売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E00346 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当半期報告書提出日(2025年11月10日)現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(2)財政状態及び経営成績の状況

① 当中間連結会計期間の経営成績の概況及び分析

 当中間連結会計期間につきましては、国内景気はインバウンド需要が堅調であった一方で、長引く物価高騰に伴う個人消費の減退が見られました。今後も更なる物価の上昇が懸念されるほか、日米間の関税交渉は妥結したものの米国関税政策等を発端とする世界経済の不確実性は継続しており、当社グループを取り巻く環境の先行きは依然として不透明な状況にあります。

 このような中、当社グループは、小麦粉をはじめとする「食」の安定供給を確保し、各事業において安全・安心な製品をお届けするという使命を果たすとともに、2026年度を最終年度とする「日清製粉グループ 中期経営計画2026」の達成に向けて取り組んでおります。

 その実現に向けた取組みとして、製粉事業につきましては、日清製粉株式会社において最新の自動化・デジタル技術を駆使した「スマート工場」である水島工場が本年5月に稼働しました。これに伴い岡山工場、坂出工場をそれぞれ7月、9月に閉鎖しました。また、米国のMiller Milling Company, LLCにおいては、更なる生産体制強化への対応を進めており、本年3月に新ラインが稼働したサギノー工場に続き、7月にウィンチェスター工場も増強工事が完了し、増産を開始しております。食品事業につきましては、株式会社日清製粉ウェルナは、ロサンゼルス・ドジャース所属の大谷翔平選手との広告出演契約を昨年11月に締結しました。同社は、本年で70周年を迎えた「マ・マー」のリブランディングを契機として製品の見直しや新製品の投入を行い、更なる製品需要の喚起に取り組んでおります。その一環として、生パスタの新市場創造を目指し、常温・冷凍の両カテゴリーにおいて「マ・マー もちもち生パスタ」シリーズを発売しました。なお、日清ファルマ株式会社は、本年度中に医薬品原薬の製造・販売を行うファインケミカル事業を終了し、サプリメント製品の製造・販売等を行う健康食品事業を酵母・バイオ事業のオリエンタル酵母工業株式会社に移管する予定です。中食・惣菜事業につきましては、株式会社ノムラフーズにおいて、最新の自動化・省人化技術を導入し、環境へも配慮した「次世代型冷凍食品工場」である新工場を京都府宇治市に建設することを決定し、2027年6月頃の稼働を予定しております。

 当中間連結会計期間の業績につきましては、売上高は、海外製粉事業における小麦相場の下落や為替換算の影響等があったものの、エンジニアリング事業における大型工事の増加や酵母・バイオ事業、及び中食・惣菜事業等の販売が堅調に推移し、4,313億10百万円(前年同期比100.4%)となりました。利益面では、国内製粉事業における水島工場稼働に伴う立上げ費用の発生、海外製粉事業での出荷減及び為替換算の影響等による減益、加工食品事業におけるコスト上昇等の影響、及びメッシュクロス事業における出荷減等により、営業利益は226億33百万円(前年同期比87.0%)、経常利益は247億88百万円(前年同期比91.5%)となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は、政策保有株式の縮減を進めたものの、インドイースト事業における固定資産について減損損失を計上したことにより、103億25百万円(前年同期比50.7%)となりました。

 

(前年同期比較)                                   (単位:百万円)

 

前中間期

当中間期

前年同期差

前年同期比

売上高

429,513

431,310

1,797

100.4%

営業利益

26,010

22,633

△3,377

87.0%

経常利益

27,076

24,788

△2,288

91.5%

親会社株主に帰属する

中間純利益

20,363

10,325

△10,037

50.7%

 

 セグメント別の経営成績及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

※全社共通費用である㈱日清製粉グループ本社の費用については、事業規模に応じて各事業に配賦しておりましたが、近年における事業ポートフォリオ進化の積極的な推進により、新規M&Aやその後のPMI推進及び現地法制への適合をはじめとした成長投資への対応が増加している実態を踏まえ、当期より配賦基準を変更しております。

この変更に伴い、各事業とも当該変更影響を補正した前年同期実績を併記しております。

なお、各事業の業績の説明における営業利益の前年同期比は、上記の変更影響を補正した数値を記載しております。

 

1) 製粉事業

(単位:百万円)

 

前中間期

当中間期

前年同期差

前年同期比

売上高

228,737

211,668

△17,068

92.5%

営業利益

15,478

13,138

△2,340

84.9%

(前年実績補正後 ※)

(16,117)

(△2,978)

