E03516 IFRS
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
(単位:百万円、%) |
2025年2月期 第1四半期連結累計期間(3−5月) |
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実績 |
対前年 |
||
増減高 |
増減率 |
||
総額売上高 |
299,707 |
35,889 |
13.6 |
売上収益 |
101,469 |
8,013 |
8.6 |
売上総利益 |
53,294 |
7,463 |
16.3 |
販売費及び一般管理費 |
36,891 |
891 |
2.5 |
事業利益 |
16,403 |
6,572 |
66.8 |
その他の営業収益 |
277 |
△784 |
△73.8 |
その他の営業費用 |
545 |
△178 |
△24.7 |
営業利益 |
16,136 |
5,967 |
58.7 |
親会社の所有者に 帰属する四半期利益 |
11,316 |
4,919 |
76.9 |
当第1四半期連結累計期間(2024年3月1日から2024年5月31日)の連結業績は、国内売上が堅調に推移したことに加え、インバウンド売上の好調等を背景に、売上収益は前年同期比8.6%増の101,469百万円、事業利益は前年同期比66.8%増の16,403百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期比76.9%増の11,316百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、インバウンド消費の好調や、雇用・所得環境の改善などを背景に個人消費も持ち直しの動きがみられるなど、緩やかな回復を見せました。一方で、金利や為替変動による内外経済の先行きや物価上昇の長期化等による個人消費の下押しリスクについて、引き続き注視していく必要があると認識しています。
こうしたなか、当社は新たな経営体制の下、2030年を見据えた中期経営計画(2024‐2026年度)をスタートさせました。本中期経営計画では、百貨店事業・ショッピングセンター事業(以下、SC事業)など「リテール事業の深化」、飛躍的成長に向けた「グループシナジーの進化」、これらの戦略の実効性を高める「グループ経営基盤の強化」に集中して取り組んでおります。
「リテール事業の深化」では、百貨店事業において、エリアにおける競争優位性のさらなる向上に向け、既存顧客の深耕に加え、次世代顧客に対応した名古屋店の改装に着手しました。SC事業では、仙台PARCO、広島PARCOにおいてファッションやエンタテインメント強化を目的とした戦略改装を実施したほか、名古屋PARCOでは人気漫画に登場する飲食店をオープンしました。また、海外顧客層マーケットへの対応強化に向け、当社のCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)ファンドによる出資先であるオルタナティブ投資(不動産、アート、ワイン等)のグローバルプラットフォームを有するWealthPark株式会社の子会社WealthPark RealEstate Technologies株式会社と顧客紹介に関する包括的業務提携を締結しました。
「グループシナジーの進化」では、デベロッパー事業において2026年開業予定の名古屋栄エリア、大阪心斎橋エリアにおける複合商業施設の開発を進めたほか、2030年開業予定の福岡天神エリアの開発計画を推進しました。また、内装事業及びビルマネジメント事業の強化を目的に、グループ内事業再編を行うことを決定しました。決済・金融事業では、自社カード発行業務のグループ内集約を進めており、4月より新たなGINZA SIXカードの発行を開始しました。加えて、各地域が抱える事業承継課題の解決や地域経済への貢献、魅力ある地域コンテンツの発掘を目的に、3月に外部パートナーと共同で事業承継ファンドを設立しました。
「グループ経営基盤の強化」では、コーポレートガバナンスに関し、従来からの法定3委員会の委員長に加え、取締役会議長を独立社外取締役が担う体制に変更しました。財務戦略では、中長期的な資本収益性の向上、自己資本の適正化を目的に、株式総数800万株、総額100億円をそれぞれ上限とする自社株取得を決定し、5月1日より取得を開始しました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
事業管理区分の見直しにより、株式会社パルコデジタルマーケティングを2024年3月1日付で「デベロッパー事業」から「SC事業」に移管しております。これに伴い、前連結会計年度の期首(2023年3月1日)より移管されたものとみなし遡及修正しております。
<百貨店事業>
(単位:百万円、%) |
2025年2月期 第1四半期連結累計期間(3−5月) |
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実績 |
