売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E04520 Japan GAAP

売上高

2.08兆 円

前期

2.28兆 円

前期比

91.6%

時価総額

1.38兆 円

株価

3,371 (07/12)

発行済株式数

409,912,100

EPS(実績)

323.68 円

PER(実績)

10.41 倍

平均給与

712.5万 円

前期

685.2万 円

前期比

104.0%

平均年齢(勤続年数)

44.0歳(16.5年)

従業員数

1,137人(連結:21,159人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、当社の子会社159社及び関連会社104社で構成され、国内エネルギー、海外エネルギー、ライフ&ビジネス ソリューション事業を行っております。

当社グループの事業に係る位置付けは、次のとおりであります。

 

(国内エネルギー)

当社等は、ガスの製造、供給、販売、ガス機器の販売、お客さま先のガス配管工事を行っております。

子会社大阪ガスネットワーク㈱は、一般ガス導管事業等を行っており、当社を含むガス小売事業者の販売するガスの託送供給を行っております。

子会社大阪ガスマーケティング㈱は、当社から家庭用のお客さま向けのガス及び電気の販売やガス機器の販売、メンテナンス等を受託しております。また、住宅設備機器の販売やリフォーム事業等を行っております。

子会社Daigasエナジー㈱は、当社から業務用等のお客さま向けのガス及び電気の販売、保守等を受託しております。また、機器販売・エンジニアリング・施工、エネルギーサービス事業、液化天然ガス・液化石油ガス販売事業、熱供給事業等を行っており、当社からLNGや熱供給事業用のガスを購入しております。

子会社Daigasガスアンドパワーソリューション㈱は、当社からガス製造所・発電所のオペレーション及びメンテナンスを受託しております。また、当社から電気供給事業用のガスを購入し、発電及び当社への電気販売を行っております。さらに、ガス及び環境保全等に関する各種プラントの調査、設計、施工等のエンジニアリングを行っており、当社のガス製造供給設備等を設計・施工しております。

子会社大阪ガスインターナショナルトランスポート㈱は、当社へLNG輸送を行っております。

子会社Osaka Gas Energy Supply and Trading Pte.Ltd.は、主に当社から受託したLNGトレーディング事業を行っております。

当社、子会社泉北天然ガス発電㈱、子会社中山共同発電㈱、子会社中山名古屋共同発電㈱、子会社肥前風力発電㈱、子会社㈱広川明神山風力発電所、子会社広畑バイオマス発電㈱等は、電気供給事業を行っております。

子会社泉北天然ガス発電㈱、子会社中山共同発電㈱、子会社中山名古屋共同発電㈱等は、当社へ電気を販売しております。

これらの事業は、国内エネルギーセグメントに区分しております。

(海外エネルギー)

子会社Osaka Gas USA Corporationは、米国における天然ガス等及びエネルギー供給事業に関する投資等を行っております。

子会社Osaka Gas Australia Pty Ltd、子会社Osaka Gas Crux Pty Ltd、子会社Osaka Gas Gorgon Pty Ltd、子会社Osaka Gas Ichthys Pty Ltd、子会社Osaka Gas Ichthys Development Pty Ltd等は、天然ガス等に関する開発、投資等を行っております。

子会社Osaka Gas Gorgon Pty Ltdは、当社にLNGを販売しております。

子会社Osaka Gas Singapore Pte.Ltd.は、東南アジアにおけるエネルギー関連事業に関する調査・開発・投資等を行っております。

子会社Osaka Gas UK,Ltd.は、欧州等におけるエネルギー供給事業に関する投資等を行っております。

これらの事業は、海外エネルギーセグメントに区分しております。

(ライフ&ビジネス ソリューション)

子会社大阪ガス都市開発㈱等は、不動産の開発、賃貸、管理、販売等を行っており、当社に不動産を賃貸しております。

子会社㈱大阪ガスファシリティーズは、当社等の建物及び設備の運転、管理、メンテナンス等を行っております。

子会社㈱オージス総研、子会社さくら情報システム㈱等は、ソフトウェア開発、コンピュータによる情報処理サービス等を行っており、当社のソフトウェア開発、情報処理サービスを行っております。

