売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00008 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)業績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、景気は緩やかな回復基調を維持しましたが、ウクライナ情勢の長期化、資源価格や原材料価格の高騰、国内において急激な円安による経済への悪影響や物価高が懸念材料になるなど、依然として先行きは不透明な状況で推移いたしました。

 このような経済環境の中、「きのこで健康を届けることを使命に市場と消費を拡大する」及び「利益の創出と企業の社会的責任を両立する」を経営ビジョンとし、当社グループは消費者の皆様及び従業員の安全を最優先に考え、きのこ事業を中心として、健康食材である「きのこ」の研究開発、生産、販売を通してより多くの皆様へ、おいしさと健康をお届けできるよう事業活動を行ってまいりました。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の当社グループの業績は、売上高585億79百万円(前年同四半期比8.8%増)、営業利益14億36百万円(前年同四半期営業損失金額30億80百万円)、経常利益22億63百万円(同経常損失金額20億82百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益14億73百万円(同親会社株主に帰属する四半期純損失金額17億3百万円)となりました。

 なお、当第3四半期連結累計期間の生産量は、ブナピーを含めブナシメジ35,486t(前年同四半期比4.2%減)、エリンギ12,836t(同8.8%減)、マイタケ11,906t(同3.6%減)となりました。

 

 当第3四半期連結累計期間の各セグメントの概況は次のとおりであります。

 

 「国内きのこ事業」

 生産部門におきましては、衛生管理をより徹底し、品質の向上と安定栽培に努め、安全・安心なきのこを提供してまいりました。研究部門におきましては、品質管理体制の強化、付加価値の高い新製品の開発、既存のきのこの改良及びきのこの薬理効果や機能性の追求に取り組んでまいりました。営業部門におきましては、きのこ需要を喚起すべく、健康・美容・スポーツを3本柱とした「きのこで菌活」を提唱し、鮮度に拘った営業活動を行ってまいりました。販売面におきましては、この秋の高温・干ばつの影響で野菜は品薄品目が多く、野菜相場の高値基調が続く中、きのこの需給を改善すべく第3四半期も引き続き生産調整を行った結果、きのこの価格も昨年を上回る価格で推移いたしました。

 以上の結果、国内きのこ事業全体の売上高は380億49百万円(前年同四半期比11.5%増)となりました。

 

 「海外きのこ事業」

 米国の現地法人「HOKTO KINOKO COMPANY」におきましては、値上げの効果があり売上高、営業利益ともに堅調に推移いたしました。台湾の現地法人「台灣北斗生技股份有限公司」におきましては、小売り各社での価格競争が激化しており、各顧客先で値上げ申請が却下される厳しい状況となりまして、売上高、営業利益は計画未達となりました。マレーシアの現地法人「HOKTO MALAYSIA SDN. BHD.」におきましては、コロナが終息に向かっていることにより、店頭での販促・イベントの実施制限がなくなったことで、マレーシアを中心に試食販売やもぎ取り販売等のイベントを実施し、売上増を図りました。しかしながら、中国産のきのこの影響は少なくなってきたものの、安価な他のきのこの影響もあり、当社のきのこ販売売上高、営業利益共に計画を下回ることとなりました。

 以上の結果、海外きのこ事業全体の売上高は55億22百万円(同16.6%増)となりました。

 

 「加工品事業」

 加工品事業におきましては、水煮・冷凍などのきのこの加工品の販売を行うとともに、新商品の開発および市場開拓に取り組んでまいりました。デリカ向け商品やメーカー向け販売が順調だったほか、青果向け市販用加工商品も好調な販売となりました。しかしながら、主力のコンビニエンスストア向けは原料値上げやメニューへの採用が減り売上は低調に推移致しました。通販事業は、自社ECサイトを中心に売上は伸長いたしました。また、子会社の株式会社アーデンにおきましては、売上高は計画を下回りましたが、製造経費を削減し営業利益は計画を上回りました。

 以上の結果、加工品事業の売上高は57億79百万円(同6.5%減)となりました。

 

