E03017 Japan GAAP
前期
344.0億 円
前期比
119.9%
株価
1,082 (02/07)
発行済株式数
53,289,640
EPS(実績)
49.37 円
PER(実績)
21.92 倍
前期
557.1万 円
前期比
120.1%
平均年齢(勤続年数)
46.9歳(22.4年)
従業員数
537人(連結:829人)
当社グループが営んでいる主な事業内容と各社の当該事業における位置づけ及びセグメントとの関連は次のとおりであります。
当連結会計年度末における事業の系統図は、次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の行動制限撤廃等により社会・経済活動の正常化が進み、2024年2月下旬には日経平均株価はバブル期につけた史上最高値を約34年ぶりに更新、さらには、訪日外国人観光客の急速な回復等も加わり、景気は一部に足踏みもみられるも、緩やかな持ち直し基調で推移いたしました。しかしながら、地政学リスクの高まりによる供給不足・価格上昇や、円相場の大幅な下落を皮切りとした金融資本市場の変動等の影響による不確実性の高まりもあり、先行きの不透明感が払拭できない状況が続きました。
百貨店業界におきましては、富裕層を中心とした堅調な消費動向に加え、円安を背景に、幅広い国々からの訪日外国人観光客による売上が急速に回復したこと等もあり、東京地区百貨店売上高は前年実績を大幅に上回りました。
このような状況の中、当社グループでは、「中期経営計画『サステナブルな成長に向けて』(2022~2024年度)」において、将来のありたい姿を実現するために「未来に希望の火を灯す、全てのステークホルダーが幸せになれる場を創造する」ことを「MISSION」として位置づけ、その実現に向けた新たな成長基盤づくりと成長軌道への回復を推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。
1) 財政状態
当連結会計年度末の財政状態は、前連結会計年度末に比べ総資産は4,985百万円増加し、68,874百万円となりました。資産の増加要因としては、主に投資有価証券2,518百万円の増加、その他流動資産1,867百万円の増加等によるものであります。負債は1,018百万円増加し、42,057百万円となりました。負債の増加要因としては、主に支払手形及び買掛金1,860百万円の増加、借入金1,020百万円の減少等によるものであります。純資産は3,967百万円増加し、26,816百万円となりました。純資産の増加要因としては、主に利益剰余金2,365百万円の増加、その他有価証券評価差額金1,345百万円の増加等によるものであります。
2) 経営成績
当連結会計年度の売上高は41,251百万円と前連結会計年度に比べ6,850百万円(+19.9%)の増収、「収益認識に関する会計基準」等適用前の売上高に相当する総額売上高は114,984百万円と前連結会計年度に比べ27,354百万円(+31.2%)の増収となり、営業利益は2,974百万円と前連結会計年度に比べ2,626百万円(+755.0%)の増益、経常利益は2,938百万円と前連結会計年度に比べ2,677百万円の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は2,631百万円と前連結会計年度に比べ1,752百万円(△40.0%)の減益となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<百貨店業>
主力となる百貨店業の銀座店におきましては、中期経営計画の諸施策の下、2023年3月に「ジェンダーレス」「エイジレス」等、お客様の購買行動の変化に伴う利便性向上を目指したメンズ・レディース一体の複合アパレル売場を5階に、また、12月には地下1階和洋菓子売場に、ラグジュアリーホテル「ザ・ペニンシュラ香港」にインスピレーションを受けて誕生した「ザ・ペニンシュラ ブティック&カフェ」等をオープンさせました。このように、顧客ニーズに応える魅力ある数々のリニューアルで収益の向上を目指しつつ、CRM(顧客関係管理)を推し進めることで、さらなる顧客基盤の拡大と深耕に注力してまいりました。
また、入国緩和以降、訪日外国人観光客が急速に回復、銀座への来街者が増大したことに加え、円安も要因となり免税売上高はコロナ前となる2019年度の売上高を大幅に上回りました。今後も、国内外のお客様に支持される商品政策の強化に尽力してまいります。
一方、春と秋の二回にわたり、銀座店各階において「BEAUTIFUL MIND 毎日ひとつ私と誰かにいいことを」を開催いたしました。サステナブルな暮らしを切り口とした各種商品とイベントは、秋季においては林野庁の「木材利用促進月間」に合わせ、森林面積率が全国1位を誇る高知県と連動し、木材や植物等の自然と触れることで、「銀座」から発信する地域・社会の未来、そして、持続可能な社会を考える取組みとして各方面で大きな話題となりました。
このように、銀座の街に相応しく当社の強みを発揮できる商品政策や、顧客基盤の拡大と深耕を図る様々な顧客政策、中でも外商事業を強化する等、様々な「攻め」の営業を強力に推し進めました。
コンテンツ事業におきましては、「新海誠監督作品『すずめの戸締まり』展」を開催する等、独自性と話題性のある企画によって集客力を高め、売上の向上に努めてまいりました。
浅草店におきましては、入居する商業施設「EKIMISE」との相乗効果の発揮に取り組み、施設内を買い廻るお客様の需要を取り込むプロモーションの強化や、地元浅草の老舗等と連携し、お客様への積極的な商品提案やおもてなしを強化する等、業績の向上に尽力してまいりました。
以上の結果、百貨店業の売上高は34,344百万円と前連結会計年度に比べ6,574百万円(+23.7%)の増収となり、営業利益は2,884百万円と前連結会計年度に比べ2,562百万円(+796.7%)の増益となりました。
<飲食業>
飲食業の㈱アターブル松屋におきましては、婚礼宴会部門において婚礼組数の獲得に取り組んだ結果、主力の「東京大神宮マツヤサロン」を中心に売上が拡大したことに加え、宴会においても大幅な伸びを示した一方、新型コロナウイルス感染症による自宅療養者への食糧支援事業を東京都から受託していた前年との営業条件の差異もあり、売上高は減収となりました。一方、営業費用の圧縮に努めた結果、営業損失は改善いたしました。
