売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01244 IFRS


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 

 経営成績の状況

 

 当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績は、次のとおりです。

 事業ごとの需要は、特殊鋼、希土類磁石・フェライト磁石等で減少したものの、自動車鋳物やパワーエレクトロニクスが増加しました。また、原材料価格上昇(価格スライド制)や円安が増収要因となり、売上収益としては全セグメントで増加しました。その結果、売上収益は前年同期比22.7%増の847,726百万円となりました。利益面では、原材料価格・エネルギーコストの高騰に加え、物流費の増加がありましたが、各種コスト削減施策を推進するとともに、自社の企業努力で吸収できる水準を超える部分については販売価格改定を実施しました。また円安による利益増加等もあり、調整後営業利益は前年同期比15,415百万円増の36,043百万円となりました。営業利益は、調整後営業利益の増加により前年同期比9,828百万円増の28,788百万円となりました。税引前四半期利益は前年同期比14,536百万円増の35,036百万円、親会社株主に帰属する四半期利益は前年同期比14,423百万円増の27,967百万円となりました。

 なお、株式会社BCJ-52(以下「公開買付者」といいます。)が2022年9月27日から実施しておりました当社の普

通株式(以下「当社株式」といいます。)に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)が2022年10

月25日をもって終了し、本公開買付けは成立しました。その後の一連の取引により、2022年12月29日付で当社株式は上場廃止となり、2023年1月5日付で公開買付者は当社の親会社となりました。また、2023年1月4日付で商号を株式会社プロテリアルに変更いたしました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりです。各セグメントの売上収益は、セグメント間の内部売上収益を含んでおります。当第3四半期連結累計期間において、当社グループが営む事業の内容について、重要な変更はありません。

 

① 特殊鋼製品

 当セグメントの売上収益は、前年同期比14.4%増の221,693百万円となりました。

売上収益について事業別に見ますと、工具鋼、産機材、航空機・エネルギー関連材料、電子材、ロールの全事業が前年同期比で増加しました。

 調整後営業利益は、前年同期比8,335百万円増の20,751百万円となりました。また、営業利益は、前年同期比8,890百万円増の20,633百万円となりました。

 

② 素形材製品

 当セグメントの売上収益は、前年同期比37.9%増の313,374百万円となりました。

 売上収益について事業別に見ますと、自動車鋳物のうち、耐熱鋳造部品は減少しましたが、鋳鉄製品は増加しました。その結果、自動車鋳物全体として前年同期比で増加しました。また、配管機器も前年同期比で増加しました。

 調整後営業利益は、前年同期比7,935百万円改善し1,659百万円となりました。また、営業利益は前年同期比8,224百万円改善し959百万円となりました。

 

③ 磁性材料・パワーエレクトロニクス

 当セグメントの売上収益は、前年同期比20.5%増の119,424百万円となりました。

 売上収益について事業別に見ますと、磁性材料(希土類磁石、フェライト磁石)およびパワーエレクトロニクスとも前年同期比で増加しました。

 調整後営業利益は、前年同期比303百万円増の9,501百万円となりました。また、営業利益は前年同期比1,314百万円減の8,455百万円となりました。

 

④ 電線材料

 当セグメントの売上収益は、前年同期比13.5%増の193,383百万円となりました。

 売上収益について事業別に見ますと、電線、自動車部品とも前年同期比で増加しました。

 調整後営業利益は、自動車部品における生産移管後の一時的な生産性低迷の影響等により、前年同期比3,434百万円減の387百万円となりました。また、営業損益は、前年同期比4,340百万円悪化し、838百万円の損失となりました。

⑤ その他

 当セグメントの売上収益は、前年同期比32.3%減の1,048百万円となり、調整後営業利益は前年同期比77百万円増の280百万円となりました。また、営業利益は、前年同期比5,420百万円減の326百万円となりました。

 

※当社グループは、事業再編等の影響を排除した経営の実態を表示するため、要約四半期連結損益計算書に表示している営業利益からその他の収益、その他の費用を除いた指標である調整後営業利益を記載しています。

 

 財政状態の状況

 

 当第3四半期連結会計期間末における当社グループの財政状態として、要約四半期連結財政状態計算書における増減を分析すると、以下のとおりであります。

 資産合計は1,100,611百万円で、前連結会計年度末に比べ30,916百万円増加しました。流動資産は600,068百万円で、前連結会計年度末に比べ29,613百万円増加しました。これは主に棚卸資産が32,650百万円増加したこと等によるものです。非流動資産は500,543百万円で、前連結会計年度末に比べ1,303百万円増加しました。これは主にのれん及び無形資産が6,734百万円増加した一方、有形固定資産が6,119百万円減少したこと等によるものです。

