売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01294 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1) 業績の状況

当第3四半期連結累計期間における経済情勢は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に加えて、中東情勢が緊迫化し、地政学リスクの高まりとともに、資源価格を始めとする物価の先行きに一層不透明感が増しています。米国では利上げはピークを迎えたと見られ、雇用状況は良好かつ株式相場も高水準で推移するなど、総じて経済は堅調でした。欧州では長引くインフレがようやく鈍化し、利上げも停止したものの、依然として景気は弱含みで推移しました。中国ではゼロコロナ政策の解除後、サービス消費は堅調な一方、不動産市況の低迷は続き、デフレの兆しもみえるなど景気の回復ペースは力強さを欠いています。日本では物価上昇は続いているものの、個人消費を中心に緩やかな回復傾向を示しました。

 当社の主力製品である電子写真用キャリアの需要は、経済活動やオフィス稼働率の回復はあったものの、流通在庫の調整影響が残り、引き続き軟調となりました。一方、販売価格の適正化は浸透し、単価は改善しつつあります。

 食品の品質保持に使用される脱酸素剤の需要は回復基調にあったものの、製造子会社である株式会社ワンダーキープ高萩の高萩工場にて2023年11月17日に発生した火災により、同社の製造ラインの一部が停止する事態となりました。

このような市場環境下、当期の売上高は、キャリアと脱酸素剤の減販、2022年9月をもって販売を終了した鉄粉関連製品の影響により、6,412百万円(前年同期比9.2%減)となりました。

損益面では、主に機能性材料事業の減益により、営業利益は336百万円(前年同期比54.1%減)、経常利益は385百万円(前年同期比48.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は241百万円(前年同期比53.1%減)となりました。

 

  セグメントごとの業績は次のとおりであります。

 なお、第1四半期連結会計期間より、「鉄粉事業」としていた報告セグメントの名称を、鉄粉関連製品の販売からの撤退に伴い取扱製品が脱酸素剤関連製品となったことおよび食品市場以外の幅広い分野への展開も進めており、事業内容をより適切に表現するために「品質保持剤事業」に変更いたしました。なお、この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント業績に与える影響はありません。

 

① 機能性材料事業

当セグメントにおきましては、電子写真用キャリアはエネルギーおよび原材料価格の値上がりによる販売価格の適正化を進めたことと、新規機能性材料の増販はありましたが、流通在庫の調整影響が残ったこともあってキャリアの販売数量が減少し、売上高は5,539百万円(前年同期比7.0%減)となりました。セグメント利益は、主にキャリアの減販により676百万円(前年同期比30.4%減)となりました。

 

② 品質保持剤事業

当セグメントにおきましては、鉄粉関連製品の販売を2022年9月末にて終了したこと、脱酸素剤が工場火災により製造ラインの一部を停止したこともあり、当セグメント全体の売上高は873百万円(前年同期比21.1%減)と大きく減少いたしました。セグメント利益は、火災に伴う減販が生じたことに加え、原材料価格および人件費が販売価格の適正化の効果以上に上昇したこともあり10百万円(前年同期比89.7%減)にとどまりました。

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ、主に電子記録債権及び棚卸資産の増加により、531百万円増加いたしました。固定資産は、有形固定資産の減価償却等により248百万円減少いたしました。以上により、総資産は283百万円増加し15,025百万円となりました。

  負債は、主に支払手形及び買掛金の増加により、262百万円増加し2,351百万円となりました。

純資産は、配当金の支払い231百万円、四半期純利益241百万円などにより、20百万円増加し12,673百万円となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.5%減少し84.3%となりました。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は364,091千円であります。なお、研究開発活動の状況について重要な変更はありません。

 

(5) 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、現在の事業環境および入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めております。事業環境の変化に対応すべく経営戦略を明確にし、掲げた課題と施策を確実に実行してまいります。