株式会社大塚家具

上場廃止 (2021/08/30) ヤマダホールディングスの完全子会社化 小売業インテリア東証マザーズスタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュースリリース


最終更新:

E03078 Japan GAAP

売上高

278.0億 円

前期

348.6億 円

前期比

79.8%

平均給与

416.4万 円

前期

526.1万 円

前期比

79.1%

平均年齢(勤続年数)

41.7歳(15.8年)

従業員数

950人


 

3 【事業の内容】

当社グループは、株式会社大塚家具(当社)と、秋田木工株式会社(非連結子会社)、株式会社ヤマダホールディングス(親会社)、計3社からなり、家具・家電・インテリアの小売を主力事業としております。

当社は、国内外の家具・家電・インテリアの販売を全国のショールームにて展開するとともに、ホテル・高級ケア付きマンションやハウジング関連企業等の法人需要案件を、コントラクト部門にて手がけております。

また、秋田木工株式会社におきましては、独自の曲げ木家具の伝統・技術を継承するとともに、当社が対面販売により得られる顧客ニーズを提供することにより商品開発を行っております。親会社である株式会社ヤマダホールディングスでは、家電・情報家電等の販売及び住まいに関する商品販売を主な事業としております。

当社はセグメント情報を省略しており、事業の系統図は次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

 

21/07/29

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 ①財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度(2019年1月1日から2020年4月30日)は、景気においては緩やかな回復基調の中、雇用・所得環境の改善により個人消費は持ち直しの傾向でしたが、2020年に入り、新型コロナウイルス感染症の影響により先行きが不透明な厳しい状況から個人消費は急速に減少しました。また、当社の事業と関連の深い住宅発売戸数はおおむね横ばいから後半にかけては弱含みとなりました。

このような環境の中で、当社は「上質な暮らし」を提供することを変わらぬ使命とし、高級品・中級品を主軸とした豊富な品揃えのもと、お客様の気持ちに寄り添った接客をするビジネスモデルを継続しながら、経営環境・消費者行動の変化に対応すべく、1)リアルからバーチャルへの領域拡大、2)BtoCからBtoBへの領域拡大、3)国内から海外への領域拡大、4)所有からシェアへの領域拡大、5)株式会社ヤマダ電機との提携による領域拡大に取り組んでいます。

 

1)リアルからバーチャルへの領域拡大の取り組み

新築需要の減少とターネットの普及によりリアル店舗の意義が変化する中、店舗面積を適正化し、「店舗」「インターネット」「外商」の3つの販売チャネルの融合と、新たなンスの構築に取り組んでいます。直営店4店舗、提携店2店舗を閉店、また、3店舗の面積の削減を図る一方、店舗疑似体験Webコンテンツ「バーチャルショールーム」の提供を開始しました。2019年4月にイタリジュアリーブラ専門店「Poltrona Frau Tokyo Aoyama」版、5月に日本最大級の大型照明専門店「Lightarium(ライタリウム)」版、7月にスモールオフィス・ホームオフィス空間を提案する「SOHO GALLERY」版、2020年4月には旗艦店である「有明本社ショールーム」版を公開し、店舗に足を運ばずとも幅広い商品で暮らしの提案をする店内の雰囲気を体感いただけるようにしました。バーチャルショールームでは当社ECサイトと連携して商品の購入ができる等、今後もコンテンツの充実に取り組みます。

また、2020年4月にはコミュニケーションアプリLINEでのリモート接客サービスを開始し、遠隔地からバーチャルショールームで店内をご覧いただくにとどまらず、インテリアのコンサルティングサービスもご利用いただけるようにしました。

当社公式サイトについては、ユーザビリティ向上を目的としてトップページを中心に2019年3月に大規模なリニューアルを行い、その後も改善を継続しています。サイト訪問者の約7割が閲覧する商品関連のページ等において商品画像を大きく表示する他、サイト構成の整理や商品の探しやすさを重視した改善を行い、自社ECサイトへの誘導やリアル店舗への集客に取り組みました。自社ECサイトにおいても、商品検索性や問い合わせのしやすさの改善を目的とした視認性の向上、購入手続きの改善を主とした改修を2019年12月に行い、ユーザビリティの向上を図りました。EC売上高は新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛が続いた2020年3月から6月は前年を大きく上回りました。

 

2)BtoCからBtoBへの領域拡大の取り組み

法人需要の取り込みにつきましては、コントラクト事業及び住宅事業者をはじめとする企業との販売提携に継続して取り組んでいます。コントラクト事業については、売上に占めるシェアは全体の7.1%に留まりましたが、販売提携については、2016年を底に、販路の修復や新規提携に注力したことにより売上が回復し、売上全体の約25%を占めるに至りました。

 

