売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03747 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い行動制限が緩和され、経済活動の正常化が進む一方、長引くウクライナ情勢の緊迫やパレスチナ情勢の悪化、資源価格の高騰やインフレ率の上昇に伴う世界的な金融引き締め政策の継続による海外景気の下振れリスク等により、依然として先行き不透明な状況が継続しております。

外国為替市場において、1ドル=133円台前半で期初取引が始まった米ドル/円相場は、4月5日には米3月ISM製造業景気指数が弱い結果となったことや米金利が低下したことを受け、米ドルは下落し一時130円台半ば(期中安値)を付けました。28日には植田日銀総裁の会見で早期金融政策修正観測が後退したこと等により米ドルは前日から約3円上昇し一時136円台半ばを付けました。5月に入ると米3月雇用動態調査(JOLTS)求人件数が市場予想を下回ったこと等があり4日には133円台半ばまで下落しましたが、その後の米ドルはじり高の展開となり、25日発表の米経済指標の強い結果等により30日には一時140円台後半を付けました。6月に入っても前月の流れを受けて米ドルの上昇が続き、16日に日銀金融政策決定会合で現行の金融緩和政策の維持が発表されたこと等により米ドル買いが加速し、30日には米ドルは一時145円台前半まで上昇しました。7月の米ドルは下落に転じ、日銀による金融緩和政策の修正に対する警戒感と米国のインフレ鈍化に対する期待感が相まって、14日に米ドルは一時137円台前半まで下落しましたが、その後は米ドル買いの方向感で上下に大きい値動きを続け、月末には米ドルは142円台前半まで値を戻しました。8月に入ると米金利の底堅さ等からじり高の展開となり、29日には米長期金利の上昇とともに米ドル買いの動きが拡大し147円台半ばを付け、9月には米経済指標の良好な結果や米長期金利の上昇による日米金利差の拡大を背景として、27日に一時149円台後半まで上昇しました。10月3日には米8月雇用動態調査(JOLTS)求人件数の強い結果を受けて米ドルは150円台前半まで上昇、直後に日本政府による為替介入への警戒感などから急激な米ドル売りが進み一時147円台半ばまで急落するも、直ぐに149円台前半まで値を戻しました。その後も相場は米ドル買いで推移し、11月13日には米ドルは2022年10月以来となる一時151円台後半(期中高値)を付けましたが、インフレの減速を示す米経済指標やFRB理事の発言などから米利上げ局面が終了したとの見方等により米長期金利が低下基調で推移し、米ドルは大きな値動きを伴いながら下落傾向で推移し29日には一時146円台後半を付けました。12月は大幅なドル安・円高での推移となり、月間の値幅(高値と安値の差)は、2023年3月以来となる8円超えとなりました。7日に日銀が早期にマイナス金利政策の解除に動くとの見方から147円台前半から一時141円台後半まで米ドルは急落し当日の値幅(高値と安値の差)は5.7円まで拡大しました。19日に144円台後半まで値を戻す場面もありましたが、米国の早期利下げ観測が高まっていること等により28日には一時140円台前半まで下落し、141円台前半で期末を迎えました。

一方、米ドル/円以外の主要な取扱通貨である欧州・オセアニア通貨については、各通貨とも円に対して上昇傾向で推移し11月中に期中の高値を付けた後、下落に転じ、概ね米ドル/円と同様の動きとなりました。

また、外国為替相場の変動率は、前年同期に比べ低下したものの2022年2月下旬のロシアのウクライナ侵攻以降、相対的に高い水準が続いています。

このような状況の中、当社グループは主力サービスであるFXについて、引き続きスプレッドの縮小を実施し、他社との差別化を図る取組みを行っております。

パートナーズFXnanoにおいては、所定の取引条件のもと、「米ドル/円」をはじめ、「ユーロ/円」「豪ドル/円」「ポンド/円」「メキシコペソ/円」の5通貨ペアでスプレッド0.0銭(売買同値)の提示を継続しております。さらに、2023年5月からは「米ドル/円」でのスプレッド0.0銭(売買同値)での取引数量上限を1万通貨から5万通貨まで大幅に引き上げるキャンペーンを続行しております。

また、パートナーズFXにおいては、ゴールデンマネパタイムでのスプレッド縮小を続行しており、「米ドル/円」「豪ドル/円」「ポンド/円」「ユーロ/円」等のクロス円をはじめ、主要ストレート通貨(対円以外の通貨)を含めた15通貨ペア以上を対象に、かかる時間帯において業界最狭水準のスプレッドを提示しております。

