売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00480 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、雇用や所得環境が改善する中、停滞していた景気の緩やかな回復が期待される状況となりました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化や円安進行による物価上昇に加え、金融資本市場の変動、世界的な金融引き締め、中国経済の先行き懸念、中東地域をめぐる情勢など景気回復の下振れリスクも台頭しており、先行き不透明な状況で推移いたしました。

 食品業界におきましては、資源価格の高騰や円安進行によって仕入価格や諸経費が高騰しており、厳しい経営環境で推移いたしました。また、前連結会計年度において、過去に類を見ない規模の鳥インフルエンザが発生したことに伴い、鶏卵価格が高値で推移した結果、鶏卵を扱う企業にとっては非常に厳しい経営環境で推移いたしました。

 このような状況の中、当社グループは、『需要創造型食品メーカーへの挑戦』および『利益構造改革と経営品質の向上』をテーマとした第12次中期経営計画の最終年度をスタートさせ、第一に「利益構造改善への取り組み」、第二に「業務用食品事業の成長拡大」、第三に「ヘルスフード事業・海外事業の拡大および新規事業構想の立案」、第四に「経営品質の向上」を重点施策とした取り組みを展開してまいりました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、37,699百万円(前年同四半期比6.2%増加)となり、前年同四半期実績を上回ることができました。一方、利益面につきましては、売上高の拡大効果や諸経費抑制などにより、営業利益は1,317百万円(前年同四半期比230.3%増加)となりました。経常利益は、デリバティブの時価評価益や為替差益などにより1,657百万円(前年同四半期比138.4%増加)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,114百万円(前年同四半期比148.8%増加)となりました。

 報告セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

①業務用食品等

 販売面におきましては、鶏卵価格の高騰に加え、鶏卵原料の供給制限に伴う玉子製品の販売抑制などの影響もありましたが、玉子製品や海外調達品などの販売価格見直しを行ったことに加え、野菜加工品、自社企画ブランド品・仕入商品の需要が拡大したことや、繁忙期である年末の売上が大きく伸張したことなどが奏功し、国内売上高は前年同四半期実績を上回る結果となりました。他方、海外輸出売上高につきましても、玉子製品の販売抑制による影響や、中国における水産加工品の輸入停止措置の影響はありましたが、販売価格見直しに加え、北米、オセアニア、香港、シンガポールを中心に需要が拡大し、前年同四半期実績を上回る結果となりました。

 生産面におきましては、生産効率の向上や、供給制限に合わせた加工費のコントロールなどにより、製造原価率の抑制に努めましたが、供給制限による生産稼働率への影響や、鶏卵を始めとした主要原材料価格の高止まり、原油高に伴うエネルギーコストの高騰などにより、製造原価は前年同四半期に比べ上昇いたしました。

 販売費につきましては、物流コストの低減や、その他経費執行の抑制などに努めた結果、前年同四半期以下にとどめることができました。

 これらの結果、外部顧客への売上高は34,857百万円(前年同四半期比7.3%増加)となり、セグメント利益(営業利益)は2,326百万円(前年同四半期比115.3%増加)となりました。

 

②ヘルスフード

 販売面におきましては、通信販売は、衛星放送を中心としたテレビCMなどの広告宣伝効率が低下したことや、物価上昇による嗜好品の買い控えなど外部要因も加わり、売上高は前年同四半期を下回る結果となりました。他方、ドラッグストアなどでの市販品につきましては、機能性表示食品「焙煎ごぼう茶キレイブレンド」、「焙煎ごぼうサプリ エラスチン+」など新製品の投入効果はみられたものの、健康茶市場の需要に一服感がみられたこともあり、売上高は前年同四半期を下回る結果となりました。なお、2023年9月には通信販売の顧客満足度向上を目的として、福岡市にカスタマーセンターを増設いたしました。

 開発面におきましては、焙煎ごぼうを主原料としたチョコレート風の食品素材(メルバード)を開発し、クラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」において、メルバードを用いたチョコレート風食品「GOVOCE(ゴボーチェ)」を2023年11月より先行販売いたしました。販売期間は2024年1月までとなっておりますが、当第3四半期連結会計期間末時点で目標額を大幅に達成するなど、大きな反響を得ております。

 生産面におきましては、主要原材料であるごぼうが高値で推移したことや、エネルギーコストの高騰などにより固定費が上昇しましたが、生産高が減少したことに伴い、製造原価は減少いたしました。

 販売費につきましては、減収に伴う変動費の減少はありましたが、広告宣伝効率の改善に向けて地上波のテレビCMやECモールへ積極的な広告宣伝活動を行ったことや、カスタマーセンターの増設に伴う諸経費の増加などもあり、前年同四半期に比べ増加いたしました。

 これらの結果、外部顧客への売上高は2,480百万円(前年同四半期比5.4%減少)となり、セグメント利益(営業利益)は297百万円(前年同四半期比43.5%減少)にとどまりました。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ4,255百万円増加し29,358百万円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ3,858百万円増加し16,490百万円となりました。主な増加要因は、受取手形及び売掛金の増加2,633百万円、商品及び製品の増加782百万円、原材料及び貯蔵品の増加266百万円などであります。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ396百万円増加し12,868百万円となりました。これは、減価償却の進行を上回る取得による有形・無形固定資産の増加に加え、投資その他の資産において投資有価証券や、その他に含まれる関係会社出資金が増加したためであります。

 

(負債)

 負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,002百万円増加し13,947百万円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,826百万円増加し12,563百万円となりました。主な増減要因は、買掛金の増加1,301百万円、短期借入金の増加800百万円、未払法人税等の増加424百万円、賞与引当金の減少184百万円などであります。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ175百万円増加し1,383百万円となりました。主な増減要因は、長期借入金の増加219百万円、リース債務の減少61百万円などであります。

 なお、当第3四半期連結会計期間末の借入金残高は、前連結会計年度末に比べ1,068百万円増加し6,340百万円となっております。

 

(純資産)

 純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,252百万円増加し15,410百万円となりました。主な増減要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上1,114百万円、為替換算調整勘定の増加141百万円、その他有価証券評価差額金の増加109百万円、剰余金の配当による減少121百万円などであります。

 この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ3.9ポイント減少し52.5%となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、255百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。