対前年 |
||
増減高 |
増減率 |
||
売上収益 |
62,606 |
8,445 |
15.6 |
事業利益 |
10,623 |
5,764 |
118.6 |
営業利益 |
10,386 |
5,882 |
130.6 |
当第1四半期連結累計期間の百貨店事業の業績は、売上収益が前年同期比15.6%増の62,606百万円、事業利益が前年同期比118.6%増の10,623百万円、営業利益が前年同期比130.6%増の10,386百万円となりました。
店舗別では、インバウンド売上が引き続き好調であった心斎橋店や京都店などに加え、当第1四半期より大きくインバウンド売上が伸長した名古屋店が好調に推移し、またターミナル立地の梅田店の入店客数、売上についても大きく改善しました。
また、基幹店を中心に前中期経営計画にて強化・リニューアルを実施したラグジュアリー・時計が引き続き好調に推移しており、5月に開催した外商顧客向け催事では過去最高売上を更新するなど、富裕層マーケットは堅調に推移しました。
店舗の魅力化への取り組みとして、名古屋店では、既存顧客に加え、若年富裕層など新たな顧客層からの支持獲得に向け、本館3・4階の婦人服フロアの改装に加え、本館8階の美術画廊、北館地下1階レストランなどの改装に着手しております。なお、当該フロアのリニューアルオープンは本年冬の予定です。
また、冷凍グルメ宅配のサブスクリプションサービス「ラクリッチ」にて、従来の定期お届けコースに加え、一度だけのお届けメニューを新たに加えるなど、会員数拡大に注力しています。
<SC事業>
(単位:百万円、%) |
2025年2月期 第1四半期連結累計期間(3−5月) |
||
実績 |
対前年 |
||
増減高 |
増減率 |
||
売上収益 |
15,868 |
1,576 |
11.0 |
事業利益 |
4,002 |
1,527 |
61.7 |
営業利益 |
3,950 |
807 |
25.7 |
当第1四半期連結累計期間のSC事業の業績は、売上収益が前年同期比11.0%増の15,868百万円、事業利益が前年同期比61.7%増の4,002百万円、営業利益が前年同期比25.7%増の3,950百万円となりました。
前年度の改装効果、特にキャラクター雑貨などIPコンテンツショップの好調などによるテナント取扱高の増加に伴い、店舗賃貸収入や宣伝費収入、販売手数料収入が伸長し、売上収益が増加しました。当第1四半期は、仙台PARCOにおいてファッションやエンタテインメントの強化、広島PARCOではエリア唯一のショップ誘致をそれぞれ目的とした戦略改装を行いました。また、人気映画とコラボレーションした全店での販売促進企画を実施しました。
このほか、中期経営計画の重点戦略の一つである「コンテンツ事業の拡大」において、名古屋PARCOでは人気漫画に登場する飲食店をオープンし、集客と売上収益増に貢献しています。
なお、株式会社パルコでは、韓国の大手百貨店「現代(ヒュンダイ)百貨店」と戦略的協業に関する基本合意を4月に締結しました。これにより、韓国ファッションブランドやエンタテインメントなどの日本での展開に加え、将来的に日本のファッションやカルチャーをソウルを通じてアジアなどグローバルに発信することを目指してまいります。
<デベロッパー事業>
(単位:百万円、%) |
2025年2月期 第1四半期連結累計期間(3−5月) |
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実績 |
対前年 |
||
増減高 |
増減率 |
||
売上収益 |
16,726 |
207 |
1.3 |
事業利益 |
1,638 |
241 |
17.2 |
営業利益 |
1,632 |
4 |
0.3 |
当第1四半期連結累計期間のデベロッパー事業の業績は、売上収益が前年同期比1.3%増の16,726百万円、事業利益が前年同期比17.2%増の1,638百万円、営業利益が前年同期比0.3%増の1,632百万円となりました。
売上収益は、株式会社J.フロント建装のホテル内装工事の好調維持などにより増収となり、事業利益も増加しました。営業利益は、前年の「(仮称)心斎橋プロジェクト」不動産所有持分の売却影響があったものの、増益を確保しました。
2026年度竣工・開業予定である「(仮称)錦三丁目 25 番街区計画(名古屋)」及び「(仮称)心斎橋プロジェクト(大阪・心斎橋)」におけるグループシナジーの創出及びグループ利益の最大化の実現に向けて取り組んでいます。また、2030年竣工・開業目標である「(仮)天神二丁目南ブロック駅前東西街区プロジェクト」開発計画を推進してまいります。
さらに、低稼働資産の活用、資産売却や入れ替えなど収益性向上に取り組んでまいります。
<決済・金融事業>
(単位:百万円、%) |
2025年2月期 第1四半期連結累計期間(3−5月) |
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実績 |
対前年 |
