売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E27615 IFRS


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年12月31日まで) は、引き続きウクライナ戦争の長期化に伴うエネルギー資源や物流コストの高止まり、円安進行、世界的な物価の高止まり等に加え、長期化した残暑や暖冬など、依然として経営圧迫要因の多い環境が続きました。

 当社グループにおいても、新型コロナウイルス感染症の5類への移行やインバウンド需要の復活等もあり、実店舗への来店客数は回復したものの、秋冬物は秋口の気温の高止まりにより立ち上がりで苦戦し、その後もなかなか下がらない気温に翻弄され、全般的に売上にブレーキがかかる結果となりました。損益についても、為替が11月中旬には対米ドル為替レートが一時1ドル151円台を記録するなど、対米ドル・対ユーロ共に円安が進行したことや、原材料価格の高騰、売上不振に伴う値引き販売比率の上昇等により原価率が悪化し、年間の繁忙期に思うように収益を積み上げることが出来ませんでした。

 事業別では、アパレル事業は、円安に伴い海外売上は引き続き着実に伸びている一方で、国内では、秋口以降長期間続いた気温の高止まりに翻弄され売上は伸び悩みました。損益についても、減収に加え、引き続き物流費や仕入単価の高騰、円安等の損益圧迫要因のために減益となりました。

 ジュエリー事業は、引き続き競合環境が厳しく、当第3四半期連結会計期間の売上に直結する9月及び10月の受注売上が伸び悩み減収となりましたが、損益は、販売価格の見直しや各種コスト削減に注力したことなどより、当第3四半期連結会計期間では増益となり、同累計期間でも前年同期比で改善いたしました。

 トイ事業は、国内メーカーからの注文も順調に入りましたが、急激に円安が進行したことに伴う為替差損の計上等により、減収減益となりました。

 

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績につきましては、売上収益は3,471百万円(前年同四半期比12.9%減少)、営業損失は200百万円(前年同四半期は営業利益2百万円)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は255百万円(前年同四半期は親会社の所有者に帰属する四半期損失17百万円)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は、次の通りであります。

 

(アパレル事業)

 アパレル事業は、EC専業の当社及び実店舗とEC店舗を有する連結子会社であるナラカミーチェジャパン株式会社が担っている事業です。

 当社は、当第3四半期連結累計期間を通して引き続き販売価格の見直しやキャリー品の計画的消化、仕入の適正化等を進め、収益構造の改善を徹底してまいりました。当第3四半期連結会計期間は、大ヒットした人気ゲームとのコラボ商品の販売や、量産地雷とロリータを融合した画期的な新ブランドの立ち上げなどにより着実に売上を積み上げましたが、一方で、秋口以降長期間にわたり続いた気温の高止まりにより秋冬物商品の販売が全般的に伸び悩み、引き続き営業黒字は達成したものの、前年同期比減収減益となりました。

 ナラカミーチェジャパン株式会社は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行やインバウンド需要の復活等もあり、実店舗への来店客数は回復し、2023年秋冬物からは一部仕入量を需要に合わせて可能な範囲でコントロールすることなどにより、値引きを極力抑制し粗利率の改善に取り組んでまいりました。しかしながら、前第3四半期連結累計期間に引き続き、仕入単価の上昇や物流費高騰などに伴い商品のプロパー価格も高止まりしたことから、セール期には一定の値引き販売が避けられず、前年同期比増収ではありますが減益を余儀なくされました。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間のアパレル事業の売上収益は2,106百万円(前年同四半期比9.4%減)、営業損失95百万円(前年同四半期は営業利益80百万円)となりました。

 

(ジュエリー事業)

 ジュエリー事業は、連結子会社である株式会社トレセンテが行っている事業であり、主に婚約指輪・結婚指輪等のブライダルジュエリーを中心とする宝飾品の受注販売を行っております。ジュエリー事業は、引き続きホームページやSNS、自社情報メディアのコンテンツ拡充によるダイレクト集客施策を強化したことや、上期に発売開始した既存シリーズのマリッジリングの新ラインナップの売れ行きが好調だったことが受注の底支えとなりましたが、一方で、当第3四半期連結累計期間を通して引き続き競合環境は厳しく、当第3四半期連結会計期間も売上に繋がる9月・10月の受注が落ち込み減収となりました。一方で損益は、9月に再度実施した販売価格の見直しなどにより利益率が改善したことに加え、広告宣伝費や販促費の効率的な運用などに伴うコスト削減により当第3四半期連結会計期間では増益となり、同累計期間でも若干改善いたしました。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間のジュエリー事業の売上収益は667百万円(前年同四半期比5.0%減)、営業損失35百万円(前年同四半期は営業損失36百万円)となりました。

 

(トイ事業)

 トイ事業は、当社及び香港と中国の連結子会社が行っている事業であり、国内玩具メーカーや小売店に玩具や雑

貨を卸しております。業界全体では、引き続き少子化や消費者ニーズの多様化、中華圏における人件費高騰等の課題は抱えている一方で、当第3四半期連結累計期間は国内メーカーからの注文も順調に入りましたが、急激に円安が進行したことに伴う為替差損等の計上により、減収減益となりました。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間のトイ事業の売上収益は697百万円(前年同四半期比27.2%減)、営業利益15百万円(前年同四半期比60.6%減)となりました。

 

(2)財政状態の分析

① 資産

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて312百万円減少し、2,267百万円となりました。この主な要因は棚卸資産が138百万円減少したこと等によるものであります。

 当第3四半期連結会計期間末における非流動資産は、前連結会計年度末に比べて73百万円減少し、427百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産が75百万円減少したこと等によるものであります。

 

② 負債

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて84百万円減少し、2,120百万円となりました。この主な要因は、営業債務及びその他の債務が41百万円減少したこと等によるものであります。

 当第3四半期連結会計期間末における非流動負債は、前連結会計年度末に比べて105百万円減少し、499百万円となりました。この主な要因は、有利子負債が111百万円減少したこと等によるものであります。

 

③ 資本

 当第3四半期連結会計期間末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて196百万円減少し75百万円となりました。この主な要因は資本金が21百万円、資本剰余金が21百万円それぞれ増加したものの、四半期包括利益を△238百万円計上したこと等によるものであります。

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べて112百万円減少し、677百万円となりました。

 当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は、11百万円(前年同四半期使用した資金は10百万円)となりました。

 これは主に、税引前四半期損失を258百万円計上したものの、棚卸資産が139百万円減少したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、4百万円(前年同四半期比4百万円減少)となりました。

 これは主に、無形資産の取得による支出が4百万円あったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、123百万円(前年同四半期比211百万円減少)となりました。

 これは主に、長期借入れによる収入が187百万円あったものの、長期借入金の返済による支出が245百万円あったこと等によるものであります。