売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E04236 Japan GAAP

売上高

1.61兆 円

前期

1.27兆 円

前期比

127.0%

時価総額

1.67兆 円

株価

4,610 (03/29)

発行済株式数

362,318,558

EPS(実績)

2,197.13 円

PER(実績)

2.10 倍

平均給与

1,517.4万 円

前期

1,072.8万 円

前期比

141.4%

平均年齢(勤続年数)

37.8歳(13.5年)

従業員数

1,168人(連結:8,748人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、当社及び連結対象会社509社(うち、連結子会社385社、持分法適用会社124社)からなり、海運業を中心にグローバルな事業展開を図っております。当社グループの事業は、ドライバルク事業、エネルギー事業、製品輸送事業、不動産事業、関連事業及びその他の6セグメントに分類されており、それぞれの事業の概要及び主要関係会社は以下のとおりです。

 また当連結会計年度より報告セグメントの名称を変更しております詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) に記載のとおりです

 

事業区分

事業の概要

主要関係会社

(無印:連結子会社)

(※印:持分法適用関連会社)

ドライバルク事業

当社並びに関係会社を通じて、ドライバルク船(火力発電用の石炭を輸送する石炭船を除く)を保有、運航し、世界的な規模で海上貨物輸送を行っております。

商船三井ドライバルク㈱、
MOL CAPE (SINGAPORE) PTE. LTD.

※GEARBULK HOLDING AG

 

他 78社 計 81社

エネルギー事業

当社並びに関係会社を通じて、火力発電用の石炭を輸送する石炭船、油送船、海洋事業・LNG船等の不定期専用船を保有、運航し、世界的な規模で海上貨物輸送を行っております。

エム・オー・エル・エルエヌジー輸送㈱、
MOL CHEMICAL TANKERS PTE. LTD.、
PHOENIX TANKERS PTE. LTD.

※旭タンカー㈱

 

他 248社 計 252社

製品輸送事業

当社並びに関係会社を通じて、自動車専用船を保有、運航し、世界的な規模で海上貨物輸送を行っております。また、コンテナ船の保有、運航、コンテナターミナルの運営、航空・海上フォワーディング、陸上輸送、倉庫保管、重量物輸送等の「トータル・物流ソリューション」を提供しております。さらに、関係会社のフェリー各社が、主として太平洋沿海及び瀬戸内海でフェリーを運航し、旅客並びに貨物輸送を行っております。

㈱宇徳、国際コンテナ輸送㈱、商船港運㈱、

商船三井フェリー㈱、

商船三井ロジスティクス㈱、日産専用船㈱、

㈱フェリーさんふらわあ、

㈱ブルーシーネットワーク、

TRAPAC, LLC.、

MOL LOGISTICS (EUROPE) B.V.、

MOL LOGISTICS (H.K.) LTD.、

MOL CONSOLIDATION SERVICE LTD.

※㈱名門大洋フェリー、※日本コンセプト㈱、

※OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.

 

他 101社 計 116社

不動産事業

ダイビル㈱を中心として、土地建物賃貸事業、及びビル管理事業を始めとする不動産事業を行っております。

ダイビル㈱、商船三井興産㈱

 

他 19社 計 21社

関連事業

関係会社を通じて、客船事業、曳船業、商社事業(燃料・舶用資材・機械販売等)等を営んでおります。

商船三井客船㈱、日本栄船㈱、

グリーン海事㈱、グリーンシッピング㈱、

商船三井テクノトレード㈱、

㈱ジャパンエキスプレス、

MOLビジネスサポート㈱、

エムオーツーリスト㈱

 

他 13社 計 21社

その他

主として当社グループのコストセンターとして、油送船とLNG船を除く船舶の船舶管理業、グループの資金調達等の金融業、情報サービス業、経理代行業、海事コンサルティング業等を営んでおります。

MOLマリン&エンジニアリング㈱、

エム・オー・エル・シップマネージメント㈱、MOL TREASURY MANAGEMENT PTE. LTD.、

商船三井システムズ㈱、

エム・オー・エル・アカウンティング㈱

 

他 13社 計 18社

 

合計 509社

 なお、事業系統図を示すと次のとおりです。

[事業系統図]

※画像省略しています。

 