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増減高 |
増減率 |
||
売上収益 |
3,188 |
△48 |
△1.5 |
事業利益 |
386 |
△346 |
△47.2 |
営業利益 |
344 |
△342 |
△49.8 |
当第1四半期連結累計期間の決済・金融事業の業績は、売上収益は前年同期比1.5%減の3,188百万円、事業利益は同47.2%減の386百万円、営業利益は同49.8%減の344百万円となりました。
売上収益は取扱高増により加盟店手数料が増加した一方、付与ポイントの増加などに伴うポイント費売上修正の増加もあり、減収となりました。販管費は、グループカードの集約化に向けた投資費用や人件費などが増加しました。以上の結果、事業利益は減益となりました。
こうしたなか、新たな顧客基盤の拡大に向け、グループ内カード集約の取り組みの皮切りとして4月にGINZA SIXカードの発行を開始しました。加盟店事業では、名古屋・栄エリアでの顧客回遊の促進に向け、新たに開業した他社商業施設を加盟店化するなど、グループ施設が立地するエリアでの外部加盟店拡大を進めました。また、業界課題である不正利用対策として、オンラインサービスへの多要素認証導入、ワンタイムパスワード導入等を実施しました。
(2)財政状態の分析
(単位:百万円、%) |
2024年2月期 |
2025年2月期 第1四半期 |
増減高 |
流動資産 |
246,501 |
236,681 |
△9,820 |
非流動資産 |
868,225 |
861,855 |
△6,370 |
資産合計 |
1,114,726 |
1,098,536 |
△16,190 |
流動負債 |
331,261 |
336,958 |
5,697 |
非流動負債 |
389,232 |
364,019 |
△25,213 |
負債合計 |
720,494 |
700,978 |
△19,516 |
親会社の所有者に帰属する持分 |
381,898 |
385,213 |
3,315 |
親会社所有者帰属持分比率 |
34.3 |
35.1 |
0.8 |
資本合計 |
394,232 |
397,558 |
3,326 |
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は1,098,536百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,190百万円減少しました。一方、負債合計は700,978百万円となり、前連結会計年度末に比べ19,516百万円減少しました。資本合計は397,558百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,326百万円増加しました。
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円) |
2024年2月期 第1四半期 |
2025年2月期 第1四半期 |
増減高 |
営業活動によるキャッシュ・フロー |
18,856 |
11,049 |
△7,807 |
投資活動によるキャッシュ・フロー |
2,211 |
△2,417 |
△4,628 |
フリーキャッシュ・フロー |
21,068 |
8,632 |
△12,436 |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△20,299 |
△36,408 |
△16,109 |
現金及び現金同等物の増減額 |
769 |
△27,775 |
△28,544 |
現金及び現金同等物の四半期末残高 |
40,678 |
43,640 |
2,962 |
当第1四半期連結会計期間末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末に比べ27,702百万円減の43,640百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは11,049百万円の収入となりました。前第1四半期連結累計期間との比較では、税引前四半期利益が増加した一方、運転資金の増加や法人所得税の支払額の増加などにより7,807百万円の収入減となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは2,417百万円の支出となりました。前第1四半期連結累計期間との比較では、前年の投資不動産の売却による収入の反動などにより4,628百万円の支出増となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは36,408百万円の支出となりました。前第1四半期連結累計期間との比較では、社債の償還による支出や自己株式の取得による支出などにより16,109百万円の支出増となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
特記事項はありません。