売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E31035 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当第3四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

第3四半期累計期間における当社を取り巻く環境は、日米の金融政策の違いから円安が進み最安値を更新、また今後も円安観測が根強い中で、依然として見通しの立てづらい状況が続いております。一方、小売業では、消費者の「値上げ疲れ」から値下げに踏み切る動きも一部あり、値上げの動きは年内に沈静化するという見方もありますが、中東情勢の悪化による原油価格の高止まりや円安進行が続けば、さらなる値上げ要因になり得るだけに楽観できない状況が続いています。このような状況の中、当社は中長期計画のブラッシュアップと、それに伴う成長投資に必要な資金調達を開始し、アサイーのアジアを中心とした海外事業展開とサステナブルマッチングプラットフォーム構築の実現に向けて、取り組みを推進してまいりました。海外事業展開においては、OAKBERRY ACAI, INCとのアサイーのアジア事業開発に向けた協議開始及び覚書の締結を行い、Oakberryのブランド力やノウハウにより、今後大幅な成長が予測されている日本を含むアジア地域におけるアサイー市場に参入するための第一歩としてテスト店舗を出店する予定となっております。また、アサイーがZ世代を中心とした若年女性層に人気となっていることも後押しとなり、円安市況においても前年比で増収増益となっております。

 

 

 

 

(単位:千円)

 

前第3四半期累計期間

(自 2022年4月1日

 至 2022年12月31日)

当第3四半期累計期間

(自 2023年4月1日

 至 2023年12月31日)

増減率

売上高

568,355

837,259

47.3%

売上原価

360,802

578,164

60.2%

売上総利益

207,552

259,094

24.8%

販売費及び一般管理費

469,512

483,914

3.0%

営業損失(△)

△261,960

△224,819

経常損失(△)

△255,021

△244,880

 

(参考)第3四半期(10月1日-12月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

前第3四半期会計期間

 (自 2022年10月1日

  至 2022年12月31日)

当第3四半期会計期間

 (自 2023年10月1日

   至 2023年12月31日)

増減率

売上高

184,761

261,073

41.3%

売上原価

113,844

194,558

70.8%

売上総利益

70,917

66,514

△6.2%

販売費及び一般管理費

152,228

146,688

△3.6%

営業損失(△)

△81,311

△80,173

経常損失(△)

△72,699

△87,708

 

第3四半期会計期間(2023年10月1日~2023年12月31日)においては、売上高261,073千円(前年同期比141.3%)、売上総利益66,514千円(前年同期比93.8%)、営業損失は前第3四半期会計期間より1,138千円減少し80,173千円となり、売上高は引き続き大幅に前年を上回る勢いで伸長しております。円安などの影響により売上原価が上昇する中、販売費及び一般管理費の削減に成功した結果、前事業年度第3四半期会計期間から5四半期連続での増収増益となっており、黒字化への流れを継続しております。まずは月次黒字化を達成すべく、具体的にターゲットを定めて売上拡大、粗利率向上、費用削減の取り組みを進めてまいります。また、当第3四半期累計期間においても、売上高837,259千円(前年同期比147.3%)、売上総利益259,094千円(前年同期比124.8%)、営業損失は前第3四半期累計期間より37,141千円減少し224,819千円となり、特に売上高においては、当第3四半期累計期間末時点で、前事業年度末時点の売上高804,885千円を越える実績となっており、好調に推移しております。

 

売上高好調の主な要因としましては、第1四半期から続いている、当社事業の中心でもあるアサイー関連商品の好調が、当第3四半期ではより一層顕著に表れており、売上・利益共に大きく貢献しております。中でも、反響が大きかった11月月次売上実績では、欠品や品薄により十分な供給ができていない中、冷凍アサイーピューレ加糖は前年同月比327%、冷凍アサイーピューレ無糖は前年同月比320%、お家でアサイーボウルは前年同月比470%と非常に高い数値となっております。特にアサイーボウルのベースとなる冷凍商品が好調に推移していることからも、以前のアサイーブーム時同様の盛り上がりが見て取れます。また、当社製品ラインナップは冷蔵、冷凍品が中心となっており、例年第3四半期ではカテゴリーの季節指数に比例して売上が鈍化する傾向にありますが、当第3四半期はその傾向がなく、伸長し続けているのも良い傾向となっております。一方需要増に対する供給面では、原料供給元でもあるブラジルのアマゾン川や、日本輸入の際の航路となっているパナマ運河の水位が低下し、干ばつが起こる中で、輸入計画にも大きな狂いが生じ、現在店頭での欠品・品薄が発生しております。これらの要因となっている急激な気候変動は、我々の事業の根幹でもあるアグロフォレストリーの重要性を改めて感じさせる出来事であり、引き続き経済と環境が共存共栄する持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。なお、上記欠品・品薄への対応としましては、国内で確保している原料在庫を有効活用し、国内製造の商品に代替することにより、店頭での品薄を最小限に抑えております。また、輸入品についても第4四半期中での回復を見込んでおり、在庫が確保でき次第、1日でも早く、市場の盛り上がりやお客様のご期待に応えられるよう努めてまいります。