23/06/20

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

増減額/増減率

売上高     (億円)

12,693

16,119

3,426 /   27.0%

営業損益    (億円)

550

1,087

537 /   97.6%

経常損益    (億円)

7,217

8,115

898 /   12.4%

親会社株主に帰属する
当期純損益   (億円)

7,088

7,960

872 /   12.3%

為替レート

¥111.52/US$

¥134.67/US$

¥23.15/US$

船舶燃料油価格 ※

US$585/MT

US$745/MT

US$160/MT

※平均補油価格(全油種)

 

 当期の業績につきましては、売上高1兆6,119億円、営業損益1,087億円、経常損益8,115億円、親会社株主に帰属する当期純損益は7,960億円となりました。

 なお、当社持分法適用会社OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.(以下「ONE社」)における利益の積み上げなどにより、営業外収益で持分法による投資利益として6,684億円を計上いたしました。うち、同社からの持分法による投資利益計上額は6,208億円となります。

 

 売上高は、ドライバルク、エネルギー、自動車船の好市況に加え、通期で円安基調であった影響もあり、前期比増収となりました。

 経常損益は、上半期に高水準の運賃を継続したコンテナ船事業で前年並みの利益を確保したことに加え、油送船事業や自動車船事業における損益改善と、LNG船・海洋事業における安定的な利益の確保が寄与し、前期比増益となりました。

 親会社株主に帰属する当期純損益は、経常損益の増益に加えて、船舶売船益や有価証券売却益等の特別利益の積み上げもあり、前期比増益となりました。なお、経常損益と親会社株主に帰属する当期純損益では前年度に続き、過去最高益を更新しました。

 

セグメントごとの売上高及びセグメント損益(経常損益)、それらの対前期比較及び概況は以下のとおりです。

 

上段が売上高(億円)、下段がセグメント損益(経常損益)(億円)

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

増減額/増減率

ドライバルク事業

3,607

4,296

688 /   19.1%

432

576

143 /   33.3%

エネルギー事業

2,940

3,887

947 /   32.2%

198

395

197 /   99.6%

製品輸送事業

5,153

6,773

1,619 /   31.4%

6,629

7,054

424 /    6.4%

 

うち、コンテナ船事業

566

530

△36 /  △6.4%

6,340

6,201

△138 /  △2.2%

不動産事業

389

395

6 /    1.7%

97

81

△16 / △17.0%

関連事業

445

571

125 /   28.2%

△23

△5

17 /     -%

その他

157

196

39 /   24.8%

27

17

△9 / △34.7%

(注)「売上高」は外部顧客に対する売上高を表示しております。

 

① ドライバルク事業

 ケープサイズの市況は、上半期は堅調なインド向け石炭需要を背景に5月中旬をピークに上昇しましたが、世界経済の先行き不透明感及び新型コロナウイルス感染症の規制緩和・撤廃による船腹稼働率上昇に起因する船腹需給の緩みを受けて夏場にかけて大幅に下落しました。下半期は一時的に上昇する局面がみられたものの、上値の重い展開が続きました。パナマックス及びハンディマックス船型以下の市況は、上半期は石炭・穀物の堅調な輸送需要により高水準でスタートしましたが、7月以降は世界経済の減速及び中国向け荷動きの減少により次第に軟化し、下半期も中国向け石炭や、南米積穀物、鋼材等の荷動きの減少により、概して弱い基調で推移しました。

 市況は軟化したものの、長期契約の安定的な履行とオープンハッチ船や多目的船事業の貢献に加え、当社連結子会社において、持分法適用会社GEARBULK HOLDING AGに対する貸付金について過去計上していた貸倒引当金の一部を同社財務状況改善に伴い戻し入れたため、前期比で増益となりました。

 

② エネルギー事業

<タンカー>

 原油船は、ロシアのウクライナ侵攻によるトレードパターン変化に伴い、トンマイルの伸長及び米国の戦略備蓄放出等を背景に、夏場以降の市況は堅調に推移しました。石油製品船は、原油船同様ロシア出し石油製品の代替調達によるトンマイルの伸長もあり、年間を通じて堅調な荷動きとなりました。

 好調な市況環境に加えて、安定的な長期契約の履行やコスト削減に努めた結果、タンカー事業全体では前期比大幅増益を達成しました。

 