子会社大阪ガスケミカル㈱は、ファイン材料、炭素材製品、活性炭及び木材保護塗料等の製造、販売を行っております。

子会社水澤化学工業㈱は、吸着機能材、樹脂添加剤の製造・販売等を行っております。

子会社Jacobi Carbons AB等は、活性炭の製造・販売等を行っております。

これらの事業は、ライフ&ビジネス ソリューションセグメントに区分しております。

 

以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

 

≪主な連結子会社 事業系統図≫

 

※画像省略しています。

 

24/06/27

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の分析

①  概要

当期におけるわが国経済は、コロナウイルス禍からの社会経済活動の正常化が進むとともに、輸出や設備投資が堅調に推移し、緩やかな回復傾向が続きました。

こうした経営環境のもと、当社グループは、「暮らしとビジネスの“さらなる進化”のお役に立つ企業グループ」となることを目指し、積極的に事業活動を展開してまいりました。

当期の売上高は、国内エネルギー事業で販売量が多い冬期において原料費調整制度に基づきガス販売単価が前期に比べて低めに推移したことやLNG販売価格が下落したことなどにより、前期に比べて1,920億円減(△8.4%)の2兆830億円となりました。経常利益は、国内エネルギー事業での前年度のフリーポートLNGプロジェクトの液化基地の操業停止を受けたLNG調達等に伴う費用増加の反動や、原料価格等の変動が販売単価に反映されるまでのタイムラグによる増益影響(*)等により、1,509億円増(+199.5%)の2,265億円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、755億円増(+132.3%)の1,326億円となりました。

(*)原料価格及び燃料価格の変動が、原料費及び燃料費調整制度に基づく販売単価に反映されるまでには一定の時間差があるため、一時的な増減益要因となります。

 

②  売上高

売上高は、国内エネルギー事業で販売量が多い冬期において原料費調整制度に基づきガス販売単価が前期に比べて低めに推移したことやLNG販売価格が下落したことなどにより、前期に比べて1,920億円減(△8.4%)の2兆830億円となりました。当社グループのセグメント別売上高の中で最も大きな割合を占める国内エネルギーセグメントの売上高は、販売量が多い冬期において原料費調整制度に基づきガス販売単価が前期に比べて低めに推移したことやLNG販売価格が下落したことなどにより、前期に比べて2,010億円減(△10.2%)の1兆7,706億円となりました。

ガス供給件数は、前期末に比べて0.9%増504万8千件となり、ガス販売量は、前期に比べて2.9%減66億4千6百万m3となりました。

ガス販売量の状況を用途別に見ると、家庭用ガス販売量は、供給件数の増加等により、前期に比べて1.4%増17億2千1百万m3となりました。業務用等のガス販売量は、特定のお客さま設備の稼働減少等により、前期に比べて4.3%減49億2千5百万m3となりました。

家庭用のガス機器・サービスにつきましては、給湯、暖房、調理等の機器・設備に加え、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」等の商品の開発及び販売拡大に努め、2024年4月には、「エネファーム」の累計販売台数が20万台を突破いたしました。また、ガス機器・水まわりの修理等や防災・防犯に関する「住ミカタ・サービス」や、デジタルを活用したライフサービスプラットフォーム「スマイLINK」、インターネットサービス「さすガねっと」等の各種サービスの提供とさらなるメニュー拡充に努めました。

2023年9月、ライフスタイルや嗜好を入力することで、お客さまごとのニーズにあわせた冷蔵パウチ食品をお届けする定期宅配サービス「FitDish」を開始いたしました。

業務用のガス機器・サービスにつきましては、コージェネレーションシステム、冷暖房システム、厨房機器、ボイラ、工業炉、バーナ等の商品の開発及び販売拡大に努めました。また、エンジニアリング力を活用し、脱炭素化・分散化・デジタル化の視点でお客さまの様々な経営課題を解決する「D-Lineup」等、お客さまのニーズに応じた高付加価値のソリューションの提供に努めました。

 

都市ガスのカーボンニュートラル化の有望技術として期待される高効率なSOECメタネーション技術の基礎研究等に取り組んでおります。その他、低・脱炭素化に資する触媒・燃焼技術等の研究開発にも取り組んでおります。2023年10月、株式会社INPEXと共同で実施しているCO-メタネーション技術の実用化を目指した技術開発事業において、家庭用1万戸分に相当する400Nm3-CO/hのe-メタンを製造できる試験設備の本工事を開始いたしました。