また、アサイーに関しては、当社製品へのCO₂削減マーク記載をスタートするなど露出を強化していく中で、サステナブルフードとしてCO₂削減量に関連した引き合いも増えてきており、当社事業の根幹であるアグロフォレストリーに対する関心が高まっていることがうかがえます。当第3四半期においては、企業や団体、行政、教育機関が環境配慮型製品やサービス、技術などを展示・紹介する国内最大規模の展示会「エコプロ2023」への初出展や、サステナビリティレポートの作成、開示により、当社の姿勢、方針を明確にした上で、取り組み強化を図っております。今後も主力商品であるアサイーの拡販と事業の根幹であるアグロフォレストリーのweb3プラットフォーム化の2つを軸に、コアビジネスの強化・拡大を図ってまいります。

 

売上原価においては、前述のアサイー需要増が輸入品を中心に伸張したため、想定以上に円安の影響を受け、売上高の伸長率と比べると、売上総利益の伸長率は鈍化する結果となりました。この円安基調は今後も当分続くと思われるため、対策といたしまして国内製造の商品への代替や、アサイーボウルやスムージーなどの完成品としての提案を強化することにより為替の影響を最小限に抑え、適正な売上総利益の確保に務めてまいります。

 

販売費及び一般管理費につきましては、売上増加に伴い物流コスト(倉庫料、荷造運賃発送費)が41,176千円の増加となっておりますが、物流コストの上昇が続く中で、売上高伸長率に比例した一定の率内で抑えることができております。さらに、人件費・業務委託費合計で60,016千円減少したことなどで、前第3四半期累計期間より14,402千円増加(前期同期比103.0%)となりました。

 

結果として、当第3四半期累計期間の営業損失は224,819千円(前年同期は営業損失261,960千円)、経常損失は円安の影響により、外貨建債務の為替差損を10,303千円計上したことなどにより244,880千円(前年同期は経常損失255,021千円)、四半期純損失は244,103千円(前年同期は四半期純損失255,734千円)となりました。

 

ⅰ.財政状態

当第3四半期会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べ42,151千円減少したことで、1,159,248千円となりました。この主な要因は現金及び預金が23,811千円及び棚卸資産が59,631千円減少したこと等によるものであります。

当第3四半期会計期間末における負債は、前事業年度末に比べて215,815千円増加したことで、517,906千円となりました。この主な要因は社債が300,000千円増加したこと等によるものであります。

当第3四半期会計期間末における純資産は、前事業年度末に比べて257,966千円減少したことで、641,342千円となりました。この主な要因は四半期純損失が244,103千円及びその他有価証券評価差額金が24,995千円減少したこと等によるものであります。

 

ⅱ.経営成績

当社は輸入食品製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。事業部門別の売上高は次のとおりであります。

 

 

 

(単位:千円)

 

前第3四半期累計期間

(自 2022年4月1日

 至 2022年12月31日)

当第3四半期累計期間

(自 2023年4月1日

 至 2023年12月31日)

増減率

リテール事業部門

236,361

423,404

79.1%

業務用事業部門

223,453

291,826

30.5%

DM事業部門(注1)

92,879

110,529

19.0%

海外事業部門

15,661

11,499

△26.5%

合計

568,355

837,259

47.3%

(注1) ダイレクトマーケティング事業部門

 

(参考)第3四半期(10月1日-12月31日)

 

(単位:千円)

 

前第3四半期会計期間

(自 2022年9月1日

 至 2022年12月31日)

当第3四半期会計期間

(自 2023年9月1日

 至 2023年12月31日)

増減率

リテール事業部門

86,365

117,997

36.6%

業務用事業部門

61,430

101,740

65.6%

DM事業部門(注1)

27,750

34,899

25.7%

海外事業部門

9,216

6,436

△30.1%

合計

184,761

261,073

41.3%

(注1) ダイレクトマーケティング事業部門

 

①リテール事業部門

スーパーマーケットを中心とした小売店については、フルッタアサイーシリーズや、冷凍ピューレに加え、お家でアサイーボウルなど、アサイー関連商材が全体的に好調に推移し、売上高、売上総利益に大きく貢献しました。中でも、フルッタアサイーシリーズにおいては、製品へCO₂削減マークを記載したことが要因となって定番採用に繋がった事例なども出てきており、現在その他商品への水平展開に向け、準備を進めております。冷凍アサイーピューレ、お家でアサイーボウルにおいては、今までスーパーマーケットへの提案はチルド飲料中心となっていたため、冷凍品の十分なアプローチ・拡販ができておりませんでしたが、市場の盛り上がりの後押しもあり、小売業からの問い合わせも多く、露出面が増えております。今後も継続して既存品の露出強化を図ると共に、現状のパウチタイプの商品だけでなく、よりお客様の利便性を追求したカップタイプなどの新商品を来年度には計画しております。この結果、リテール事業部門全体の売上高は423,404千円(前年同期比179.1%)となりました。