そのほか、新規口座獲得のためのWeb広告強化や口座開設キャンペーンの拡充を図ること、既存のお客様向けのキャンペーンを充実させることなどにも取り組みました。

まいにち金・銀(CFD-Metals)においては、FXのゴールデンマネパタイムと同時間帯(17時から27時まで)に「金/米ドル」「銀/米ドル」ともスプレッドを0.2pipsで提示するキャンペーンを実施しております。また、11月13日にマネーパートナーズはスマートフォン向けFX取引アプリのアップデートを行い、スマホアプリにて「まいにち金・銀(CFD-Metals)」のお取引も可能になりました。これにより、パートナーズFX、パートナーズFXnano、まいにち金・銀(CFD-Metals)の3つの商品を1つのアプリでお取引いただけるようになりました。

 

 

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の外国為替取引高は8,083億通貨単位(前年同期比27.9%減)となりました。また、当第3四半期連結会計期間末の顧客口座数は367,482口座(前年同期末比11,571口座増)、顧客預り証拠金は46,681百万円(同12.9%減)、有価証券による預り資産額は6,635百万円(同35.4%減)となりました。

当第3四半期連結累計期間の連結業績は、一部の顧客からのFX約款に定める不適切取引による一時的な収益性の悪化や外国為替相場の変動率低下による取引高減少の影響を受けトレーディング損益が前年同期比117百万円減少(2.8%減)となった一方、システム関連売上高が同49百万円増加(32.6%増)し、営業収益は4,229百万円(前年同期比81百万円減少、1.9%減)となりました。金融費用は37百万円(同33百万円減少、47.6%減)、売上原価はシステム関連売上高の増加に伴い112百万円(同16百万円増加、17.4%増)となりました。販売費・一般管理費は、将来的なコスト削減等を目的とした基幹システムのクラウド化のフェーズ進行に伴う費用が前年同期比101百万円増加(135.4%増)したことやキャンペーンの拡充による広告宣伝費の増加等の増加要因があった一方、取引高減少に伴うカバー取引関連の支払手数料の減少や主にリース資産の償却期間終了による減価償却費の減少、6月末のマネパカード利用停止に伴う運転費用及び維持費用の解消等の減少要因により、3,180百万円(前年同期比26百万円増加、0.8%増)となりました。

この結果、営業利益は899百万円(同90百万円減少、9.1%減)、経常利益は889百万円(同91百万円減少、9.3%減)となりました。税金等調整前四半期純利益は台湾のFX業者へのカバー取引業務からの撤退決定に伴いソフトウエアの減損損失9百万円を特別損失に計上したことにより879百万円(同100百万円減少、10.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は法人税等合計が280百万円(同24百万円減少、7.9%減)となったことから599百万円(同76百万円減少、11.3%減)となりました。

 

資金移動業であるマネパカード事業(以下、「本事業」といいます。)については、2023年3月31日付の取締役会において本事業からの撤退を決定し、2023年9月29日をもってサービスを終了いたしました。かかる撤退に伴う損失見込額として、前期に106百万円の事業撤退損失引当金を計上しております。当期において撤退に伴い発生する費用は、概ね引当金の範囲内と見込まれます。また、この撤退は下記のご参考のとおり、本事業の運転費用及び維持費用の解消によるコスト削減につながり、将来的に当社グループの業績改善に資するものと考えております。

(ご参考)

資金移動業における経営成績

(2023年3月期)

営業収益 22百万円、営業利益 △138百万円

 

2024年3月期は、引き続き「FXを軸とした店頭デリバティブ取引への選択と集中」の方針のもと、全社を挙げてのコスト削減や不採算事業の改善・見直しを推進するとともに、パートナーズFXnanoにおける一定の条件下でのスプレッド0.0銭(売買同値)の提示の標準化(業界初)などによる差別化によって、今後も厳しい競争環境の中で既存のお客様に一層のご利用をいただくとともに、新たなお客様の獲得に繋げ、収益力の向上に努めてまいります。

また、当社は、2023年9月15日にスタンダード市場への選択申請書を提出し、10月20日にプライム市場からスタンダード市場へ移行しております。かかる選択申請にかかわらず、プライム市場の上場維持基準の適合に向けた計画に掲げた数値目標を据え置くこととし、その達成に向けた各種の取組みにつき適時適切に見直しながら継続的に実行していくことで、将来的にはプライム市場の新規上場基準をも充足する企業へと成長すべく、一層の企業価値の向上に努めてまいります。

 

 

 

② 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比較して4,744百万円減少し、67,665百万円となりました。これは流動資産が4,750百万円減少、固定資産が5百万円増加したことによるものであります。

負債は、前連結会計年度末と比較して4,860百万円減少し、53,969百万円となりました。これは流動負債が3,959百万円、固定負債が901百万円減少したことによるものであります。

