売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E03807 Japan GAAP

売上高

402.1億 円

前期

310.7億 円

前期比

129.4%

時価総額

2,120.8億 円

株価

818 (07/26)

発行済株式数

259,264,702

EPS(実績)

37.76 円

PER(実績)

21.66 倍

平均給与

916.4万 円

前期

913.8万 円

前期比

100.3%

平均年齢(勤続年数)

37.9歳(10.7年)

従業員数

203人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3 【事業の内容】

当社は、個人投資家を対象とした株式ブローキング事業を主たる事業とし、オンライン証券取引サービスを提供しております。具体的には、株式及び先物・オプションの委託売買業務、引受け並びに募集及び売出しの取扱、投資信託の販売、FX(外国為替証拠金取引)等のサービスを提供しております。なお、当社はオンライン証券取引サービスの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

 

24/06/17

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。また、当社はオンライン証券取引サービスの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2024年3月31日)現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況及び分析

当事業年度の国内株式市場は、期首に28,200円台で取引を開始した日経平均株価が、日銀の金融緩和策維持の決定や、東京証券取引所のPBR1倍割れ企業に対する改善要求への期待等から堅調に推移しました。5月から6月にかけては、景気減速懸念のある中国・米国に比べて悪材料が少ない日本株への投資が集中し、7月3日には33年ぶりとなる33,753円を記録しました。その後、10月にかけて、米金融引き締めの長期化懸念、好決算を発表した銘柄への押し目買い、中東情勢の緊迫による地政学リスクの高まりなどから、株価は一進一退を繰り返しながら下落し、一時31,000円を割り込みましたが、日米の長期金利の低下や金融政策の修正観測の高まりによって上昇に転じ、11月に33,500円台を回復しました。1月に入ると、ハイテク株が牽引する堅調な米国市場の影響で株価はさらに上昇し、半導体関連株の買いにも支えられ、2月22日にバブル崩壊後の最高値となる39,099円を記録しました。3月には日銀政策決定会合を経て緩和的な金融環境が維持されるとの見方が強まったことや、米国主要3指数の最高値更新を受け史上初の4万円を突破しました。月末にかけては配当落ち等が意識されながら小幅に推移し、3月末の日経平均株価は40,300円台で取引を終えました。

このような市場環境の中で、二市場(東京、名古屋の各証券取引所)合計の株式等売買代金は、前事業年度と比較して30%増加しました。当社の主たる顧客層である個人投資家については、株価上昇に伴う買い余力の増加等を背景に取引が拡大し、二市場全体における個人の株式等委託売買代金は同43%増加となりました。なお、二市場における個人の株式等委託売買代金の割合は24%と、前事業年度の22%から増加しました。当社の株式等委託売買代金については同37%の増加となりました。

以上を背景に、当事業年度においては、株式等委託売買代金の増加等により受入手数料が20,390百万円(対前事業年度比26.9%増)となりました。また、信用取引平均残高が増加したこと等により、金融収支は同17.0%増の11,698百万円となりました。トレーディング損益は、主としてFX取引のトレーディング益により同34.6%増の3,157百万円の利益となりました。

この結果、営業収益は40,207百万円(同29.4%増)、純営業収益は35,245百万円(同24.0%増)と大幅な増加となりました。また、営業利益は15,165百万円(同33.6%増)、経常利益は15,054百万円(同33.8%増)、当期純利益は9,790百万円(同25.2%増)と大幅な増加となりました。

収益・費用の主な項目については以下の通りです。

 

(受入手数料)

受入手数料は20,390百万円(同26.9%増)となりました。そのうち、委託手数料は19,368百万円(同27.8%増)となりました。これは主として、株式等委託売買代金の増加によるものです。

 

(トレーディング損益)

トレーディング損益は、主としてFX取引のトレーディング益により、3,157百万円(同34.6%増)の利益となりました。なお、FXに係るトレーディング益と金融収支の合計は2,755百万円(同35.4%増)となりました。

 

(金融収支)

金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は11,698百万円(同17.0%増)となりました。これは主として、信用取引平均残高の増加に伴い信用取引収支が増加したことや、株券等のレンディングの拡大に伴い有価証券貸借取引収支が増加したことによるものです。

 

 

(販売費・一般管理費)

販売費・一般管理費は、同17.7%増の20,080百万円となりました。これは主として、広告宣伝費の増加等により取引関係費が同18.6%の増加となったことや、事務委託費の増加により事務費が同18.9%の増加となったこと、減価償却費が同25.7%の増加となったことによるものです。

 