(81.5%)

 

 国内製粉事業につきましては、出荷はインバウンド需要が堅調であったことに加え、拡販への取組みにより前年を上回りました。

 また、本年4月に輸入小麦の政府売渡価格が5銘柄平均で4.6%引き下げられたこと、及び輸送費や人件費等の上昇を踏まえ、7月に業務用小麦粉の価格改定を実施しました。

 海外製粉事業につきましては、小麦相場下落や為替換算の影響等により売上高は前年を下回りました。

 この結果、製粉事業の売上高は、2,116億68百万円(前年同期比92.5%)となりました。営業利益は、国内製粉事業における人件費等の上昇や水島工場稼働に伴う立上げ費用の発生に加え、海外製粉事業での出荷減及び為替換算の影響等もあり、131億38百万円(前年同期比81.5% ※)となりました。

 

2) 食品事業

(単位:百万円)

 

前中間期

当中間期

前年同期差

前年同期比

売上高

101,932

108,515

6,583

106.5%

営業利益

3,927

3,686

△240

93.9%

(前年実績補正後 ※)

(3,474)

(211)

(106.1%)

 

 加工食品事業につきましては、国内においては市場環境は厳しいものの積極的な拡販施策を実施したことにより、出荷は前年を上回りました。また、海外においても業務用プレミックスの出荷が堅調に推移したことにより、売上高は前年を上回りました。なお、新製品として、生パスタの新市場創造を目指し、もちもち食感を徹底的に追求した「マ・マー もちもち生パスタ」シリーズを常温・冷凍の両カテゴリーにおいて発売いたしました。

 酵母・バイオ事業につきましては、パン酵母(イースト)や培養用基材等の出荷が堅調に推移したことにより、売上高は前年を上回りました。

 健康食品事業の売上高は消費者向け製品の出荷減により、前年を下回りました。

 この結果、食品事業の売上高は1,085億15百万円(前年同期比106.5%)となりました。営業利益は、加工食品事業において、7~8月にかけて実施した価格改定以前のコスト上昇の影響が残ったものの、酵母・バイオ事業における出荷増等により、36億86百万円(前年同期比106.1% ※)となりました。

 

3) 中食・惣菜事業

(単位:百万円)

 

前中間期

当中間期

前年同期差

前年同期比

売上高

78,535

84,303

5,767

107.3%

営業利益

3,398

3,416

18

100.5%

(前年実績補正後 ※)

(3,266)

(150)

(104.6%)

 

 中食・惣菜事業につきましては、販売が堅調に推移したことにより、売上高は843億3百万円(前年同期比107.3%)となりました。営業利益は、販売増及び生産性向上効果等により、34億16百万円(前年同期比104.6% ※)となりました。

 

4) その他事業

(単位:百万円)

 

前中間期

当中間期

前年同期差

前年同期比

売上高

20,308

26,822

6,514

132.1%

営業利益

3,247

2,598

△649

80.0%

(前年実績補正後 ※)

(3,194)

(△596)

(81.3%)

 

 エンジニアリング事業につきましては、プラントエンジニアリングにおける大型工事の増加により、売上高は前年を上回りました。

 メッシュクロス事業につきましては、太陽光パネル向けスクリーン印刷用資材の出荷減により、売上高は前年を下回りました。

 この結果、その他事業の売上高は268億22百万円(前年同期比132.1%)となり、営業利益は、メッシュクロス事業の出荷減により、25億98百万円(前年同期比81.3% ※)となりました。

 

② 当中間連結会計期間の財政状態の概況及び分析

                                   (単位:百万円)

 

2025年3月期

2025年9月期

前期末差

流動資産

338,728

333,639

△5,089

固定資産

450,984

464,676

13,691

資産合計

789,713

798,315

8,602

流動負債

147,313

138,129

△9,184

固定負債

139,829

144,508

4,678

負債合計

287,143

282,637

△4,505

純資産合計

502,570

515,678

13,107

負債純資産合計

789,713

798,315

8,602

 

 当中間連結会計期間末における資産、負債及び純資産の状況及び分析は以下のとおりです。

 

 流動資産は3,336億39百万円で、棚卸資産の減少等に伴い、前期末に比べ50億89百万円減少しました。固定資産は4,646億76百万円で、インドイースト事業において固定資産の減損損失を計上したことによる減少はあったものの、保有している投資有価証券の時価評価の増加等に伴い、前期末に比べ136億91百万円増加しました。この結果、資産合計は7,983億15百万円となり、前期末に比べ86億2百万円増加しました。

