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E37829
前期
0.0 円
前期比
0%
当社グループは、グループ経営支援等を行う株式会社リージョナルプラスウイングス(提出会社 以下、「当社」という。)及び株式会社AIRDO(以下、「AIRDO」という。)と株式会社ソラシドエア(以下、「ソラシドエア」という。)の完全子会社2社により構成されており、「航空事業」等を営んでおります。
完全子会社である2社の事業内容は以下のとおりです。
(1)AIRDO
AIRDOの主たる業務は、定期航空運送事業であります。
事業区分 |
事業の内容 |
定期航空運送事業 |
定期の航空機による旅客の運送として、以下の11路線毎日31往復を運航しております。 札幌(新千歳)-東京(羽田)線 旭川-東京(羽田)線 女満別-東京(羽田)線 釧路-東京(羽田)線 帯広-東京(羽田)線 函館-東京(羽田)線 札幌(新千歳)-仙台線 札幌(新千歳)-名古屋(中部)線 札幌(新千歳)-神戸線 札幌(新千歳)-福岡線 函館-名古屋(中部)線 |
不定期航空運送事業 |
主に北海道内の就航空港から国内外への不定期の航空機による旅客の運送(チャーター便)を行っております。 |
附帯事業 |
航空運送に附帯関連する事業として、主に機内でオリジナルグッズの販売等を行っております。 |
(2)ソラシドエア
ソラシドエアの主たる業務は、定期航空運送事業であります。
事業区分 |
事業の内容 |
定期航空運送事業 |
定期の航空機による旅客の運送として、以下の14路線毎日40往復を運航しております。 宮崎-東京(羽田)線 熊本-東京(羽田)線 長崎-東京(羽田)線 鹿児島-東京(羽田)線 大分-東京(羽田)線 東京(羽田)-沖縄(那覇)線 鹿児島-沖縄(那覇)線 宮崎-沖縄(那覇)線 神戸-沖縄(那覇)線 名古屋(中部)-沖縄(那覇)線 石垣-沖縄(那覇)線 福岡-沖縄(那覇)線 鹿児島-名古屋(中部)線 宮崎-名古屋(中部)線 |
不定期航空運送事業及び航空機使用事業 |
主に九州・沖縄内の就航空港から国内外への不定期の航空機による旅客の運送(チャーター便)を行っております。 また、旅客又は貨物の運送以外の航空機を使用した請負事業を行っております。 |
附帯事業 |
航空運送に附帯関連する事業として、主に機内でオリジナルグッズの販売等を行っております。 |
なお、その他の関係会社である株式会社日本政策投資銀行とは、重要な営業上の取引はありません。
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営状態等の状況の概要
当連結会計年度における経済環境は、度重なる新型コロナウイルス感染症の影響に加え、ウクライナ情勢に端を発した原油価格の高騰が年度後半にかけて下落傾向を辿ったものの依然高水準で推移し、為替相場がより一層円安に進展するなど国内の物価上昇に大きな影響を与えました。一方で、第3四半期以降、ワクチン接種の進捗や政府の各種施策の効果により行動制限全面解除に伴う経済活動の正常化、全国旅行支援の効果もあいまって、国内線の需要はコロナ禍前の水準近くまで回復してまいりました。
このような中、AIRDO及びソラシドエアは2022年5月30日に締結された「共同持株会社設立に係る契約書」に基づき、10月3日に共同株式移転により当社を設立し、新しいグループ経営体制を始動させました。従前より両事業会社が取り組んでいる固定費の削減や各社独自の需要喚起策に加えて、業務共同化・共通化による協業効果の創出に向けた諸施策を実行することにより、AIRDO及びソラシドエアの毀損した財務基盤を早期に回復・再生させ、お客様への一層の付加価値提供と持続的な成長を果たすべく、グループ各社が一丸となって取り組んでまいりました。
また、設立時に掲げた「地域をつなぐエアライングループとして、安心な旅と新たな価値の提供を通じて地域社会の発展に貢献します」という経営理念に基づき、「北海道の翼」及び「九州・沖縄の翼」として、地域創生や社会貢献に向けて独自の取り組みを強化し、就航各地における様々な共創活動を推進しました。
これらの結果、当社設立後初の事業年度(第1期)における連結決算として、営業収入は59,548百万円となりました。
事業費は55,123百万円となりました。販売費及び一般管理費は5,857百万円、営業費用は60,981百万円となり、この結果、営業損失は1,433百万円、経常損失は1,355百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,765百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、19,730百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果減少した資金は2,269百万円となりました。
これは、税金等調整前当期純損失1,355百万円、減価償却費3,882百万円、航空機材整備引当金の減少額1,757百万円、未収入金の増加額601百万円、営業未収入金の増加額1,454百万円等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は654百万円となりました。