カーボンニュートラル社会へのトランジション期における取り組みとして、石炭・重油等から天然ガスへの燃料転換や高効率な設備の導入等を推進し、お客さま先でのCO排出削減に努めました。

安定供給・保安の確保につきましては、天然ガスの調達先の多様化、AI技術活用も含めた製造・供給設備の保全と計画的な改修、安全機能を備えたガス機器の普及促進等に継続的に取り組みました。

また、2023年9月、南海トラフ地震を想定し、より実践的な総合防災訓練を実施するなど、引き続き、地震対策・津波対策に取り組みました。

低圧電気供給件数は、前期末に比べて7.5%増183万5千件となり、電力販売量は、前期に比べて3.6%減153億8百万kWhとなりました。

ガスとセットでお得にご利用いただける料金メニュー、お客さまのライフスタイルや趣味にあわせた料金メニュー、脱炭素に資する料金メニュー等、多彩な電気料金メニューの提供に努めました。

当社の子会社であるDaigasエナジー㈱は、2023年11月、業務用のお客さまを対象に、お客さまの初期投資なしでEV充電器を設置し、エネルギーマネジメントを組み合わせてご提供するサービス「D-Charge」を開始いたしました。

2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギー電源の拡大に積極的に取り組みました。海外エネルギーセグメントに含まれる海外分も含め、再生可能エネルギー電源の普及貢献量は、当期末時点で約316万kWとなりました。

当期中に参画した主な再生可能エネルギー電源は、栃木県佐野市における太陽光発電事業(発電容量約4万kW、営業運転開始済。出資比率40%)、北海道夕張郡長沼町をはじめとする営農型太陽光発電所を含む国内7か所の非FIT/非FIP太陽光発電所(発電容量計約1万kW、2024年2月完工。出資比率50%)等であります。

2023年12月、徳島県徳島市における徳島津田バイオマス発電所(発電容量約7万kW、出資比率33.5%)と、兵庫県姫路市における広畑バイオマス発電所(発電容量約7万kW、出資比率90%)が、それぞれ営業運転を開始いたしました。2023年12月、当社は、経済産業省及び国土交通省より、新潟県村上市及び胎内市沖における洋上風力発電事業(発電出力約68万kW、2029年6月営業運転開始予定)の事業者に、コンソーシアムの一員として選定されました。

海外エネルギーセグメントの売上高は、米国及び豪州の上流事業等の減収により、前期に比べて68億円減(△5.6%)の1,164億円となりました。

北米における再生可能エネルギー事業につきましては、2023年5月、米国の太陽光発電開発事業者であるEuropean Energy North America, LLCとの間で、同社が米国テキサス州で開発を進めていた太陽光発電所の全持分を取得するための契約を締結いたしました。また、同年6月には、米国の分散型太陽光発電・系統用蓄電池開発事業者であるSummit Ridge Energy, LLCとの間で、米国バージニア州における分散型太陽光発電事業及び米国ニューヨーク州における系統用蓄電池事業の共同実施に関する契約をそれぞれ締結いたしました。

また、豪州においても、2023年10月、再生可能エネルギー電源開発事業者であるACE Power Development Pty Ltdとの間で、豪州東部における大規模集中型太陽光発電事業及び蓄電池事業の共同開発に合意いたしました。

北米、南米、欧州、中東及びアジアのエネルギー事業者等との間で、e-メタン等の製造・日本への輸出等に向けた共同検討に関する契約を締結しております。今後もカーボンニュートラルに資するe-メタン等のサプライチェーン構築に向けて取り組んでまいります。

ライフ&ビジネス ソリューションセグメントの売上高は、都市開発事業や情報ソリューション事業等での増収により、前期に比べて154億円増(+6.0%)の2,740億円となりました。

都市開発事業を展開する大阪ガス都市開発㈱は、当期中に「アーバネックス本町Ⅱ」(大阪府)等の8物件の賃貸マンションを取得し、資産の拡充に努めました。また、「シーンズ京都四条烏丸」(京都府)等の6物件の分譲マンションが竣工いたしました。

 

