売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E03188 Japan GAAP

売上高

790.6億 円

前期

812.9億 円

前期比

97.3%

時価総額

494.6億 円

株価

1,684 (07/12)

発行済株式数

29,372,774

EPS(実績)

-15.93 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

605.7万 円

前期

613.1万 円

前期比

98.8%

平均年齢(勤続年数)

44.0歳(17.0年)

従業員数

624人(連結:1,443人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループは当社、連結子会社3社で構成され、各社が営んでいる主な事業内容と当該事業に係る位置づけは、次のとおりであります。

[国     内     事     業]

 国内事業は、当社および国内子会社1社から構成されており、当社はフランチャイズチェーン方式の加盟店と直営店によるコンビニエンスストア事業を営んでおり、連結子会社であるネットワークサービス株式会社は国内ミニストップ店舗への物流業務を行っております。

[海     外     事     業]

 海外事業は、海外子会社2社から構成されており、連結子会社であるMINISTOP VIETNAM COMPANY LIMITEDは、フランチャイズチェーン方式の加盟店と直営店によるコンビニエンスストア事業を営んでおります。連結子会社であるVINH KHANH CONSULTANCY CORPORATIONは、持株会社としてMINISTOP VIETNAM COMPANY LIMITEDへの出資参画を通じ、ベトナムにおいてコンビニエンスストア事業を展開しております。

 

当社は、当社の親会社であるイオン株式会社及びその子会社等で構成しているイオングループのSM事業区分に属しております。純粋持株会社であるイオン株式会社と当社との事業上の関係は、資金の寄託運用等をしております。なお、当社は独自にコンビニエンスストア事業を営んでおります。

 

事業系統図は次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

24/05/27

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

  ①財政状態及び経営成績の概況

当連結会計年度において、日本国内では5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更となり、行動制限が全面的に解除され社会経済活動の正常化が進みました。雇用・所得環境の改善が進んだことに加えて、7月以降の記録的な猛暑により個人消費が持ち直し景気は緩やかに回復しました。しかしながら、不安定化が進む国際情勢による原材料価格やエネルギー価格の高騰のほか、サプライチェーンの人件費上昇、円安などによる物価上昇が消費行動に影響し景気の先行きは不透明な状況が続いております。また記録的な猛暑をはじめとした気候変動が、消費者の生活に大きな影響を与えており、環境・社会課題への取り組みが不可欠となっております。

このような環境において、当社グループは、“私たちは、「おいしさ」と「便利さ」で、笑顔あふれる社会を実現します。”というミッションのもと、前期に国内およびベトナムに経営資源を集中し構造改革と成長戦略を推進することを選択、連結子会社であった韓国ミニストップ株式会社の全株式を譲渡し、関係会社株式売却益を238億31百万円計上しました。2023-2025年中期経営計画の初年度にあたる2023年度は「個店モデルの競争力向上と戦略的成長の推進」を方針として定め、コンビニエンスストア商品と店内加工ファストフード商品の両方をそれぞれ磨き上げるNewコンボストアモデル確立と新事業としてのデジタル事業・職域事業・ベトナム事業を拡大し第3四半期連結累計期間では5期ぶりの全段階利益黒字化を果たしました。今期はNewコンボストアモデルおよび新事業の成長に向けた投資を推し進めたことにより、来期ミニストップ店舗事業とデジタルを中心とした新事業の融合に向けた基盤を整えました。

国内事業ではミニストップ店舗事業について、Newコンボストアモデル確立を推進しお客さまニーズに応じた「おいしさ」と「便利さ」を提供するためにコンビニエンスストア商品と店内加工ファストフード商品の磨き直しをそれぞれ推し進め、既存店日販および売上総利益率が伸長しました。Newコンボストアモデルの成功カセットを水平展開しお客さま第一のマインドセットを醸成する「心装」を柱とした既存店活性化を169店舗で実行し、加盟店経営者を中心に「地域の店舗」としての役割を再確認しながら、従業員とともにお客さまをお迎えする姿勢を一新する具体的な手順の確立と成功事例の水平展開を推し進めました。また、期首に完了した不採算店舗の計画的閉店により経営効率の改善が進んだほか、ミニストップパートナーシップ契約店舗を拡大しました。経営指導体制/本部改革を着実に進め、効率的かつ効果的な経営指導への転換について直営店で成果創出の仕組みと運用手順を確立し全店へと波及させています。

新事業では、デリバリーサービスについてお客さまニーズに合わせた品揃えの拡大および受付時間の延長と店舗での欠品を防止する受注オペレーションの整備を進めたほか、Eコマースについて販売チャネルの拡充およびオリジナルサイトの刷新を進めたことにより売上が伸長しました。職域事業ではオフィスなどの施設内に設置する無人コンビニ「MINISTOP POCKET(ミニストップ・ポケット)」の拠点数を期首計画通り拡大するとともに、拠点当たりの売上高が伸長したことにより、引き続き安定した事業利益を創出しています。新事業について成長のベースが整ったことに加え、ミニストップアプリのダウンロード数は150万件を超え顧客基盤の拡充が進んでいます。ミニストップアプリをインターフェースに、OMO活用(Online Merges with Offline、オンラインとオフラインの融合)へ向けたNewコンボストアモデルの新たなフェーズへの移行を進めています。

これらの構造改革と成長戦略を推進したことにより、当連結会計年度における国内事業の営業損失は6億35百万円縮小し1億96百万円となり、前年度の営業利益改善額を3億39百万円上回る結果となりました。

海外事業ではベトナム事業について、直営多店舗化事業として成長させるための先行投資を進め、新たなドミナント確立に向けた出店拡大と新フォーマットの既存店改装を推進したほか、事業を支える後方支援体制を整備しました。また、経済環境の変化に対応し業態を超えた価格競争で優位性を確保するための価格政策と価値ある商品開発を、お客さまの購買行動に基づきカテゴリーの役割を再設計するMDプロセスの習熟とともに推し進めました。これらにより当連結会計年度における海外事業の営業総収入は12億16百万円の増収となり、営業損失は4億13百万円となりました。また、国内および海外事業で着実な成長を実現するための中長期的なマネジメントシステム改革を推進しました。組織・風土改革とともに、構造改革と成長戦略に基づく政策を着実に実行し成果につなげるための人財戦略の立案と実行を推し進めました。

 

これらの結果、当連結会計年度における連結業績は、営業総収入790億56百万円(前期比97.3%)、営業損失6億9百万円(前期実績 営業損失10億36百万円)、経常利益10百万円(前期実績 経常損失1億42百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失4億68百万円(前期実績 親会社株主に帰属する当期純利益128億34百万円)となりました。

 

各セグメント別の業績は以下のとおりです。

[国内事業]

期首の計画的閉店によりチェーン全店売上高は前年同期比98.6%となりました。コンビニエンスストア商品と店内加工ファストフード商品の両方を磨き上げ個店競争力を高めるNewコンボストアモデル確立を推進しミニストップ店舗の既存店1店1日あたりの売上高の前年比は100.9%、既存店平均客数は同99.1%、既存店平均客単価は同101.8%となりました。コンビニエンスストア商品の既存店日販は同98.7%、店内加工ファストフード商品の既存店日販は同114.9%となりました。売上総利益率は、お客さまの購買行動に基づきカテゴリーごとの役割を再設計するMDプロセスの改革が進んだことに加え、店内加工ファストフード商品について店舗での稼働計画と作業割当を改善するためのワークスケジュール活用が進み高付加価値商品をお客さまにご満足いただける品揃えでご提供したことにより販売構成比を拡大し30.5%と前年同期比+0.9%改善しました。

Newコンボストアモデル確立に向けて、コンビニエンスストア商品と店内加工ファストフード商品を総合しカテゴリーごとの役割を再設計するMDプロセスの改革を進めました。変化するお客さまニーズに応じた品揃えや売場づくり、価値ある商品開発と価値訴求および販売促進企画を推し進め、便利さの基軸となるコンビニエンスストア商品と当社の強みでありおいしさを追求する店内加工ファストフード商品両面の磨き直しを進めました。

お客さまに「便利さ」という価値を提供するコンビニエンスストア商品では、生活防衛意識の高まりやタイムパフォーマンス志向にお応えする品揃えの拡充と価格設計、売場づくりや販売促進企画を推し進めました。トップバリュ商品をはじめとしたイオングループ限定商品を活用し調理時間を短縮し簡単に食事の組み合わせができる中食のパウチ総菜を品揃え拡充したほか、ソフトドリンクやラーメン、RTD・洋酒では価格訴求型のトップバリュベストプライスを品揃えし好調な売上となりました。また即食の常温飯類について、本体価格370円で価値ある商品を継続的に発売し売場で集中展開したことにより売上を伸ばしました。買い合わせを訴求する売場づくりでは、ジャンブル陳列什器を1,641店舗に導入し菓子やスナックのほか、お客さまが気軽に購入できる軽食サイズの菓子パンをボリュームある陳列で訴求したことにより売上を押し上げました。販売促進企画では、人気商品を価格はそのまま増量しボリュームを価値としてお届けする増量企画を断続的に実施したことにより調理パンの売上が伸長したほか、まとめ買いがお得になる「買うほどおトク」企画を継続的に展開したことにより菓子パン・食卓パンの販売は好調に推移しました。

お客さまにおいしさをお届けする店内加工ファストフード商品では、改めて当社のユニークな強みとしてブランディングを推進し、できたてのおいしさと価値訴求、お客さまにご満足いただける品揃えを実現するためのオペレーション基盤を磨き上げました。

店内加工でできたてのおいしさをお届けするコールドスイーツでは、高付加価値の商品開発に加え、ソフトクリームを中心にブランディングと価値訴求を推し進めました。おいしさを追求し北海道産の乳原料にこだわったソフトクリームは7月に多くのお客さまのご支援のもとSNSを活用した写真投稿数で総数2万件を超える世界記録を達成したことにより、強固なブランド認知を獲得しました。また11月にはカカオの生産者を支援するサステナビリティ・プログラムに則った原料を使用した「香るベトナムカカオチョコソフト」を発売し当社のソフトクリームで社会課題を解決していくという新たな価値を付加しました。

高付加価値の商品開発では、3月に「岡山白桃ソフト」、6月に「ナガノパープルソフト」といった希少な食材を贅沢に使用したプレミアム志向の新商品を断続的に発売したほか、記録的な残暑に機動的に対応し打ち出した10月の「白いハロハロ」が好評を博しコールドスイーツの売上は好調に推移しました。

今後、ソフトクリームを中心に、「環境にやさしい」「からだにやさしい」「地域とのつながり」「社会貢献」といった新たな価値軸を付加した商品開発と価値訴求を推し進め、当社のミッションを体現する象徴的な商品としてブランディングを推し進めてまいります。

できたての惣菜と店内で炊き上げたご飯を組み合わせた手づくり弁当では、5月に人気の定番商品をリニューアルした「薄衣から揚げ」を贅沢に使用した「から揚げ弁当」や食べ応えある竜田揚げを使用した「ボリュームタルタル鶏竜田弁当」をはじめ、できたてのおいしさとボリュームをはじめ、インストアでしか実現できない商品価値を磨き上げました。

 

また、炊き立てのご飯と旬の具材を組み合わせた手づくりおにぎりでは、人気の定番商品で北海道産原材料にこだわった「北海道産焼しゃけ」や、TV企画でボリュームある具材が取り上げられ好評を博した「紀州南高梅」、地域のロングセラー商品を全エリアに展開した「かしわめし」をはじめ、高付加価値の商品でおいしさをお届けしました。9月にはコンビニエンスストア商品を含めたカテゴリーの再設計に基づきおにぎりをリニューアルしパッケージや店頭販促を含めた価値訴求も刷新しました。またコンビニエンスストア商品のおにぎりはお客さまの定着を図るための計画的・継続的なプロモーションのほか、12月から定番商品を生活応援商品として訴求しお客さまのご支持が拡大したことによりおにぎりカテゴリー全体で売上を押し上げました。手づくりおにぎりや手づくり弁当は、商品設計および加工手順を見直し製造作業を効率的に行える改良を進めたほか、店舗で習熟が進むワークスケジュールを活用し最適な製造量を計画的に製造するオペレーション基盤を整え、お客さまにご満足いただける品揃えで高付加価値の商品をお届けしました。

Newコンボストアモデルの確立に向け、先行モデル店舗(以下、ラボ店舗)で成果を実証した売場づくりや取り組みの蓄積である成功カセットの水平展開を推し進めるとともに、お客さま第一のマインドセットを醸成し完全作業を実現する心装を柱とした既存店活性化を2024年2月末時点で169店舗にて実行しました。前期に創出した53の成功カセットに加え、今期23の新たな成功カセットをラボ店舗で確立し合計76カセットとなりました。既存店活性化店舗を中心に成功カセットの導入を進めたほか順次全店での水平展開を進め、ラーメンや菓子・スナック、ホビーなどの雑貨をはじめ、成果を実証した高い確度で全店の売上を押し上げました。引き続き、ラボ店舗での成功カセット創出および全店への水平展開を加速してまいります。

また、心装を柱として推進した既存店活性化は、ハード面での改装をきっかけに、加盟店経営者を中心に従業員を含め「地域の店舗」としての役割を再確認しました。目指すお店づくりに向けた加盟店の決意を醸成する活動とともに、ワークスケジュールの活用を中心に教育や売上計画の立案・実行を通じて個店競争力を高めるプロセスを確立し手順として波及させております。

売場を拡大した冷凍食品では即食との買い合わせを促す売場づくりを進め前年比20%以上売上が伸長したほか、店内手づくり米飯はコンビニエンスストア商品の米飯と隣接させた売場づくりで購買を促したことにより売上は前年比30%以上伸長しました。合わせて、店内加工ファストフード商品について、商品の魅力をよりお伝えできるデジタルコルトンを導入するとともに、お客さまが気軽にご注文いただけるようセルフレジからのオーダーとお呼び出しシステムを整備したほか、2023年8月よりモバイルオーダーでのご注文受付を開始するなど、提供方法のデジタル化を推し進めました。これらにより店内加工のポテトやコールドスイーツの売上は前年比20%以上伸長しました。ハード面の改装は、店舗の状況に応じて投資対効果を最適化した組み合わせが明確となりました。今後はより機動的かつ効果的な既存店活性化を推進してまいります。

心装は、前期から進めているオペレーション改革による店舗作業の効率化と時間帯別の作業割当の再設計を進めたワークスケジュールの活用を中心に、全店で推し進めております。直営店から取り組みを開始し完全作業へ近づくことで店頭実現度の向上と成果の創出が進んでおります。また、心装が進んだ加盟店においても、完全作業による店頭実現度の向上に加え売上目標の達成に向けた動機づけから計画の実行が進んだほか、従業員教育が効率的に進められるなど成果が広がっております。引き続き、全店での稼働計画・作業割当・完全作業の習熟と徹底、作業システム改革を推進しています。

加盟店との新たな関係を築き、共に成長を目指すミニストップパートナーシップ契約店舗は2024年2月末時点で669店舗に拡大しました。パートナーシップ契約および複数店舗経営者の構成比拡大に伴い加盟店と本部が共に成長するために、稼働計画の設計や売上を向上し利益を創出するための発注指導、経費コントロールを含めた効率的な経営手法の確立に加え、従来の経営指導では未着手であった人財採用や教育といった領域に踏み込む経営指導体制/本部改革を推し進めました。店舗の経営課題を網羅的に捉え問題解決のプロセスに従って体系的に改善策を立案し実行する店舗カルテの活用が進んだほか、発注や稼働計画の側面から経営指導の転換が進んだことにより、パートナーシップ契約店舗の当連結会計年度における1店1日当たり売上高の前年比は全店実績を上回りました。また経費コントロールでは、全店の電気使用量について、省エネ機器の導入のほか節電マニュアルの完全作業が直営店から加盟店へと波及したことにより、当連結会計年度における電気使用量も前年を下回り水道光熱費の低減が進みました。加えて、お客さまにご満足いただける品揃えを実現するためのベースとなる発注手順を明確に定め、経営効率を改善するプロセスを確立し直営店から全店への波及に向け教育体系整備を含む準備を進めております。効率的・効果的な経営指導の実現に向け、売場づくりや販売促進企画の店頭実現度を引き上げるとともに加盟店と本部および本部をハブとした加盟店間のコミュニケーションを促進するために、全店へマネジメントタブレットを導入しダイレクトコミュニケーションの基盤を整備しました。引き続き、加盟店と本部の強固なパートナーシップを構築しお客さまに選ばれるお店づくりを進めるとともに繁栄する事業の共同体として加盟店と一丸となって取り組んでまいります。

 

 

店舗開発は、10店舗を出店、期首の計画的閉店を含む61店舗を閉店し当連結会計年度末店舗数は1,856店舗となりました。来期の出店に向けた開発体制の整備およびエリア戦略に基づく取り組みを推進するとともに、Newコンボストアモデルの新たなフェーズを実現するフォーマットの構築を進めております。

新事業では、デジタル事業として位置づけるデリバリーサービス・Eコマースおよび職域事業について成長戦略の下、事業基盤を整え成長させるための先行投資を推し進めました。デリバリーサービスでは、連携する事業者を拡大し2024年2月末時点で1,177店舗にて展開するとともに、日用品を中心に品揃えを800SKUまで拡大しました。また、デリバリーサービスのターゲットユーザーに集中し投資対効果の高い販売促進策を推し進めたほか、8割の店舗で受付時間を21時以降まで延長し、店舗で習熟が進むワークスケジュールの活用による完全作業をベースとした品切れ防止が進んだことにより売上高は前年同期比2.6倍に成長しました。

Eコマースは、デジタルサービスのプラットフォームとしての成長に向け、販売チャネルを拡充しお客さまの利便性を向上させるため、複数の大手ECモールへの出店を進めたほか、10月にオリジナルサイトを全面刷新し「MINISTOP Online(ミニストップ オンライン)」としてリニューアルしました。また季節のギフトやオリジナル冷凍食品に加え専門店商品の品揃えの拡充を進めるとともに11月にはリアル店舗と初の同時開催をした「ブラックフライデー」などの催事企画を展開したほか、効率的な物流インフラの整備を進めており、売上高は前年同期比8.1倍に成長しました。

リアル店舗とデジタルサービスをつなぐインターフェースとして進化させているミニストップアプリは、2024年2月末時点でダウンロード数が150万件を超え、会員売上高は前年同期比1.8倍に成長しました。ペイメントサービスの拡充をはじめ、モバイルオーダー機能の追加およびデリバリーサービスやEコマースサイトとの連動を進め、お客さまの利便性の向上とOMOの実現に向けた機能拡充が進んでおります。引き続き、機能拡張や店頭での訴求により登録会員数を拡大しリアル店舗とデジタルサービスで共通の顧客基盤を整備することで事業の相乗効果を生み出してまいります。

職域事業では、オフィスなどの施設内に設置する無人コンビニ「MINISTOP POCKET(ミニストップ・ポケット)」の拠点数が関連サービス拠点を含め2024年2月末時点で1.380拠点と期首計画通り拡大しました。また、職域マーケットのニーズに応じた品揃えを拡充したほか、品切れを防止し効率的な補充を行うための在庫管理システム稼働により1拠点当たりの売上高は20%以上成長しました。加えて、オフィスに多数の拠点があることを活かした動画広告の配信サービスや商品供給サービスを展開し新たな収入源を拡大しました。これらにより職域事業は安定した事業利益を継続して創出しております。

