E00462 Japan GAAP
(1)経営成績の状況
第七次中期計画の最終年度にあたる当第3四半期連結累計期間は、原材料価格の高騰、経済活動の再開に伴う市場環境の変化、インフレ進行に伴う消費者の行動変容など事業環境の変動は大きく、引き続き先行きの不透明な状況が続いております。
当社グループは、原材料費などコストアップ圧力に対して国内外グループ各社が価格改定や効果的なコスト運用を進めるなか、海外食品事業は各展開エリアの市場環境変化を受け大幅な減益となりましたが、他の4つの事業は増益となりグループ連結トータルは増収増益となりました。経常利益は増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は、当社連結子会社であるハウス食品㈱における退職給付制度の改定に伴う特別利益を第1四半期連結会計期間に計上したことから、増益となりました。
なお、当社グループは2022年9月30日付で米国キーストーンナチュラルホールディングス社を企業結合しておりますが、第1四半期連結会計期間に同社取得原価の配分(PPA)が完了しており、前年同期との比較・分析にあたっては、PPAの内容を反映させた金額を用いております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。
これらの結果、当社グループの経営成績は以下のとおりとなりました。
|
2024年3月期 第3四半期 |
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
売上高 |
225,697 |
109.7 |
営業利益 |
16,669 |
116.4 |
経常利益 |
17,599 |
113.2 |
親会社株主に帰属する四半期純利益 |
16,362 |
141.0 |
セグメント別の経営成績の概況(セグメント間取引消去前)は、次のとおりであります。
事業の種類別 セグメント |
売上高 |
営業利益 (セグメント利益又は損失(△)) |
||
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
香辛・調味加工食品事業 |
96,086 |
105.5 |
8,630 |
127.5 |
健康食品事業 |
13,327 |
101.8 |
2,296 |
120.8 |
海外食品事業 |
41,937 |
119.9 |
2,284 |
51.1 |
外食事業 |
41,158 |
116.3 |
2,902 |
219.9 |
その他食品関連事業 |
40,936 |
106.7 |
1,567 |
191.5 |
小計 |
233,445 |
109.7 |
17,678 |
115.7 |
調整(消去) |
△7,748 |
- |
△1,009 |
- |
合計 |
225,697 |
109.7 |
16,669 |
116.4 |
(注)1.調整(消去)の内容は、セグメントに配分していない損益およびセグメント間取引に係る相殺消去であります。
<香辛・調味加工食品事業>
当事業セグメントの家庭用事業は、前期に引き続き価格改定を実施するとともに、新売価定着に向けた販売バックアップ策の拡充やお客様ニーズに対応した製品の投入による需要喚起を図った結果、概ね想定通りに販売回復が進んでおります。業務用事業は、本年4月より新生ハウスギャバンとして活動をスタートするなか、経済活動再開に伴う需要回復に加え2023年9月実施の価格改定もあり回復基調にあります。
以上の結果、香辛・調味加工食品事業の売上高は960億86百万円、前年同期比5.5%の増収、営業利益は86億30百万円、前年同期比27.5%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は9.0%となり、前年同期より1.5pt向上いたしました。
<健康食品事業>
当事業セグメントは、国内事業の収益基盤の確保とグローバルでの機能性素材系バリューチェーンの構築に取り組んでおります。
当事業セグメントは、「ウコンの力」の需要増に加え、主力製品である「C1000瓶製品」や「1日分のビタミンゼリー」の販売に注力し増収となりました。利益面は、効果的なコスト運用に加え増収効果もあり増益となりました。
以上の結果、健康食品事業の売上高は133億27百万円、前年同期比1.8%の増収、営業利益は22億96百万円、前年同期比20.8%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は17.2%となり、前年同期より2.7pt向上いたしました。
<海外食品事業>連結対象期間:主として2023年1月~9月
米国豆腐事業は、ハウスフーズアメリカ社(以下、HFA社)の価格改定やキーストーンナチュラルホールディングス社(以下、KNH社)の新規連結などにより増収となりましたが、KNH社買収に伴うのれん等の償却負担や2023年6月に稼働したHFA社新ラインの減価償却負担などを吸収するには至らず減益となりました。
中国カレー事業は、2023年1月以降、景況感悪化に伴う節約志向の高まりなど消費者の行動変容の影響を色濃く受けています。家庭用事業は、消費環境変化を踏まえ、販売間口の拡大を推進する当初計画から費用対効果を重視する計画へシフトチェンジするも、第2四半期連結累計期間において先行したコスト増を吸収するには至らず増収減益となりました。業務用事業は、新規導入が進んだ一方、前期ゼロコロナ政策下で停滞した事業活動の再開によるコスト増が影響し、増収減益となりました。
タイ機能性飲料事業は、急激な市場環境変化を踏まえ当第3四半期連結会計期間よりブランドコミュニケーションの刷新など新たなマーケティング戦略を展開しましたが、販売に苦戦した第2四半期連結累計期間の業績低迷の影響が大きく、減収減益となりました。
以上の結果、海外食品事業の売上高は419億37百万円、前年同期比19.9%の増収、営業利益は22億84百万円、前年同期比48.9%の減益となりました。結果、売上高営業利益率は5.4%となり、前年同期より7.3pt減少いたしました。
<外食事業>連結対象期間:㈱壱番屋は2023年3月~11月、海外子会社は2023年1月~9月
当事業セグメントは、既存事業の収益力強化および新業態の育成を推進しております。
国内事業を推進する㈱壱番屋は、経済活動再開に伴う人流回復に加え、メニュー施策や新たなプロモーション活動の効果もあり既存店売上高、客数、客単価すべてが前年同期を上回って推移しました。また、海外事業は、新型コロナウイルス感染症の各種規制がなくなったことなどから多くのエリアで好調に推移しました。
以上の結果、外食事業の売上高は411億58百万円、前年同期比16.3%の増収、営業利益は29億2百万円、前年同期比119.9%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は7.1%となり、前年同期より3.3pt向上いたしました。
<その他食品関連事業>
㈱デリカシェフは、生産性向上の取組が奏功したほか、増収効果もあり増益となりました。
㈱ヴォークス・トレーディングは、価格転嫁が進んだことや高利益率商材の販売注力により増収増益となりました。
以上の結果、その他食品関連事業の売上高は409億36百万円、前年同期比6.7%の増収、営業利益は15億67百万円、前年同期比91.5%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は3.8%となり、前年同期より1.7pt向上いたしました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の財政状態は以下のとおりであります。
総資産は、4,286億33百万円となり、前連結会計年度末に比べて317億23百万円の増加となりました。
流動資産は、受取手形及び売掛金、現金及び預金、商品及び製品が増加したことなどから、148億48百万円増加の1,697億73百万円となりました。固定資産は、建設仮勘定が減少した一方で、投資有価証券、建物及び構築物、退職給付に係る資産、機械装置及び運搬具が増加したことなどから、168億74百万円増加の2,588億60百万円となりました。
負債は、1,047億25百万円となり、前連結会計年度末に比べて91億50百万円の増加となりました。
流動負債は、未払金が減少した一方で、支払手形及び買掛金や未払法人税等が増加したことなどから、57億8百万円増加の623億62百万円となりました。固定負債は、繰延税金負債が増加したことなどから、34億43百万円増加の423億63百万円となりました。
純資産は、退職給付に係る調整累計額が減少した一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益により利益剰余金が増加したこと、為替換算調整勘定が増加したこと、保有する投資有価証券の時価上昇によりその他有価証券評価差額金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて225億72百万円増加の3,239億7百万円となりました。
この結果、当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は68.8%(前連結会計年度末は68.6%)、1株当たり純資産は3,021円39銭(前連結会計年度末は2,791円56銭)となりました。
なお、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定に伴い、前連結会計年度については、取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額を使用しております。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について、重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は34億28百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。