメイクシリーズが紹介されたことをきっかけに、4月単月の予算に対し200%の実績を残すなど、着実に実績を積み上げることができました。

販売チャネルについても、当連結会計年度末で卸先7社(取扱店舗数260店舗)、EC5店舗(本店、Amazon、Qoo10、Yahoo!、楽天)まで拡大しており、今後もSNSを中心としたプロモーションによるEC店舗への誘致と卸販売先の開拓を進めることで、更なるトップラインの伸長を実現してまいります。

なお、国内化粧品業界全体は成熟市場であり大手企業を中心にシェアの獲得競争が激しい業界であるものの、財務省貿易統計によると、化粧品国内輸入金額の推移において韓国からの輸入額はここ数年で急速に増加していることが確認でき、韓国コスメ(K-beauty)市場は急速に成長しているものと考えられます。また、現時点では大手企業の参入も少ないことから、当社グループの強みを活かして早期にイニシアチブを獲れる領域であると判断しております。

 

(d) グローバル事業

韓国子会社において、オタマトーン等の仕入商材が好調に推移したものの、一方で自社製品であるモバイルアクセサリーは国内同様に苦戦したため、商品ミックスの変化に起因して売上総利益率が低下し減益となりました。

米国子会社について、上期において販売拡大施策の一環として実施したディスカウント販売や、宣伝広告費の拡大など営業に関わる費用の増加によって利益率の大幅な悪化が見られましたが、下期における販売価格の見直しやコスト管理の徹底などの採算改善施策と、クリスマス商戦での好調な販売を受け、利益面での改善が進みました。

なお、特に好調な販売を維持している音楽雑貨のオタマトーンについて、当社の連結子会社であるHamee Global Inc.は、2023年1月1日付で株式会社キューブと同社の製品製造販売事業の譲受に関する事業譲渡契約を締結し、同日付で同事業を譲受ております。これにより、売上原価の圧縮と販売に関わるロイヤリティー支払いの削減が期待でき利益率の改善が可能となる見込みです。

 

これらの結果、コマースセグメントの当連結会計年度の売上高は10,655,603千円(前連結会計年度比3.3%増)、営業利益は696,068千円(同62.8%減)となりました。

 

b.プラットフォームセグメント

(a) ネクストエンジン事業

当連結会計年度において下記のとおり経営環境の変化があったものと認識しております。

ⅰ.EC市場における構造変化

コロナ禍でEC業界へ進出する事業者が増加したものの、プレーヤー増加による競争環境の激化によって、ブランド力や財務的に余力のあるEC事業者と、そうでない事業者との間の格差が広がり、業界として二極化が進んだ。

ⅱ.コロナ禍で進んだ消費行動の反動

コロナ禍で消費行動のデジタルシフトが進んだが、ワクチン接種の浸透、重症者数の減少などを背景にリアル店舗での消費が増大傾向にあることや、自粛期間を経てモノ消費からコト消費(旅行やイベントなど)にシフトする傾向が強まったことなど、デジタルシフトの反動が顕著になった。

ⅲ.EC事業者の喫緊の経営課題のシフト

上記を背景に、EC事業者の経営上の優先課題がバックオフィス業務の効率化から、売上極大化及び利益の確保へシフトしており、各種の業務効率化サービスの導入意欲が一時的に減退していると考えられる。

これらを背景として、従前は自然流入で一定数を確保できていた無料契約数が伸び悩む状況が生じており、無料契約から正式契約への転換率自体は大きな変動はないものの、第2四半期連結会計期間の契約純増数は38社となるなど、契約社数の伸びが鈍化しました。この状況を改善するため、第3四半期連結会計期間以降、カスタマーサクセスの思想をしっかりとビジネスの中に取り込み、プラットフォームとしての強みを発揮しながらユーザーの成長を支援する、という基本的な方針は維持しながら可能な限り契約獲得へもリソースを投入することで、第3四半期連結会計期間の契約純増数は53社、第4四半期連結会計期間の契約純増数は121社まで回復することができました。

引き続きECから撤退する事業者も増加傾向にあり、解約率について第1四半期の0.80%から第2四半期は1.04%へ若干悪化する傾向が見られましたが、平均の月次解約率は0.95%と引き続き低位を維持しております。

また、サーバー費用の圧縮等コスト管理の徹底と、ストックビジネスである強みを活かして売上、営業利益とも前連結会計年度比で着実に成長することができました。

 

(b) コンサルティング事業

コンサルタントのリソース確保という経営課題に継続的に取り組んでおり、コンサルタント不足に起因する売上の減少に加え、不足するリソースの外注化による外注費の増加や人件費の増加により、利益面についても減益となりました。サイト構築に関する案件を大手企業から受注するなど引き合いは好調であるものの、引き続きリソースの確保と基盤整備を優先課題としてとらえ、成長軌道に戻すための体制強化に注力してまいります。

 