これは、定期預金の預入による支出657百万円、有形固定資産の取得による支出1,353百万円、敷金及び保証金の差入による支出2,242百万円、敷金及び保証金の回収による収入3,275百万円等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は2,166百万円となりました。
これは、短期借入金の返済による支出999百万円、長期借入れによる収入2,000百万円、長期借入金の返済による支出2,618百万円、リース債務の返済による支出1,201百万円、セール・アンド・リースバックによる収入723百万円等を反映したものであります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
①運航実績
当連結会計年度の運航実績は、次のとおりであります。
AIRDO
項目 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比 (%) |
運航便数 |
11,190便 |
- |
飛行距離 |
10,953,994km |
- |
飛行時間 |
18,353時間 |
- |
(注) 連結財務諸表に含まれる、2022年10月1日から2023年3月31日までの実績を記載しております。
ソラシドエア
項目 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比 (%) |
運航便数 |
27,862便 |
- |
飛行距離 |
29,558,735km |
- |
飛行時間 |
47,495時間 |
- |
②輸送実績
当連結会計年度の輸送実績は、次のとおりであります。
AIRDO
項目 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比 (%) |
旅客数 |
1,079,020人 |
- |
旅客キロ |
1,028,145千人キロ |
- |
座席キロ |
1,381,658千席キロ |
- |
座席利用率 |
74.4% |
- |
(注) 上記輸送実績には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めておりません。
連結財務諸表に含まれる、2022年10月1日から2023年3月31日までの実績を記載しております。
なお、路線別の座席利用率は、次のとおりであります。
|
当連結会計年度 |
備考 |
「札 幌-東 京」線 |
81.0% |
|
「旭 川-東 京」線 |
69.3% |
|
「女満別-東 京」線 |
61.1% |
|
「釧 路-東 京」線 |
64.2% |
|
「帯 広-東 京」線 |
69.4% |
|
「函 館-東 京」線 |
69.4% |
|
「札 幌-仙 台」線 |
52.0% |
|
「札 幌-名古屋」線 |
68.4% |
|
「札 幌-神 戸」線 |
79.2% |
|
「札 幌-福 岡」線 |
74.3% |
|
「函 館-名古屋」線 |
55.1% |
|
路線の平均 |
74.4% |
|
(注)座席利用率は当社販売分を表記しております。
ソラシドエア
項目 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比 (%) |
旅客数 |
1,926,502人 |
- |
旅客キロ |
2,141,535千人キロ |
- |
座席キロ |
3,539,252千席キロ |
- |
座席利用率 |
60.5% |
- |
(注) 上記輸送実績には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めておりません。
なお、路線別の座席利用率は、次のとおりであります。
|
当連結会計年度 |
備考 |
「宮 崎-東 京」線 |
49.9% |
|
「熊 本-東 京」線 |
57.1% |
|
「長 崎-東 京」線 |
55.0% |
|
「鹿児島-東 京」線 |
74.4% |
|
「大 分-東 京」線 |
47.6% |
|
「東 京-那 覇」線 |
75.4% |
|
「宮 崎-那 覇」線 |
54.6% |
|
「鹿児島-那 覇」線 |
57.3% |
|
「神 戸-那 覇」線 |
73.1% |
|
「名古屋-那 覇」線 |
60.8% |
|
「石 垣-那 覇」線 |
48.6% |
|
「福 岡-那 覇」線 |
52.1% |
|
「宮 崎-名古屋」線 |
60.3% |
|
「鹿児島-名古屋」線 |
56.0% |
|
路線の平均 |
60.5% |
|
(注)座席利用率は当社販売分を表記しております。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績の分析
a. 営業収入、事業費及び営業総利益
営業収入は、行動制限全面解除に伴う経済活動の正常化、全国旅行支援の効果等により、航空需要がコロナ前の水準近くまで回復したことから、59,548百万円となりました。
事業費総額は55,123百万円となり、この結果、営業総利益は4,424百万円となりました。
b. 販売費及び一般管理費、営業損益
