DM三井製糖ホールディングス株式会社

ブランドなど:スプーン印台糖ケイエス大日明治
食料品食品製造プライムTOPIX Small 2

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00356 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 ①経営成績

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、インバウンド需要増などによる景気の回復基調が見られる一方、地政学的リスクへの警戒感を背景とする不安定な国際情勢を受け、原材料価格の高騰や円安の進行を主要因とする物価高が継続し、先行き不透明感が拭えない状況が続いております。このような状況下、当社グループは、「中期経営計画-2026 Diversify into Nutrition & Health」の達成に向け、グループ全体の成長戦略「グループビジネスモデルの変革」と「経営資源の再配分」のもと、グループ内事業の最適化を図ることで、①国内砂糖事業の強靭化、②海外事業の拡大、③ライフ・エナジー事業の成長、④グループの持つ研究開発力の集積・強化及び⑤持続可能な社会実現への貢献を推進してまいりました。

 

(砂糖事業)

 海外粗糖相場は、1ポンド当たり22セント前半から始まり、サトウキビの最大生産国であるブラジルにおける気象不安を受けた大幅な減産見通し報道などにより急騰し、4月下旬に27セント半ばの高値圏に達しました。ブラジルの供給量回復による安堵感から一旦は下落傾向に転じたものの、8月下旬に、干ばつの影響を受けたサトウキビ主要生産国であるインドの次年度に係る砂糖輸出禁止見通しや、タイの減産報道などがあったことから再度上昇し、28セント台に到達いたしました。その後、11月下旬にブラジルの産糖量が大幅に上方修正されたことにより、一気に20セント台にまで急落し、20セント半ばで当第3四半期連結累計期間末を迎えました。また、国内市中相場は、1キログラム当たり227円~229円で始まり、海外粗糖相場の高止まりや円安などの影響により、239円~241円となりました。

 国内の精製糖販売は、食品値上げラッシュによる消費者マインドの冷え込みが見られたものの、インバウンド需要の回復や、今夏の記録的な猛暑、その後の暖秋による飲料・冷菓等の夏物商品の販売持続などを受け、売上高は前年同期を上回る実績となりました。一方、利益面では、原料費、海上運賃、包装資材及び物流費などのコスト増が多大な影響をもたらしており、これらのコストを吸収するため、7月に1キログラム当たり12円、10月に同10円の出荷価格引き上げを実施いたしました。

 国内の原料糖販売は、北海道の連結子会社が増益であったものの、沖縄の連結子会社における悪天候に起因した生産量減や、修繕費増による原価率の悪化などが利益面に影響を与えました。

 海外では、シンガポールの連結子会社において、販売量減による原価率の悪化などを受け減益となりました。

 以上の結果、砂糖事業は、売上高107,230百万円(前年同期比1.7%増)、営業利益1,260百万円(前年同期比196.5%増)となりました。

 

期中の砂糖市況

 海外粗糖相場(ニューヨーク砂糖当限、1ポンド当たり)

  始値 22.35セント 高値 28.14セント 安値 20.03セント 終値 20.58セント

 国内市中相場(日本経済新聞掲載、東京上白大袋1キログラム当たり)

  始値 227円~229円 終値 239円~241円

 

(ライフ・エナジー事業)

 パラチノースは海外向け販売が伸長し、パラチニットはキャンディ用途での需要が堅調に推移いたしました。さとうきび抽出物の販売は、国内向けの食品用途で好調を維持し、環境消臭用途で前年同期を上回りました。また、前連結会計年度において、テルモ㈱より事業譲受した栄養食品及び関連製品の販売に係る増益なども業績に寄与いたしました。なお、第2四半期連結会計期間において、DM三井製糖㈱が、ライフスタイルサポート事業及び宅配弁当事業を展開する㈱Muscle Deli(以下「マッスルデリ」という。)の株式を取得し、同社を連結子会社といたしました。当社グループの素材・研究開発力と、マッスルデリが有するスタートアップ企業としてのスピード感・マーケティング力を掛け合わせることで、ライフ・エナジー事業のバリューチェーン強化を図ってまいります。なお、マッスルデリは、2023年12月18日付で㈱YOUR MEALに商号変更しております。

 以上の結果、ライフ・エナジー事業は、売上高20,374百万円(前年同期比23.5%増)、営業利益510百万円(前年同期比14.0%増)となりました。

 

(不動産事業)

 岡山地区・長田地区の再開発エリアを含む不動産賃貸物件は順調に稼働しており、売上高1,793百万円(前年同期比2.1%減)、営業利益660百万円(前年同期比78.0%増)となりました。

 

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は129,398百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益は2,430百万円(前年同期比95.4%増)となりました。

 

 営業外損益においては、DM三井製糖㈱が、国内投資先から受けた受取配当金4,457百万円と、フィンゴリモド「FTY720」の開発権及び販売権の許諾に基づく受取ロイヤリティー971百万円を計上いたしました。また、持分法投資損益において、主にタイ国の関連会社における損益改善もあり、経常利益は7,369百万円(前年同期比704.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6,502百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失269百万円)となりました。

 

 ②財政状態

 当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比307百万円増加1し196,431百万円となりました。連結貸借対照表の主要項目ごとの主な増減要因等は次の通りであります。

ⅰ)流動資産

 流動資産は、前連結会計年度末比74百万円増加し88,951百万円となりました。これは主として、売掛金の増加3,321百万円、原材料及び貯蔵品の増加2,124百万円、流動資産その他の増加1,141百万円、受取手形の増加123百万円があった一方で、現金及び預金の減少4,478百万円、商品及び製品の減少2,113百万円等があったことによるものであります。

ⅱ)固定資産

 固定資産は、前連結会計年度末比232百万円増加し107,479百万円となりました。これは主として、建設仮勘定の増加1,840百万円、関係会社出資金の増加276百万円があった一方で、投資その他の資産その他の減少725百万円、投資有価証券の減少666百万円、繰延税金資産の減少527百万円等があったことによるものであります。

ⅲ)負債

 負債は、前連結会計年度末比2,812百万円減少し80,732百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金の減少1,468百万円、短期借入金の減少1,332百万円等があったことによるものであります。

ⅳ)純資産

 純資産は、前連結会計年度末比3,119百万円減少し115,698百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する四半期純利益6,502百万円、為替換算調整勘定の増加1,289百万円、剰余金の配当4,863百万円等があったことによるものであります。

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(3)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は581百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループは、主力の砂糖事業において、原料となる粗糖が相場商品であること、また、製品価格も競争や市場環境等により変動する場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このような事業環境下、当社グループでは、適切な原料糖調達と適正販売価格帯の維持に努めてまいりました。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料糖の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、社債及び金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当第3四半期連結累計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は45,452百万円となっております。