売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E03807 Japan GAAP

売上高

310.7億 円

前期

306.2億 円

前期比

101.5%

時価総額

2,118.2億 円

株価

817 (04/24)

発行済株式数

259,264,702

EPS(実績)

30.17 円

PER(実績)

27.08 倍

平均給与

913.8万 円

前期

915.3万 円

前期比

99.8%

平均年齢(勤続年数)

38.8歳(11.4年)

従業員数

180人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3 【事業の内容】

当社は、個人投資家を対象とした株式ブローキング事業を主たる事業とし、オンライン証券取引サービスを提供しております。具体的には、株式及び先物・オプションの委託売買業務、引受け並びに募集及び売出しの取扱、投資信託の販売、FX(外国為替証拠金取引)等のサービスを提供しております。なお、当社はオンライン証券取引サービスの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

 

23/06/19

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。また、当社はオンライン証券取引サービスの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2023年3月31日)現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況及び分析

当事業年度の国内株式市場は、期首に27,600円台で取引を開始した日経平均株価が、4月は米国の積極的な金融引き締めによる景気後退への懸念から軟調に推移しましたが、5月に入ると中国でのロックダウン緩和などを受けて堅調な動きとなりました。7月の参院選で自民党が圧勝して以降は、記録的な円安・ドル高水準に伴う輸出関連銘柄への買いや日銀の金融緩和維持が追い風になり、8月中旬には29,000円台まで上昇しました。その後は、インフレ抑制を重視する米国の金融引き締めの加速によって世界経済が後退するとの懸念から下落し、9月末に25,900円台をつけました。10月に入ると、外国為替市場で約32年ぶりの円安・ドル高水準を記録したことなどを背景に株価は上昇し、11月には28,000円台を回復しました。しかし12月になると、低調な米国の経済指標を受けて同国経済の先行きに対する警戒感が高まったほか、日銀が長期金利の許容上限を引き上げたことから下落し、1月には26,000円台を割り込みました。その後は円安の進行や世界経済回復への期待感から28,000円台まで回復、3月には米銀破綻に端を発する世界的な金融システム不安から一時的に下落したものの、3月末の日経平均株価は28,000円台で取引を終えました。

このような市場環境の中で、二市場(東京、名古屋の各証券取引所)合計の株式等売買代金は、前事業年度と比較して3%増加しました。当社の主たる顧客層である個人投資家については、大きく株価が動いた局面で取引が拡大し、二市場全体における個人の株式等委託売買代金は同2%増加となりました。なお、二市場における個人の株式等委託売買代金の割合は22%と、前事業年度と同水準となりました。当社の株式等委託売買代金については同3%の減少となりました。

当事業年度における当社の取組みとしては、コーポレートブランドをリニューアルし、コーポレートスローガン「投資をまじめに、おもしろく。」を新たに設定しました。「真面目さ・親しみやすさ」と「面白さ・明るさ」を兼ね備えた山本美月さんをイメージキャラクターに起用し、テレビCMの配信など、認知度向上に努めました。株式取引においては、「一日信用取引」にかかる金利・貸株料を無料化し、デイトレードに関して業界最安水準の取引コストを実現しました。また、顧客の利便性を向上させるため、投資判断に必要な情報を1か所に集約した新しい投資情報ツール「マーケットラボ」の提供を開始し、継続的に機能を拡充しています。FXについては、eスポーツイベントとのタイアップをはじめとしたプロモーションを積極的に展開したほか、注文数量に応じたスプレッドの提供やAPI環境の公開を開始するなど、サービス品質の向上に努めました。米国株については、取扱銘柄を2,200銘柄超まで拡充したほか、外貨決済サービスを開始しました。その他、投資情報メディア「マネーサテライト」などにおいて、若年層や投資初心者の方も楽しく資産運用を学べる動画や、日本株・米国株・FXそれぞれの個別銘柄や通貨ペアを紹介・解説する動画を配信するなど、顧客向けサービスの拡充に努めました。

以上を背景に、当事業年度においては、株式等委託手数料率の低下や株式等委託売買代金の減少により受入手数料が16,067百万円(対前事業年度比7.9%減)となりました。また、信用取引平均買残高が減少したこと等により、金融収支は同9.9%減の10,003百万円となりました。一方、主としてFX取引のトレーディング益によりトレーディング損益は同167.7%増の2,345百万円の利益となりました。

この結果、営業収益は31,071百万円(同1.5%増)、純営業収益は28,415百万円(同3.5%減)となりました。また、営業利益は11,349百万円(同11.1%減)、経常利益は11,253百万円(同12.0%減)となりました。前事業年度において投資有価証券売却益2,590百万円及び固定資産売却益1,279百万円を計上したこともあり、当期純利益は7,823百万円(同31.6%減)と大幅な減少となりました。

収益・費用の主な項目については以下の通りです。

 

(受入手数料)

受入手数料は16,067百万円(同7.9%減)となりました。そのうち、委託手数料は15,157百万円(同8.9%減)となりました。これは株式等委託手数料率の低下や株式等委託売買代金の減少によるものです。