販売費及び一般管理費は、販売手数料や業務委託費等を計上したこと等により、5,857百万円となり、営業損失は1,433百万円となりました。
c. 営業外損益、経常損益
営業外収益として、物品売却益337百万円、為替差益269百万円、営業外費用として支払利息371百万円、デリバティブ評価損301百万円等を計上したこと等により、経常損失は1,355百万円となりました。
d. 当期純損益
法人税、住民税及び事業税30百万円並びに法人税等調整額△3,151百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,765百万円となりました。
③財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
資産の部
資産については、現金及び預金20,372百万円、営業未収入金4,080百万円計上したこと等により、流動資産は30,170百万円となりました。
また、敷金及び保証金14,178百万円、繰延税金資産13,044百万円、リース資産12,913百万円、工具、器具及び備品8,360百万円、航空機5,169百万円、企業結合によるのれん4,389百万円等を計上したこと等により、固定資産は59,319百万円となりました。
この結果、資産総額は89,490百万円となりました。
負債の部
負債については、営業未払金9,148百万円、1年内返済予定の長期借入金4,783百万円、リース債務2,336百万円、短期借入金1,998百万円等を計上したこと等により、流動負債は20,264百万円となりました。
また、長期借入金24,529百万円、航空機材整備引当金11,292百万円、リース債務11,148百万円計上したこと等により、固定負債は49,100百万円となりました。
この結果、負債総額は69,365百万円となりました。
純資産の部
株主資本合計は、20,325百万円となりました。
評価・換算差額等は、主に原油スワップおよび金利スワップを活用したヘッジ取引に係るものであり、△201百万円となりました。
この結果、純資産合計は20,124百万円となりました。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、日々の運航に必要な航空燃油費や、空港使用料など運航経費をはじめ、整備費や運送部門における業務委託費等の事業費の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は航空機や航空機のエンジン等への設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と、資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は航空運送事業を中心とした収入金等の他、金融機関からの借入により調達を行っております。設備投資資金につきましてはキャッシュ・フローで賄いきれない分の調達を主とし、その調達手段は金融機関からの長期借入金やファイナンス・リースなど、市場動向や金利動向等を総合的に勘案しながら決定しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、44,796百万円となっております。また当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は19,730百万円となっております。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、事業等のリスクにおいて、為替レートや原油価格の変動による航行費の増加、航空法及び関連諸法令による規制、自然災害、人材確保等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため当社グループは、コストを安定させることを目的としたヘッジ取引の実施、安全管理体制の確立、災害発生時の事業継続計画の策定、人材養成体制の見直しや採用の強化等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応してまいります。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、週次や月次で開催される各種会議体等を通じて、当社グループ会社の置かれた経営・事業環境や最新の事業運営状況を迅速に把握することに努めております。昨年10月の会社設立に際して策定した5ヶ年のグループ中期経営計画についても、グループ内のAIRDO及びソラシドエア各社のローリングプランに基づいて、収支計画の見直しを適時行うとともに両社による協業計画の進捗管理や必要な支援を適時行っています。
当社グループを取り巻く環境は、原油価格や為替相場、パンデミックの発生状況などの様々な外的要因に起因して収支に大きな影響を与えます。この様な環境下にあっても、今後もコスト耐性を高め、お客様への一層の付加価値を提供することでグループ内各社の毀損した財務基盤を早期に回復・再生させることを最優先課題として位置付け、「北海道の翼」及び「九州・沖縄の翼」を擁するエアライン・グループとして地域社会の発展に貢献しながら持続的な成長を果たすべく、今後も効果的なグループ経営を推進してまいります。