(c) ロカルコ事業

ふるさと納税が最盛期となる12月の取り扱いが過去最高を記録するなど、当連結会計年度も好調を維持しております。来年度に向けた新規自治体獲得のため、外部パートナーとの連携を進めて営業を強化し、引き続き高い成長性を維持してまいります。

 

これらの結果、プラットフォームセグメントの当連結会計年度の売上高は3,389,421千円(前連結会計年度比9.3%増)、営業利益は1,509,819千円(同23.2%増)となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は14,038,437千円(前連結会計年度比4.7%増)、営業利益は1,271,159千円(同42.3%減)、経常利益は1,399,637千円(同39.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は945,375千円(同45.8%減)となりました。

 

c. 財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ423,741千円増加し、8,581,977千円(前年度比5.2%増)となりました。これは主に、現金及び預金が490,088千円減少した一方、その他が543,924千円、売上高の増加等により受取手形及び売掛金が129,937千円及び商品が215,445千円増加したことなどの結果によるものであります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ1,378,552千円増加し、3,738,509千円(同58.4%増)となりました。これは主に、投資有価証券が517,727千円のれんが354,583千円、使用権資産が232,679千円増加したことなどの結果によるものであります。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ1,003,943千円増加し、3,236,260千円(同45.0%増)となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が43,853千円及び買掛金が7,531千円減少した一方、短期借入金が800,000千円、その他が129,205千円及び未払法人税等が77,180千円増加したことなどによるものであります。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ90,764千円増加し、123,725千円(同275.4%増)となりました。これは主に、退職給付に係る負債が19,000千円減少した一方、その他が109,566千円増加したことなどの結果によるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ707,584千円増加し、8,960,501千円(同8.6%増)となりました。これは主に、利益剰余金が636,134千円増加及び為替換算調整勘定が60,236千円増加したことなどの結果によるものであります

 

 

②  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ490,089千円減少し、3,535,669千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は695,036千円(前連結会計年度は1,186,178千円の収入)でありました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,395,911千円、減価償却費627,115千円、のれん償却額164,245千円等の収入要因に対し、法人税等の支払い666,693千円、その他451,085千円、棚卸資産の増加210,711千円等の支出要因があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1,507,314千円(前連結会計年度は886,457千円の支出)でありました。これは主に、貸付金の回収による収入272,000千円及び投資有価証券の売却による収入32,428千円等の収入要因に対し、投資有価証券の取得による支出544,194千円、事業譲受による支出520,277千円、有形固定資産の取得290,064千円、貸付けによる支出272,000千円、無形固定資産の取得196,468千円等の支出要因によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は262,789千円(前連結会計年度は298,055千円の収入)でありました。これは主に、短期借入金の増加800,000千円等の収入要因に対し、配当金の支払い357,734千円、リース債務の返済による支出136,521千円及び長期借入金の返済43,853千円等の支出要因があったことによるものであります。

 

 

③  生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2022年5月1日
 至 2023年4月30日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

コマース事業

1,371,410

103.7

 

(注) 金額は、当期総製造費用によっております。

 

b. 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2022年5月1日
 至 2023年4月30日)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

コマース事業

4,566,278

108.2

プラットフォーム事業

合計

4,566,278

107.3

 

(注) 金額は、仕入価格によっております。

 

c.  受注状況

当社グループのコマース事業においては受注から販売までの所要日数が短く、常に受注残高は僅少であります。またプラットフォーム事業においては、ユーザーのシステム内における受注件数に応じた従量課金制の手数料収入が主であるため、受注残高は発生しません。そのため、受注状況には重要性がなく、記載を省略しております。

 

d.  販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2022年5月1日
 至 2023年4月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

コマース事業

10,655,603

103.3

プラットフォーム事業

3,389,421

109.3

調整額

△6,586

合計

14,038,437

104.7

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①  重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 4、会計方針に関する事項」及び「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②  当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.  経営成績等の状況

経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要  ①  財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3  事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

b.  キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの運転資金需要の主なものは、コマース事業における卸販売の拡大に伴い発生する商品仕入資金及び販売費及び一般管理費等の営業費用支払いに充当するための資金であります。設備投資資金の主なものは、プラットフォーム事業における主要なサービスであるネクストエンジンの機能向上に資するための開発、ソフトウエア等無形固定資産への投資資金、この他企業買収等、企業価値向上に資する投資に関する資金需要があります。

当該資金需要のうち運転資金につきましては、取引銀行6行との間で総額1,950,000千円の当座貸越枠を設定しており、必要に応じて機動的な資金調達が可能な体制を整えております。また、投資資金につきましては、案件ごとに、手持ち資金の状況を勘案しながら、長期借入金により資金調達を行っております。

なお、企業買収について、今後多額の買収資金が必要となるような案件が発生した場合、資本効率やコスト等のバランスと、株主利益への影響を十分に勘案したうえで、資本市場での調達、金融機関からの調達の双方を慎重に検討のうえ資金調達を実施してまいります。