売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00513 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

なお、当第3四半期連結累計期間は、「第4  経理の状況」において四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成していないため、キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容は記載しておりません。

(1) 経営成績に関する説明

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年12月31日)におけるわが国経済は、コロナ禍の終息に向けた動きが加速し、緩やかな景気回復傾向にありましたが、物価高や世界的な金融引き締め政策の影響による経済の減速、円安の長期化等、先行き不透明な状況が続いております。

食品業界では原材料費の高騰等に伴う様々な商品の値上げ拡大による影響が大きく、節約志向が一段と強まりました。一方、外食業界におきましては、行動制限も緩和され回復傾向ではありますが、原材料やエネルギー価格の上昇、労働力不足による人件費上昇等、依然として経営環境は厳しいものとなっています。

このような状況のもと、当社グループは、商品、レストラン、ショップを通して「おいしさと健康」をお客様に提供し、ファンを基盤にした経営、マーケティングの強化、商品の強みを生かした価値訴求のさらなる追求を行ってまいりました。

商品事業では、お客様に寄り添った提案力の強化やブランドの強みを活かした営業改革に取り組んだことに加え、前期に行った価格改定が奏功し、増収となりました。店舗事業では、顧客満足を追求した施策や新規出店効果により大幅な増収となり、当第3四半期連結累計期間の売上高は、グループ全体で76億6百万円(前年同期比9.8%増)となりました。

利益面では、商品事業において原材料や資材価格等の高騰影響はあったものの、価格改定の効果があったことに加え、店舗事業が利益構造改革により再黒字化を達成したこと等により営業利益は2億9百万円(前年同期は78百万円の損失)、経常利益は1億92百万円(前年同期は77百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億1百万円(前年同期は1億27百万円の損失)となりました。

セグメント別の経営成績は次のとおりです。

なお、前連結会計年度末より報告セグメントの変更を行っており、従来「食品事業」「レストラン事業」としていた報告セグメントの名称を「商品事業」「店舗事業」に変更しております。また、従来「食品事業」に含めていた「直販事業」は、変更後のセグメント区分において「店舗事業」に含めております。前年同期比較・分析については、変更後のセグメント区分に基づいております。

①商品事業

・ドレッシングカテゴリー

収益基盤のドレッシングカテゴリーでは、定番商品の「ピエトロドレッシング 和風しょうゆ」と健康志向に応えるカロリー、油分カットの「ピエトロドレッシング グリーン和風しょうゆ」に改めて重点を置き、未開拓エリアへの販路拡大や、さらなるリピーター創出のためのマーケティング強化を図りました。「野菜嫌いをナオソ。」をスローガンに掲げた『100万人へおいしさを届けるプロジェクト』を発足し、「ピエトロドレッシング 和風しょうゆ」の使い切りサイズサンプリングを通じてこれまで商品をご存じなかったお客様とのコミュニケーションを図る施策を始動し、野菜嫌いの克服をお手伝いする活動をさらに積極的に進めました。また、春夏限定商品の「ピエトロドレッシング うめ」や9月にリニューアルした「ピエトロドレッシング 焙煎香りごま」の販売が好調に推移しました。前期に行った価格改定の効果もあり、ドレッシングカテゴリーは前期を上回る販売額となりました。

・パスタカテゴリー

第2の柱であるパスタカテゴリーでは、ボトル入りパスタソース「おうちパスタシリーズ」4種の個食パックアソートセットの販売等で、さらなる認知度向上、新たな需要拡大を行うとともに、主力のごま醤油ガーリック、ペペロンチーノ、バジルを中心に定番化を推進し、配荷を拡大してまいりました。

また、レトルトパスタソース「洋麺屋ピエトロ」は“レストランの味をご家庭で”の強みを活かした提案や映画とのタイアップキャンペーンを行う等のプロモーション強化を行った結果、なす辛、絶望スパゲティが好調に推移いたしました。

 

プレミアムパスタ麺「AGNESI」は“ピエトロレストランで使用するプレミアムパスタ麺”として認知拡大を図ったことにより、家庭用、業務用ともに前年同期を大きく上回る販売額となりました。

しかしながら、新型コロナウイルス自宅療養者向け商品供給の反動が影響し、パスタカテゴリー全体での販売額は前期を下回る結果となりました。

・冷凍商品カテゴリー

成長事業である冷凍商品カテゴリーでは、プレミアム冷凍商品として、レストランクオリティの味が家庭で簡単に楽しめる点を強みとし、冷凍パスタを中心にピザ、ドリア、グラタン等の拡販強化を行ってまいりました。またレトルトパスタソースで人気の味わいを冷凍商品にした「〔冷凍パスタ〕洋麺屋ピエトロ お肉好きのあなたのためのボロネーゼ」をはじめ、冷凍グラタンや冷凍ピザ等のリニューアル商品を発売し、配荷拡大に繋げました。

特に量販店向けの「洋麺屋ピエトロシリーズ(冷凍パスタ)」やセット品が好調に推移し、前年同期の販売額を上回りました。

・スープカテゴリー

素材や調理法にこだわった「PIETRO A DAY」ブランドとして育成中のスープカテゴリーは、通信販売をはじめ、店舗事業セグメントでもある直販店、レストラン店頭の物販商品として、販売を順調に伸ばしました。定番商品である「北海道産スイートコーンの甘みポタージュ」や「国産じゃがいものヴィシソワーズ」が好調に推移するとともに、冬季限定商品「ボストン風 白いクラムチャウダー」もご好評をいただいており、順調に販売額を伸ばしました。