<オフショア>

 FPSO事業は、新たに2隻竣工したほか、既存の長期貸船契約により引き続き安定的な利益を積み上げました。

 

<液化ガス>

 LNG船事業は、既存の長期貸船契約により引き続き安定的な利益を確保する中、一部長期契約の満了の影響もあり、前期比で減益となりました。FSRU事業は、既存船の短期契約への投入により、前期比で損益改善となりました。

 

③ 製品輸送事業

<コンテナ船>

 当社持分法適用会社ONE社において、上半期は北米・欧州航路を中心に旺盛な輸送需要が継続しましたが、下半期は夏場以降港湾の混雑緩和に加え、顕著となった北米商品在庫の積み上がりとインフレ進展による欧州での消費減退に伴い、船腹供給量の回復と輸送需要の急激な減退により短期運賃市況が急速に弱含みしました。しかしながら、上半期における利益の積み上げもあり、結果として前期並みの損益を維持しました。

 

<自動車船>

 世界的な半導体不足や新型コロナウイルス感染症拡大の影響により完成車荷動きが変動する中、柔軟に配船計画を見直すことで前期並みの輸送台数を確保しました。輸送効率の改善にも努めた結果、前期比で増益となりました。

 

<港湾・ロジスティクス>

 港湾事業は、夏場以降の北米コンテナターミナルでの混雑緩和を受けて荷動きが正常化する中でもコンテナ取扱量は堅調に推移しました。ロジスティクス事業は、航空・海上運賃市況軟化の影響を受けましたが、上半期で積み上げた利益の貢献もあり前期比で増益となりました。

 

<フェリー・内航RORO船>

 旅客に関しては、新型コロナウイルス感染症拡大による行動制限が緩和され、前期比で乗船客数が大幅に回復しました。物流に関しては、自動車部品関連の回復が遅れているものの、概ね安定的に推移した結果、フェリー・内航RORO船事業全体で、前期比で損益改善となりました。

 

④ 不動産事業

 当社グループの不動産事業の中核であるダイビル㈱が保有する一部オフィスビルの建替えに伴い若干の減益となりましたが、概ね安定的な損益で推移しました。

 

⑤ 関連事業

 クルーズ事業は、新型コロナウイルス感染症拡大防止に向けた行動制限が緩和されたことにより需要が回復し、営業運航の増加により、前期比で損益改善となりました。曳船事業は各社各港において状況に差はあるものの、作業対象船の入出港数の増加や作業料金改定などにより、前期比で増益となりました。

 

⑥ その他

 主にコストセンターであるその他の事業には、船舶運航業、船舶管理業、貸船業、金融業などがありますが、前期比で減益となりました。

 

(2)生産、受注及び販売の実績

 当社グループ(当社及び連結子会社。以下同じ。)は「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載したとおり、6つの事業区分からなり、提供するサービス内容も、多種多様であります。従って、受注の形態、内容も各社毎に異なっているため、それらをセグメント毎に金額、数量で示しておりません。

 

セグメントの売上高

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

ドライバルク事業

429,602

119.1

エネルギー事業

388,709

132.2

製品輸送事業

677,352

131.4

 

うち、コンテナ船事業

53,060

93.6

不動産事業

39,582

101.7

関連事業

57,113

128.2

その他

19,623

124.8

合 計

1,611,984

127.0

 

(3)財政状態

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ8,775億円増加し、3兆5,642億円となりました。これは主に投資有価証券が増加したことによるものです。

 負債は、前連結会計年度末に比べ2,747億円増加し、1兆6,266億円となりました。これは主に短期借入金が増加したことによるものです。

 純資産は、前連結会計年度末に比べ6,027億円増加し、1兆9,376億円となりました。これは主に利益剰余金が増加したことによるものです。

 以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ、6.6ポイント上昇し、54.0%となりました。

 

(4)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて、60億円減少し、910億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、持分法適用会社からの受取配当金等により5,499億円(前年同期3,076億円)となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、船舶を中心とする固定資産の取得等により△2,819億円(前年同期△1,074億円)となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により△2,817億円(前年同期△1,917億円)となりました。

 

