売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00348 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、行動制限が緩和され、インバウンド需要も回復基調となり、経済活動および社会活動の正常化が進みました。

 一方で、緊迫した世界情勢に加え、為替相場の変動リスク等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 このような状況の中、当社は創立90周年を迎える2025年度のありたい姿(長期ビジョン)「SHOWA Next Stage for 2025」の実現に向け、3rd Stage「中期経営計画23-25」を昨年4月にスタートいたしました。基本コンセプト『SHOWAの“SHIN-KA”宣言~90年、そしてその先へ~』を掲げ、新たな財務指標とともに5つの基本戦略「①基盤事業の強化」「②事業領域の拡大」「③環境負荷の低減」「④プラットフォームの再構築」「⑤ステークホルダーエンゲージメントの強化」の各施策を推進しております。

 当第3四半期連結累計期間では、「①基盤事業の強化」において、食品事業における製油・糖質カテゴリのより一層の製品供給の安定化、コスト低減、付加価値向上に向けて国内での事業の展開を加速させるため、辻製油株式会社と昨年5月に資本業務提携を行いました。

 また、創業以来初となる抜本的な営業組織改編を実施し、これまで「プロダクトアウト型」であった当社の組織を2023年4月よりマーケットイン志向の業態別・顧客別の「ワンストップ型」組織に変革し、お客様のニーズに合致する最適なソリューションを迅速に提供する販売機能に特化した組織体制に改編しております。

 当第3四半期連結累計期間の経営成績は、連結売上高は265,555百万円と前年同期に比べ12,409百万円(4.9%)の増収となりました。営業利益は11,319百万円と前年同期に比べ6,756百万円(148.1%)の増益、経常利益は14,137百万円と前年同期に比べ7,562百万円(115.0%)の増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は10,362百万円と前年同期に比べ6,319百万円(156.3%)の増益となりました。

 

 セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。

 なお、第1四半期連結会計期間より、組織改編による事業管理の変更に伴い報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

<食品事業>

 食品事業は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う人流の回復等により外食や飲料用途等の需要が回復してきた一方で、コンビニエンスストア向けや内食の需要において厳しい状況が続きました。このような市場環境の中、当社の強みであるマーケット分析力を生かし、昨年4月より導入した顧客別営業組織によるターゲット業態ごとのワンストップ型提案営業の強化に取り組みました。

 製粉カテゴリは、輸入小麦の政府売渡価格が昨年4月に平均5.8%(税込価格)引き上げられ、10月に平均11.1%(税込価格)引き下げられたことを受け、小麦粉製品の価格改定を実施しました。小麦粉の販売数量は前年同期並みとなりましたが、プレミックスの販売数量については、前年同期を下回りました。パスタの販売数量は外食市場中心に好調であったため、前年同期を上回りました。ふすまの販売数量については、前年同期を下回りました。なお、家庭用の小麦粉、プレミックス、パスタについては適正価格での販売を優先したため、販売数量は前年同期を下回りました。製粉カテゴリの売上高は、価格改定に注力したことにより前年同期を上回りました。

 製油カテゴリは、コストを踏まえた適正価格での販売活動と、長寿命オイルや油染みの少ないベーカリー用オイルなど機能的に価値のある商品提案や課題解決型営業に取り組んでまいりました。業務用油脂については、需要の回復とその好機を捉えた販売施策の実行により、販売数量は前年同期並みとなりました。家庭用油脂については、汎用油の販売が伸長したため、販売数量は前年同期を上回りました。製油カテゴリの売上高は、価格改定に注力したことにより前年同期を上回りました。

 糖質カテゴリは、当社連結子会社である敷島スターチ株式会社やサンエイ糖化株式会社との連携を図り、上昇したコストを踏まえた適正価格での販売活動に取り組んでまいりました。低分解水あめ、粉あめなど独自性のある商品群の拡販に努め、糖化品の販売数量については、前年同期を上回りました。コーンスターチの販売数量については、ビール用途等の需要が増加し、前年同期を上回りました。加工でん粉の販売量については、工業用途の需要が減少し、前年同期を下回りました。糖質カテゴリの売上高は、価格改定に注力したことにより前年同期を上回りました。

 これらの結果、食品事業の売上高は217,075百万円と前年同期に比べ12,904百万円(6.3%)の増収、営業利益は11,210百万円と前年同期に比べ6,905百万円(160.4%)の増益となりました。

 

<飼料事業>

 飼料事業は、顧客のニーズに対する提案型営業や畜産物の販売支援による畜産生産者との取り組み強化、高付加価値商材の拡販に努めてまいりました。2022年10月に感染が確認された鳥インフルエンザの感染拡大や猛暑が配合飼料の販売に影響を及ぼし、配合飼料および鶏卵の販売数量については前年同期を下回り、売上高は前年同期を下回りました。

 これらの結果、飼料事業の売上高は45,012百万円と前年同期に比べ179百万円(0.4%)の減収、営業利益は316百万円と前年同期に比べ25百万円(7.4%)の減益となりました。

 

<その他>

 倉庫業につきましては、貨物獲得競争が激化する中、商社や主要顧客との取り組みを強化し荷役量の増加に努めましたが、貨物取扱量は前年同期を下回りました。

 これらの結果、不動産業、保険代理業、自動車等リース業、運輸業、植物工場等をあわせたその他の売上高は3,467百万円と前年同期に比べ315百万円(8.3%)の減収、営業利益は1,012百万円と前年同期に比べ71百万円(6.6%)の減益となりました。

 

(2)財政状態の分析

 総資産は、262,915百万円と前連結会計年度末と比較して15,145百万円増加しております。主な増加要因は、売上債権が10,261百万円増加したこと、投資有価証券が7,343百万円増加したことであります。

 負債は、135,267百万円と前連結会計年度末と比較して3,859百万円増加しております。主な増加要因は、設備関係債務が2,675百万円増加したことであります。

 純資産は、127,648百万円と前連結会計年度末と比較して11,285百万円増加しております。主な増加要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益10,362百万円の計上により増加したことであります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,019百万円であります。

  なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。