 

②業務用事業部門

外食向け原料販売では、冷凍ピューレやアサイーグロッソアイスなどの、主にアサイーボウルやスムージーのベースとして活用されている商品が、大手カフェチェーンやレストランチェーンに採用される中、その影響が個店向けの業務用通販サイトBIZWEBにおいても広がり、新規顧客が大幅に増加したことで、売上・利益に大きく貢献いたしました。アサイーグロッソアイスについては、最盛期となる来春夏に向けて高まる需要に応えるべく、現在新たな製造拠点を確保し、増産に向けて取り組んでおります。また、以前より研究しておりました、アサイーの代替肉をはじめとした植物性タンパク質訴求食品における血液代替原料となり得る価値の訴求についても、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社のプライベートブランド『GREEN GROWERS Meal(グリーングロワーズミール)』に他社事例として初採用され、売上に貢献しております。また、この商品は、CO2吸収量を一製品あたりの削減量として換算した「CO2削減マーク」の他社製品への初の使用事例であり、ブランドコンセプトとの親和性の高さからこの度の採用に至りました。アサイー以外でも、ピタヤ(ドラゴンフルーツ)や楊枝甘露のメニュー採用事例も徐々に増加しており、さらなる拡売に向けたメニュー開発により販路拡大を図っていくと共に、リテール販売での成功事例を業務用販売に繋げていく戦略を継続してまいります。

メーカー向け原料販売については、アサイーを中心に新規案件が増えてきており、アサイー5倍濃縮エキスや、フリーズドライパウダーなどが堅調に推移しておりますが、一部小売業向けの原料の販売が鈍化したことにより、当第3四半期といたしましては厳しい結果となりました。一方で、サステナブル原料に関する問い合わせは日に日に増加しており、前述の「CO2削減マーク」の他社製品への使用事例を武器に、近年特に重要な課題となっている「責任ある調達(サステナブル調達)」に対応した付加価値型原料として第4四半期以降もさらなる拡大に努めてまいります。この結果、業務用事業部門の売上高は291,826千円(前年同期比130.5%)となりました。

 

③ダイレクトマーケティング(DM)事業部門

ECチャネルにおいては、前述のアサイーの盛り上がりにおける火付け役となっているZ世代の購入チャネルとして、プラットフォームを中心に好調に推移しております。インフルエンサー発信でアサイーボウルが話題となる中、広告投資やSNS強化を行ってきた結果、売上の拡大に寄与しました。一方で、プラットフォームを拡大したことにより、一部自社ECなどへ自社競合が発生する結果となっており、今後は販売チャネルごとの役割を明確にし、自社ECにおいてはチャネル特性に合った新商品の開発や、CO₂削減量可視化をはじめとした環境問題への取り組みの強化などを含めたリニューアルにより、EC市場全体での拡売・収益確保に取り組んでまいります。また、新たなチャネル開拓として、ふるさと納税の返礼品としての取り扱いを強化し、12月の駆け込み重要もあり、一定の効果を得ることに成功しました。この結果、ダイレクトマーケティング事業部門全体の売上高は110,529千円(前年同期比119.0%)となりました。

 

④海外事業部門

主力のカカオ豆については、全体量としましては昨年同等の物量までは確保できておりますが、例年に比べ収穫のタイミングが遅くなったことに加え、前述のブラジルのアマゾン川や、日本輸入の際の航路となっているパナマ運河の干ばつにより、輸入計画に大きな遅れが発生しており、当第3四半期といたしましては厳しい結果となりました。収穫および輸入遅延の背景には、最近メディアでもたびたび取り上げられている、地球温暖化の影響がアマゾン地域でも指摘されています。これらの現象は、改めてアグロフォレストリーの必要性の認知が高まるトリガーになるものと考えております。当社のカカオビジネスはCO削減量の観点からも大きな役割を担っているため、引き続きCAMTAと協力しながら増産に向けて取り組んでまいります。近年、次世代型食料供給産業に注目が集まる中で、近い将来、アグロフォレストリーが国際機関の目指す「温暖化ガス削減」や「ネイチャーポジティブ」の数少ない成功事例となり得ることを鑑み、アグロフォレストリーを中心としたサステナブルマッチングプラットフォーム化に向けた取り組みを進めております。当社にしかできないソリューションを提供することで、売上拡大を図ってまいります。この結果、海外事業部門の売上高は11,499千円(前年同期比73.4%)となりました。

 

(2)経営方針・経営戦略等

  当第3四半期累計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

  当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は、13,245千円であります。

 なお、当第3四半期累計期間における当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。