 負債合計は525,670百万円で、前連結会計年度末に比べ12,907百万円減少しました。これは主に、金融機関からの借入から当社グループ内でのローンに切り替えたこと等により、短期借入金が10,576百万円減少したこと等によるものです。資本合計は574,941百万円で、前連結会計年度末に比べ43,823百万円増加しました。これは主に利益剰余金が28,037百万円、為替円安により在外営業活動体の換算差額が増加したこと等により、その他の包括利益累計額が15,844百万円増加したこと等によるものです。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、投資活動及び財務活動に使用した資金が営業活動の結果得られた資金を上回ったことにより、前連結会計年度末に比べ6,003百万円減少し、118,642百万円となりました。

 当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動に関するキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、38,967百万円となりました。これは主に四半期利益が28,024百万円、減価償却費及び無形資産償却費が36,224百万円に対して、運転資金の増加により29,333百万円を支出したこと等によるものです。

(投資活動に関するキャッシュ・フロー)

 投資活動に使用した資金は、20,938百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得により22,867百万円を支出したこと等によるものです。

(財務活動に関するキャッシュ・フロー)

 財務活動に使用した資金は、28,048百万円となりました。これは主に短期借入金が17,180百万円純減したこと及び長期借入債務の償還により10,772百万円を支出したこと等によるものです。

 

(3)会社の経営の基本方針

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの会社の経営の基本方針について重要な変更はありません。

 

(4)対処すべき課題

 株式会社BCJ-52(以下「公開買付者」といいます。)が2022年9月27日から実施しておりました当社の普

通株式(以下「当社株式」といいます。)に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)が2022年10

月25日をもって終了し、本公開買付けは成立しました。その後の一連の取引により、2022年12月29日付で当社株式は上場廃止となり、2023年1月5日付で公開買付者は当社の親会社となりました。また、2023年1月4日付で商号を株式会社プロテリアル(以下「当社」といいます。)に変更いたしました。

当社は、新パートナーの持つグローバルな知見やネットワークを生かした投資機会の探索や資金獲得、成長戦略の立案と実行を通じて、急速な市場環境の変化にさらにスピーディーかつ高いレベルで対応することにより競争力と収益力を回復させ、持続的な成長と企業価値の向上をめざしてまいります。

 当第3四半期連結累計期間において、その他の当社グループの対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)目標とする経営指標

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの目標とする経営指標について重要な変更はありません。

 

(6)当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

 当社は、「真の開発型企業」をめざし、研究開発の強化に取り組んでいます。次世代の特殊鋼製品、素形材製品、磁性材料・パワーエレクトロニクス、電線材料の研究開発はもちろん、持続的成長と社会貢献に資する先端材料研究開発テーマに継続的に投資しており、特に環境社会に貢献する新事業および新製品創成の強化を図っています。

 当社の研究開発体制はコーポレート直下の研究所であるグローバル技術革新センター(GRIT)と事業本部下の研究所である冶金研究所、機能部材研究所で構成されています。

 GRITでは新事業の創生を目指した新材料開発及び、AIやマテリアルズインフォマティクスなど、デジタル技術を活用した革新的プロセス技術の開発を進めております。その実現のため、国内外の研究機関・大学・企業とのオープンイノベーションを加速しています。

 冶金研究所、機能部材研究所はディビジョンラボとして事業を支える基礎技術開発から現製品の改良及び継続的な新製品開発を中心に推進し、基盤事業の強化を推進しています。

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は9,165百万円であります。各事業セグメント別の主要な研究課題は次のとおりであります。

 

① 特殊鋼製品

 金型・工具、電子材料、産業機器材料、航空機・エネルギー関連材料等の分野に向けた高級特殊鋼、各種圧延用ロール等の開発と、金属3D積層造形に関する素材、製法並びに関連技術の開発を行っております。当事業に係る研究開発費は2,596百万円であります。

 

② 素形材製品

 高級ダクタイル鋳鉄製品、輸送機向け鋳鉄製品、排気系耐熱鋳鋼部品、管継手・バルブその他の設備配管機器の開発を行っております。当事業に係る研究開発費は1,929百万円であります。

 

③ 磁性材料・パワーエレクトロニクス

 高性能磁石、情報端末用高周波部品部材、アモルファス金属材料・ナノ結晶軟磁性材料、その他各種磁石及びセラミックス製品並びにそれらの応用製品等の開発を行っております。当事業に係る研究開発費は1,304百万円であります。

 

④ 電線材料

 産業用・車輌/自動車用・機器用、医療用等の各種電線及び巻線に関連する材料、製造プロセス技術及び接続技術、並びに自動車用電装部品・ホース、工業用ゴム等の開発を行っております。当事業に係る研究開発費は3,336百万円であります。