三井不動産株式会社と共同で開発し、2024年2月に竣工した物流施設「MFLP・OGUD大阪酉島」(大阪府)は、竣工前に全区画が成約済となっております。

また、2023年9月、大阪ガス都市開発アセットマネジメント㈱は、私募リート事業の運用受託を開始いたしました。

情報ソリューション事業を展開する㈱オージス総研は、企業情報システムのコンサルティング・設計・開発・運用や、AI・クラウドサービス等、総合的なITサービスの提供やお客さまのDX推進支援に努めました。

材料ソリューション事業を展開する大阪ガスケミカル㈱は、ファイン材料、炭素材製品、保存剤等、付加価値の高い材料等の開発及び販売拡大に努めました。

 

③  営業利益

売上原価は、原材料費が減少したことなどにより、前期に比べて3,202億円減(△16.1%)の1兆6,726億円となりました。販売費及び一般管理費は、委託作業費が増加したことなどにより、前期に比べて155億円増(+7.0%)の2,378億円となりました。

国内エネルギーセグメントでは、営業利益は、前年度のフリーポートLNGプロジェクトの液化基地の操業停止を受けたLNG調達等に伴う費用増加の反動や、原料価格等の変動が販売単価に反映されるまでのタイムラグによる増益影響等により1,197億円増884億円となりました。

海外エネルギーセグメントでは、営業利益は、米国及び豪州の上流事業等の減益により、前期に比べて93億円減(△15.3%)の515億円となりました。

ライフ&ビジネス ソリューションセグメントでは、営業利益は、都市開発事業等での増益により、前期に比べて18億円増(+6.2%)の310億円となりました。

以上の結果、営業利益は、前期に比べて1,125億円増(+187.6%)の1,725億円となりました。

 

④  経常利益

営業外収益は、前期に比べて393億円増783億円となりました。これは持分法による投資利益が増加したことなどによるものであります。

営業外費用は、前期に比べて9億円増242億円となりました。これは支払利息が増加したことなどによるものであります。

以上の結果、経常利益は、前期に比べて1,509億円増(+199.5%)の2,265億円となりました。

 

⑤  親会社株主に帰属する当期純利益

当期においては、特別利益の発生はありません。

特別損失は、前期に比べて211億円増305億円となりました。これは減損損失(※)が増加したことなどによるものであります。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べて755億円増(+132.3%)の1,326億円となりました。1株当たり当期純利益は、前期の137.39円に対し、当期は320.60円となりました。

(※) 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係) ※5 減損損失」をご参照ください。

 

 

⑥  収益性、成長性に関する経営指標

当社グループは、当期の収益性、成長性の経営指標として、連結ROE(自己資本利益率)8.5%、連結ROIC(投下資本利益率)5.4%、連結EBITDA(※)2,645億円を計画として掲げ、連結ROE8.9%、連結ROIC7.0%、連結EBITDA(※)3,281億円の実績となりました。

また、当社グループは、2024年3月に策定した中期経営計画2026「Connecting Ambitious Dreams」における2026年度計画として、ROIC(投下資本利益率)5%程度、ROE(自己資本利益率)8%程度を収益性、成長性の経営指標として掲げております。

上記の経営指標の推移を踏まえながら、当社グループは引き続き収益性、成長性の向上に努めます。

(※) 営業利益+減価償却費+のれん償却額+持分法投資損益

 

(注) 1  上記のセグメント別売上高、セグメント損益には、セグメント間の内部取引に係る金額を含んでおります。

2  本報告書では、ガス量はすべて1m3当たり45MJ(メガジュール)で表示しております。

 

(2) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

①  キャッシュ・フロー

当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前期に比べて2,790億円収入増3,126億円の収入となりました。これは、税金等調整前当期純利益の増加による収入が前期に比べて1,123億円増加したこと、棚卸資産の減少による収入が前期に比べて850億円増加したこと、売上債権の減少による収入が前期に比べて608億円増加したなどによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べて120億円支出増2,159億円の支出となりました。これは、無形固定資産の取得による支出が前期に比べて93億円減少した一方で、投資有価証券の売却による収入が前期に比べて177億円減少したこと、関係会社株式の取得による支出が前期に比べて59億円増加したことなどによるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べて2,297億円支出増の1,101億円の支出となりました。これは、コマーシャル・ペーパーの純減による支払が前期に比べて1,140億円増加したこと、長期借入による収入が前期に比べて531億円減少したこと、社債の発行による収入が前期に比べて350億円減少したことなどによるものであります。

