売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00508 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済には、新型コロナウイルス感染症の第5類移行による人流の増加やインバウンド需要の増加等により緩やかな回復の動きが見られました。しかし、様々な社会情勢による原材料やエネルギー価格の上昇、為替相場の変動等により、先行き不透明な状態が続きました。

食品業界においては、昨年度から続く製品の価格改定等により物価が上昇し、お客様の生活防衛意識が高まりました。また高付加価値商品と値ごろ感のある商品への二極化が顕著となる等、厳しい経営環境が続きました。

このような中、当社グループは、中期経営計画の優先課題である信頼感・安心感のある「はごろも」ブランドの確立に取り組み、お客様のニーズに応える健康志向や簡便性、利便性といった機能性を追求した製品の販売に注力しました。あわせて、販売促進活動の一つである「シーチキン食堂」のテレビコマーシャルと連携した「朝たん(=朝にたんぱく質を摂る)」等のメニュー提案により、さらなる製品の需要喚起とブランド価値の訴求に努めました。一方でまぐろ・かつお等の主原料や食用油等の副材料、空缶等の容器包装資材やエネルギー価格等が上昇したことにより、多くの製品において価格改定を実施しました。

この結果、家庭用製品の販売は、価格改定による買い控え等の影響はありましたが、新価格の定着と健康志向や機能性を追求した製品や明確な製品コンセプトを打ち出した製品がお客様に支持されたこと等により増加しました。業務用製品の販売は、価格改定および各種給食向けが伸長したこと等により増加したため、当連結会計年度の売上高は569億64百万円(前年同期比4.5%増)となりました。

利益面では、売上総利益の増加と物流費等の減少等により、営業利益は22億3百万円(前年同期は3億74百万円の営業損失)、持分法による投資利益が増加したこと等により、経常利益は26億53百万円(前年同期は1億9百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は20億33百万円(前年同期は1億21百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。

また、当社グループは、食品事業およびこの付帯事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っていませんが、製品群別の販売動向は以下のとおりです。

 

表:製品群別売上高(連結)                              (単位:千円、%)

製品群

前年同期

当第3四半期

増減

金額

構成比

金額

構成比

金額

家庭用食品

 ツナ等

24,975,936

45.8

25,990,603

45.6

1,014,666

4.1

 デザート

4,577,472

8.4

4,283,256

7.5

△294,215

△6.4

 パスタ&ソース

4,581,345

8.4

4,789,275

8.4

207,930

4.5

 総菜

5,009,793

9.2

5,425,676

9.5

415,883

8.3

 削りぶし・のり・ふりかけ類

2,494,960

4.6

2,652,380

4.7

157,419

6.3

 ギフト・その他食品

2,177,173

4.0

2,368,030

4.2

190,856

8.8

43,816,683

80.4

45,509,224

79.9

1,692,540

3.9

 業務用食品

8,987,113

16.5

9,669,214

16.9

682,100

7.6

 ペットフード・バイオ他

1,422,830

2.6

1,527,290

2.7

104,459

7.3

54,226,627

99.5

56,705,728

99.5

2,479,100

4.6

 その他

280,561

0.5

258,465

0.5

△22,096

△7.9

合  計

54,507,189

100.0

56,964,193

100.0

2,457,004

4.5

 

「ツナ等」では、主力の油漬缶詰「シーチキンマイルド」と、高たんぱく・低脂質・低糖質という健康面を訴求した「オイル不使用シーチキン」シリーズが堅調で、さらに開けやすく後片付けが簡単なパウチタイプの「シーチキンSmile」シリーズが引き続き好調で、売上高は前年同期比4.1%増加しました。

「デザート」では、ぜんざい・ゆであずき類が好調でしたが、主力の「朝からフルーツ」シリーズが低調で、売上高は同6.4%減少しました。

「パスタ&ソース」では、主力の結束タイプのスパゲッティ「ポポロスパ7分」・「ポポロスパ5分」や「サラスパ」が堅調で、さらにマカロニ各種が好調でした。ソースはミートソース缶詰が堅調で、さらに電子レンジ対応パウチを使用した「ミートソース」と、和の素材を使った和えるパスタソース「和える七香」シリーズが好調で、売上高は同4.5%増加しました。

「総菜」では、主力のスイートコーン缶詰「シャキッとコーン」シリーズとパウチタイプの「ホームクッキング」シリーズが好調で、売上高は同8.3%増加しました。

「削りぶし・のり・ふりかけ類」では、「かつおパック」等の削りぶし類は低調でしたが、きざみのりや「のり弁慶」や「天下無添ふりかけ」シリーズのふりかけ類が好調で、売上高は同6.3%増加しました。

「ギフト・その他食品」では、贈答品市場の回復と地方自治体の経済支援政策との取り組みによりギフトが伸長し、さらに電子レンジで簡単に調理可能な包装米飯「パパッとライス」が引き続き好調で、売上高は同8.8%増加しました。

「業務用食品」では、各種給食や業務用スーパー向けの販売が伸長していること等により、売上高は同7.6%増加しました。

「ペットフード・バイオ他」では、新製品を各々投入し品揃えをさらに拡充したペットフード「無一物」シリーズが堅調で、売上高は同7.3%増加しました。

 

 ②財政状態の状況

 当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末より48億99百万円増加して、655億55百万円となりました。これは主に、流動資産のその他が14億19百万円、商品及び製品が12億43百万円減少したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が53億52百万円、投資有価証券が27億98百万円増加したことによるものです。

 負債合計は、前連結会計年度末より14億53百万円増加して、281億10百万円となりました。これは主に、未払金が26億84百万円、支払手形及び買掛金が9億22百万円減少したものの、流動負債のその他が30億31百万円、未払法人税等が8億52百万円、固定負債のその他が6億73百万円、長期借入金が6億42百万円それぞれ増加したことによるものです。

 純資産合計は、前連結会計年度末より34億45百万円増加して、374億44百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が17億9百万円、利益剰余金が15億62百万円増加したことによるものです。

 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の56.1%から57.1%となりました。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。

(3) 研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、235,069千円です。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載についての重要な変更はありません。