売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03144 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

第3四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年12月31日)におけるわが国経済は、世界的な金融引き締めに伴う影響など、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっておりますが、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されております。家具・インテリア業界におきましては、業種・業態の垣根を越えた販売競争の激化や、人手不足による人件費の高騰や原材料価格の上昇、耐久消費財の買い替えサイクル長期化等により、依然として厳しい経営環境が続いております。

 

第3四半期連結累計期間における主な経営成績は次のとおりであります。

なお、前連結会計年度に行った決算期変更に伴い、前第3四半期連結累計期間(2022年2月21日から2022年11月20日)と比較対象期間は異なりますが、増減額及び増減率を参考数値として記載しております。

 

第3四半期

連結累計期間

(百万円)

第3四半期

連結累計期間

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

売上高

631,769

663,746

31,977

5.1

営業利益

95,047

97,865

2,817

3.0

(利益率)

(15.0%)

(14.7%)

 

 

経常利益

97,564

101,268

3,704

3.8

親会社株主に帰属する四半期純利益

66,535

68,535

2,000

3.0

 

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 

第3四半期

連結累計期間

(百万円)

第3四半期

連結累計期間

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

ニトリ事業

売上高

544,712

579,571

34,859

6.4

(外部顧客への売上高)

(539,493)

(572,804)

(33,311)

(6.2)

セグメント利益

91,112

94,856

3,743

4.1

島忠事業

売上高

92,461

91,169

△1,292

△1.4

(外部顧客への売上高)

(92,275)

(90,942)

(△1,333)

(△1.4)

セグメント利益

3,494

2,600

△894

△25.6

 

 

1) ニトリ事業 

国内の営業概況といたしましては、当第3四半期連結累計期間において、売上対策として既存店の改装をはじめとした客数対策を積極的に進めてまいりました。また、より多くのお客様にご満足いただくために、一部商品の期間限定価格でのご提供やお試し価格でのご提供など各種キャンペーン施策を実施してまいりました。売上原価につきましては、円安の進行に起因する輸入コストの上昇等により増加いたしましたが、荒利改善による円安対策を継続しております。販売費及び一般管理費につきましては、物流の内製化や拠点再配置による発送配達費の削減などを行い、経費の抑制に努めてまいりました。

当第3四半期連結累計期間における販売実績といたしましては、汚れ・ひっかきに強い新素材生地「Nシールドファブリック」を使用したロータイプのリビングダイニングテーブルセット「リラックス」や、つっぱるだけで壁に穴を開けない壁面収納シリーズ「Nポルダ」、簡単に取り付け可能な壁面マグネット収納などの売上が好調に推移いたしました。また、2023年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)におきましては、「アップサイクルパーソナルカーペット」「ハイブリッドオーガニックコットン寝具シリーズ」「消臭ファブリックシリーズ」「保管付き布団洗いサービス」の4項目において受賞いたしました。この度の受賞により、2013年度より11年連続でのグッドデザイン賞受賞となりました。

新しい買い方のご提案に関する取り組みといたしましては、ニトリネットにて配信を行っている「ニトリLIVE」において、キャンプフェス「GO OUT JAMBOREE 2023」に初出展し、今季のアウトドア用品について、初めて屋外イベント会場から生配信いたしました。また配信内で収納やコーディネートを学べる講座として「みんなで学ぼう!#ニトコーデ」を定期開催し、ご好評をいただいております。「ニトリLIVE」の視聴者数は当第3四半期連結累計期間において349万人を超え、多くの方にご視聴をいただいております。引き続き、オンラインとオフラインの融合施策を推進し、お客様との継続的な関係性の構築と、買い物利便性の向上に努めてまいります。

物流施策といたしましては、川上から川下までの物流機能の全体最適の実現を目的とした物流戦略プロジェクトを推進し、DC拠点の最適配置と機能集約を進めております。また、自社車輌による国内コンテナ輸送網や、ラストワンマイルを担う自社物流網を拡大するだけでなく、中継輸送やモーダルシフト、搬入頻度の見直しや積み下ろし時間の変更なども組み合わせ、いわゆる「2024年問題」への対策も進めております。当第3四半期連結累計期間においては2023年9月に福岡DCを着工、2023年11月に名古屋DCを竣工いたしました。

海外の営業概況といたしましては、当第3四半期連結累計期間においてタイ、香港、韓国、ベトナムの4つの国・地域に相次いで初出店を果たしました。また、台湾で8店舗、中国大陸で26店舗、マレーシアで3店舗を出店し、アジア地域への出店を加速しております。「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」という企業理念のもと、今後も未出店の国・地域も含め店舗網の積極的な拡大を進めてまいります。

 