以上の活動の結果、当期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末に比べて75億円減の772億円となりました。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、社債、借入金及び自己資金を財源としながら、ガス事業の基盤である本支供給管等の品質向上投資や、国内エネルギー、海外エネルギー、ライフ&ビジネス ソリューション事業への成長投資を行っていきます。

 

②  資産・負債及び純資産

当期末の総資産は2兆9,801億円となり、前期末に比べて1,605億円増加しました。これは、投資の進捗等に伴い、投資有価証券及び有形固定資産が前期末に比べて、それぞれ978億円611億円増加したことなどによるものであります。

当期末の負債は1兆3,751億円となり、前期末に比べて272億円減少しました。これは、長期借入金が前期末に比べて319億円減少したなど、有利子負債が減少したことなどによるものであります。

当期末の純資産は1兆6,049億円となり、前期末に比べて1,878億円増加しました。これは、株主資本が利益剰余金の増加等により前期末に比べて870億円増加したこと、その他の包括利益累計額が為替換算調整勘定の増加等により前期末に比べて990億円増加したことなどによるものであります。

以上の結果、当期末の自己資本比率は52.9%となり、前期末に比べて3.6ポイント増加しました。

 

 

③  財務戦略

当社グループの財務戦略の基本的な考え方は以下のとおりです。

a 社会インフラを担う事業者として、将来の経営環境変化や有事にも耐えられる健全な財務基盤を維持する

b 事業の成長と投資を通じて、キャッシュ・フローと収益性・効率性を向上させ、持続的な成長と中長期的

 な企業価値向上を実現する

c 対話や価値共創を進め、ステークホルダーの期待にバランス良く応える

 

当社グループは、健全な財務基盤を維持するために高い財務規律を設けるとともに、エネルギー価格、為替、金利等の収支変動抑制のためのデリバティブの活用や、有事に備えたリスク管理を実施しております。そして、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のために、ROICを導入しつつ、高格付を活かした経済的かつ安定的な事業運営・資金調達に取り組むこととしております。また、お客さまやビジネスパートナー、成長投資・株主還元、人的資本等のステークホルダーの期待にバランス良く応えます。

当社グループは、2017年3月に策定した長期経営ビジョン2030「Going Forward Beyond Borders」・2024年3月に策定した中期経営計画2026「Connecting Ambitious Dreams」において経営指標を定めました。財務健全性指標としては、連結自己資本比率(※)45%以上、連結D/E比率(有利子負債/自己資本)(※)0.8以下を中長期的に維持していくことを掲げております。

(※) 利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)の資本性50%を調整

 今後も長期経営ビジョン2030・中期経営計画2026の実現に向け、財務健全性を考慮した上で、成長投資と株主還元により更なる企業価値の向上を図っていきます。

 

(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項  (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

当社グループにおいては、国内エネルギーセグメントにおいて当社及び名張近鉄ガス㈱等が営むガス事業が生産活動の中心となっており、販売活動では、ガス事業に加えて、当社等が営む電力事業の比重も高まりつつあります。また、当該セグメント以外のセグメントが生産・販売する製品やサービスは広範囲かつ多様であり、受注形態をとらないものも多くあります。

このため、以下は、国内エネルギーセグメントにおけるガス事業の生産実績及び販売実績、並びに電力事業の販売実績について記載しております。

(1) 生産実績

(ガス)

当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

製品

生産量(百万m3)

前期比(%)

ガス

6,710

△2.4

 

 

(2) 受注状況

(ガス)

ガス販売については、その性質上受注生産は行いません。

 

(3) 販売実績

(ガス)

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

 

家庭用

1,721

百万m3

(+1.4)

ガス販売量

業務用等

4,925

百万m3

(△4.3)

 

6,646

百万m3

(△2.9)

ガス供給件数

5,048

千件

(+0.9)

 

(注) (  )内数値は前期比(%)であります。

 

(電力)

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

電力販売量

小売

6,858

百万kWh

(+7.3)

卸等

8,450

百万kWh

(△11.0)

15,308

百万kWh

(△3.6)

低圧電気供給件数

1,835

千件

(+7.5)

 

(注) (  )内数値は前期比(%)であります。