純資産は、前連結会計年度末と比較して116百万円増加し、13,696百万円となりました。

 

(流動資産)

当第3四半期連結会計期間末における主な流動資産の内訳は、預託金39,838百万円、現金・預金9,714百万円、トレーディング商品(資産)9,385百万円及び短期差入保証金3,944百万円であります。流動資産は、前連結会計年度末と比較して4,750百万円減少しております。これは、未収収益の増加1,117百万円及び現金・預金の増加541百万円の増加要因があった一方、顧客を相手方とする未決済の外国為替証拠金取引に係る評価益の減少等に伴うトレーディング商品(資産)の減少2,663百万円、外国為替証拠金取引等の証拠金として預託された財産の減少等に伴う顧客区分管理信託の減少1,950百万円、約定見返勘定(資産)の減少758百万円及び短期差入保証金の減少348百万円の減少要因があったこと等によるものであります。

 

(固定資産)

当第3四半期連結会計期間末における主な固定資産の内訳は、ソフトウエア仮勘定446百万円、ソフトウエア344百万円、リース資産(無形固定資産)235百万円、投資有価証券144百万円、長期差入保証金115百万円、繰延税金資産114百万円及び長期前払費用104百万円であります。固定資産は、前連結会計年度末と比較して5百万円増加しております。これは、基幹システム(外国為替証拠金取引システム)のクラウド化に向けた開発や機能追加等によるソフトウエア仮勘定の計上及びリース資産(無形固定資産)やソフトウエアの取得の増加要因があった一方、ソフトウエア等の減価償却や繰延税金資産の減少の減少要因があったこと等によるものであります。

 

(流動負債)

当第3四半期連結会計期間末における主な流動負債の内訳は、受入保証金46,681百万円、トレーディング商品(負債)2,197百万円及び預り金1,619百万円であります。流動負債は、前連結会計年度末と比較して3,959百万円減少しております。これは、固定負債からの振替による1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債の増加1,000百万円や顧客を相手方とする未決済の外国為替証拠金取引に係る評価損の増加等に伴うトレーディング商品(負債)の増加555百万円の増加要因があった一方、外国為替証拠金取引等の証拠金として預託された受入保証金の減少4,969百万円や主としてマネパカード関連の預り金の返金に伴うその他の預り金の減少827百万円の減少要因があったこと等によるものであります。

 

(固定負債)

当第3四半期連結会計期間末における主な固定負債の内訳は、リース債務140百万円及び役員株式給付引当金98百万円であります。固定負債は、前連結会計年度末と比較して901百万円減少しております。これは、基幹システム(外国為替証拠金取引システム)のクラウド化に向けてのリース資産(無形固定資産)の取得に伴うリース債務の計上の増加要因があった一方、リース債務の返済や転換社債型新株予約権付社債1,000百万円の流動負債への振替による減少要因があったこと等によるものであります。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における主な純資産の内訳は、資本金2,022百万円、資本剰余金2,160百万円、利益剰余金10,377百万円及び自己株式△881百万円であります。純資産は、前連結会計年度末と比較して116百万円増加しております。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上599百万円による利益剰余金の増加があった一方、剰余金の配当による利益剰余金の減少488百万円があったこと等によるものであります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により1,510百万円増加、投資活動により299百万円減少、財務活動により668百万円減少いたしました。この結果、資金は前連結会計年度末に比べ541百万円の増加となり、当第3四半期連結会計期間末における資金の残高は7,539百万円となりました。

当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1,510百万円(前年同期は3,383百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前四半期純利益の計上879百万円及び減価償却費の計上313百万円が資金増加要因となったことに加え、外国為替取引関連の資産負債が差引854百万円の資金増加要因となった一方、マネパカード事業の撤退に伴い預り金の顧客への返金を進めたため資金移動業関連の資産負債が差引381百万円の資金減少要因となったほか、法人税等の支払額210百万円の資金減少要因があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は299百万円(前年同期は193百万円の支出)となりました。これは、基幹システム(外国為替証拠金取引システム)のクラウド化に向けた開発や機能追加等による無形固定資産の取得による支出296百万円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は668百万円(前年同期は1,667百万円の支出)となりました。これは、配当金の支払額486百万円及びリース債務の返済による支出181百万円があったことによるものであります。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

(6) 主要な設備

当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。

 

(7) 経営成績に重要な影響を与える要因

当第3四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。

なお、経営成績に重要な影響を与える主要な要因である外国為替市場の変動率の当第3四半期連結累計期間における状況は、「(1) 財政状態及び経営成績の状況 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。