売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00010 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

     文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、景気に緩やかな回復基調が見られるものの、ウクライナ情勢の緊迫が長期にわたっていることに加え、世界的な資源価格の値上がり、物流コストの高騰や円安が大幅な物価上昇を招くなど、先行きが不透明な状況が続いております。

このような状況の中、当社グループにおきましては、自社品種「夏瑞/なつみずき」(品種登録名「ペチカほのか」)の生食用販売、業務用販売を中心に、いちご果実及びその他青果物の販売に注力してまいりました。

この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高2,157,951千円(前年同期比2.0%増加)、営業利益62,357千円(前年同期比55.7%減少)、経常利益63,752千円(前年同期比55.6%減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益37,613千円(前年同期比62.3%減少)となりました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

(いちご果実・青果事業)

いちご果実・青果事業の主力商品は業務用いちご果実であります。当第3四半期連結累計期間においては、夏秋期は「夏瑞/なつみずき」(品種登録名「ペチカほのか」)、「コア」(品種登録名「ペチカエバー」)などの自社開発品種と輸入いちごを、その後は国産促成いちご(とちおとめ、紅ほっぺなど)を主に販売しております。

自社品種を主力とした夏秋期につきましては、「夏瑞/なつみずき」の販売が好調に推移した一方で、生産者の高齢化等による栽培面積の減少に加え、7月から8月にかけての長期にわたる異常な猛暑、その後の9月の残暑により8月中旬以降の出荷数量が大幅に減少いたしました。極端な高温環境は秋以降の出荷数量にも影響を及ぼし、自社品種を含めた国産いちごが品薄となる状況が長期間継続しました。そのため、輸入いちごを併用し、いちご果実の販売数量の確保に努めてまいりましたが、前年の同時期に比べ販売数量は減少いたしました。

12月のクリスマス時期については、猛暑により促成いちごの定植が全国的に遅れ、業務用サイズを中心に品薄状況となりました。市場相場価格も11月から高値の状況が続き、販売単価の上昇により売上高は増加したものの、仕入単価の上昇もあり、前年に比べ利益は減少いたしました。

年明け以降の1~3月は、前年同時期に比べ販売数量が増加し、売上高も増加いたしました。しかしながら、例年であれば市場相場価格が下がり始める3月に、寒気等の影響で市場への入荷数量が少ない状況が続いたため、市場相場価格は高値で推移いたしました。これにより仕入単価が想定よりも上回ることとなり、例年の市場相場価格に基づいて販売単価を設定していた一部の取引先に対しては利益が圧縮される結果となりました。

その他の青果物におきましては、コンビニエンスストアをはじめとした既存取引先において、フルーツの使用量が減少したことで、売上高、利益ともに前年同期を下回りました。

この結果、いちご果実・青果事業の売上高は1,921,348千円(前年同期比4.7%増加)、営業利益は144,327千円(前年同期比30.5%減少)となりました。

 

(種苗事業)

種苗事業は、自社いちご品種の「ペチカほのか」(商品名「夏瑞/なつみずき」)と「ペチカエバー」(商品名「コア」)の生産販売を主力としております。栽培方法には、秋に苗を定植し翌年春から秋にかけて果実を生産する秋定植と、春に苗を定植し夏から秋にかけて果実を生産する春定植の、概ね2体系の作型があります。当第3四半期連結会計期間においては、秋定植用苗の販売を終え、春定植用苗の販売を行っております。

当第3四半期連結累計期間におきましては、種苗の販売本数が減少したことと、いちご新品種の共同開発業務の終了もあり、売上高、利益ともに減少いたしました。

この結果、種苗事業の売上高は52,269千円(前年同期比28.9%減少)、営業利益は26,748千円(前年同期比38.4%減少)となりました。

 

(馬鈴薯事業)

馬鈴薯事業は、主に種馬鈴薯の生産販売、仕入販売と、青果馬鈴薯の仕入販売からなります。主要売上品である種馬鈴薯には、秋から春にかけて販売する春作と夏に販売する秋作の2体系がありますが、そのメインは春作種馬鈴薯です。当第3四半期連結会計期間におきましては、主に春作種馬鈴薯の販売を行っております。

秋作向けにおいて一部産地の種馬鈴薯の供給不足により販売数量が減少したことに加え、春作向けにおいても記録的な猛暑によってオリジナル品種を中心に種馬鈴薯の生産量が落ち込み、十分な販売数量を確保することができませんでした。

この結果、馬鈴薯事業の売上高は73,107千円(前年同期比37.5%減少)、営業利益は2,389千円(前年同期比74.6%減少)となりました。

 

(運送事業)

運送事業は、株式会社エス・ロジスティックスが行っております。関東圏を中心とした事業展開で当社の商品配送を中核としつつ、一般荷主からの配送業務受託も行っております。当第3四半期連結累計期間におきましては、一般荷主からの配送業務受託の増加により売上高は増加しました。また、当社商品の配送を含め、効率の良い自社配送を増加させ、外注費の削減が図れたことで、利益も前年同期を上回りました。

この結果、運送事業の売上高は111,226千円(前年同期比22.1%増加)、営業利益は13,085千円(前年同期は699千円の利益)となりました。

 

(2)財政状態に関する説明

(流動資産)

流動資産は、前連結会計年度末と比較して60,277千円増加し、当第3四半期連結会計期間末で1,022,108千円となりました。これは売掛金が減少したものの、現金及び預金が増加したことが主因であります。

(固定資産)

固定資産は、前連結会計年度末と比較して2,138千円増加し、当第3四半期連結会計期間末で148,347千円となりました。これは投資その他の資産が減少したものの、有形固定資産が増加したことが主因であります。

(流動負債)

流動負債は、前連結会計年度末と比較して60,939千円増加し、当第3四半期連結会計期間末で235,358千円となりました。これは未払法人税等が減少したものの、買掛金が増加したことが主因であります。

(固定負債)

固定負債は、前連結会計年度末と比較し1,947千円増加し、当第3四半期連結会計期間末で147,850千円となりました。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末と比較して470千円減少し、当第3四半期連結会計期間末で787,247千円となりました。なお、自己資本比率は前連結会計年度末の71.1%から67.3%となっております。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は25,253千円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。