以上を背景に当事業年度のROE(自己資本当期純利益率)は、12.9%となりました。当社は、株主資本コスト(8%)を上回るROEを中長期的に達成することを経営目標としております。当事業年度のROEは、株式等委託売買代金の増加や信用取引平均残高の増加、FX取引の拡大等を背景に、前事業年度の10.1%から上昇しました。今後も中長期的な資本効率の向上に努めてまいります。

 

(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の主たる事業は、個人投資家向けの株式等委託売買業務であり、収入項目としては受入手数料、とりわけ株式等売買に関する委託手数料が当社の業績に重要な影響を及ぼします。また、主として信用取引に起因する金融収益についても当社の業績に重要な影響を及ぼす要因となります。しかしながら、その水準はともに株式市場の相場環境に大きく左右されます。

 

(3) 財政状態の状況及び分析

当社の主な資産は、顧客からの預り金や受入保証金等を信託銀行に預託した顧客分別金信託(預託金に含まれます)と、信用取引貸付金を中心とする信用取引資産です。一方、信用取引貸付金に充当することを目的として、短期借入金等による調達を行っております。当社の主な負債は、預り金、受入保証金及び短期借入金です。

 

当事業年度末の資産合計は、対前事業年度末比20.1%増の1,172,667百万円となりました。これは主として、預り金及び受入保証金等の増加に伴い預託金が同26.5%増の700,212百万円となったことや、信用取引貸付金が同13.3%増の311,624百万円となったことによるものです。

負債合計は、同21.9%増の1,096,342百万円となりました。これは主として、預り金が同30.6%増の425,836百万円となったことや、受入保証金が同13.7%増の285,297百万円となったこと、信用取引貸付金の増加に伴い信用取引借入金が同317.7%増の42,861百万円となったことによるものです。

純資産合計は、ほぼ横ばいの76,326百万円となりました。当事業年度においては、2023年3月期期末配当金及び2024年3月期中間配当金計10,289百万円を計上する一方、当期純利益9,790百万円を計上しております。

 

(4) キャッシュ・フローの状況及び分析

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、5,916百万円のマイナス(前事業年度は15,530百万円のマイナス)となりました。預り金及び受入保証金が増加したことに伴いキャッシュ・フローのプラスが生じた一方、預託金が増加したことに伴いキャッシュ・フローのマイナスが生じております。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、8,883百万円のマイナス(前事業年度は4,276百万円のマイナス)となりました。これは、無形固定資産の取得による支出や投資有価証券の取得による支出が主な要因です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、8,621百万円のプラス(前事業年度は41,921百万円のプラス)となりました。これは、配当金の支払があった一方、短期借入金が純増加となったことが主な要因です。

 

以上の結果、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、76,249百万円(前事業年度末は82,427百万円)となりました。

 

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社は、「ラインアップの充実」、「特色のあるサービスの提供」、「サービスクオリティの向上」を経営戦略として位置付けております。このため、各事業年度において、オンライン証券取引サービスを継続的に提供するとともに、各種新サービスの追加や取引システムの能力強化あるいは改良等に必要なシステム投資を中心とする設備投資を継続的に行っております。一方で、日々の業務運営に手元資金を必要とする他、主たる業務である信用取引貸付金の原資を必要としております。手元資金は、株式等委託売買や株券貸借取引等に伴う決済の他、顧客への出金等に対応するために十分な水準を確保しておりますが、日々の決済等の状況により、必ずしもその水準は一定しません。

 

当社が行う資金調達は、主として信用取引貸付金の原資に対応するものです。経常的な信用取引貸付金の増減については、銀行等金融機関からの短期借入金の増減を中心に対応しております。信用取引貸付金の水準が大きく増加する場合に備えて、社債による資金調達を機動的に行えるよう発行登録も行っておりますが、当事業年度末現在においては、信用取引貸付金と内部留保の水準を踏まえ、資金調達の大部分はコールマネーを含む短期借入金によっております。

なお、複数の金融機関と当座貸越契約やコミットメントライン契約を締結することで、資金調達の安全性を確保しております。

 

当社は、中長期的に株主資本コストを上回るROEを達成することを経営目標としており、株主還元は、株主資本コスト相当額以上を配当として実施する方針です。当事業年度末現在の株主資本コストは、資本資産評価モデルを参考に8%と想定していることから、経営目標として中長期的に8%を上回るROEを達成するとともに、配当政策として各期8%以上の純資産配当率(DOE)を実現することとしております。併せて、各期の配当性向については60%以上とすることとしております。株主還元の結果内部留保が増加する場合においては、信用取引貸付金の原資や設備投資資金等として有効に活用いたします。

 

(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
 財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。