 また、流動負債は1,381億29百万円で、短期借入金の返済による減少等に伴い、前期末に比べ91億84百万円減少しました。固定負債は1,445億8百万円で、繰延税金負債の増加等に伴い、前期末に比べ46億78百万円増加しました。この結果、負債合計は2,826億37百万円となり、前期末に比べ45億5百万円減少しました。純資産合計は親会社株主に帰属する中間純利益の計上による増加、配当金の支出による減少、その他の包括利益累計額の増加等により、前期末に比べ131億7百万円増加し、5,156億78百万円となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況、資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

                                           (単位:百万円)

 

前中間期

当中間期

前年同期差

営業活動によるキャッシュ・フロー

31,800

34,454

2,654

投資活動によるキャッシュ・フロー

△14,668

△26,551

△11,882

財務活動によるキャッシュ・フロー

△19,573

△18,103

1,469

現金及び現金同等物に係る換算差額

△780

277

1,057

現金及び現金同等物の増減額

△3,222

△9,922

△6,700

連結子会社の決算期変更に伴う

現金及び現金同等物の増減額

21

△21

現金及び現金同等物の中間期末残高

104,480

82,082

△22,397

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 税金等調整前中間純利益198億46百万円に、非資金損益項目である減価償却費及び減損損失等を足し戻した資金増加が、法人税等の支払等の資金減少を上回ったことにより、当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは344億54百万円の資金増加(前中間連結会計期間は318億円の資金増加)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 有形及び無形固定資産の取得に236億50百万円を支出したこと等により、当中間連結会計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは265億51百万円の資金減少(前中間連結会計期間は146億68百万円の資金減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 短期借入金の純増減額の減少、株主の皆様への利益還元といたしまして配当に86億95百万円を支出したこと等により、当中間連結会計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは181億3百万円の資金減少(前中間連結会計期間は195億73百万円の資金減少)となりました。

 

 以上の結果、現金及び現金同等物の当中間連結会計期間末残高は、前期末に比べ99億22百万円減少し、820億82百万円となりました。

 

 当中間連結会計期間末の有利子負債(リース債務含む)残高は809億円でありますが、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高を考慮すると、当社グループの資金は、当面充分な流動性を確保しております。

 当社グループは、「日清製粉グループ 中期経営計画2026」に基づき、小麦粉をはじめとした主要食糧等の安定供給という社会的責任を充分に勘案し、資本効率の向上と財務の安定性のバランスを取りながら資本構成を適切にコントロールしてまいります。持続的成長、EPS(1株当たり当期純利益)成長を実現するために、環境投資、デジタル投資、新規事業開発・M&A投資、研究開発投資、人材育成を含めた成長投資を促進するとともに、株主還元につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益から非経常的な特殊要因による損益を除外し、連結ベースでの配当性向を現中期経営計画最終年度までに50%目安へ引き上げることとしております。また、財務状況等を踏まえ、更なる株主還元を検討してまいりたいと考えております。

 そのための資金は、内部及び外部の両財源より調達してまいります。内部からの資金捻出は、既に導入しておりますキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を利用した国内連結子会社の資金の一元管理、及び政策保有株式の縮減を含めた資産の圧縮に引き続き取り組むことにより、外部からは当社グループの健全な財務体質を背景に有利子負債等により、調達してまいります。

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 前事業年度の有価証券報告書に記載した事業上及び財務上の「対処すべき課題」について、重要な変更、進捗及び発生した課題は以下の通りです。(2025年11月10日現在)

 また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境及び対処すべき課題」の項目番号に対応したものです。

 

④ インドイースト事業の黒字化に向けた着実な業績向上

 インドイースト事業におきまして、足元の事業の状況を精査し、事業計画について再検証を行いました。その結果、事業計画を下方修正することとし、当中間連結会計期間にて固定資産の減損損失を計上いたしました。今後につきましては、世界最大の人口を有するインド市場が有望であるという見方には何ら変化はなく、パン酵母(パン用イースト)の更なる販売拡大及び製品価格改定や製造コストの低減を着実に行ってまいります。また、日本で培った技術を生かした高付加価値製品の投入等の様々な施策に注力していくことで、インドイースト事業の収益貢献を目指し、継続的な業績改善を進めてまいります。

 

 また、当社は株式会社の支配に関する基本方針を定めておりますが、当中間連結会計期間において重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費は、41億21百万円であります。

 

(6)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「1 事業等のリスク」に記載のとおり、当中間連結会計期間において、重要な変更はありません。