北海道コカ・コーラボトリング株式会社

食料品飲料スタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00408 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

また、当社グループは、飲料の製造・販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年9月30日)におけるわが国経済は、引き続く物価上昇による消費抑制や世界的な景気後退懸念による下押し要因はあるものの、経済の正常化が進み、堅調に回復しています。

北海道経済においても、旅行支援やコロナ禍で中止していたイベントの再開等の追い風を受けて、観光業や飲食業等を中心に回復傾向ではありますが、一部に弱さが見られます。

飲料業界では、コロナ禍からの市場回復に加えて、今夏の異例の暑さにより飲料の売上は好調となりました。当社でも、高まる需要に対応し営業と製造、SCMの各部門が連携して販売拡大と安定供給につとめました。

しかし、原材料資材価格高騰や物流費の上昇によるコスト増加の影響は大きく、各社価格改定に踏み切りました。当社としても、2022年5月から大型PETボトル商品、小型パッケージ商品、缶製品、パウチ製品、パウダー製品等の価格改定を実施しています。

このような状況の中で、当社グループは営業上の取り組みとして、スーパーマーケット等の量販店においては、カスタマーの課題である人手不足を解決する為、POSや人流データを活用し、店頭オペレーションの効率化と販売ロスを防ぐ適切な品揃え提案を行うことで、双方の売上拡大を図りました。さらに、物価高の影響を受ける家計を応援するため、お買い得な商品のまとめ売りを実施する等、オンラインでの専用商品販売と合わせて、道民の皆様の需要に対応する商品の提供活動に注力しました。

自動販売機ビジネスにおいては、活性化する観光需要をメインターゲットとして「Coke ON」アプリの利用購入者へエリア限定スタンプを付与する等、北海道限定企画の展開により全国水準より高いアプリ利用率の拡大ならびに販売増を実現しました。同じく北海道独自の取組みとして、設定温度を通常より2℃低くした強冷自動販売機を展開し、異例の暑さの中での売上を拡大しました。

飲食店においては全国プロモーション実施を契機とした北海道独自の取組みの促進で販売を拡大したほか、今年3月に開業したES CON FIELD HOKKAIDOでは、夏休みの集客増加に対応するべく販売箇所や商品ラインナップを増やし、販売チャンスを逃さないよう積極的な販売活動を実施しました。

新商品としては、カフェラテと秋らしいシャインマスカットをかけ合わせて誕生した、「ジョージア THE ラテ」初のフレーバーラテ製品「ジョージア THE ラテ シャインマスカット」、福岡県産ブランドいちご「あまおう®」の華やかな香りと上品な味わいが特徴の「い・ろ・は・す いちご」、北東北(青森県・秋田県・岩手県)特産のぶどうエキスを加えた「い・ろ・は・す 北のぶどうミックス」、こだわり素材を使ったプレミアムなレモン炭酸に、ピンクグレープフルーツをミックスし、酸味とほろ苦い味わいをお楽しみいただける「ファンタレモンプレミアピンクグレープフルーツ」等を発売しました。

また、「北の大地とともに」を合言葉にサスティナビリティ活動を展開し、SDGsを新たな指標ととらえ、活動を継続してきました。 

環境に対する取り組みとして、コカ・コーラシステムは、日本国内のバリューチェーン全体における温室効果ガスを2030年までにスコープ1、2(工場やオフィス、エネルギーに起因する排出量)において50%、スコープ3(原料の加工、自動販売機などの排出量)において、30%(いずれも2015年比)削減する目標を策定しました。目標達成のためのコカ・コーラシステムの代表的な取り組みとして、「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」の実現を掲げ、2030年までに全てのペットボトルを100%サスティナブル素材へ切り替えること、日本国内で販売した同等量のペットボトル容器を回収すること等を目指して進めてまいります。

具体的な取り組みとしては、上士幌町と同町の町民等が排出するPETボトルの資源循環型リサイクルを実施することにより、廃棄物の減量及び資源の有効利用を推進し、持続可能な環境・経済・社会を目指すことを目的とした「ペットボトル資源循環リサイクルに関する事業連携協定」を締結いたしました。本協定は、使用済みPETボトルを新たなPETボトルに再生する、水平リサイクル「ボトル to ボトル」事業において協働するもので、上士幌町が回収する使用済みPETボトルを、粉砕・洗浄などの各工程を経て、再原料化いたします。本事業にて再生されたPET原料は、当社が製造・販売するコカ・コーラ社製品の容器に使用いたします。

また、北海道電力株式会社、合同会社HARE(はれ)晴(ば)れ(以下「HARE晴れ」)と、太陽光発電によるオフサイトPPAに関する契約を締結しました。本契約において当社は、北海道電力を通じてHARE晴れの太陽光発電所が発電する再エネ電力年間約1,300MWhを調達します。これは、オフサイトPPAの仕組みを活用して、再生可能エネルギー電力を札幌工場の電力の一部で使用するもので、当社と北海道電力で取り組む北海道初の事案であり、当社は、従来比で年間約700トンのCO2削減(札幌工場の製品約1,600万本分製造する際に排出されるCO2に相当)を実現し、当社が掲げる「スコープ1と2」の目標達成に向けて大きく前進するものと考えています。

さらに、また、今年で創立60周年を迎えた記念として、当社やコカ・コーラの歴史、北海道における取り組みなどを、生活者の皆さまに楽しみながら知っていただくためのコーポレートサイトとして、「どさんこーく広場」を開設いたしました。

また、「次世代の女性リーダーの育成」及び「女子野球の普及・振興」を支援するため、学校法人札幌国際大学が保有する野球チーム「札幌国際大学女子硬式野球部」とスポンサー契約を締結いたしました。当社は、2022年8月に札幌国際大学と包括連携協定を結び、ともに札幌市清田区の地域創生や社会課題解決を目的とした活動を行っております。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、人流の回復や猛暑などの需要増を捉えた営業活動により販売数量が増加したほか、価格改定が寄与し、売上高は43,300百万円(前年同期比11.3%増)となりました。利益面では、販売伸長による利益貢献に加え、継続したコスト削減の取り組みにより、営業利益は1,847百万円(前年同期比225.6%増)、経常利益は1,863百万円(前年同期比145.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,441百万円(前年同期比202.8%増)となりました。

当第3四半期連結会計期間末の資産、負債、純資産については、総資産は、現金及び預金や受取手形及び売掛金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ3,473百万円増加し、51,488百万円となりました。

負債は、買掛金や未払法人税等の増加などにより、前連結会計年度末に比べ2,688百万円増加し、10,868百万円になりました。

純資産は、利益剰余金の増加により、前連結会計年度末に比べ785百万円増加し、40,620百万円となりました。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。

 

(3) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

(4) 従業員数

  提出会社の状況

当第3四半期連結累計期間において、当社連結子会社である北海道ベンディング株式会社の会社分割により北海道コカ・コーラリテール&ベンディング株式会社を新設しております。これに伴い、北海道コカ・コーラリテール&ベンディング株式会社へ従業員が出向したこと等により、当社の従業員数は前期末から166人減少し、204人となりました。