E00374 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2023年1月1日~9月30日)におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善が進む中、各種政策の効果による景気の回復が期待されておりますが、食品業界においては、原材料・エネルギー価格の高騰や食品値上げに対するお客様の節約志向の高まりにより厳しい状況となりました。
このような状況下にあって当社グループは、お客様に、より良い商品と最善のサービスを提供できるよう、売上と利益の確保につとめてまいりました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、752億8百万円(対前年同期比104.4%)と、前年同期の実績を上回りました。
一方、利益面では、製品価格の見直しや省人化など生産性向上をはかってまいりましたが、想定を上回る原材料価格の高騰や人件費の上昇、製菓事業における製品価格見直しによる販売数量の減少、洋菓子事業における在庫抑制による生産高の減少が大きく影響し、営業損失は2億1百万円(前年同期は25億16百万円の営業利益)、経常利益は5億24百万円(対前年同期比14.1%)、親会社株主に帰属する四半期純損失は90百万円(前年同期は20億28百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
なお、現在、主力ブランド製品の拡販をはかり、第4四半期の売上目標の達成を目指すとともに、利益の回復に向け、工場の稼働を促進させてさらなる生産性向上とコスト改善に取り組んでおります。
注)記載金額は、百万円未満を切り捨てて表示しております。
<洋菓子事業>
当社単体の洋菓子においては、洋菓子チェーン店にて常に変化のある品揃えによりお客様に選ぶ楽しさを提供してまいりました。岡山県産清水白桃など産地・品種にこだわった素材を使用した『厳選素材製品』や月ごとに旬の国産フルーツを使用した期間限定のケーキ『宝石箱シリーズ』を展開し、好調に推移いたしました。しかしながら、記録的な猛暑の影響が大きく、当第3四半期連結会計期間末の不二家洋菓子店の営業店舗数が940店と前年同期に比べ13店減少したこともあり、洋菓子店の売上は前年を下回りました。
なお、新たな取り組みとして、冷凍スイーツ自動販売機の設置活動を推進し、販路の拡大につとめております。また、9月には「はじまるよ、新しい不二家」をテーマに洋菓子店のVI(ビジュアルアイデンティティ)を刷新いたしました。順次、店舗の看板や包装資材等のデザインのリニューアルを実施するとともに、各種営業施策を着実に実践・実行することにより、洋菓子店の売上は急速に回復に向かっております。
広域流通企業との取り組みについては、パフケーキやシュークリーム、ミルクレープなど生産性の高いラインで製造できる製品の拡販を行うとともに、マカロンなど当社の技術力を活かした製品の提案を積極的に行った結果、売上は好調に推移いたしました。
レストラン事業では、メニュー及び価格の一部見直しによる客単価アップ、新型コロナウイルス感染症の影響で減少していた客足の回復に加え、これまで取り組んできた美化改装の効果もあり、売上高は41億55百万円(対前年同期比122.4%)と前年同期の実績を上回りました。
㈱ダロワイヨジャポンでは、百貨店や駅ビルに出店している店舗の販売が好調に推移しており、売上は前年同期の実績を上回りました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における洋菓子事業全体の売上高は213億51百万円(対前年同期比102.4%)となりましたが、利益面では、卵、油脂など原材料価格の高騰や第2四半期末における不良在庫の処分の影響により、厳しい結果となりました。
<製菓事業>
当社単体の菓子においては、3月の価格改定を機に「カントリーマアム」や「アーモンドチョコレート」、「ピーナッツチョコレート」等の大袋製品の販売数量が減少し苦戦しておりましたが、徐々に回復してきております。また、主力ブランド製品の『ホームパイ』や『ミルキー』は好調に推移し、売上は前年同期の実績を上回りました。
なお、前期に生産能力の増強とともに生産性の向上をはかった設備を活用し、9月には期間限定で「カントリーマアム チョコまみれ」「ホームパイ チョコだらけ」の増量品を発売するなどさらなる売上向上に取り組んでおります。
不二家(杭州)食品有限公司では、人気のポップキャンディの販売が好調に推移し、売上は前年同期の実績を上回りました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における製菓事業全体の売上高は514億56百万円(対前年同期比105.3%)となりましたが、利益面では、製品価格の見直しによる販売数量減少により、減益となりました。
<その他>
キャラクターグッズ販売、ライセンス事業、不動産賃貸事業及び㈱不二家システムセンターのデータ入力サービスなどの事務受託業務の売上高は、24億円となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
流動資産は307億97百万円で、主に受取手形及び売掛金の減により前連結会計年度末に比べ63億2百万円減少いたしました。固定資産は494億49百万円で、主に有形固定資産や投資その他の資産の増により、前連結会計年度末に比べ28億36百万円の増加となりました。
この結果、総資産は802億46百万円で前連結会計年度末に比べ34億65百万円減少いたしました。
また、流動負債は173億69百万円で、主に支払手形及び買掛金やその他に含まれる設備支払手形の減により前連結会計年度末に比べ36億89百万円減少いたしました。固定負債は34億84百万円で、前連結会計年度末並みとなりました。
この結果、負債は合計208億54百万円で、前連結会計年度末に比べ36億92百万円減少いたしました。
純資産は593億92百万円で、主に為替換算調整勘定の増により前連結会計年度末に比べ2億26百万円増加いたしました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、3億82百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間におきまして、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。