(5)財務戦略

 2023年3月に策定した経営計画「BLUE ACTION 2035」において、海運不況時でも黒字を維持できる事業ポートフォリオへの変革に取り組み、着実に利益を積み上げる計画です。Phase1と位置づけております2023~2025年の3年間で約12,000億円の投資を計画しておりますが、成長投資を実行する過程においても、財務規律を維持する方針です。具体的には、ネットギアリングレシオは、0.9~1.0にコントロールしていきます(有利子負債額はIFRS導入後に織り込むべき将来傭船料などオフバランス資産(約9,000億円)を含んだものを想定。なお、本数値は当社が一定の想定の下に試算した概算値で、IFRSを正式に適用した場合の算出値とは相違する可能性があります)。

 

① 資金調達の方針

当社は事業活動を支える資金調達に際して、調達の安定性と低コストを重視しております。

また、金利変動リスクや為替変動リスク等の市場リスクを把握し、過度に市場リスクに晒されないように金利固定化比率や借入通貨構成を金利スワップや通貨スワップ等の手法も利用しながら、リスクを許容範囲に収めるようにしております。

 

② 資金調達の多様性

当社は調達の安定性と低コスト調達を実現するために、調達方法の多様化や調達期間の分散を進めております。

直接調達については、2022年度に新規の社債発行は行いませんでしたが、2023年3月末の国内普通社債発行残高は595億円、劣後特約付社債発行残高は500億円となっております。円滑な直接調達を進めるため、当社は国内社及び海外1社の格付機関から格付を取得しており、2023年3月末時点の発行体格付は格付投資情報センター(R&I)「A-」、日本格付研究所(JCR)「A+」、ムーディーズ・インベスターズ・サービス(Moody's)「Ba3」となっております。また、短期債格付(CP格付)についてはR&I/JCRより「a-1」/「J-1」を取得しております。

当社は1,000億円の社債発行登録や1,500億円のCP発行枠を設定しているほか、政府系や内外金融機関との幅広い取引関係をベースとする間接調達により、運転資金需要や設備資金需要にも迅速に対応できるものと考えております。

更に、安定的な経常運転資金枠の確保・緊急時の流動性補完を目的に国内金融機関から円建て及び米ドル建てのコミットメントラインを設定しており、資金の流動性確保に努めております。

当社の環境戦略を資金調達の面から支えるESGファイナンスについては、2022年10月に風力推進装置を搭載したばら積み船向けのトランジション・リンク・ローンを組成すると共に2022年12月と2023年3月に事業性資金調達を使途としたトランジション・リンク・ローンによるグローバル・コミットメントライン契約を2系列組成しました。

 

③ 資金需要

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、各事業運営に関する海運業費用です。この中には燃料費・港費・貨物費等の運航費、船員費・船舶修繕費等の船費及び借船料などが含まれます。このほか物流事業の運営に関わる労務費等の役務原価、各事業についての人件費・情報処理費用・その他物件費等の一般管理費があります。また、設備資金需要としては、船舶への投資に加え、非海運事業の拡大方針に則った不動産・物流設備・フェリー等への投資があり、当連結会計年度中に2,721億円の設備投資を実施しました。

 

④ グループ資金の効率化

当社及び主要子会社間でキャッシュマネージメントサービス(CMS)を導入しており、グループ内の資金効率化を図ることにより、外部借入の削減に努めております。

 

(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

 詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)並びに2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針) 」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。また、当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

・固定資産の減損

当社グループは、資産又は資産グループが使用されている事業の経営環境及び営業活動から生ずる損益等から減損の兆候判定を行っており、減損の兆候が識別された場合、減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。将来の市況悪化等により減損の兆候及び認識の判定の前提となる事業計画等が修正される場合、減損処理を行う可能性があります。

・貸倒引当金

当社グループは、売上債権及び貸付金等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、債務者の財政状況の悪化等の事情によってその支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

 

(7)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

 当期の業績は、前年度から続く好調な海運市況の恩恵を受け、経常利益8,115億円、親会社株主に帰属する当期純利益7,960億円となり、2年連続で過去最高益を更新しました。また、主な財務指標は、ROE 49.8%、ギアリングレシオ0.60倍(ネットギアリングレシオ0.55倍)となり、経営計画「Rolling Plan 2022」で設定した2027年度の目標値を前年度に引き続き達成しました。