3)国内から海外への領域拡大の取り組み

2018年12月に公表した居然之家(Easyhome)との業務提携、さらに2019年2月に発表した株式会社ハイラインズとの業務・資本提携契約の締結等を通じて中国市場への参入に向けた取り組みを開始しました。まず、阿里巴巴集団(アリババグループ)が運営する中国向け越境ECサイト「天猫国際」(Tmall Global)へ出店、6月にはEasyhome主催の中国各地から家具の小売業者が来場する「北京国際家居展」へ出展し、Easyhomeへ出店の際の店舗運営の委託先並びに百貨店等の販売先を募集し、当社の高級羽毛布団「ダウナ」をはじめとする寝具商品を販売する代理店契約を現地企業2社と締結しました。8月にはこのような代理店契約を中心とした取り組みを強化するため、専門部署として海外営業部を新設しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響も一因となり中国事業は停滞したため、抜本的な見直しをしていきます。

 

4)所有からシェアへの領域拡大

良いものを使い継ぐとともに、買い替え需要を喚起する買取り・下取り・再販のサービスについては、物流センターの統廃合のため主力販売店を閉店したことにより停滞しておりましたが、2020年6月、アウトレット&リワース横浜を再オープンしたことを機として再び買取り・下取り施策を積極的に行い、信頼できる家具リユース市場を確立し、良いものを使い継ぐ仕組みを定着させるとともに、買い替え需要を喚起してまいります。

 

5)株式会社ヤマダ電機との提携による領域拡大

2019年2月に株式会社ヤマダ電機と業務提携に関する基本合意を締結、3月に当社より同社の家電住まいる館へ家具専門知識を有する人員の出向を開始しました。同年5月より同社に対し当社商品の供給を開始、6月には当社から同社への出向人員を増加し、7月にはインテリアリフォームYAMADA前橋店のリニューアルに合わせてコラボ店舗として当社が同社に対し商品を本格供給するなど、家電住まいる館事業に関して業務上の提携を着実に実施しました。法人分野においても2019年9月から法人への家電・家具の納品の協業を開始するとともに、2019年6月には、株式会社ヤマダ電機子会社である株式会社ヤマダホームズ施工の戸建購入者への当社の紹介、並びに、同社住宅展示場への家具インテリアの卸等を行う販売提携契約を締結しました。このように事業上の提携を着実に進めていく中、資本面での提携を構築することが業務提携の深化と迅速な実施につながり、当社の財務基盤の安定と信用力強化にも資すると判断し、12月に資本提携契約を締結しました。その後、株式会社ヤマダ電機のLABIおよび家電住まいる館への当社商品の導入を進め、展示店舗を拡大するとともに、2020年3月より当社直営店舗においても家電の取扱いを開始、家具と家電を合わせた暮らしのトータル提案の一層の向上を進めております。当初4月に予定しておりました家電の取扱い開始のプロモーション活動は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から6月に延期したため、今期への売上寄与は一定程度に留まりました。

 

以上に取り組みましたが、閉店による店舗数の減少、2019年10月の消費増税後の消費マインドの低下、新築まとめ買い需要依存度の高い大型店における入店件数、接客件数の低迷に加え、2020年2月以降は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から一部店舗を臨時休業及び営業時間短縮としたこと、また、政府及び各自治体からの外出自粛要請もあり、春の最需要期の取り込みが想定を大きく下回ったことにより売上は低調となり、売上高は348億55百万円となりました。主な内訳は、店舗が323億23百万円、コントラクトが24億64百万円であります。

売上総利益は、売上高の減少及び商品評価基準の見直しに伴い、たな卸資産評価損17億72百万円を売上原価に計上したことにより160億18百万円となりました。販売費及び一般管理費は、店舗網再編による賃借料の低減等により236億29百万円営業損失76億11百万円経常損失77億54百万円となりました。当期純損失は77億18百万円となりました。

総資産は、前期末に比べ23億39百万円減少し、185億87百万円となりました。負債は、前期末に比べ13億98百万円減少し、67億99百万円となりました。純資産は、前期末に比べ9億41百万円減少し、117億88百万円となりました。当社の報告セグメントは、家具販売事業のみであり、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、記載を省略しております。

なお、当社は2020年4月期より決算期(事業年度の末日)を12月31日から4月30日に変更しており、2020年4月期は変則的な16カ月決算となるため、文中において前年同期の比較はしておりません。

 

 

 

 ②キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末と比較して9億74百万円増加し、当事業年度末は34億75百万円となりました。

なお、当社は2020年4月期より決算期(事業年度の末日)を12月31日から4月30日に変更しており、2020年4月期は変則的な16カ月決算となるため、前年同期の比較はしておりません。

各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により支出した資金は69億68百万円となりました。これは主に、税引前当期純損失76億69百万円が計上されたことに加え、たな卸資産の減少額13億73百万円事業構造改善引当金の減少額5億92百万円売上債権の減少額5億83百万円前受金の減少額4億22百万円仕入債務の増加額3億97百万円投資有価証券売却益3億11百万円受取和解金2億85百万円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により得られた資金は13億93百万円となりました。これは主に、差入保証金の回収による収入7億15百万円定期預金の払戻による収入7億円投資有価証券の売却による収入5億86百万円差入保証金の差入による支出2億26百万円供託金の支払による支出1億47百万円定期預金の預入による支出1億円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により得られた資金は65億49百万円となりました。これは主に、株式の発行による収入70億2百万円短期借入金の減少額5億96百万円によるものです。