 「化成品事業」

 包装資材を主要事業とする第一営業部では、品質劣化をおさえる機能性包材や、リサイクル原料を利用した環境包材を中心とした付加価値製品の提案営業に取り組みました。観光土産関連の売上が堅調に推移する一方、半導体・自動車関連部品関連メーカー向けの一部に回復の兆しがあるものの、工業資材販売は苦戦しました。自社製品の生産・販売及び農業資材販売を中心とする第二営業部では、引き続き自社製品の品質向上と販売拡大に努めました。きのこ生産者向けに需給がひっ迫する一部生産原料や培地の安定供給に注力したほか、スポットの設備投資需要を取り込みました。

 以上の結果、化成品事業の売上高は92億27百万円(同4.6%増)となりました。

 

(2)財政状態の分析

 当第3四半期連結会計期間末における資産、負債、純資産の状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は318億40百万円となり、前連結会計年度末より10億49百万円増加いたしました。固定資産は721億2百万円となり、前連結会計年度末より20億3百万円減少いたしました。これは主に、有形固定資産30億91百万円の減少によるものであります。

 この結果、総資産は1,039億43百万円となり、前連結会計年度末より9億53百万円減少いたしました。

 

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は333億12百万円となり、前連結会計年度末より46億24百万円減少いたしました。これは主に、短期借入金80億円の増加、流動負債のその他に含まれる1年内償還予定の新株予約権付社債97億19百万円及び1年内返済予定の長期借入金37億97百万円の減少によるものであります。固定負債は185億27百万円となり、前連結会計年度末より25億22百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金18億97百万円の増加によるものであります。

 この結果、負債合計は518億39百万円となり、前連結会計年度末より21億1百万円減少いたしました。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は521億3百万円となり、前連結会計年度末より11億47百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益14億73百万円を計上し配当金12億72百万円を支払ったことによる利益剰余金2億1百万円及びその他有価証券評価差額金7億70百万円の増加によるものであります。

 この結果、自己資本比率は50.1%(前連結会計年度末は48.6%)となりました。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

 

(4)研究開発活動

 研究開発活動につきましては、当社「開発研究本部」におきまして、バイオテクノロジーを駆使した新品種の開

発、既存品種の改良、栽培技術の開発やきのこの健康機能性研究等、きのこ全般に関する研究活動につとめており

ます。

 なお、当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は506百万円となりました。

 これまでの研究開発活動で得られた成果のうち、公表された成果は以下のとおりです。

 

 特許登録関連

 

 (国内)

  発明の名称 椎茸栽培用容器

  登録日:  2023年11月21日

  登録番号: 7389872

 

品種登録関連

 

(国内)

アラゲキクラゲ

登録品種の名称 HKAP2

登録日     2023年7月14日

登録番号    29757

 

マイタケ

登録品種の名称 HKGF10

登録日     2023年7月14日

登録番号    29805

 

 (海外)

 韓国

エノキタケ

 登録品種の名称 Veluty M-99

 登録日     2023年10月30日

 登録番号    9745

 

学会発表

 

演題  ブナシメジ(Hypsizygus marmoreus)の分類学的再検討

発表日 2023年8月7日

学会  日本きのこ学会第26回大会

 

演題  2品種のシイタケ(Lentinula edodes)の子実体形成における各種糖質加水分解酵素の活性の推移と比較

発表日 2023年8月7日

学会  日本きのこ学会第26回大会

大阪公立大学との共同研究

 

演題  きのこの摂取がもたらす腸内の短鎖脂肪酸増加とIgA産生への影響:ランダム化プラセボ対照二重盲検

    並行群間試験

発表日 2023年11月5日

学会  日本食物繊維学会第28回学術集会

 

演題  2品種のシイタケ(Lentinula edodes)の子実体形成における各種糖質加水分解酵素の活性の推移と比較

発表日 2023年11月18日

学会  第6回次世代生物研究会

    大阪公立大学との共同研究

 

 

演題  エルゴチオネイン高含有きのこ摂取による肌質改善効果の検証:動物試験と臨床試験

発表日 2023年11月21日

学会  第4回エルゴチオネイン・セレノネイン研究会

    金沢大学との共同研究

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、前事業年度有価証券報告書「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載の事項から重要な変更はありません。

 

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

 当第3四半期連結累計期間において、経営者の問題認識と今後の方針について重要な変更はありません。