以上の結果、飲食業の売上高は3,241百万円と前連結会計年度に比べ87百万円(△2.6%)の減収となり、営業損失は56百万円と前連結会計年度に比べ37百万円の改善となりました。
<ビル総合サービス及び広告業>
ビル総合サービス及び広告業の㈱シービーケーにおきましては、建装部門において大型受注が減少したことの影響により、売上高、営業利益ともに前年を下回りました。
以上の結果、ビル総合サービス及び広告業の売上高は4,480百万円と前連結会計年度に比べ347百万円(△7.2%)の減収となり、営業損失は10百万円と前連結会計年度に比べ81百万円の減益となりました。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、税金等調整前当期純利益2,882百万円、仕入債務の増加1,860百万円、未収消費税等の増加△1,794百万円、売上債権の増加△1,654百万円等により2,300百万円の収入となりました。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、有形固定資産の取得による支出△1,977百万円、無形固定資産の取得による支出△689百万円、関係会社株式の取得による支出△685百万円等により4,024百万円の支出となりました。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、長期借入金の返済△1,020百万円、配当金の支払額△264百万円等により1,338百万円の支出となりました。
この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は3,062百万円減少し、3,196百万円となりました。
当社及び当社の関係会社において、該当事項はありません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の売上高は41,251百万円と前連結会計年度に比べ6,850百万円(+19.9%)の増収、「収益認識に関する会計基準」等適用前の売上高に相当する総額売上高は114,984百万円と前連結会計年度に比べ27,354百万円(+31.2%)の増収となり、営業利益は2,974百万円と前連結会計年度に比べ2,626百万円(+755.0%)の増益、経常利益は2,938百万円と前連結会計年度に比べ2,677百万円の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は2,631百万円と前連結会計年度に比べ1,752百万円(△40.0%)の減益となりました。
(売上高の状況)
連結売上高は、41,251百万円となりました。富裕層を中心とした堅調な消費動向に加え、円安を背景に、幅広い国々からの訪日外国人観光客による売上が急速に回復したこと等もあり、「収益認識に関する会計基準」等適用前の売上高に相当する総額売上高は114,984百万円と前連結会計年度に比べ27,354百万円(+31.2%)の増収となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益の状況)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ、1,905百万円(+11.3%)増加し、18,742百万円となりました。これは主に賞与等が増加したこと等によるものです。営業利益は、売上高が増加したこと等により2,974百万円と前連結会計年度に比べ2,626百万円(+755.0%)の増益となりました。
(営業外損益、経常利益の状況)
営業外収益は前連結会計年度に比べ、127百万円(△27.4%)減少の337百万円、営業外費用は前連結会計年度に比べ、178百万円(△32.4%)減少の372百万円となりました。この結果、経常利益は2,938百万円と前連結会計年度に比べ、2,677百万円の増益となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益の状況)
特別利益は当連結会計年度の計上額はなく、前連結会計年度に比べ、5,294百万円の減少となりました。特別損失は前連結会計年度に比べ、327百万円(△85.4%)減少の56百万円となりました。特別損失は㈱松屋における固定資産除却損等であります。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,631百万円と前連結会計年度に比べ1,752百万円(△40.0%)の減益となりました。
1)キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
2)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また投資資金需要の主なものは、収益不動産の取得、店舗に関わる設備投資等によるものであります。
運転資金や投資資金に必要となる資金は、営業活動によるキャッシュ・フローと、固定資産の売却等により調達しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末における資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用の報告数値並びに開示に影響を与える見積りを行っております。当該見積りに際しましては、過去の実績や状況に応じて、合理的と考えられる要因等に基づき行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社の連結財務諸表作成のための会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、店舗資産等を有しており、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスである資産グループについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として計上しております。回収可能価額の算定にあたっては、連結会計年度末時点で入手可能な情報や資料に基づき判断しております。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、将来の利益計画に基づいた課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ課税所得の見積りが変動した場合、繰延税金資産が計上又は取崩される可能性があります。