 

 

(トレーディング損益)

トレーディング損益は、主としてFX取引のトレーディング益により、2,345百万円(同167.7%増)の利益となりました。

 

(金融収支)

金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は10,003百万円(同9.9%減)となりました。これは主として、信用取引平均買残高が減少したことによるものです。

 

(販売費・一般管理費)

販売費・一般管理費は、同2.4%増の17,067百万円となりました。これは主として、通信・運送費や広告宣伝費の減少等により取引関係費が同9.3%の減少となった一方で、事務委託費の増加により事務費が同24.6%の増加となったことによるものです。

 

以上を背景に当事業年度のROE(自己資本当期純利益率)は、10.1%となりました。当社は、株主資本コスト(8%)を上回るROEを中長期的に達成することを目標としております。当事業年度のROEは、前事業年度に投資有価証券売却益や固定資産売却益を計上したこと等を背景に、前事業年度の14.5%から低下しましたが目標値は達成しており、今後も中長期的な資本効率の向上に努めてまいります。

 

(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の主たる事業は、個人投資家向けの株式等委託売買業務であり、収入項目としては受入手数料、とりわけ株式等売買に関する委託手数料が当社の業績に重要な影響を及ぼします。また、主として信用取引に起因する金融収益についても当社の業績に重要な影響を及ぼす要因となります。しかしながら、その水準はともに株式市場の相場環境に大きく左右されます。

 

(3) 財政状態の状況及び分析

当社の主な資産は、顧客からの預り金や受入保証金等を信託銀行に預託した顧客分別金信託(預託金に含まれます)と、信用取引貸付金を中心とする信用取引資産です。一方、信用取引貸付金に充当することを目的として、短期借入金等による調達を行っております。当社の主な負債は、預り金、受入保証金及び短期借入金です。

 

当事業年度末の資産合計は、対前事業年度末比11.0%増の976,026百万円となりました。これは主として、信用取引貸付金が同18.9%増の275,075百万円となったことや、預り金等の増加に伴い預託金が同4.3%増の553,312百万円となったこと、現金・預金が同38.4%増の79,331百万円となったことによるものです。

負債合計は、同12.4%増の899,673百万円となりました。これは主として、信用取引貸付金の増加等に伴い短期借入金が同31.0%増の219,900百万円となったことや、有価証券貸借取引受入金が同84.3%増の39,452百万円となったこと、預り金が同5.4%増の326,031百万円となったことによるものです。

純資産合計は、同3.0%減の76,353百万円となりました。当事業年度においては、2022年3月期期末配当金及び2023年3月期中間配当金計10,285百万円を計上する一方、当期純利益7,823百万円を計上しております。

 

(4) キャッシュ・フローの状況及び分析

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、15,530百万円のマイナス(前事業年度は50,821百万円のプラス)となりました。これは、信用取引資産及び信用取引負債の増減や預託金の増加が主な要因です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、4,276百万円のマイナス(前事業年度は67百万円のプラス)となりました。これは、無形固定資産の取得による支出や投資有価証券の取得による支出が主な要因です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、41,921百万円のプラス(前事業年度は50,374百万円のマイナス)となりました。これは、短期借入金の純増加が主な要因です。

 

以上の結果、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、82,427百万円(前事業年度末は60,312百万円)となりました。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社は、株式ブローキング事業の強化とその他事業の拡充を経営戦略として位置付けております。各事業年度において、オンライン証券取引サービスを継続的に提供するとともに、各種新サービスの追加や取引システムの能力強化あるいは改良等に必要なシステム投資を中心とする設備投資を継続的に行っております。一方で、日々の業務運営に手元資金を必要とする他、主たる業務である信用取引貸付金の原資を必要としております。手元資金は、株式等委託売買や株券貸借取引等に伴う決済の他、顧客への出金等に対応するために十分な水準を確保しておりますが、日々の決済等の状況により、必ずしもその水準は一定しません。

 

当社が行う資金調達は、主として信用取引貸付金の原資に対応するものです。経常的な信用取引貸付金の増減については、銀行等金融機関からの短期借入金の増減を中心に対応しております。信用取引貸付金の水準が大きく増加する場合に備えて、社債による資金調達を機動的に行えるよう発行登録も行っておりますが、当事業年度末現在においては、信用取引貸付金と内部留保の水準を踏まえ、資金調達の大部分はコール・マネーを含む短期借入金によっております。

なお、複数の金融機関と当座貸越契約やコミットメントライン契約を締結することで、資金調達の安全性を確保しております。

 

当社は、中長期的に株主資本コスト(資本資産評価モデルを参考に、現状8%と想定)を上回るROEを達成することを目標としており、株主還元は、株主資本コスト相当額以上を配当として実施する方針です。このため配当政策として各期8%以上の純資産配当率(DOE)を実現することとするほか、併せて、各期の配当性向については60%以上とすることとしております。株主還元の結果内部留保が増加する場合においては、信用取引貸付金の原資や設備投資資金等として有効に活用いたします。

 

(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
 財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。