・その他カテゴリー

フライドオニオン「PATFUTTE(パットフッテ)」シリーズは、レストランのテーブルで自由にお試しいただける“テーブルマーケティング”により、レストラン店頭物販で好調が続く実績を基に量販店向けの配荷拡大に取り組んだ結果、流通商品としても順調に販売額を伸ばしました。

さらに通信販売では、自社ECサイトを、よりお客様が魅力的に感じていただけるようリニューアルを行うとともに、大手ECモールへの新規出店等も積極的に行い、特に冷凍商品・スープの両カテゴリーを中心にEC販売の強化を行ってまいりました。

その他、発売から42年の主力商品「ピエトロドレッシング 和風しょうゆ」が、2023年5月初めに累計出荷本数3億本を達成したことを記念し、これまでの感謝を込め、お客様の願いを叶える「ありがとうチャレンジ」企画として、工場見学や出張レストラン、セレクトショップ「BEAMS」とのコラボ商品8アイテムを発売する等、様々な感謝イベントを実施しました。

利益面では、主原料価格の高騰の影響があったものの、価格改定の効果や製造原価低減に努めた結果、セグメント売上高は46億57百万円(前年同期比3.0%増)、セグメント利益は12億96百万円(前年同期比7.8%増)の増収増益となりました。

②店舗事業

・レストラン店舗

レストラン店舗では、味、雰囲気、サービスの総合点を磨き、顧客満足度向上を図ってまいりました。おいしさをさらに追求した高付加価値メニューや季節のフルーツを贅沢に使用したデザートの提供、ディナーメニューや季節・期間限定の特別メニューを提供する等メニュー強化を行うとともに、より質の高いサービスを追求するためのスタッフ研修のさらなる強化等の施策を行ったことにより、既存店の顧客単価、来客数ともに上昇いたしました。物販強化策としては、テイクアウトメニューの拡充、デリバリーへの対応、レストランでのテーブルマーケティング等に引き続き取り組んでまいりました。また商品事業とのシナジーが期待できる未出店エリアへの出店を積極的に行いました。これらの結果、レストラン店舗の販売額は前年同期を大きく上回りました。

・直販店舗

スープカテゴリーでもあるPIETRO A DAY ブランド等の直販店舗では、スープの試食や、カフェメニューを通じて、商品の美味しさをお客様に直接伝えるマーケティングや期間限定のPOP UP 店舗の出店も継続的に行いました。また季節やイベントに応じたギフト提案を行う等、認知拡大を図ったことにより、流通やオンラインでの販売にも繋げることができました。

また、当社の全商品シリーズが揃う初のオフィシャルストアを名古屋に新規出店いたしました。より商品の魅力や価値が伝わるような商品ディスプレイの強化を図り、お客様に手にとっていただきやすい売り場づくりを行ってまいりました。

 

店舗の新規出店につきましては以下のとおりです。

出店時期

店 舗 名

2023年4月

ピエトロ イオンモール新潟南店

2023年4月

ピエトロ イオンモール札幌発寒店

2023年5月

ピエトロ 東京ドームシティ ラクーア店

2023年6月

PIETRO MIOMIO 福岡大名ガーデンシティ店

2023年8月

ピエトロ OFFICIAL STORE 名古屋ラシック店

2023年12月

ピエトロ イオンモール浜松市野店

利益面におきましては、レストラン店舗の売上が好調だったことに加え、原材料や諸費用の価格上昇に伴うメニューの見直しや価格改定の効果、人員配置の効率化等に取り組んでまいりました。

以上の結果、セグメント売上高は28億25百万円(前年同期比23.5%増)、セグメント利益は33百万円(前年同期は1億27百万円の損失)と増収増益となり、再黒字化を達成いたしました。

③その他(本社ビル等の賃貸等)事業

その他(本社ビル等の賃貸)事業におきましては、売上高は1億24百万円(前年同期比4.8%増)、セグメント利益は53百万円(前年同期比4.0%増)となりました。

(2) 財政状態に関する説明

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ19億8百万円増加し、107億40百万円となりました。これは主に新株発行による増資等により現金及び預金が13億50百万円、売掛金が3億71百万円、有形固定資産が2億30百万円増加する一方、保険積立金が82百万円減少したこと等によるものであります。

負債合計は前連結会計年度末に比べ7億18百万円増加し、44億92百万円となりました。これは未払金が3億16百万円、短期借入金が2億円、買掛金が1億85百万円、未払法人税等が99百万円それぞれ増加する一方、長期借入金(1年内含む)が83百万円減少したこと等によるものであります。

純資産合計は前連結会計年度末に比べ11億89百万円増加し、62億47百万円となりました。これは新株発行による増資11億78百万円と譲渡制限付株式報酬制度導入に伴う自己株式の処分35百万円並びに為替換算調整勘定が15百万円増加した一方、前期決算の剰余金の配当1億45百万円及び親会社株主に帰属する四半期純利益1億1百万円の計上によるものであります。

(3) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は、販売費及び一般管理費に含まれており、その総額は73百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。