 

 

  ③生産、受注及び販売の実績

当社の報告セグメントは、家具販売事業のみであり、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、記載を省略

しておりますので、生産、受注及び販売の状況につきましては商品分類別に記載しております。

また、当事業年度は決算期変更の経過期間を含む変則的な決算となっています。このため、前年同期比は記載

しておりません。

 

イ.販売実績

 

区分

当事業年度

(自 2019年1月1日

至 2020年4月30日)

売上高(千円)

構成比(%)

前年同期比(%)

家具

 

 

 

収納家具

345,476

1.0

和家具

59,919

0.2

応接

7,722,219

22.2

リビングボード

1,828,447

5.2

学習・事務

1,820,135

5.2

ダイニング

6,416,204

18.4

ジュータン・カーテン

3,088,959

8.9

寝具

9,142,114

26.2

電気・住器

1,751,095

5.0

単品

548,329

1.6

リトグラフ・絵画

49,926

0.1

その他

2,064,178

5.9

売上高

34,837,007

99.9

不動産賃貸収入

18,570

0.1

合計

34,855,577

100.0

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ロ.仕入実績

 

区分

当事業年度

(自 2019年1月1日

至 2020年4月30日)

仕入高(千円)

構成比(%)

前年同期比(%)

収納家具

137,315

0.8

和家具

25,246

0.1

応接

3,593,377

20.3

リビングボード

919,495

5.2

学習・事務

1,058,993

6.0

ダイニング

3,280,523

18.5

ジュータン・カーテン

1,837,674

10.4

寝具

3,283,285

18.6

電気・住器

2,068,915

11.7

単品

239,854

1.4

リトグラフ・絵画

9,527

0.1

その他

1,227,605

6.9

合計

17,681,814

100.0

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

   経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、現時点において当社が判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、が国において一般に公正妥当認められてる企業会計の基準に基づき作成されておます。

財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、これらについては、過去の実績や現在の状況等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っております。ただし、これらには見積り特有の不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

なお、当社が財務諸表を作成するにあたり採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方等を含む仮定及び見積りに関する情報は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 追加情報」に記載のとおりであります。

 

②財政状態の分析

(流動資産)

流動資産は、前事業年度末に比べ12億26百万円減少いたしました。

増加した主な項目は、現金及び預金4億49百万円です。

減少した主な項目は、売掛金5億42百万円、商品13億75百万円です。

 

(固定資産)

固定資産は、前事業年度末に比ベ11億13百万円減少いたしました。

減少した主な項目は、投資有価証券5億95百万円、差入保証金4億20百万円です。

 

(流動負債)

流動負債は、前事業年度末に比べ5億31百万円減少いたしました。

増加した主な項目は、買掛金4億96百万円、未払費用83百万円です。

減少した主な項目は、短期借入金5億円、前受金4億22百万円、未払金38百万円です。

 

(固定負債)

固定負債は、前事業年度末に比べ8億66百万円減少いたしました。

減少した主な項目は事業構造改善引当金7億14百万円で、うち1億21百万円は流動負債に振り替えております。

 

(純資産)

純資産は、前事業年度末に比べ9億41百万円減少いたしました。

主な要因は第三者割当増資の実施による資本金の増加35億1百万円、資本剰余金の増加35億1百万円、当期純損失による利益剰余金の減少77億18百万円、その他有価証券評価差額金の減少2億55百万円です。

 

③経営成績の分析

当社は2020年4月期より決算期(事業年度の末日)を12月31日から4月30日に変更いたしました。

これにより、決算期変更の経過期間となる当事業年度の期間は、2019年1月1日から2020年4月30日までの16カ月間となったため、業績等に関する前期比増減の記載を省略しております。

(売上高)

売上高は348億55百万円となりました。

店舗売上高は323億23百万円、コントラクト売上高は24億64百万円となりました。

 

(売上総利益)

売上総利益は160億18百万円となりました。

売上総利益率については46.0%となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は236億29百万円となりました。

対売上比率では67.8%となりました。

運賃は、8億61百万円となりました。広告費は、21億75百万円となりました。賃借料は、72億45百万円となりました。

 

(営業損失)

営業損失は76億11百万円となりました。

 

(営業外収益)

営業外収益の内容は受取保険金6百万円受取配当金5百万円等です。

 

(営業外費用)

営業外費用の内容は支払手数料88百万円賃貸費用49百万円等です。

 

(経常損失)

経常損失は77億54百万円となりました。

 

(特別利益)

特別利益の内容は投資有価証券売却益3億11百万円受取和解金2億85百万円等です。

 

(特別損失)

特別損失の内容は減損損失3億52百万円商品廃棄損1億10百万円等です。

 

(当期純損失)

当期純損失は77億18百万円となりました。

 

④キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社の運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費であり、設備投資資金需要は新規出店及び店舗改装等によるものであり、自己資金及び借入金を充当する予定であります。なお、借入金の内容につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な後発事象」に記載のとおりであります。

当社は、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すとともに、資金効率化を進め、財務体質の改善を図っていく方針であります。