2) 島忠事業

島忠事業につきましては、経営統合後初の新規出店となる「ホームズ横浜鶴見店」を、2023年12月にオープンいたしました。同店舗は、34年間地域のお客様にご愛顧いただいた「島忠横浜店」の跡地に建築し、1階にホームセンター商品を、2階に家具およびホームファッション・日用品を展開し、自転車やペットシーツ、カジュアル衣料品など2,200点以上の島忠のプライベートブランド商品に加えて、ニトリのプライベートブランド商品や豊富なナショナルブランドまで幅広く取り揃えております。また、ドラッグ・コスメの売場も充実し、スーパーマーケットも併設するなど、「衣食住を兼ね備え、ワンストップでお買い物ができる店舗」のモデル店として、今後の新規出店に活かしてまいります。また、従業員が実際に商品を使用することで、顧客視点の意見をより良い商品の開発に反映させる取り組みも開始しております。当社グループにおける重点施策として、今後もお客様の暮らしに密着した「お、ねだん以上。」のプライベートブランド商品開発の拡大と、商品力の強化を図り、地域のお客様の快適な暮らしに貢献してまいります。

 

 

3) グループ全体

店舗の出退店の状況は次のとおりであります。

 

2023年3月31日

店舗数

出店

退店

2023年12月31日

店舗数

 

 

ニトリ(EXPRESS含む)

523

31

549

 

 

デコホーム

167

167

 

 

Nプラス

30

11

39

 

国内小計

720

50

15

755

 

 

台湾

53

60

 

 

中国大陸

67

26

92

 

 

米国

 

 

マレーシア

10

 

 

シンガポール

 

 

タイ

 

 

香港

 

 

韓国

 

 

ベトナム

 

海外小計

129

44

170

ニトリ事業

849

94

18

925

島忠事業

53

54

合計

902

95

18

979

 

当社では、お買い上げいただけるお客様の数が増え続けることが社会貢献のバロメーターになると考え、より多くのお客様に豊かな暮らしを提供すべく、日本そして世界へと店舗展開を拡大し、グローバルチェーンの整備を進めております。今後も引き続き、お客様数の増加と買い物利便性向上のため、事業領域と店舗網の拡大を進めてまいります。

 

当第3四半期連結累計期間におけるサステナビリティに関する取り組みといたしましては、気候変動への対応として、再生可能エネルギー施策を推進しており、一部ニトリ店舗にて太陽光発電の稼働を開始いたしました。太陽光パネルを設置した店舗で使用する分以上の電力を発電し、その余剰電力を当社グループの他店舗に融通する循環型の仕組みとなっており、順次、物流拠点も含めて拡大してまいります。更に、当社グループのニトリ及び島忠の約300店舗に、実質100%再生可能エネルギーによる電気自動車用充電インフラを構築し、お客様の利便性向上に加え、温室効果ガスの削減にも貢献してまいります。

資源循環の取り組みとして、販売元や状態に関わらずお持ち込みいただけるカーテン回収においては、2023年6月より、ニトリ及び島忠の全店舗において、カーテンのお持ち込みの常時受付を開始いたしました。さらに、2023年10月から12月において羽毛ふとんの回収も実施いたしました。同時期に販売を開始した「再生羽毛」使用の羽毛ふとんは、1枚あたりの再生羽毛使用量を大幅に増やし、より一層限りある資源を守る取り組みへとつながりました。また、第72回日経広告賞(主催:日本経済新聞社)において、8,000点を超える作品の中から、「環境部門 最優秀賞・環境大臣賞」に「リサイクル原材料を使用したカーペット製造」「カーテンのリサイクル回収の取り組み」のシリーズ広告が選定されました。

また、当社グループがサステナビリティの重要課題のひとつとして取り組んでいる「地域社会への貢献」の一環として、戦禍によって日本へ避難されているウクライナ避難民の方々が自立した生活を送れるよう、生活支援および就労支援を実施しております。生活支援では、株式会社ニトリと当社代表取締役会長似鳥昭雄個人の寄付を原資として、ウクライナ避難民の方々を対象に1人あたり月額8万円(20歳未満の方は月額4万円)の生活支援金を毎月支給しており、就労支援では、全国の当社グループの店舗や物流拠点への就労機会を提供しております。

当社グループは今後も、企業として持続的に発展するとともに、一気通貫のビジネスモデルを通じて環境・社会課題を解決し、より良い未来に貢献することを目指してまいります。

 

② 財政状態の状況

第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ623億55百万円増加し、1兆1,961億26百万円となりました。これは主として、建物及び構築物(純額)が282億23百万円、土地が217億83百万円、有形固定資産のその他(純額)が223億96百万円それぞれ増加した一方で、商品及び製品が121億83百万円減少したことによるものであります。

負債は、前連結会計年度末に比べ5億円減少し、3,151億74百万円となりました。これは主として、未払法人税等が142億99百万円、長期借入金が223億30百万円それぞれ減少した一方で、短期借入金が342億62百万円増加したことによるものであります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ628億55百万円増加し、8,809億52百万円となりました。これは主として、利益剰余金が518億9百万円、為替換算調整勘定が68億66百万円それぞれ増加したことによるものであります。

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(3) 研究開発活動

該当事項はありません。