コンテナ船事業は、上半期は旺盛な輸送需要を背景に運賃市況が高水準で推移しました。下半期はサプライチェーンと船腹需給の正常化に伴い運賃市況は下落しましたが、通期では歴史的な好業績となった前期を上回る結果となりました。ドライバルク事業は、下半期から世界経済の減速や荷動きの減少により市況は下落しましたが、長期契約の安定的な履行やオープンハッチ船や多目的船事業の利益貢献もあり、前期比で増益となりました。エネルギー事業は、LNG船事業・海洋事業の安定利益に加え、原油船市況が下期以降回復し、石油製品船も市況は高水準で推移したため、前期比で増益となりました。自動車船事業では、柔軟な配船計画の見直しと輸送効率の改善により、前期比で増益となりました。フェリー・内航RORO船事業では、新型コロナウイルス感染症拡大による行動制限の緩和により旅客が回復し、前期から損益改善となりました。

 2023年度は、歴史的高値圏を推移したコンテナ船の賃率が2022年度後半急速に弱含んだ水準から、荷動きの増加傾向に伴い一定程度回復することを見込んでいます。また世界経済の回復に応じて、完成車荷動きも段階的な回復を想定すると共に、ドライバルク船・原油船の荷動き・市況は世界経済の回復に応じていずれも堅調に推移することを見込んでいます。ロシア・ウクライナ情勢等の地政学的緊張や世界的なインフレ・金融不安等、当社グループを取り巻く事業環境の不確実性は引き続き高いですが、「BLUE ACTION 2035」に基づき、グローバルな社会インフラ事業への飛躍に向けて邁進します。

 

 

 経営計画の主な内容は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。なお、「BLUE ACTION 2035」で掲げるCore KPI・利益計画・投資計画・財務計画は以下の通りです。

 

<Core KPI>

 昨年度の経営計画「Rolling Plan 2022」とサステナビリティ課題への取組である「MOL Sustainability Plan(MSP)」を融合させた経営計画「BLUE ACTION 2035」では、その目標の達成状況を判断するための指標(Core KPI)として、3つの財務KPI・4つの非財務KPIを設定しています。

 

※画像省略しています。

※画像省略しています。

 

<利益計画>

 2017年度にローリング型経営計画を導入した際、2027年度の利益目標として経常利益2,000億円を設定していましたが、2021年度に前倒しで達成し、また財務体質が顕著に改善したことから、「BLUE ACTION 2035」では2035年度4,000億円という高い利益目標を設定しました。なお、国際会計基準(IFRS)の適用を想定し、利益目標の数値は税引前当期純利益(*)としています。

(*)日本会計基準を前提に算出しており、国際会計基準(IFRS)を適用した場合の算出値とは相違する可能性があります。

 

※画像省略しています。

※画像省略しています。

 

<投資計画>

 グループビジョンの実現に向けて、「Rolling Plan 2022」で進めてきた積極投資をさらに強化していきます。投資規模(*)は、2023~2035年度の13年間で総額3.8兆円を想定しています。

Phase 1(2023~2025年度)では総額1.2兆円の投資(*)を見込みます。このうち6,500億円を代替燃料船隊の整備や低・脱炭素エネルギー事業の拡大といった環境投資に充てるほか、「BLUE ACTION 2035」で示すリバランス計画の実行に向けて安定収益型事業への投資を重点的に進めます。

(*)いずれも対象期間中に発生する投資キャッシュアウト額を示す。

 

※画像省略しています。

 

 

<財務計画>

 上記で示す1.2兆円の投資計画を実行するため、毎年2,500億円以上の営業CFを安定的に創出することに加えて、資産の入れ替えによるキャッシュ化を今後も継続します。また、現在オフバランスになっている負債も有利子負債に含めたネットギアリングレシオを0.9~1.0倍の範囲でコントロールしながら、外部資金を活用します。

 またPhase 1における株主還元においては、配当性向30%及び下限配当150円/株とする方針ですが、想定を上回る利益を得られた場合には自社株買いを含めた追加株主還元策を検討し、ROE 9~10%を意識した資本コントロールを実施します。

 

※画像省略しています。

 

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものです。