第一中央汽船株式会社

上場廃止 (2015/10/30) 民事再生手続き 海運業海運東証1部

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最終更新:

E04238 Japan GAAP

売上高

1,522.7億 円

前期

1,651.6億 円

前期比

92.2%


 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、子会社29社及び関連会社5社からなり、当社グループのセグメントは、海外の不定期航路にて事業展開をおこなっている外航海運業、本邦での海上輸送をおこなっている内航海運業のほかに、船舶管理業等の海運附帯事業、船用品等商品販売業、不動産賃貸業、システム機器保守等受託業に区分され、国内外において事業展開をおこなっております。

当該事業における当社並びに主要な子会社及び関連会社の位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。 

 

事業区分

事業の概要

主要な子会社及び関連会社

外航海運業

 荷主等取引先のニーズに広汎に応えうる各種専用船、LPG船、一般撒積船等の船隊整備を行っており、その中核となる船腹は当社社船並びに国内外関係会社及び他社よりの用船をもって構成し、安定船腹の確保を図り、世界的規模での事業展開を行っております。

第一中央近海㈱
Mars Shipping Co., S.A.
Laurel Maritime Co., Ltd.
Star Bulk Carrier Co., S.A.
ほか子会社18社
  関連会社4社

内航海運業

 当社並びに国内関係会社により、セメント等の各種専用船並びに一般貨物船の船隊整備を行い、国内需要家向けに、事業展開を図っております。

第一中央内航㈱
第一中央興産㈱
和光海運㈱

 

その他

 船舶管理業務等の海運附帯事業につきましては、主に当社グループの中心である海上輸送を支えるものとして、船舶運航支援等をグループの事業として行っております。
 また、船用品等商品販売業、不動産賃貸業、システム機器保守等受託業につきましては、グループの経営基盤の強化及び事業多角化の一環として、関係会社を通じて営んでおります。

第一中央マリン㈱
第一中央内航㈱
第一中央興産㈱
第一中央システムズ㈱
ほか子会社2社
  関連会社1社
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事業系統図は、次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

15/06/26

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の世界経済を概観いたしますと、米国経済は個人消費の伸びや雇用情勢の改善等を背景に回復基調が継続し、年度前半足踏みしていた欧州経済も年度後半には個人消費の増加、ロシア・ウクライナ問題の悪化一服等により持ち直しの兆しを見せました。また、これまで世界経済を牽引してきた中国経済をはじめとする新興国経済の成長は軒並み鈍化しております。わが国経済は、政府の経済政策や日銀の金融政策の効果により企業収益が改善し雇用・所得が改善傾向にあるなか、消費は緩慢に推移しましたが、全体として景気は回復傾向でありました。
 海運業界におきましては、円安の進行に加え、原油価格の下落を受けて漸く秋頃より燃料油価格が低下したものの、外航不定期船市況は依然として船腹過剰による需給不均衡が解消されず、若干の上下はありましたが年度をとおして極めて低位に推移し、特に平成27年1月からは史上稀に見る水準まで落ち込み非常に厳しい状況が続きました。一方、内航海運市況は、石炭輸送量が比較的高い水準となり、全体として堅調に推移しました。
 このような状況のもと、当社グループは、平成26年3月に発表した新中期経営計画に基づき、第三者割当による85億円の種類株式の発行によるさらなる資本増強に加え、子会社株式の譲渡・資産の売却・用船契約の解約等を実行し、船隊規模の適正化による市況リスクの低減を図るとともに、減速運航による燃料費の削減や一般管理費の削減を徹底するなど、コストを最小限に抑えるべく努めてまいりました。しかしながら、想定を大きく下回る市況の低迷を受け、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は1,522億67百万円(前連結会計年度比128億88百万円、7.8%減)、営業損失は131億90百万円(前連結会計年度は66億81百万円の営業損失)、経常損失は139億66百万円(前連結会計年度は85億84百万円の経常損失)となりました。また、平成22年6月21日に提起された「オーシャン・ビクトリー」号の座礁事故に係る訴訟につきましては、平成25年7月30日に英国高等法院によって言い渡された第一審判決で、当社は、船主に対する損害賠償費用及びこれに対する金利並びに訴訟費用の支払いを命じられましたが、平成27年1月22日、英国控訴院は当社の控訴を認容し第一審判決を取り消す第二審判決を言い渡しました。これにより第一審判決に基づき計上した訴訟損失引当金57億63百万円の戻入を特別利益として計上し、また、船隊規模縮小を進めた結果、固定資産売却益70億6百万円を特別利益として計上いたしました。一方、保有船舶の減損損失27億5百万円を特別損失として計上したことで、当期純損失は33億7百万円(前連結会計年度は154億29百万円の当期純損失)となりました。
 

また、セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

<外航海運業> 

外航海運業につきましては、売上高1,357億65百万円と前連結会計年度比135億2百万円、9.0%減少し、営業損失は142億38百万円(前連結会計年度は76億11百万円の営業損失)となりました。

 

 専用船部門 

専用船部門におきましては、国内外製鉄会社向けの鉄鉱石、石炭をケープ型(約10万重量トン超)にて輸送することを主な事業としております。
 平成26年暦年の世界粗鋼生産量は、前年比約30百万トン増の約16億37百万トンとなり、そのうちわが国は前年とほぼ変わらず約1億11百万トン、生産量世界一の中国は前年比約44百万トン増の約8億23百万トンとなりました。また、世界における鉄鉱石の輸送量も増加し、平成26年暦年の同輸送量は前年比約1億39百万トン増の約13億28百万トンとなりました。

  このようにケープ型の市況に大きな影響を与える世界の粗鋼生産量、鉄鉱石輸送量は堅調な伸びを示したにも関わらず、同船型の用船市況は年度当初は日建て1万7千ドル程度で始まったものの、その後は1万ドルを切るレベルに下落、秋に一時的に上昇する局面もありましたが、平成27年3月には3千ドルを切るという歴史的なレベルまで軟化し、平成26年度通年の平均では1万1千ドル程度と非常に低調なレベルで推移いたしました。

市況が下落した原因としては、中国の環境規制の強化による一般炭輸入量の減少、各主要港における滞船の解消、さらにはブラジル大手シッパーの超大型鉱石船の竣工等により依然として船腹過剰感が残ったことが考えられます。

 

このような状況下、国内外の顧客からの中長期契約の獲得による収益の安定化に努め、用船市況の高い水域・航路への配船や、インドや東南アジア向け貨物との組み合わせによる効率配船、減速運航の強化により採算の改善に努めましたが、市況の下落をカバーすることができず、前期に引き続き損失を計上いたしました。

 

 油送船部門 

油送船部門におきましては、タンク容量78,500立方メートルの大型LPGタンカーを長期貸船契約に投入しておりましたが、本貸船契約に付された購入選択権を平成27年1月28日に貸船先が行使したことにより本船を譲渡し、特別利益として17億89百万円を計上いたしました。
 これにより、当社は外航LPGタンカー事業から撤退いたしました。今後は、ドライバルクの専業船社として培ってきた貨物輸送のノウハウと質の高い運航管理体制を活かして、荷主のニーズに応えてまいります。

 

 不定期船部門 

中型不定期船部門(約5万重量トンから約10万重量トンまで)におきましては、石炭専用船とパナマックス型(約8万重量トン)を中心とした国内電力会社向けの一般炭輸送、また、パナマックス型及びハンディマックス型(約5万重量トン)による国内製鉄会社及び一般産業向け鉄鉱石、石炭輸送並びにインド、中国、豪州向けの石炭、鉄鉱石、非鉄鉱石の三国間輸送を中心に営業を展開しました。中国景気の成長鈍化を受けて、中国向けを主として荷動きが減少、またインドネシアの鉱物資源の禁輸による影響も相俟って、市況は年度をとおして低迷しました。このような状況下、コストの低減と効率配船に努めましたが、引き続き損失を計上するに至りました。

小型不定期船分野(約4万重量トンまで)におきましては、各水域における適正船腹の配分、アジア・米州の効率配船強化など採算向上を図る一方、不採算船・老齢船の売却や返船によるコストの圧縮、新鋭船への入れ替えによる競争力の向上、燃料油調達港の厳選、減速運航による燃料費削減により採算の向上に努めましたが、長引く市況低迷により前期比減収となり、損失を計上いたしました。

東南アジア、中国、ロシア地域を中心とする近海不定期船分野(約2万重量トンまで)は、100%出資子会社の第一中央近海株式会社にて、鋼材、セメント、石灰石等の輸出貨物、石炭、合板、原木等の輸入貨物の集荷強化や、三国間輸送を組み入れた効率配船、減速運航による燃料費削減並びに運航費削減に積極的に取り組んだ結果、前期を超える黒字を確保しました。

専用船関係では、セメント専用船は順調に稼働したものの3隻中2隻が定期的な入渠により前期比減益となる一方、石炭灰専用船は当初計画以上の稼働率となり、前期比増益となりました。

 

<内航海運業>

内航海運業につきましては、売上高105億90百万円と前連結会計年度比6億1百万円、5.4%減少となり、営業利益は5億79百万円と前連結会計年度比2百万円、0.5%減少となりました。

内航部門では、各種専用船並びに一般貨物船により、石灰石、セメント、石炭、砕石、穀物、雑貨等を国内需要家向けに輸送しております。専用船につきましては、原子力発電所の稼働停止が継続し石炭火力発電所が高い稼働率を維持したことにより、石炭専用船は順調に稼働しましたが、天候不順及び現場職工の不足等によりセメント需要は停滞したため、セメント専用船の稼働率は低下しました。また、一般貨物船におきましては、前年度に発生した消費税増税前の駆け込み需要の反動に加え、消費税増税に伴う国内民需の停滞により荷動きは低調に推移し、さらに直近価格は下落したものの年平均燃料油価格は高止まりしており、厳しい環境が続きましたが効率的な配船・運航に努めた結果、内航部門全体では前期比増益となりました。

 

<その他>

当社グループでは、主力の海上輸送事業を支えるため、また事業多角化の一環として、船舶管理業、荷敷用木材販売業、不動産賃貸業を営んでおります。

その他事業につきましては、売上高67億36百万円(前連結会計年度比11億30百万円、20.2%増加)、営業利益は4億67百万円(前連結会計年度比1億21百万円、35.1%増加)となり、総じて所期の目標に沿い着実に運営されており、グループ経営基盤の強化と効率の追求に寄与しております。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、209億40百万円となり、前連結会計年度末と比べ4億42百万円増加いたしました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

主に当期純損失を計上したことにより、48億21百万円の支出(前連結会計年度比50億29百万円減少)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

主に船舶の売却により、182億9百万円の収入(前連結会計年度は163億13百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

株式の発行に伴う収入があるものの、借入金の返済による支出により、137億7百万円の支出(前連結会計年度は313億49百万円の収入)となりました。