E01596 Japan GAAP
前期
1,174.5億 円
前期比
80.7%
株価
537 (04/25)
発行済株式数
29,874,179
EPS(実績)
-235.49 円
PER(実績)
--- 倍
前期
582.2万 円
前期比
90.5%
平均年齢(勤続年数)
44.5歳(17.7年)
従業員数
815人(連結:4,713人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(JUKI株式会社)、子会社33社及び関連会社5社で構成されており、縫製機器&システム事業及び産業機器&システム事業として、主に工業用ミシン、家庭用ミシン、マウンタ及び受託加工製品・部品の製造販売を行っております。各関係会社の当該事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
企業集団の状況について事業系統図を示すと次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当連結会計年度における当社を取り巻く事業環境は、AI/IoT/5G/VR等技術革新の加速や、Afterコロナを展望した市場/顧客の変化によるビジネス展開が進展しており、このようなニューノーマルな環境に対応した新しいビジネスモデル/経営基盤の構築が求められております。また“持続可能な開発目標(SDGs)”を受け、長期的な展望で持続可能な社会の実現に向けた取り組みは社会全体で更に加速しております。
一方、サプライチェーンの分断と物流の混乱は沈静化しつつあるものの、ロシア・ウクライナ紛争の長期化や米中緊張関係の継続による資源高や世界的なインフレ等による諸コストの高騰、中国経済の回復遅延や投資活動の抑制、新興国における外貨不足などにより経済活動が制約を受けました。
このような事業環境の中、当連結会計年度は売上の拡大に努めましたが、縫製工場・電子部品製造受託工場の設備投資が慎重になり、特に最大市場である中国・東南アジアにおける設備投資の具体化が遅れており、また南アジア等の新興国の外貨不足に起因する購買の先送りなどにより、売上高は947億5千万円(対前年比19.3%減)となりました。
また、コロナ以降の2021年下期からの世界的な部品供給や物流の混乱を受け部品確保のため在庫を戦略的に積上げていましたが、その後中国・東南アジアでの経済の回復遅延による設備投資需要の伸び悩みによってその消化が遅れたことから、2023年より財務体質健全化の観点から生産調整を徹底し削減に努めました。その結果、工場稼働率の低下により生産における利益面はマイナスになりましたが、在庫は前連結会計年度末に比べ55億5百万円の減少となりました。
上記のとおり、厳しい事業環境ならびに今後のニューノーマルな世界環境の変化を受け、物流費の削減、販売拠点の人員削減や経常経費の徹底した抑制、国内外工場での一時帰休や生産コスト削減等、コスト構造改革を進めるとともに、将来のスリムで高効率な事業構造を構築するため、中国における工場再編、各地域の販社の統合等に着手しました。
利益面につきましては、想定以上の大幅な売上減少、生産調整の徹底に加え、海外の材料費や経費等の円安による諸コスト増もあり、営業損失は26億9千9百万円(前年同期は28億5千8百万円の利益)、経常損失は36億8千4百万円(前年同期は11億6千3百万円の利益)となりました。またコスト構造改革による特別退職金や工場再編等を睨んだ固定資産減損等による特別損失を計上し、加えて繰延税金資産の回収可能性を見直し一部を取り崩したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は70億3千5百万円(前年同期は7千8百万円の損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
工業用ミシンの売上高は、主に中国・東南アジアにおいて縫製工場の設備投資の具体化が遅れや、更に南アジア等の新興国の外貨不足に起因する購買の先送りなどにより売上が大幅に減少した結果、縫製機器&システム事業全体の売上高は582億4百万円(対前年比27.2%減)となりました。
利益面においては、半導体コストの正常化や物流費・販売経費・生産コストの削減等、コスト構造改革にも着手し、効果を刈り取りつつありますが、当初想定以上の大幅な売上の減少と工場稼働率の低下などにより、セグメント損失(経常損失)は33億円(前年同期は1億1千9百万円の利益)となりました。
産業機器&システム事業
産業装置の売上は、欧米では堅調な設備投資需要を背景に前年比売上を伸ばしましたが、特に中国における電子部品製造受託工場の設備投資の低迷などにより、全体の売上は前年比減少しました。一方、国内を中心とした受託加工等のグループ事業の売上は、お客様のサプライチェーン分断への対応など設備投資需要の高まりもあり堅調に推移しました。この結果、産業機器&システム事業全体の売上高は362億3千1百万円(対前年比2.7%減)となりました。
利益面においては、産業装置における中国での売上減や工場稼働率の低下や円安による海外諸コストの増加などにより、セグメント利益(経常利益)は3億9千2百万円(対前年比79.8%減)となりました。
その他
その他の連結売上高は3億1千4百万円(対前連結会計年度比19.7%増)、セグメント利益(経常利益)は8千2百万円(対前連結会計年度比79.2%増)となりました。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、棚卸資産、売掛金や繰延税金資産が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ58億6千5百万円減少して1,393億4百万円となりました。負債は、買掛金が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ7億5千4百万円減少して1,069億3千3百万円となりました。純資産は、利益剰余金が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ51億1千1百万円減少して323億7千万円となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における連結ベースでの現金及び現金同等物は前連結会計年度末より22億5千7百万円増加して、71億6千8百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、22億5千4百万円の収入(前年同期は146億4千1百万円の支出)となりました。売上債権や棚卸資産の減少などによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、27億5千1百万円の支出(前年同期は49億3千万円の支出)となりました。有形固定資産や新規の投資有価証券の取得による支出があったことなどによるものです
財務活動によるキャッシュ・フローは、24億5千6百万円の収入(前年同期は174億8千5百万円の収入)となりました。借入金の増加などによるものです。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、運転資金として原材料等の購入や製造費用、開発投資を含む販売費及び一般管理費の営業費用などであり、また、長期的資金として事業計画に基づく設備投資資金などがあります。これらの資金は自己資金及び金融機関等からの借入により調達することを方針としております。
今後も盤石な事業基盤を構築すべく、積極的な開発投資、設備投資をしていくとともに、物流や生産効率の改善などにより、棚卸資産を圧縮することなどで、資金の効率化を図ってまいります。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、主に見込生産を行っているため、受注実績は記載しておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。