これら新事業について、成長投資を推進しインフラの構築を含めた事業基盤が整い売上規模が拡大したことにより、OMO活用に向けたパーツとして成長し事業化が進みました。今後、新事業はNewコンボストアモデル確立に向けて磨き上げを進めた店舗事業と融合しミニストップアプリをインターフェースとした新たな買い物体験をお客さまにご提供するための機能化フェーズへと移行してまいります。

構造改革と成長戦略を着実に遂行し成果を創出することを目的に中長期的なマネジメントシステム改革を推進しております。意思決定プロセスの改善と職務要件の再定義を進めるとともに、中期経営計画の各政策を行動設計に落とし込み、着実な実行によって計画数値を達成するマネジメント力を備えるための人財戦略を組織・風土改革と合わせ推進しました。中長期の政策として、引き続き教育体系の拡充や生産性向上に向けた人事制度の運用を進めてまいります。

ネットワークサービス株式会社は、国内店舗向けの共同配送事業を展開しており、定温センター13ヶ所、常温セ ンター6ヶ所、冷凍センター10ヶ所を運営しています。配送ルート数および1ルートあたりの走行距離の削減に加 えて、冷凍商品の納品形態を変更し配送を効率化したことにより、コスト削減とともにCO2排出量削減といった環境負荷の低減に取り組んでおります。また物流の「2024年問題」への対応について、店舗での納品方法変更をはじめとしたオペレーション効率化の取り組みを拡大しており、納品時間の見直しや配送員の働き方を含めた物流改革に取り組んでおります。

以上の結果、当連結会計年度における国内事業の営業総収入は707億56百万円(前期比95.4%)、営業損失は1億96百万円(前期実績 営業損失8億31百万円)となりました。

 

 

 

[海外事業]

当連結会計年度において、ベトナムでは2023年1月より付加価値税の減免措置が終了しお客さまの生活防衛意識が高まり消費行動が影響を受けたほか、外需の低迷などにより製造業を中心に実質GDP成長率が政府目標を下回るなど、景気の先行きに不透明感がありました。2023年7月以降、付加価値税の減免措置が再適用となり消費を下支えしたほかGDPの45.2%を占めるサービス業を中心に好況を保つなど、前向きな経済環境となっております。

このような環境の中、直営多店舗化事業を展開するベトナム事業の成長を進めるため、新たなドミナントの確立に向けた出店拡大と新フォーマット店舗の既存店改装を推進するとともに事業を支える後方支援体制を整備しシステム・設備と人財の先行投資を推し進めたことにより、前年同期より営業総収入は12億16百万円の増収となり、営業損失は4億13百万円となりました。

ベトナムのMINISTOP VIETNAM COMPANY LIMITEDは、生鮮食品の品揃え拡充を中心としたワンストップ型の新フォーマットをホーチミン市郊外で新たなドミナント出店を推し進めるとともに既存店改装店舗を拡大しました。また消費動向の変化に対応し新たに出店を進めたエリアを含め競合する小型スーパーなどに対して価格優位性を確保するための価格政策と高付加価値の商品開発を推進しチェーン全店売上高は前年同期比118.0%となりました。新フォーマット店舗を含む新規出店を32店舗、既存店改装を9店舗にて実施し当連結会計年度末店舗数は164店舗となりました。

カテゴリーマネジメントのプロセスを国内事業から取り入れ、小型スーパーへの対抗策としてデイリー商品や乳製品を中心に7月より147SKU、12月よりさらに226SKUの価格改定を実施しました。また12月にはSNSを大々的に活用した集客プロモーションを実施するなど客数伸長に向けた施策を推し進めております。加えて販売促進企画では弁当や麺類の増量企画を断続的に実施したほか、ドリンク1個購入でもう1個無料となるキャンペーンを実施し好評を博しました。引き続き、来店頻度を高めるための商品構成を実現する取り組みを推進してまいります。

高付加価値の商品開発では、カウンターフーズのスナックのほか、淹れたてコーヒーや店内で氷を入れて提供する果肉入りドリンクの品揃えを拡充し売上を押し上げました。加えて、専用のドリンクカウンター設置を新店中心に推し進めており、お客さまの来店動機創出につながっております。引き続き高付加価値の商品開発および価値訴求を進めてまいります。

新フォーマット店舗を中心に品揃えを拡充している生鮮食品について、鮮度向上の取り組みを配送体制から店舗オペレーションに至るまで包括的に推進しているほか、生活圏内から来店されるお客さまがお買い求めやすい個包装での品揃えを進めております。

直営多店舗化事業を支える後方支援体制の整備では、ワークスケジュールの全店導入と作業手順書による完全作業の実現に向けた準備が整ったほか、店舗サポートデスクの本格稼働および1人の店舗責任者が複数店舗を管理するスーパーインテンデント制の拡大に向け店舗オペレーションの効率化と店舗責任者の育成を進めております。

以上の結果、当連結会計年度における海外事業の営業総収入は82億99百万円(前期比117.2%)、営業損失は4億13百万円(前期実績 営業損失2億4百万円)となりました。

 

 

[財政状態]

(流動資産)

流動資産は、前連結会計年度末と比べて16億64百万円減少510億30百万円となりました。これは主にイオン株式会社への寄託運用が減少したことにより関係会社預け金が100億円減少し、有価証券が30億円、現金及び預金が23億56百万円、未収入金が20億2百万円、商品が5億46百万円増加したことによります。

(固定資産)

固定資産は、前連結会計年度末と比べて3億46百万円増加268億70百万円となりました。これは主に差入保証金が11億58百万円減少し、投資有価証券が8億28百万円増加したことによります。

(流動負債)

流動負債は、前連結会計年度末と比べて10億66百万円減少310億5百万円となりました。これは主にリース債務が6億20百万円、未払法人税等が5億26百万円、店舗閉鎖損失引当金が4億63百万円減少し、預り金が6億21百万円増加したことによります。

(固定負債)

固定負債は、前連結会計年度末と比べて3億21百万円減少62億14百万円となりました。これは主にリース債務が1億52百万円、長期預り保証金が1億18百万円、退職給付に係る負債が97百万円減少し、繰延税金負債が44百万円増加したことによります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末と比べて70百万円増加406億81百万円となりました。これは主に非支配株主持分を10億43百万円親会社株主に帰属する当期純損失を4億68百万円計上し、配当金の支払として5億80百万円があったことによります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は79億56百万円減少し、224億16百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末と比べて26億53百万円支出が減少し、5億85百万円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純損失4億54百万円の計上に加え、増加要因として減価償却費34億67百万円、また減少要因として未収入金の増加で19億25百万円、棚卸資産の増加で5億44百万円等があったことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末と比べて128億76百万円収入が減少し77億80百万円の支出となりました。これは主に増加要因として差入保証金の返還による収入12億29百万円、また減少要因として有価証券の取得による支出が38億12百万円、有形固定資産の取得による支出28億68百万円、無形固定資産の取得による支出17億18百万円によります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末と比べて7億78百万円支出が減少し7億95百万円の支出となりました。これは主に増加要因として非支配株主からの払込による収入11億60百万円と、また減少要因としてリース債務の返済による支出7億73百万円、配当金の支払額5億80百万円、短期借入金の返済額3億46百万円によります。

 

 

当連結会計年度末の加盟店を含む地域別店舗数は次のとおりであります。

 

地域

店舗数

前年同期末比較増減

青森県

25

(

)店

△1

(

△1

)

岩手県

10

(

2

)

(

)

宮城県

103

(

7

)

△2

(

1

)

福島県

74

(

12

)

(

1

)

茨城県

95

(

11

)

△4

(

△2

)

栃木県

27

(

2

)

(

2

)

群馬県

44

(

4

)

(

)

埼玉県

126

(

14

)

△4

(

4

)

千葉県

162

(

16

)

△5

(

△3

)

東京都

251

(

27

)

△3

(

)

神奈川県

111

(

14

)

△6

(

△3

)

福井県

7

(

)

(

)

岐阜県

81

(

9

)

△2

(

5

)

静岡県

119

(

15

)

△5

(

△5

)

愛知県

187

(

25

)

△9

(

△3

)

三重県

80

(

4

)

△3

(

△3

)

滋賀県

5

(

)

(

)

京都府

34

(

)

(

)

大阪府

80

(

2

)

△1

(

1

)

兵庫県

41

(

1

)

(

△1

)

奈良県

10

(

1

)

(

1

)

徳島県

18

(

3

)

(

1

)

香川県

29

(

10

)

△3

(

△1

)

愛媛県

7

(

2

)

(

)

福岡県

114

(

3

)

△3

(

△5

)

佐賀県

12

(

2

)

(

1

)

大分県

4

(

1

)

(

△1

)

小計

1,856

(

187

)

△51

(

△11

)

(ベトナム)

MINISTOP VIETNAM COMPANY LIMITED

173

(

160

)

36

(

36

)

          合計

2,029

(

347

)

△15

(

25

)

 

(注)1 店舗数欄の(内書)は直営店(運営委託店を含む)の店舗数であります。

    2 上記店舗数には、cisca19店舗、MINISOF5店舗を含んでおります。

  3 MINISTOP VIETNAM COMPANY LIMITEDの店舗数は2024年2月29日現在の店舗数です。

 

当連結会計年度における事業別の売上状況は、次のとおりであります。

 

事業別

加盟店売上高(百万円)

直営店売上高(百万円)

計(百万円)

構成比(%)

(国内事業)

 

 

 

 

ミニストップ株式会社

260,575

22,459

283,034

97.18

小計

260,575

22,459

283,034

97.18

(海外事業)

 

 

 

 

MINISTOP VIETNAM COMPANY LIMITED

698

7,528

8,227

2.82

小計

698

7,528

8,227

2.82

合計

261,274

29,987

291,261

100.0

 

(注) MINISTOP VIETNAM COMPANY LIMITEDの加盟店売上高及び直営店売上高は2023年1月1日から2023年12月31日のものになります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

   経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

    なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

  ① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社経営陣は決算日における資産・負債の金額、並びに報告期間における収益・費用の金額のうち、見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績・現在の状況を勘案して可能な限り正確な見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これら見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5  経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

  ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

ア.経営成績の分析

a.(営業総収入及び営業損益)

当社グループの営業総収入は前連結会計年度に比べ22億30百万円減少し、790億56百万円(前期実績 営業総収入812億86百万円)となりました。国内事業では、加盟店からの収入が11億44百万円増加し、269億59百万円(前期実績 加盟店からの収入258億14百万円)、直営店売上高が45億9百万円減少し、224億59百万円(前期実績 直営店売上高269億68百万円)となりました。海外事業では、加盟店からの収入が21百万円減少し、43百万円(前期実績 加盟店からの収入65百万円)、直営店売上高が11億70百万円増加し、75億28百万円(前期実績 直営店売上高63億57百万円)、商品供給高が57百万円増加し、5億24百万円(前期実績 商品供給高4億67百万円)となりました。

営業損益は、前連結会計年度に比べ4億26百万円改善し、営業損失6億9百万円(前期実績 営業損失10億36百万円)となりました。

b.(営業外損益及び経常損益)

営業外収益は、受取利息4億30百万円、為替差益65百万円、過年度消費税等65百万円、違約金収入48百万円などの計上により6億43百万円となりました。営業外費用は支払利息12百万円などの計上により22百万円となりました。その結果、経常利益は10百万円(前期実績 経常損失1億42百万円)となりました。

 

c.(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

特別利益は、店舗閉鎖損失引当金戻入額70百万円などの計上により93百万円となりました。特別損失は、減損損失5億43百万円などの計上により5億58百万円となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は4億68百万円(前期実績 親会社株主に帰属する当期純利益128億34百万円)となりました。

 

イ.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの主な資金需要は、運転資金および新規出店・既存店改装等の設備投資資金および自社利用のソフトウェア開発資金となります。これらの資金需要に対応するための財源は、主として営業活動により得られた資金を充当しております。

 

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の概況」に記載のとおりであります。